旅行大好きな、新米ライター望月が、
実際に食べた「駅弁」と、実際に出かけた「小さな旅」を紹介します。
お出かけの時の参考になれば(?)幸いです。




2003年2月24日(月曜)



長野新幹線「あさま」に乗って、上田にやって来ました。



最高時速260キロで、東京から1時間半。
難所・碓氷峠もあっという間に、越えてしまいました。。




駅弁売場は1ヶ所。
改札内、東京方面乗り場の階段の下にあります。




上田駅の駅弁を販売するのは「ひしや弁当店」。
もともと小諸駅の業者でした。
今は新幹線が停車する、上田駅と佐久平駅を中心に
営業しています。上田駅オリジナルの駅弁は、
この「真田御膳」(1000円)です。




懐石風に少量ずつ、山の幸を中心に、
たくさんの味を味わうことが出来ます。
飽きがこないお弁当ですよ。




こちらは「すきやき弁当」(950円)。



信州のリンゴをたくさん食べさせた牛を使用しています。
肉をたっぷり味わいたい方は、お薦めです。


長野新幹線開業から5年半近く。
新幹線開業とともに誕生した新しい駅弁は、
しっかりと根を下ろしているように感じました。




■旅のワンポイント〜地方のローカル線を楽しむ
上田交通別所線。
上田駅にはJR長野新幹線のほか、
JRから切り離された旧信越本線の「しなの鉄道」。
そして郊外にある別所温泉へ向かう「上田交通・別所線」が
乗り入れています。今回は「別所線」に、乗り換えます。




小さい改札口。列車が到着するとお客さんでいっぱいに。
日中は、だいたい40分間隔で走っています。



別所線の電車…、どこかで見たような?と思った方は
鋭いですね。実は上田交通、東急電鉄の子会社。
かつて首都圏を走っていた電車が、ワンマン運転用に
改造され、2両編成で今も現役で頑張っています。




ワンマン運転のため、運転席は開放的になっています。
運転中、あまり邪魔にならないように注意しながら、
前方の景色を楽しむことが出来ます。
「線路は続くよ、どこまでも」といった感じでしょう。




上田駅から30分弱で、終点の別所温泉駅に到着。
木造で、昔ながらの風情のある駅舎ですね。
駅の隣には、昭和61年まで走っていた昔の車両も
展示してあります。




ここから旅館街まで、緩やかな上り坂を登っていきます。
ちょうど節分のお祭りと重なって、賑やかでした。




真田幸村・ゆかりの湯として有名な共同浴場「石湯」です。
近年、立て替えられて、きれいな建物になりました。




同じく共同浴場の「大師湯」です。
こちらは昔ながらの共同浴場で、地元の方を中心に、
いつも混みあっているようです。




国宝に指定されている安楽寺の「八角三重塔」。
雪の中、静かにたたずんでいると気持ちも安らぎますね。




「塩田平」と呼ばれる高台から上田市内を望みます。
湯めぐりと寺めぐりをしたら、甘味処へ。



信州名物「おやき」を頂いて、今宵の宿へ…。

別所温泉は「信州の鎌倉」にふさわしい、落ち着いた温泉街。
1度訪れたら、きっとまた来たくなるに違いありません。



2003年2月13日(木曜)



おなじみの赤レンガ駅舎、JR東京駅です。
東京駅は大正3年、日本初の建築家・辰野金吾の設計で
建てられました。出来た当時は3階建てでしたが、戦災で
焼けてしまったため、2階建てに作り直され、現在にいたります。




こちらは、丸の内南口・改札の脇にあるプレート。
「平民宰相」と呼ばれた原敬(はら・たかし)総理が暗殺
された現場です。その頃、東京駅には丸の内口しか
ありませんでした。しかも、北口は出口専用、南口は
入口専用、そして中央口は、皇室専用となっていたん
ですね。ですから、列車に乗ろうとしたとき、
「南口で」暴漢にあったというわけなんです。




東京駅にはJR東日本と、東海道新幹線のJR東海が
乗り入れています。ですから弁当業者も、旧・日本食堂が
分割された東日本系の「NRE」と、東海系の
「ジェイアール東海パッセンジャーズ」の2つがあります。
今回は「NRE」のお弁当を取り上げます。




左は、東京駅名物の「深川めし」(830円)。
右は、お子様に人気の「チキン弁当」(780円)です。




「深川めし」は、下町の伝統料理として、今も息づいていますね。
アナゴと、ハゼの甘露煮に味わいがあります。
東京駅の中では、いい方のお弁当ですね。




「チキン弁当」は、私が東京駅で初めて食べた駅弁です。
昭和63年ごろ、東海道線・静岡行の車内で食べたと
記憶しています。そして、東京駅で一番の売上げを
誇るお弁当といいますと…。







お弁当の定番!「幕の内弁当」(1000円)ですね。
なお早朝限定で幕の内弁当の朝バージョン、
「朝まく」もあります。別にハンバーガーじゃありません。
量少なめの「幕の内弁当」なんです。




最近、復刻販売されている「土瓶」タイプのお茶(350円)です。
お湯を入れずに「お土産」として持ち帰ることも可能です。
ちなみに「お湯を入れてください」と頼むと…、




ちゃんと入れてくれますよ。

よく東京駅の駅弁は、「個性がない」と言われますが、
それも1つの個性。旅の「主役」ではなく「脇役」に徹し
きるお弁当と解釈しておきましょう。


■旅のワンポイント〜話題の(!?)JR東日本の「新幹線」
去年12月に、東北新幹線が八戸まで開業。
新たに「はやて」号が走り始めました。
東北・上越新幹線も早いもので開業20年を経過。
でも「たくさん列車の名前があってよく分からない」といった方も、
少なくないですね。
そこで、きょうは路線別にちょっと整理してみましょう。

基本的にJR東日本の新幹線は、行先別の愛称がついています。
○東北新幹線
八戸行…「はやて」盛岡・仙台行…
「やまびこ」那須塩原・郡山行…「なすの」
○秋田新幹線:秋田行…「こまち」
○山形新幹線:山形・新庄行…「つばさ」
○上越新幹線:新潟行…「とき」高崎・越後湯沢行…「たにがわ」
○長野新幹線:長野・軽井沢行…「あさま」

続いては、画像で整理してみます。



こちらが20年前の開業から活躍する「200系」。
「やまびこ」「なすの」「とき」「たにがわ」などに使用されます。
最近は、リニューアルされた車両もあります。




同じ200系に、2階建車両を組込んでモデルチェンジ
したのがこちら。主に「やまびこ」「なすの」に使われます。



新幹線を通勤・通学に使うケースも多くなりました。
通勤用の輸送力列車として開発されたのが、
オール2階建ての新幹線、「MAX」です。
特に自由席の2階部分は、3-3の6席が並んで着席率を高めます。
画像は新しいタイプの「MAX」、「E4系」です。
「やまびこ」「なすの」「たにがわ」などでお目にかかれます。




山形新幹線「つばさ」に使われる「400系」です。
山形新幹線は、在来線を新幹線の列車が走ることが
出来るように、改良した路線のため、「ミニ新幹線」と
呼ばれます。このため、車両の大きさは在来線の
列車と同じくらいのサイズです。




同様、ミニ新幹線の秋田新幹線「こまち」に使われる「E3系」。
秋田まで4時間弱で結びます。
開業当時、航空機の比較広告が話題を呼んだものです。




そして、現在の東日本のエースと言ってもいいのが、
この「E2系」。主に東北新幹線「はやて」と長野新幹線
「あさま」に使われています。比較的、落ち着いたスタイルで、
個人的に、東日本の新幹線では一番お気に入りの車両ですね。

実は今回、ジンバブエディレクターと「E2系」で運行される
長野新幹線「あさま」に乗り込んで、
2003年初の「泉質にこだわる温泉の旅」を決行。
長野・別所温泉に行ってきました。
そこで次回の「駅弁膝栗毛」は、長野新幹線・上田駅の
駅弁をご紹介します。

なお、詳しい旅の模様は、ジンバブエディレクターが、
2月号の番組メールマガジンでお伝えする予定です。
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2003年2月8日(土曜)

立春は過ぎましたが、寒い日が続きます。
そんなわけで一足お先に、「春」を求めて、南伊豆へ足を伸ばしました。
今回の「駅弁膝栗毛」、伊豆急行線・伊豆急下田駅を取り上げます。




伊豆急行線は、伊東と伊豆急下田を結ぶ45.7キロの路線。
(伊東駅は去年「8月」にご紹介しました)
私鉄ですが、多くの列車はJR伊東線と直通運転を行っておりまして、
特急「踊り子」号が、東京から乗り入れてきます。




「踊り子」号で東京方面へ帰るお客さんが、駅弁を求めていきます。
弁当を販売する「伊豆急物産・レストランぷるみえ」の売場は、
改札の外と中に1ヶ所ずつです。




改札の外にある売場は、お薦めの駅弁がパネルになっています。
この2つのほか、海の幸たっぷりのお弁当が10種類ほどあります。



今回は「さざえめし」(1050円)と、「地のりおにぎり」(700円)を
購入してみました。




こちらが、名物「さざえめし」。
サザエのつぼ焼きが、貝がらごと、ドッカーンと丸ごと入って
いるのが印象的です。ご飯も、だしがきいていて美味しいですよ。



「地のりおにぎり」は、比較的軽めのお弁当。
旅館の食事でお腹いっぱいになった方には、
ちょうどいいくらいかも…。


伊豆急下田駅の駅弁は、「海に近い」地域の特性を活かした、
いいお弁当が多く感じました。
どれも、磯の香りが漂ってきそうですよ。




■旅のワンポイント〜「スーパービュー踊り子」号で行く南伊豆

伊豆方面への定番列車といえば、特急「踊り子」号ですね。
この「踊り子」号の一部は、全車指定席の「スーパービュー踊り子」号として、
グレードアップされた車両で運行されています。



こちらが「スーパービュー踊り子」号。1日3往復運転されています。
(定期列車。土曜日・休日には増発されます)
<伊豆急下田行>
池袋9:27発、東京13:00発、東京15:30発
<東京行>
下田9:55発、下田12:27発、下田16:00発(池袋行)

「スーパービュー踊り子」号は、「乗ったときから伊豆」を
テーマに作られたこともあって、普通車でもいろいろ
バリエーションがあります。




こちらが目玉の前面展望。下田方面はグリーン料金が必要ですが、
東京方面なら普通の特急料金でOK。
オフシーズンの上り列車なら、意外とラクに取れるかも…。
(私は3回乗車して、2回ココに当たりました。)




標準的な座席。座面がスライドします。
車内は間接照明で、やわらかい明るさです。




こちらは、ボックス型の座席。
通路側は、透明なパーティションで区切られているので、
半個室のような雰囲気です。
(4人まとめて指定を取ると、ココになるとか!?)
※なお現在「スーパービュー踊り子」号は、リニューアル
工事が進行中。工事終了後は、リクライニングシートになる模様です。




10号車の1階にある「こども室」です。全面がクッションで覆われ、
小さなお子さんでも、安心して遊ぶことが出来そうですね。

それでは「スーパービュー踊り子」号からの“スーパービュー”を
ご覧頂きましょう。




東海道線に別れを告げ、伊東線に入って最初に現れる海の景色。
JR伊豆多賀駅の手前です。
海上に浮かぶ小さな島は、熱海市の「初島」です。



伊豆急行線・伊豆熱川駅のホームから。
これぞ温泉場という雰囲気ですね。




片瀬白田駅〜伊豆稲取駅まで、電車は、最も海に近い
ところを走ります。伊豆急行線のクライマックスはココと
言っても過言ではありません。
このように天気がいい日には、「伊豆大島」が望めます。
(片瀬白田駅で行違いをする上り列車なら、ココを徐行運転
してくれることも…)東京から伊豆急下田までの2時間40分。
「スーパービュー踊り子」なら快適さにちょっとした「プラス・α」が
ありそうです。

■南伊豆方面にオトクなきっぷ

1.「踊り子南伊豆フリーきっぷ」
東京からでは「スーパービュー踊り子」号で、下田往復をすれば
元が取れます。あとはバスを有効に使っていきましょう。

http://www.izukyu.co.jp/reasonable-ticket/odoriko-minami.htm

2.「伊豆東海岸フリーきっぷ」
東京からのリーズナブルな活用法としては、
小田急線で小田原まで行き(850円)、小田原駅でこのきっぷを購入。
これで東京〜下田間の往復が、6000円ちょっとになります。
http://www.izukyu.co.jp/reasonable-ticket/izu-higasi.htm

南伊豆は、梅の花があちこちで開き始めていました。
暦の上では、もう「春」。
「春」をさがしに、伊豆へ出かけてみてはいかがでしょうか。