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環境雑感 その3   10月の新聞から 

 

目次

1.有毒抗菌食器に回収命令

2.名古屋の東芝工場の地下水からトリクロロエチレン

3.コーヒー豆の炭化材をリチウム蓄電池に応用 − ソニー

 


 













「基準超す化学物質、抗菌剤入り子供用食器に」

日本経済新聞 97年10月4日朝刊

 大阪の食器製造会社「オーエスケー」が製造したスヌーピーなどの絵柄が付いたプラスチック製(ポリカーボネート)の抗菌入りの食器から、基準値を超えた「ビスフェノールA」(エポキシ樹脂などの接着剤の主成分)が検出され、大阪市環境保健局は回収を勧告した。




C先生:我々の抗菌反対キャンペーンのターゲットにうってつけの話題がまた出てきた。まったく、何を考えて抗菌商品を作っているのだろうか。

 

A君:そんなに喜ばないで下さいよ。

 

C先生:喜んでなんかいないよ。今回の食器でも抗菌剤を含まない「ポリカーボネート」製のものには、基準値を超えるビスフェノールAは含まれていない。なぜこうなるのか説明をしてくれ。

 

A君:抗菌剤もいろいろと種類があるので、本当のところは分かりません。しかし、有機系の抗菌剤を使用する場合には、プラスチックに混ぜなければ駄目ですよね。そこで、溶剤に溶かしてプラスチックの原料に混ぜた。ところがそのために、樹脂になるために必要な重合反応が十分に進まなかった。といったことが考えられますが。

 

C先生:まあ有りそうな話だ。そんなところなのだろう。しかし、食器に抗菌という発想を持ちこむことが、全く信じられないのだ。抗菌効果があるということは、抗菌用の殺菌剤も表面から少しずつ溶け出している。これを子供に食べさせることが良いとは思えない。雑菌を食べておなかを壊すことと、雑菌を皆殺しにして抗菌剤も食べることとで、後者が良いと思っている若い母親がいると言うことだろうね。まあ、何が本当に健康ということなのか、もう一度考え直して欲しい。アレルギー体質の子供をわざわざ作っているようなものだと思うね。

 ところで、諸君達の子供にはプラスチックの食器を使わせているのかい。

 

B君:もう多少年が大きいので、今は陶器ですが、当時は確かに使っていたかも知れません。でも考えてみると、昔からフェノール系プラスチックからフェノールが検出されたといっては騒いでみたり、尿素樹脂からホルマリンが出てみたり、色々と問題が有りましたね。

 

A君:そういえば、以前に先生のところで、着色されたプラスチックの成分を調べていたら、黄色いものからはなんと硫化カドミウムが検出されたということが有りましたね。

 

C先生:子供用というと、かわいい模様の付いたプラスチック製食器という考えになりがちなのは、何故なのだろうか。諸君の奥さん連中はどう考えているのか。

 

A君:まあ、うちの奥方の発想法を分析して考えれば、手軽だ、どこでも売っている、かわいい、割れない、日替わりで模様を変えられる、などの理由ではないでしょうか。

 

C先生:まあ、プラスチックの食器を否定する訳ではないが、陶器製のもので駄目な理由は特に無いと思うね。値段もそれほど高くはない。割れるのが問題だとは思えない。もし割れたとしても、外傷が多少心配なだけで、外傷は直る。もしも割れるのが嫌なら、コレール(商品名コーニング社製)などいった強化磁器もあることだし。ちゃんと洗って使えば、抗菌処理などは全く不要。プラスチックはカビが生えるが、陶磁器には生えないし。まあ、多少のかわいさなどを気にしないで、おばあちゃんの時代からやっていることに戻れば環境適合型だよ。陶器と熱湯消毒。

 

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名古屋の東芝工場の地下水からトリクロロエチレン

  −− 基準値の800倍

1997年10月4日 土曜日 各紙

 東芝愛知工場名古屋分工場の敷地内地下水から、環境基準のトリクロロエチレンが検出された。同工場では、1963年から83年に掛けて、メッキ工程などで計10万2千リットルのトリクロロエチレンを使用していた。




C先生:環境問題というのは、以前のつけが回ってくるという見本みたいなものだ。トリクロロエチレンが規制の対象になる以前の問題が出てきてしまったようだ。

 

A君:トリクロロエチレンをメッキ工程にということですが、恐らく、メッキ前の洗浄工程だと思うのですが、それこそ便利な洗浄剤だったですから以前は大量に使ってましたね。直接的に人体に影響があるとは思われていなかったところもあって。しかし、10万2千リットルものトリクロロエチレンをすべて敷地内に捨てたとは思えないのですが。

 

B君:都心部で地下水を使っているところの話しだと、ある特定の井戸から、どうしてもトリクロロエチレンが検出されると言う話しがある。隣の井戸からは検出されないのだそうだ。だから、そんなに大量ではなくても、ある場所にドラム缶1本程度でも捨てたものが徐々に出ているのかもしれない。洗濯屋さんがドライクリーニングに使うのもトリクロロエチレンのような塩素系の溶剤だし。

 

C先生:トリクロロエチレンも、光が無いところでは、分解されにくい物質だし、地中に残っているものが全部出てくるのは大変な時間が掛かる。そこで、処理をすることになるのだろうか、これがまたまた大変。地下に空気を吹き込んだり、あるいは分解する能力のある菌を使ったり。水などの処理と違って、大変に手間がかかる。だから、液体などを気軽にそのあたりの地面に捨てるのは、将来を考えると経済的にも良くない結果になる。各社ともかなりそのことに気づいているから、そんなことは今後起きないだろうが。

 

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コーヒー豆の炭化材をリチウム蓄電池に応用 − ソニー

日本経済新聞 1997年10月4日 朝刊

 

 リチウム二次電池の電極材料に、抽出済みのコーヒーを焼いて作った炭素材をつかったところ、単位体積あたり蓄積できる電力エネルギー20%大きくなった。廃棄物利用法としても有効。




C先生:たまには、明るい話題も探してみないと。

 

A君:リチウム電池は、将来、電気自動車などにも使えるように、低コスト化、高性能化が求められています。現在、高価なコバルトを使ったリチウム電池が主力ですが、徐々にマンガンを使ったものも大出力用に出てくるでしょう。

 

B君:でも抽出済みのコーヒーなどをなんで試したのだろうか。ソニーの研究陣はときどき変なことをやりますが。

 

C先生:炭素源はなんでも良いはずだから。それこそ、遊びでやったのだろう。発泡ポリスチレンを溶かすオレンジの皮の成分を研究したのもソニーだったし。まあ、遊び心は、新規発明の母だから良いのでは。

 

A君:それにしても何で性能が上がったのだろうか。 新聞では、微量金属量が適量になったと言っているが、コーヒーにはそんなに金属類が含まれているという訳でもないのでは。

 

C先生:全くの想像だけれど、抽出後の豆の方が、細かい孔がいっぱいある炭素になったのではないだろうか。その原因が微量金属の影響ということなら考えられる。特に、シリカ分の影響などならば無いことはないだろうし。

 

A君:キリマンジャロとブラジルではどちらが良い炭素ができたのだろうか。

 

B君:でもこの記事変ですよね。別に中身がどうこうではないのですが、なぜコーヒーメーカーの写真が付いているのでしょうかね。電池とは直接関係ないと思うけど。まあ、冗談の一種だと思いますがね。

 

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