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         21世紀環境予測と解決法

「こんな感じの本を書いております。 出版社がまだ決まりません。 出してくれそうな出版社をご紹介下さい。」 と言っておりましたが、お蔭様で、丸善から出そうな様子になって来ました。いつになるやら。


問答:21世紀環境予測

C先生:このまま人間活動を続けていくと、環境問題がどんな状態になるのだろうか、この予測からしてみようか。 どのような要素を考えるかと言うと、一応、地域環境問題から始めて、最終的には、資源やエネルギーの供給、さらには、食糧の供給までを視野に入れる。これは、前章で決めたように、この問答の最終目的が「人類の健全な持続」である以上、避けることができないからだ。 B君に聞きたいが、人類が生存するという条件は何だろう。

B君:そんなのは決まってます。まず、食糧、水、空気、それに温度ぐらいでしょう。別にテレビなどは無くても生きられますからね。まあ、一人で生きるということが困難だという人いるから、社会を第5の要素として加えるぐらいですかね。

C先生:議論を単純化するのはなかなか上手い。しかし、それぞれの質についてはどうだ。さらに、B君の条件では、個体の生存の条件は出てきたが、種としての人類の生存についてはまだ不足してはないのか。

B君:まあ、急性中毒で個体が死んでしまうような毒物を環境から採取するような状態は、少なくとも日本では今後余り起きそうもない。史上最強の毒物だとされているダイオキシン問題にしても、急性毒性があるから問題だという意識ではないだろうから。もしもダイオキシンが本当に史上最強の毒物であれば、ベトナムで急性中毒死者が出たはずだし。種としての人類の生存に関わりそうなこととしては、内分泌撹乱物質などを含めた健康被害とさらに、やや先走りではあるけれど、遺伝子レベルの損傷がでないようにすることは、考えに入れるべきだろう。

C先生:どうもB君は表現が過激だ。しかし、正しい認識ではあるようだ。

A君:B君の第4の要素ですが、温度といっても分からないのじゃないですか。要するに哺乳類としての人類がいかにして体温を維持するかという問題ですよね。言い換えれば、衣服、住居などがどの程度必要かということで、そのためには、物資やエネルギーが必要となる。必要となる資源量は、まさに、住んでいる地域の平均気温が関係していて、熱帯地方であれば、実質上何もなくても生きては行けるが、寒帯では、相当しっかりとした衣服、住居と、場合によっては暖房のためのエネルギーが必要である。ということですよね。 だから、人類の健全なる持続のためには、地球から資源をある程度採取することが必要で、エネルギー供給不足になれば、それは、人類の生存に危機が来ることになる。

C先生:大体そんなところで良いだろうかね。 加えて全部に影響するのが、地球温暖化・オゾン層破壊といった全地球レベルの環境問題だから、それを加えようか。 どのような事態がいつ来るか、これを正確に予測することは、現実問題としてほとんど無理なのだが、まあ敢えてそれを行って見よう。その結果が、次のような21世紀環境危機予測だ。



21世紀環境危機予測:

2005年 地球温暖化の一つの原因とされている二酸化炭素の放出規制は、結局国際的な取り決めが無効のままとなる。

2005年 日本国内において、廃棄物の最終処分地不足が顕在化。

2005年 ごみ焼却制限された。完全分別した単品の焼却のみ許可。

2010年 世界的な食糧供給危機が到来。温暖化のためではなく、むしろ、米国、中国、ロシア、オーストラリアが同時に低温になったため。異常気象かもしれない。

2010年 紫外線は確実に強くなっている。皮膚ガンなどの影響が白人種を中心に見えている。

2010年 ダイオキシンなどの化学物質によるものと見られる遺伝子異常が多発。

2020年 原油価格が急騰する。エネルギー危機再来。しかし、第一次石油ショックほどではないが、着実にエネルギーの価格が上昇。

2020年 海外出張が大幅に制限された。一つは、エネルギー価格が上昇したため。もう一つは、日本産業界の活力が大幅に低下したため。

2020年 企業の生産活動中止に伴う、昔の公害型環境問題が増加。倒産した企業からの残留物質の処理ができないため。

2020年 米国、月面基地の建設を開始。太陽発電衛星を打ち上げて、将来のエネルギーを確保する戦略。

2025年 エネルギー源を石炭に依存し始めたために、酸性化が進む。同時に、バナジウム、マンガンなどの排出量が増加している。

2030年 先端電子機器による土壌汚染が問題に。ガリウム砒素やその製造装置からでる廃棄物などの不適切な処置が問題。

2030年 リンの価格が高騰した。化学肥料としてのリン酸肥料は実質上製造中止に。

2030年 やっとのことで鉛が完全回収以外は使用禁止に。鉛に付随して産出する金属が不足。水銀もやっと完全回収義務化。

2040年 人口の増加はやはり止まらない。

2050年 原油の生産量は、最盛期であった2030年の半分に減った。その減少量は、やはり原子力に依存せざるを得ない。

2050年 太陽発電衛星がいよいよ軌道を周回し始めた。宇宙居住人口が4000人になった。しかし、宇宙線の影響が心配。

2050年 地球温暖化が目に見えるようになってきた。海水面も50cm程度上昇したようだ。モルジブなどの島国では被害が出ている。

2050年 世界人口が100億人になりそうだ。 こんな感じだけれど、さてどう思う?


A君:これはどのぐらい確実だと思っているのですか。

C先生:まあ、当たるわけもない予測さ。所詮人間、未来が見える人などいないからね。

B君:それでは、なんで予測などをやるのですか。当たらないなら意味がないじゃないですか。

C先生:そうも言える。しかし、現代人に環境問題を認識させるには、このような未来予測が不可欠なのだ。なぜならば、環境問題の解決には、調停問題としての認識が不可欠であって。。。なんだか難しすぎるかな。 要するに、環境問題には完璧な解決法などは無いから、どこで妥協するのが良いかを探ることしかできないのだ。そして、考えなければならない重大な問題が、世代間調停という問題、すなわち、現代に生きている人類の利益と、現在存在していないが50年後にはその場所に存在するであろう人類、要するに子孫達の利益とをどのように妥協をさせるか、これが問題であって、そのためには、将来世代がどのような困難を経験するであろうか、について若干荒っぽいものでも良いから予測しておくことが絶対に必要なのだ。 本日はここまでにするから、明日までに、この予測をサポートあるいは反対できるようなデータをなるべく多数用意して持ってくるように。別に読んでこいとは言わないから。

翌日

A君:なるべくいっぱい本をもって来ました。データ集が多くて重かった。

B君:なにも持ってこなかった。

C先生:B君には秘策があるみたいだな。

B君:別に秘策もないですが、先生の部屋には当然ながらインターネットに接続されたパソコンが有りますよね。あれで十分です。だから、情報のありかを示すURLのリストだけ持ってきました。もっとも、これだって、Yahooとかで調べれただけですから、ここで全部出せば良かったんですがね。

C先生:まあ、全部が全部インターネットという訳にも行かないが、まあ、相当な部分は、インターネットから情報を取ることができる。しかも、本とは違ってデータが新しいのが最大の美点だ。だからといって、本が不必要という訳では無いのだ。私は、CD−ROMを何枚か用意した。3者3様でおもしろいじゃないか。



といった調子の原稿で、新書で200ページ程度のものです。