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誰が「落ち葉焚き」の楽しみを奪った犯人か   12.29.98
  






 朝日新聞12月29日朝刊によれば、最近河川敷の雑草を刈った後の処理に困っているとのこと。以前は、そこで燃やしていたのだが、最近の風潮では、「焚き火はダイオキシン」というステレオタイプの反応をする住民が多くて、河川敷であっても燃やすことができないらしい。
 振り返って見れば、焚き火というものの楽しみはかなかなのものだった。落ち葉を集めて、そこで、焼き芋を作って、今と違うからアルミフォイルなども無いから、直接灰だらけの黒焦げになった芋をほおばる美味しさ。 こんな経験をできなくなった子供達が、かなり必然的帰結として、アトピー、O−157などの都会病で苦しむことになる。
 いったい「落ち葉焚き」の楽しみを奪った犯人は誰なのか。



C先生:諸君達の年頃だと、まだ焚き火で焼いた「焼き芋」の経験者だろうね。

B君:勿論。ダイオキシン問題が騒がれるまでは、ちゃんと「どんと焼き」もやっていたじゃないですか。

A君:ダイオキシン騒ぎで、まあ他のことは許すとしても、この「焚き火禁止令」だけは許す訳にはいかない。焚き火を上手く燃やすという体験は、火の様子を観察して微妙に相反する空気と熱とのバランスを取らなければならない、というまさに技術を取得することで、場合によっては、バランス良く環境を眺める技術を取得することに通じる。

C先生:なんだか、関係無いようにも思うが。まあ良い。いずれにしも、この問題に関しては、3者同意見のようだね。それでは、まずこのような状態になった犯人を追及することを第一に、次に、誰にどのような説得を行うことによって、このような馬鹿げた事態が元に戻るかを考えよう。

A君:私の見解では、犯人はマスコミです。ダイオキシンというキーワードを使うと記事の時価(特に価値とは言わない)が上がるから、なんでもダイオキシンで騒ぐ。そのとき、参考人として登場するのが、いつでも宮田先生。ときには、脇本先生。このような構造を変えないと、いつまでたっても事態は悪くなるばかり。 となれば、説得をする相手はマスコミということになる。

B君:うーん。やはり環境というものがどのように変化してきたか、すなわち、環境の大局観を見失って、現時点における自分と自分の子供の安全性だけを考えている市民、というよりは住民だな、犯人は。 となると解決法は、マスコミに依存することになる。これはA君と同じで、マスコミを説得することになってしまう。

A君:「市民」と「住民」とをどのように使い分けたのか、その心は?

B君:こんなことに説明を要するのかよ。説明したくない。

C先生:まあ良いだろう。それ以外に犯人は一杯いるように思えるがどうだい。

A君:産業界はダイオキシンで迷惑をしている方が多いですが、例外が環境処理機器産業。ダイオキシンで一儲けは間違い無いから。このあたりは結果であって、犯人ではないと思いますが。

B君:いや多少甘い。やはり、その業界の代弁をする人がどっかに存在している。それが行政と繋がっているという構図は常に見逃してはいけない。

C先生:地方自治体はどうだい。

A君:それも本来ならば被害者側だと思いますが、B君的解釈をすれば、なんとも言えない。

B君:まあ、地方自治体というよりは、日本全体の都市化の傾向。これそのものが犯人であるという言い方はできるだろうが、あえて自分は、ある個人の責任だと考えたいので、そのような文明批判的発想は拒否する。

C先生:学界関係者も共犯かもしれないね。大学、あるいは官庁関係の環境関係の研究者が、「焚き火復活すべし」を唱えないからね。
 まあ、この話は、多分こんなまとめで良いのだろう。まず、焚き火でダイオキシンが出ているのは事実だろう。なぜならば、塩素を含んだ有機物を高温にしているのだから。ただし、触媒などになるといわれている銅といった金属類はほとんど無いから、量的には知れているかもしれない。
 ダイオキシンを極微量でも出しているのならば、即禁止に決まっているというのが、現在のマスコミおよび住民運動の風潮だが、そのような結論の出し方は間違っている。もっと大局的な見地から、ものごとを判断する必要がある。
 2点挙げたい。
 その1:まず、たばこを吸っている人がダイオキシン中毒で死んだ例があるかを冷静に考えるべし。たばこを燃やすのと、枯葉を燃やすのは、現象的にはほとんど同じだ。両方とも微量ながらダイオキシンを出している。たばこの煙は、わざわざ好んで吸っている人がいて、その摂取量は相当なものだ。具体的なダイオキシン量については、以前にこのWebページでも述べたので、今回はパス。たばこが有害なのは当然。それはそれとして、枯葉の煙を少々吸ったぐらいでは、人間は何も起きないように、大丈夫なようにできていると考えるべし。なぜならば、焚き火の歴史は、恐らく数10万年あるからだ。
 その2:子供の頃に落ち葉焚きを日常的に行っていた現在の高齢者は、順調に寿命を伸ばして、日本はとうとう世界の長寿命国になっている。ただし、その食生活が貧しかったこと(植物性が主だったということ、高脂肪食を摂るのは希だったということ)が、長寿命化の真の原因かもしれないが、最低限、落ち葉焚きぐらいで不健康になったり、寿命が短くなることは無いことを証明している。
 と言うことで、なんでもごちゃまぜで燃やすゴミ焼却と、焚き火とを同一化するのは大反対。どんと焼きのような日本の伝統を守ろう。

A君:焚き火復活賛成! 

B君:焚き火で作った本当の焼き芋を食べたい!

E秘書(突然登場して):どんとで焼いた餅も良いものですよ。