うどん汁問答

 これは、杉並区の主婦の方、山田典子様からいただいたご質問です。問答風に回答を作ってみました。

「台所から流される排水が河川の汚染に最大の原因であると知って、排水には特に気を配って来ました。そこで余ったうどん汁をこれまでは、ビニール袋に入れて生ごみとして捨てていましたが、テレビのニュースで、生ごみの水分は焼却炉の温度を下げて、ダイオキシンの発生しやすくなると聴きました。どのように捨てれば良いのでしょうか。」


C先生:一見なんの変哲もないこの話も、実はそれほど簡単ではない。なぜならば、その地域における下水道の能力や、焼却炉の性能などが影響するからだ。だから、本来は、住んでいる地域の地方自治体に問い合わせるのが正しいと思う。

B君:とはいっても、このような質問に本当に対応してくれる地方自治体がないようにも思えますね。東京との場合でも、それぞれの責任は、下水は下水道局とゴミは清掃局と違うから。

A君:だけど、回答をなんとかしなくては。 まず、東京都のような下水道が完備していて、生ゴミ関係は焼却されているという条件の場所ではどうかということですがね。やはり、うどん汁を可燃ゴミに入れるのは焼却炉がかわいそう。温度が下がるし、その分、助燃剤の油が必要になるし、ダイオキシンの発生にも適した条件になりそう。
 さて、どうしたらよいかですが、あまり根拠は無いので直感を交えていきますが、まず、簡単に水で薄まるタイプの液体、うどん汁がその例ですが、残ったうどんや具などの中身は生ゴミとして集めて、液体は下水へが正しいのでは。下水道は直接河川にはいかないで処理されてから、かなりきれいになって海あるいは川に出ますから。味噌汁などもそれで良いと思いますね。 これに対して、油類は、新聞紙やティッシュなどに吸わせて、牛乳パックにでも詰めて可燃ゴミというのがそれほど間違っていないのでは。理由は油類は下水処理に対する負荷が大きいから。
 中間的なもの、例えば、スパゲティートマトソースを作った後のフライパンなどは、どうなのでしょうかね。どう処理しても余り良くないような気がしますね。まあどちらかと言えば、強力な洗剤で水に溶ける液体になると考えて処理することがよいと思います。僕は塩分をなるべく焼却炉に入れない方を選択したほうがと思ってますので。

B君:うどん汁の処理は賛成。油だけれど、消費者の目から見れば、新聞紙はリサイクル、牛乳パックもリサイクルだよね。これを無駄にするというのはどうなのかという質問が来るようにも思うけど。トマトソースは「強力な洗剤」というところに反論が来るかもしれない。

C先生:まあ、人間活動というのは、どこかで資源を無駄に使わざるを得ないのだから、全量リサイクルという訳にはいかないし、古紙などが余るときには燃やす方法も一概に悪いとは言えない。油処理に使われるぐらいの量であれば許容範囲内なのでは。牛乳パックの良質な紙繊維がもったいないという人もいるだろうが、これもまずまず許容範囲内なのでは。
 少々環境派的発言ではなくなるが、下水に流すのは、流したものが本当に最後まで流れて、下水処理されればまあ余り大きな問題はないだろうが、下水管、特にマンションなどの下水管に詰まる可能性があるものは、なるべく流さない方が良いと思う。トマトソースの場合、塩分が気にはなるが、ざっと油分と固形分は拭いて可燃ゴミへ、そして、残りを洗剤で洗うのが良いのではないか。

B君:強力洗剤の話ですが、そういえば、「石鹸か洗剤か」という論争が昔は有りましたよね。たしかに、石鹸のほうが河川に流れ込んだときには微生物によって分解されやすい。しかし、下水道に流すことが前提であればその利点が余りなくて、逆に石鹸かすなどによって、下水道までのパイプが汚れやすいという欠点がでてくる。このパイプの問題は環境問題ではないから、環境だけを考えれば石鹸が良いと言う人もいるのだろうけれど、それでパイプを修理するはめに陥ると、これは新しい資源・エネルギーを使うし、間接的に環境問題を起こすかもしれない。一概に石鹸が良いとは言えなくなる。

A君:我々が考えてもどれが最適な答えなのか、良く分かりませんから、主婦の方々が正解が分かるとは思えないですね。

C先生:100点満点の答えは無くて、どれも70点から80点というのがゴミ処理の点数の現状だから。しかも、その地域の処理システムにもよるからね。
 でも100点に近い方法はあって、ゴミを出さないこと。すなわち、食べ残さないこと。これが一番ということは間違いない。でもうどん汁を全部飲むと、その塩分は高血圧に影響があるしね。
 食べ物を作り過ぎないことこれは100点。また、冷蔵庫の中に長期間眠らせておいて、結局使わないで捨てる野菜なども多いということが、京都大学の高月先生の調査では分かっているから、買い過ぎないことが最も重要。昔みたいに毎日買い物にいくことができれば、そうできるのだろうが、兼業主婦の人々には難しいだろうし。
 だからといって、東京都内のようなところで「生ゴミをコンポスト」にということも難しい。現在売られているコンポスト化の商品もどれもまだ完成品とは言えないし、電気代もかかるし、臭いも出る。細菌利用をうまくやって全く臭わない方法なども色々と主張はされているが、専門家の意見が一致しているという訳でもない。

A君:処理施設が完備していないところだとどうなのでしょうね。

C先生:これはその地域の自治体に、今回のような質問をだして、回答も貰うのが一番だろう。場所によって実情が違うはずだから。 どうもすっきりした答えが出せないてねえ。でもこんなものなのですよ、環境問題は。こちらを立てればあちらが立たず、いわゆる「すべてトレードオフ問題」なので。その中でなにがもっとも「まし」な方法かを考える必要が有る。だから、総合的にものを見ることが必要になる。勉強が必要になる。

 ということで、本汁は、ではなくて、本日は終了。