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冬のプリウスは、寒い!?!?! 01.29.99






 ハイブリッドカー、プリウス報告第3弾です。冬も実は燃費が悪いです。それは2つの理由によります。まず、ウォームアップのためにエンジンがかなり長時間回ること。さらに、ヒーターを入れておくと、本来ならエンジンが停止しているはずの車が止まっているときにも、室内の温度が下がるとエンジンが回るため。それが嫌なら、ヒーターを切っておくと良いのですが、さすがにそうすると寒い。エコカーを本当にエコ的に走らせると、冬は寒いのでしょう。私は、軟弱にもヒーターを入れています。


C先生:今日は、久しぶりにプリウス報告だ。秋は快調だった。燃費も都内なら14〜15km/リットル、そして、郊外だと20km/リットルといったところで、実にご立派。燃費の割には走りも結構快適だった。静かだからストレスも少ないし。
 ところが、寒くなってきて、いささか問題点が出始めた。一つは、雨の日にはガラスが曇ること。外気導入にしておいてもダメで、曇りが取れない。エアコンを入れてもダメだが、プリウスにはもう一つスイッチがあって、それはエアコン・フル。このスイッチを押すと、停止状態では通常止まっているエンジンがアイドリングをするようになる。要するにエアコンを駆動するために、エンジンが”常時”回るようになる。御存知のように、停車中はエンジンが止まっているプリウスだが、アイドリングに関しては、普通の車になってしまう訳だ。当然燃費には跳ねかえる。大体都内で12km/リットル程度に低下する。

A君:夏の報告では、常時エアコンが回る状態だと、10km/リットルを切るということでは無かったですか。

C先生:いや、あれは、時速10〜15kmの状態になるとそうなるということ。順調に走れば、10km/リットルを切ることは無い。夏のほうが当然ながら、エアコンが一所懸命回るから燃費は悪い。曇り止めは除湿だけだから。

B君:それにしても、自動車というのは、アイドリング時には単にガソリンの無駄をしているのかと思ってましたが、ヒーターとか防曇とかの能力を確保するためにアイドリングが利いているのでしょうかね。

C先生:多分ね。しかし、本当のところ、アイドリングは不要。ハイブリッドのようにもともとガソリン消費が少なくて、発熱量も少ない車の場合には、なんらかの蓄熱をすべきなのだろう。ただ、蓄熱装置わざわざ搭載するのか、それともエンジンを回すのか、これは難しいところだ。カーエアコンでは、暖房をヒートポンプでやるという発想はまだ無いだろうが、ハイブリッドだとそれを考慮すべきなのかもしれない。本当のところは良く分からないが。

A君:エアコンやヒーターの話は大体分かったのですが、自分としては、まだなぜプリウスが燃費が良いのか分からないのですが。

B君:この間若干考えてみたのだけれど、もしも、理想的な物理現象だけを考えると、ある物体を速度vに加速する時に必要なエネルギーは、実は、どのように急加速しても、ゆっくり加速しても同じで、単に速度vだけに依存する。だから、急加速すると燃費が悪くなるという車の一般常識とは異なるのが物理学的解釈であることが分かりました。なぜなんでしょうか。

C先生:今まで分かったこと、あるいは分かったと考えていることを、若干説明してみようか。まず、ガソリンエンジンというもののもつ特性が一つある。ガソリンエンジンは、実は相当に効率が悪いものだということだ。最良の条件は、極めてガソリンを薄くする、要するに希薄燃焼を行っているときで、希薄燃焼を実現する手法として、直噴型のエンジンがある。しかし、急加速をしているときには、希薄燃焼からは程遠い状態になっていて、かなり濃い燃料+空気=濃い混合気が送りこまれている。こうなると、効率がガタ落ちになる。だから燃費も落ちる。三菱の直噴エンジンGDIも、急加速すると唯のエンジンと言われるゆえんはこのあたりにある。
 ところが、電気モーターというものは、フル出力近くで使用してもエネルギー効率が落ちない。しかも、内燃エンジンは、回転数がゼロのときにはトルクもゼロだが、電気モーターは、回転数ゼロの状態が最大トルクを出す。ということで、内燃エンジンとモーターとでは根本的な相違があるようだ。発進、急加速はモーター向きなのだろう。
 しかし、これだけが燃費のよい理由ではなさそうだ。やはり、アイドリングのときにエンジンが止まっていること、さらに、ブレーキを掛けているときにエネルギーを回生していること、この二点の方が実は大きいと思う。回生エネルギーだが、プリウスの場合には、5分間ごとに回生されたエネルギー量が表示される。通常の平地走行だと、5分間で大体25Whから50Whのエネルギーが回生されている。車が時速36km=秒速10mで走っている車が持っている運動エネルギーは、0.5×1400(プリウス+人間+荷物+ガソリンの重量kg)×100ジュールだ。大体70000ジュールということになる。1W秒=1ジュールだから、1Wh=3600ジュール。70000ジュールは約20Whということになる。要するに、5分ごとに25Wh回生ということは、50km/hまであるいは60km/hまで加速するのに必要なエネルギーが回収されていることになる。モーター自体の最大出力が30kWだから、1秒フル出力で作動させると、30000ジュールのエネルギーを必要とする。これは、約8Whに相当するから、もしも50Whのエネルギーが回収されているとすると 、それは、モーターを6秒間駆動するエネルギーに相当する。25Whなら3秒だ。非常に短い時間のようだが、プリウスは発進時に約1秒間ぐらいモーターだけで走行するから、6回の発進、あるいは3回の発進、といっても時速10kmぐらいまでの発進が回収されたエネルギーでまかなわれていることになる。
 先程述べたように、ガソリンエンジンは発進時に最大量の燃料を消費するから、これが5分間に6回分(3回分)もの発進が回生したエネルギーでまかなわれれば、燃費がよくても当然ということになる。都内の運転形式を考えると、5分間に10回程度の発進加速を行っている感じであるが、まあ、50%近い発進にはハイブリッドシステムが有効に働いている感じなのだ。だから、都内も燃費と、郊外の燃費が余り違わないのだろう。

A君:それにしても、やはり良く考えられているようですねえ。

B君:それにしても、トヨタ以外のメーカーからハイブリッドが出ませんね。

C先生:日産も出すといっていたのにどうなったのだろう。ホンダは新聞発表をしたから今年の秋までには出すだろう。ホンダは2座スポーツカーらしい。急発進、急加速をしても余り燃費が悪くならないのがモーターを使っているハイブリッド車の特性だとしたら、実はスポーツカー向きのシステムなのかもしれない。
 今度、スキー場にプリウスで行くことを考えているので、その結果が良くても悪くてもまた報告しましょう。本当に寒いかもしれないからね。