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オレゴン州環境報告    03.30.98
  






オレゴン州環境報告

C先生:日米欧環境共同研究の打ち合わせにテネシー州バンダビルト大学に行く前、3月21日から5日間ほど、オレゴン州に滞在した。環境ウォチングの結果を報告したい。

A君:今回オレゴン州を選択した狙いはどこに有ったのですか。

C先生:オレゴン州は、ご存じのように米国西海岸にあるが、カルフォルニア州とはいささか異なった文化を持っている。一言でいえば、ヒッピーが成熟したような感じのところだ。ヒッピーはもともと自然派だったから、オレゴン州は、環境指向が強い州だと考えられている。そこで、その実態を見たいというのが目的だった。

B君:ポートランドという都市の名前は聞いたことが有りますが、なんだか地味な感じの州ですね。

C先生:まあそうなのだ。日本にとっては、デルタ航空が直行便を飛ばしている。そこで、もっとも安く米国に入る場合にしばしばポートランドを経由する。あくまでも経由地という感じかな。

A君:デルタはいつも混んでいるらしいですが、やはり理由があるのですね。

C先生:今回のコースだが、ポートランド空港に着いて、それから、オレゴンコーストと呼ばれる海岸と、コロンビア河の発電所に行っただけで、他は見ていない。

B君:なんだ。それで何かわかるのですか。

C先生:本当のことは住んでみないと分からない。でも、スーパーに言って買い物をすると、紙の袋にしますか、それともプラスチックバッグにしますかと聞かれて、お客が選択できる。客によって環境意識が違うということなのだろう、などということは体験できる。
 さて、オレゴン州を通過しての感想だけれど、とにかく、自然が十分にあること。人口が少ないこと。これでは環境問題が起きようが無いという感じだった。
 2つのことを報告したい。まず、海岸線が非常に変化に富んでいて、岩、崖の海岸、砂丘、砂浜とまさに何でも有りの海岸だ。砂丘のある部分は州立公園になっているが、そこでなかなか示唆に富んだ表示を見つけた。写真を見てくれ。



B君:なるほど。ちょっと訳しましょうか。
「オレゴンの砂丘は一時的な奇跡だ」 The Oregon Dunes are a Temporay Wonder!
 ある科学者によればヨーロッパビーチグラスなる草とその他の植物が、砂丘の砂地をまもなく覆うだろうと言われている。ここの景色も、20世紀初めにはどんなだったか想像してみなさい。次に世紀にはどんなように景色になっているのだろうか。

A君:なるほど。「保護する」という英語は、conservationですが、おなじような単語にpreservationという単語が有りますね。この話は、この2種類の単語の違いのような話ですね。
 辞書によれば、両方とも保護、保存といった訳になってますが、なんとなく違いますよね、この2つの単語は。

B君:乱暴な言い方が許されるのなら、preservationは防腐剤を入れて瓶詰にして保存、conservationはある範囲を設けて保護、といった感じか。

C先生:なるほど。オレゴン州の砂丘に関しては、preservationをする気はない、とはっきり表明しているようなものだ。自然は常に形を変えているからconserveしよう。自然にまかせてその成り行きを見守ろうという意志だの表明だ。

A君:日本の自然保護は、どうも観光的価値の保存というニュアンスが付きまとう。だから、場合によってはpreservationをしようという感じになるのだろうか。
 鳥取砂丘をpreservationしようとしても、また、釧路湿原をpreservationしようとしても、所詮無理ということ。conservationとの違いを明確にすべきだ。

B君:まあそうなのだが、A君が言うと、開発優先に聞こえる。

A君:それは偏見だ。

C先生:まあまあ。ということで、次の話。それは、ホテルで見かけたお客向けのカード。これも写真を載せる。裏には日本語訳も付いていた。出しているのは、全米ホテル&モテル協会。


B君:まあちょっと訳しますか。
是非、参加してください。You're invited to participate!
 環境保護局によれば、地球上の水のたった3%が真水。水とエネルギーを節約するため、また、環境へ洗剤を放出するのを減らすために、我々は、アメリカホテル・モテル協会のGood Earthkeeping キャンペーンに参加しております。以下省略。

A君:要するに、連泊するときには、タオルとシーツを交換するかどうか、お客に選択を任せるということですね。Good House KeepingとGood Earth Keepingを「かけことば(掛詞)」にしている。

B君:確かに、自宅などではシーツを毎日洗濯などしない。ホテルだとそれが当然というのも妙な話。先日、青山学院短期大学の阿部幸子先生の話をうかがったが、日本人は洗濯をやりすぎるとのこと。洗濯は、石鹸を使おうが、合成洗剤を使おうが、環境に負荷をかける。日本人が最近過度に潔癖症化して、洗濯回数が昔よりも相当増えているらしい。

C先生:このようなカードは、ヨーロッパでは見たことが有ったが、何も不思議に思わなかった。しかし、アメリカでこのようなカードを見て、いよいよアメリカもか、と感心すると同時に、日本のホテルではどうなっているのかと思った次第。これがオレゴン州だけなのか、それとも全米ですでにこんなことが普通になっているのか調べてみたい。今回、オレゴン州から、テネシー州ナッシュビルに行ったが、そこのホテルには、このようなものは無かった。オレゴンで泊まった3個所のホテルのうち、あったのは1個所だけだった。
 もしも、このWebをご覧の皆様が情報をお持ちでしたら、ご一報下さい。

 それにしても、東京の花粉はひどい。ポートランドでは多少花粉を感じたが、他の場所では、やはり自然と土があるためか、ほとんど感じなかった。ハクション、ハクション、涙、涙。