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家電リサイクル法のリサイクル率決まる03.15.99






 平成10年に制定され、平成13年4月に施行される家電リサイクル法のリサイクル率が一応決まった。といっても、最近の政令の多くがそうであるように、3月11日にインターネットに掲示され、4月7日(水)必着で、意見を求めている。
 リサイクル率の数値は、
   エアコン   60%
   テレビ    55%
   洗濯機    50%
   冷蔵庫    50%
と決まった。リサイクル率の計算法は、マテリアルリサイクルを中心として有償あるいは無償で再商品化される重量割合で算出する。単純な焼却や熱回収は、今回は算入されず、高度な熱回収方法が一般化すれば、ある割合でリサイクル率に算入することになるだろう。
 再商品化の責任は、基本的に製造者にあって、逆有償で他の事業者に渡された場合には、その時点で責任はまだ製造者にある。経費をかけることによって有償あるいは無償になった段階で、製造者の責任から離れるが、その時点での重さを計ることになる。勿論、製品別のリサイクル率が設定されたから、その製造業者は、引き取りの総量をそれぞれの製品別に管理し、リサイクルすべき重量を算出する必要がある。
 さて、皆様も、上記パブリックコメントに是非ともご意見をお出しいただきたい。ご意見募集は、http://www.miti.go.jp/のパブリックコメントをクリックすると出てきます。


C先生:家電リサイクル法のリサイクル率が決まったようだ。この法律は、なんだかんだといっても、有効活用すべき法律のように思える。勿論、完全な法律であるとは思えない。心配なことはいくつもあって、例えば、不法投棄が増えそうということ、非常に高い処理費を市民が払うことになるかもしれないこと。
 さて、今回決まったリサイクル率に関してどう思う。

A君:私は当事者ですからね。製造者としてリサイクルの責任を背負うという立場ですからね。いろいろと言いたいことは有ります。
 まず、法律施行までの期間が短すぎて、新しい製品に対して、リサイクル設計をしても、2001年に取り扱う品物は、大体1990年頃の製品で、場合によるとテレビなどでは、まだ木のケースですからね。木をどうやってリサイクルするのですか。
 あるメーカーの洗濯機ですが、他のメーカーは外装が鉄板なのですが、そのメーカーはプラスチックで作った。となると、そのメーカーはリサイクル率を満足させるのが大変です。プラスチックをマテリアルリサイクルするのは大変ですからね。
 他のメーカーのエアコンですが、放熱フィンの設計がそのメーカーだけ特殊で、一般的な処理工程ではうまくリサイクルできない。もっとも、自社製品だけを分解するように工程を考えれば良いのですが。
 そんなわけで、今回の法律はいささか性急にすぎたとも思えるのです。

B君:確かに世界初の法律だとされている。しかし、この法律は日本だからできたようなもので、輸入品に対する一種のバリアーを作ることになりかねない。資源・環境を考えるとこの類の法律が必要なのは火を見るより明らかだが、WTOなどの考え方が多少変わらないと、なにか問題が起きるかもしれない。

C先生:今回は、いろいろと事情があるので、短く済ませよう。論点は、1つ。朝日新聞の平成11年3月11日朝刊の記事を議論の対象にしよう。
 概要だが、政令の大略の説明の後、次ような表現になっている。
 「家電製品のリサイクルでは、欧州委員会が90%以上のリサイクルを求める規制案を発表しており、日本の対応の甘さを指摘する声がある。原案では、リサイクル可能な物質として鉄、銅、アルミニウム、ガラスの4物質を想定。それぞれの重量を加算し、リサイクル率をはじき出した。4物質以外の大半を占めるプラスチックについては、容器包装リサイクル法では、再利用を義務づけるにもかかわらず、「現状では技術的に難しい」として見送った。」
 なんだか、このリサイクル率では駄目だと決めこんでいるような印象だ。

A君:先ほど文句を言ったときにもその話が含まれているのですが、容器包装リサイクル法のように、作ってすぐ廃棄物になる包装容器と違って、家電製品は10数年間使われるのです。10数年前には、木製のテレビも有ったのです。だから、その文章の「容器包装リサイクル法では、再利用を義務づけるにもかかわらず」の部分は、何をふざけたことをいっているのだ、という印象ですね。技術音痴の勉強不足な記者が書いたとしか思えない。

B君:珍しく怒っているね。もう1つ、欧州委員会が90%以上のリサイクルを求める規制案を発表しているというが、その際のリサイクルがどのようなものになるか、お手並み拝見だろう。なぜならば、今回、プラスチックの単純熱回収はリサイクル率に算入されないから、4物質については、相当高度にリサイクルさせないと、この政令の規制値は満足できないだろう。もしも、今回以上の率を設定したら、消費者は相当高いリサイクル費用を負担させれることになるだろう。

C先生:日本のマスコミの悪いくせ。それは、外国では........となんでも外国が正しいと言った表現を取ること。確かに、この国は、外圧に弱いからね。ダイオキシンにしたところで、本当に外国と同じ値にしなければならないかどうか、ちゃんと検討しないと分からない。なぜならば、外国の場合には、焼却炉からダイオキシン、牧草地を汚染、牛乳を汚染、というヒトがダイオキシンを摂取する主な経路が存在する。そのため、焼却炉は、大体0.1pg/m3になっている。日本の場合には、魚からの摂取量が多いから、多少状況が違う。しかも、海を汚染したのは、何遍も書いているように、PCP、CNPなどの農薬だったから。現状では、ヨーロッパ型の牛乳汚染を心配しなければならない状況になった。北海道などは、ヨーロッパ的規制が必要だろう。
 今回の、家電リサイクル法だが、これからも何回か検討をすることになるだろう。この法律は、施行後5年で全面的見直しをすべきことが書かれている法律だし、また、政令の値も徐々に上げる方向で検討するようだから。
 まあ、この法律がどのように実際に動くか、なかなか見通せない部分がまだある。とにかく、動かすことを第一に考えたい。