詳細な説明

環境問題の解決にかかわる調停問題。(New  July 3, 97)

 環境問題は、その現れ方はそれこそ千差万別であるが、その解決方法をどのように考えるかと言えば、解決の方法論は、まずもって「なんらかの調停」であることに注目する考え方が有りうる。公害問題の時代から、これは変わらない事実であり、地球環境時代になった今日でもその通りである。  それでは、その調停にはどのような種類があるのだろうか。現時点では、次に示す6種類を考えれば良いのではないだろうか。
1.世代間調停
2.人間−生態系間調停
3.地域間調停(国内地域・業種間)
4.地域間調停(国家間)
5.健康・公害型調停
6.費用負担調停(社会、個人、事業者)

それぞれの調停について短い説明を行う。
1.世代間調停 現代世代と未来世代との調停である。その最も典型的な例が地球温暖化問題である。現代世代が快適性や利便性を追及して、好き勝手に放出してきた二酸化炭素やフロン類が地球の温暖化を引き起こすとされている。しかし、現代世代は何一つ被害を被ることはない。逆に、将来世代はなんらの利益を享受することはない。資源問題、エネルギー供給問題もこのような視点からの調停を考える必要がある。

2.人間−生態系間調停 いわゆる自然保護に係わる調停である。人間活動という名の経済活動を行えば、結果的に生態系を破壊することに繋がる。人間社会が自分たちの利益をある程度放棄してでも、自然をどの程度維持しようとするのか、これが人間−生態系間の調停である。

3.地域間調停(国内地域・業種間) 日本国内の環境問題を解決しようとすると、例えば、産業廃棄物をどのように処理しようとするのかといった問題には、地域間の調停が必要となる。また、包装容器材料は7兆円産業だそうであるが、その材質として何を最適と考えるか、といった問題は、業種間の調停が必要な問題である。

4.地域間調停(国家間) 現在の地球環境問題の典型例とされている二酸化炭素放出問題は、まさしく、この問題である。先進国のみが排出削減の責任を背負うべきであるのか、あるいは、途上国もやはり責任の一端を担うべきであるのか、といった問題では、国家間調停が必要となる。温暖化による海面上昇の被害を被る国として、モルジブやセーシェルといったサンゴ礁からなる島国が上げられている。一方、米国のような大国では、海面上昇があったとしても、それほどの大被害には繋がらない。ここでも国家間調停が必須となる。

5.健康・公害型調停 健康をそこなうといったタイプの環境問題では、加害者を特定出来る場合とできない場合とで、考え方を変える必要がある。加害者を特定できるような場合には、現時点では、なんらか調停が行われるようになったと言えるであろう。加害者が特定できないケースたとえば、交通起源のNOxが問題となるような場合には、依然として、どのように調停を行うべきであるか問題が残る。

6.費用負担調停(社会、個人、事業者) 今後重要になる問題がこの費用負担の問題である。現在の経済体制下では、商品のコストは、資源採取段階から製造段階、さらに流通経費で決められている。ところが、商品のライフサイクルを考えたときに、コストが掛かるのは、この段階だけではない。リサイクル、廃棄、最終処分に多くのコストが掛かる。これを誰が負担するのかという調停がこの調停である。

以上のような調停をどの問題にどのように適用するか、これが環境問題の解決の一つの方法である。


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