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「今月の環境」(5月1日2002年〜)




5月30日: 最近登場してしまったメディアリスト
5月29日: 懐疑的環境主義者その2
5月28日: リサイクル産業も空洞化
5月28日: ごみ焼却、509施設廃止
5月24日: 市原エコセメントの見学
5月22日: 昨日、衆議院京都議定書批准を承認
5月22日:
 「懐疑的環境主義者」なる本

5月21日: 「カビ菌をやっつける」
5月19日:
 とうとうマクロメディアDreamWeaverに転向か

5月18日: なんとなくショックだった話
5月17日: ビタミンD、直腸がん予防 朝日5月17日夕刊
5月15日: 家電リサイクル率目標達成 日経5月14日
5月14日: 週末7500ヒット、1日3000ヒットの新記録
5月12日:
 液体窒素で走る車 Discovery Channel

5月12日: 先週の気になるニュース
5月9日:
 フェアトレードとローカルプロデュース クローズアップ現代

5月8日: ヨーロッパの温暖化防止への挑戦 クローズアップ現代
5月8日: 地球温暖化で?国が消える 5月6日NHK教育
5月6日: 化学物質審査規正法改正への取り組み 朝日くらし欄
5月6日: 養老先生の随筆 日経エコロジー6月号
5月3日: 霧積温泉と3つの人口湖
5月1日: リコー社長 桜井正光氏の環境観

 

5月1日: リコー社長 桜井正光氏の環境観 

古い新聞を見直していて発見。4月24日日経。ご説ごもっとも。

−環境経営をお題目で終わらせている企業が多い。

「三段階ある。規制に対応しているだけなのが環境対応。自発的に環境負荷を低減するのが環境保全。さらに環境保全と利益の創出を絶えず組み合わせて考えるのが環境経営だ。そこまで行って、初めて環境は利益を生む」

「例えば、省資源の商品開発を意図して2000点の部品を1000点にすれば、環境保全とコストダウンが同時にできる。私の経験で言えば、単にコストダウンを徹底しろとか生産性の向上を目指せというより、環境ファクターを入れたほうが、開発陣はやる気を出す」

「50年後、地球温暖化や資源の枯渇、汚染物質の拡散が続けば、われわれの生存が危うくなる。規制があるからではなく、自分で高い目標を設定して取り組もうと考えている」

−具体的にどのような取り組みを。

「複写機は待機電力が超省エネで、使うときにもすぐ立ち上がる商品。再起動がほんの数秒。目指すのは常にトップランナー」

「さらに、再利用しやすい材料を使う。リサイクル設計を徹底」

「環境保全活動はPRじゃいけない。その活動が企業改革や業績にどのようにつながったかを定量化し、環境会計を経営の意思決定ツールにしなければいけない。うちは目標が高いから、完成度は25%。でも世界最先端」

−京都議定書に対して産業界は後ろ向きの声も目立つ。

「確かに産業によっては、環境保全が相当なダメージになる場合もある。しかし、別の産業では利益を生み出すケースも大いにある。京都議定書は絶対に、今やらなければ絶対だめですよ。結局それが日本企業の競争力を高めることになる」
「つまり、普通の商品を作っていたのでは価格競争に巻き込まれ、人件費の安い中国に太刀打ちできない。結局、中国で作れない高付加価値商品をいかにつくるかだ。その一つの要素として、環境保全型技術がある。超省エネ複写機を作るには、高度な材料技術、プロセス技術が必要になる」

「環境技術に限らないが新しい価値を創造する商品を作ることも大事だろう。普段は意識されない新しい価値を提案する。それを実現するためにも、技術開発が必要だ」


5月3日: 霧積温泉と3つの人口湖

 昨日の午後から休暇を取って、家族で久しぶりに山奥に出かけた。群馬県霧積温泉。横川から12kmぐらい。2軒の宿があるが、宿泊したのは「きりづみ館」。まさに山の宿で、温泉は石膏泉質で、39度とややぬるめながら見事に透明なお湯だった。

 この温泉は、西条八十の「僕の麦藁帽子。。。。。」と、森村誠一の「人間の条件」で有名だが、以前は、相当開けた別荘地でもあったらしい。今は、別荘など1軒も無い。

 こんなところに籠って原稿書きも良いかと思ったが、ここは携帯電話の電波も届かない場所であることに気付き、最近、インターネットへのアクセスができないと原稿も書けなくなっている自分を再発見して愕然。

 1km程度はなれているもう一軒の「金湯館」への道は、車の床を何遍もこするような悪路の終点にある。長野新幹線ができるときに電気が引けたらしいが、それ以前は水車による自家発電だったとのこと。

 5月3日には、余り人が来ないところを選択して見物。なぜか、3つもの人口湖を見ることになった。霧積湖、碓井湖、妙義湖、である。

 霧積湖はかなり大きいが、全くの無人で、この渓谷は、人も車も少ない。ちょっと秘境的雰囲気があるのでお勧め。

 碓井湖は平成6年完成の新しい湖で、まだ店などは無いが、かなり車と人が来ている。妙義湖も国民宿舎があって、観光地化している。いずれの人口湖も水源として見ると余り頼りにはならないように見えるのだが、地元振興ということで作られているように思える。

 平成13年度に総合科学技術会議によって設定された5つの環境研究テーマの一つが「自然共生型流域圏」(その後、「都市再生」なるテーマが追加されて整合性が取れない妙な形になったが)であるが、このようなダムをどのように考えるべきなのだろうか。明らかに自然破壊ではある。治水効果は限定的だろう。しかし、もともと人里に近く、自然を保全すべきという主張は無かったのだろうと思う。さて?


5月6日: 養老先生の随筆 日経エコロジー6月号

 養老先生とは、東大出版会の理事会でご一緒させていただいたことがある。日経エコロジーには、「蟲のまなざし」という連載があったのだが、これまで余り真剣に読んだことがなかった。ところが、6月号が最終回とのことであり、また、題名が「気分の問題」と環境話とも蟲の話とも違う感じだったもので、読んでみた。

 話題の中心は、「暇とは何か」ということである。「暇とは物理的な時間ではなく、気分の問題である」。これが実は結論なのだが、そこまでの記述が実に「その通り!!」というもので、同感しつつ、反省しつつ読んだ。

 この「蟲のまなざし」なる連載も、なんと昆虫採集記を書く予定だったのだそうだ。これまで不思議な題名だなと思っていたことの謎解きがあった。

 ところが、「昆虫採集記が書けなかった。忙しかったからである。連載期間中にアフリカに1ヶ月も出かけていたのに、その報告記事を書けなかった。気分として『暇が無い』からである」、といった記述があって、まさに同感である。いくらでも書くべきものはあるのだが、何かに追われている感覚があると、インパクトの低いものは、優先順位が下がって書けないのである。

 「自分がいかに現代人であるか」。「暇が無い、というのは気分であって、必ずしも事実ではない。結論を急ぎすぎて経過を楽しまない。それが忙しいということである。こうした忙しい気分で生きるということは、乱暴に生きることである」。

 「長年考えていた主題を『人間科学講義』(筑摩書房)という本にまとめたら、追われる気分が無くなって、ややゆったりした気分になった。逃げる必要が無くなった」。

 「新聞や雑誌に、ときどき時評を書いているが、じつは最近、書きたい話題が無い」。「時評とは意見を述べることであるが、何か違和感を種にして議論を進める。ところが、最近、その違和感がなくなってしまった。ものごとがどうでもよくなってしまったのである。まあ、世の中そんなものか、とおもうようになったからである」。

 などなど、養老先生ならではの自己を曝露する表現を含んでいて、ほとんどすべての記述にこれまた同感した。

 どうやら、養老先生は8歳年上のようだが、当方としても、個人的にそろそろ色々と生き方を考えなければならない時期に来ているような気がしている。少なくとも、「忙しすぎる」「乱暴な生き方」「いつでも非常時」といった状況は回避すべきなのだろう。


5月6日: 化学物質審査規正法改正への取り組み 朝日くらし欄

 これまで人体影響だけを考えてきたといってもよい化学物質の環境影響だが、生態系への影響を考慮した法改正が検討されようとしている。

 実際のところ、生態系影響を考えなければならないのは全くその通りなのだが、なにをもって生態系影響とするのか、というところに合意が無いこともあって、難しい問題を含む。

C先生:朝日が取り上げている実例が、まず、ハマチの養殖と防汚剤の話。これは、トリブチルスズ系の防汚剤の毒性が非常に高かったことの反省。沼津市の養殖業者は、有機窒素系の薬剤を使っている。

A君:ちょっと調べると、有機窒素硫黄系、とか、樹脂系とか様々なものがありますね。有機スズ系が禁止になって、亜酸化銅系などに変わったところまでは知っていたのですが。

B君:Webで見ても、どのような化合物かは分からないな。

C先生:フジツボや藻類に対する効き目が弱いから3ヶ月ぐらいで網にそのような生物が付着してくると書いてある。環境毒性としては、分解性、蓄積性、人に対する有害性などが評価されているが、魚類に対する毒性は、まず評価されていない。

A君:水俣病の原因物質だったメチル水銀がヒトだけではなくて猫などにも有害性がありましたが、魚はかなり強いとか。種によって影響は様々なのですね。

C先生:生態系影響をどのように法規制に取り入れるか、これは問題だ。まあ、次回のHPでも、化学物質審査規制法の概要というか、現状の化学物質管理の法律の状況について、解説を試みよう。


5月8日: 地球温暖化で?国が消える 5月6日NHK教育

 ツバルという国、場所は、ハワイとオーストラリアとの中間に位置する。9つの島からなるが、全部足しても、三宅島の半分の面積に、1万人の人口。最大標高で2.5mしかない。

 飛行機は、1週間に2便。一般的な生活は、タロイモを主食として、釣り糸1本で、魚を5匹程度釣って生活ができる。自給自足で、現金取引が発達していない。

 ところが、海面が上昇し始めている気配。潮が満ちると、1日に2回、地中から海水が湧き出る。満潮時におけるこのような現象は、2年ほど前から起きた。海から200m離れている場所でも、こんなことが起きる。ただし、潮位が1年のうちで最も高い時期の話。

 海水が畑に入るようになってから、作物(タロイモの一種)が取れなくなった。根が腐り、葉が黄色になる。伝統的な自給自足が不可能になって、海外に出稼ぎをする人も増えた。

 国全体として移住を決意。住み慣れた国を捨てることを決めたのは、IPCCによる今後100年の海面上昇の予測がでたから。例の最大88cmというもの。

 ツバルは、近隣のオーストラリアとニュージーランドに交渉を開始した。

 オーストラリアは受け入れを拒否:ツバルの問題の本質は、経済的な基盤が弱いところに、急激に人口増加が起きたことだ。首都への人口の増加がある。日比谷公園ほどの広さのところに、3000人もの住民が居る。人口抑制政策によって人口増加は抑えられていると主張している。オーストラリアは、ツバルの海面が上昇していないことを確認している。ツバルにも8年前に海面計を設置しているが、調査を始めてから8年間で、上昇をしていない。もしも、IPCCの予測どおり上昇するのであるなら、海面上昇が加速しなければならないが、そのような気配は見えない。

 オーストラリアの移民相:「本当に海面が上がっているのなら、誰も放置はしませんよ」。

 ナン教授:ツバルでは、短期間のデータを元に上がっていないと主張しても、長期的には上がっているという場合もありうる。このようなデータが、米国のような温暖化対策に対して批判的な国に論拠を与えているのは残念だ。

 京都議定書だが、オーストラリアも、アメリカが批准しないからということで、批准をしない方向。

 ニュージーランドは一部受け入れる方向:ニュージーランドはオーストラリアとは対象的に、温暖化問題に大変に熱心である。ツバルの訴えに応えて、75人/年の移住を受け入れる。

 ツバルの首相:「われわれの国民は環境難民としてどこかへ移住しなければならない」

 ニュージーランドもその主張は認めていない。「環境難民」という名称を使ったからだ、ニュージーランドとしては、移民枠にツバルを加えたことに過ぎない。国際的に難民の定義を決めた条約を批准している。ところが、「環境難民」という言葉は、国際的に認知されている訳ではない。移民とは、「自ら生計を立てられる人」。難民は「着の身着のまま」を意味する。

 国連難民高等弁務官事務所:「難民は、命の危険のために、着の身着のままで逃げてきた人であって、環境難民は、まだ国際的に存在するという状況にない」。

 要するに、ツバルの決断が「環境難民なる存在するかどうか」、という大きな問題を含んでいるために、いろいろな問題提起をしていると言える。

 もしも、ツバルを「環境難民」と認めると、本当に海面上昇が起きた場合には、キリバス、マーシャル、モルジブ、などが続くだろう。さらにその先には、バングラディッシュ、メコンデルタなどがある。


5月8日: ヨーロッパの温暖化防止への挑戦 クローズアップ現代

デンマークでは、環境税を課しているが、環境税はビジネスチャンスと捕らえられている。市民との連携がフィンランドで行われている。

温暖化ガスの放出量は、1990年に比較して、日本は7%増加、アメリカは12%増加、EUは4%減少。その要因の一つが、ヨーロッパ8ヶ国で環境税が導入されていることである。


デンマークの環境税

 コペンハーゲン沖、世界最大の海上風力発電所が動き出した。海上風車が運用され始めた。首都コペンハーゲンでは、自転車専用レーンが張り巡らされている(平らだからなあ)。デンマークの経済の状況は、1988年からの12年でGDPは+27%、二酸化炭素は−11%。

 大胆な温暖化対策を政府が打ち出した。エネルギー消費を減らすことで、二酸化炭素の放出量を20%削減するというものだった。そこで、環境税が導入された。エネルギーの消費量で税を課す。産業界は新たな負担が増えるだけだと一斉に反発した。

 企業談:「当初、わが国の企業だけが環境税を負担することになると、国際的な競争に敗れると思っていた」。

 最初の環境税は税額が低く余り効果的ではなかった。そこで、環境税の引き上げを行うとの提案があって、石油精製会社は受け入れられるはずもなかった。単に余計な負担が増えるだけだ。そこで、政府は、産業界に対して、理念を提示した。「環境税を新たな財源にして、企業の成長を後押しする」。

 企業は環境税を払うが、省エネを熱心に行えば、補助金がでる。アウケン元環境相「企業と政府はパートナーシップを持つのだ」

 石油精製会社は環境税を1000万円負担していた。5年後には5倍を払うことになっていた。しかし、補助金を貰って、隣り合う企業と温水を交換している。エネルギーの消費量は10%減った。

 石油精製会社:「補助金が無ければ、そのような設備を作ることは無かった。環境税の仕組みから恩恵を受けた」。
 アウケン「産業界が環境税をビジネスチャンスとして捕らえた」。

 自然エネルギー分野にも補助金が回った。そのために、風力発電関連の産業が15000人の雇用が作られた。ある風力発電機の企業は、20年間で、3名から450名に従業員が増えた。

 アウケン「デンマークはやればできるということを証明してみせた。米国はデンマークを学ぶべきだ」

 NHKヨーロッパ支局の井上氏「政府が補助金を使って企業を成長させようとしている、ともいえる。ドイツもパートナーシップの考え方を取り入れた。イギリスの場合には、デンマークの成功例を見ていたので、余り抵抗が無かった」。


フィンランドの市民パートナーシップ

 市民生活の部分での取り組みが非常に重要。フィンランドでも取り組みは始まったばかりである。ここでもキーワードはパートナーシップ。

 タンペレ市は、市民参加に積極的に取り組んでいる。タンペレ・フォーラムがある。市民に関心を持ってもらうために、情報センターを作った。タンペレ市が市民を対象にしているのは、産業ではすでに成果が上がっているからである。発電所では、燃料の一部を木屑に切り替えて、二酸化炭素の発生量を20%削減した。

 市のゴミの処分場では、メタンガスの処理が行われるようになった。燃料として再利用されている。タンペレ市では、温暖化ガスの排出量を10%削減した。

 ところが、市民レベルでは、二酸化炭素の排出量は減っていない。自動車をどのように減らすか、電力使用量をどのように減らすか、これが問題。

 市民フォーラムでは、橋の建設計画に注目している。橋ができることによって、二酸化炭素の排出量がどのぐらい増えるかを検討してきた。交通政策と環境政策のいずれを重視するか、という問題になる。橋の建設問題について、市民の声を聞くためにHPを作った。住宅の増加が必要という人も居るし、交通量を制限すべきだという意見の人もいた。橋の建設については、市の予算が確保されている。しかし、市民フォーラムが議論をしているため、一時的に建設は凍結されている。

 フィンランドでは、法律にも環境対策に関与することを義務付けられている。パートナーシップの理念である。

 日本の温暖化防止大綱とは、スタンスがかなり違う。

C先生:デンマークと同じ手法が、日本の産業界に通用するかどうか、これは点検をする必要がある。日本で採用すべきことは、最終製品を製造している企業の場合には、その企業が作っている製品の省エネ度まで考慮して、補助金の額を決めることではないか。


5月9日: フェアトレードとローカルプロデュース クローズアップ現代

 英国には、フェアトレードタウンが次々と誕生している。途上国の産業を維持するために、国際価格の3倍もの価格で買い込んで輸入する。

 プリングルのセーターの社長、「他人の真似をしない」。地元で作ることで、復活した。


競争から共存へ

 プリングルのセーターは、80年代から90年代、国際化の戦略が20カ国でライセンス契約をした。品質が落ちて、値段を下げても売れなくなった。2000人いた従業員の90%が解雇された。

 キム・ウィンザー社長(女性)、グローバル化に逆行するものだった。今にも潰れそうだった会社の社長になる決断をしたのは、エネルギーも決断もない会社だったが、それが自分に求められていることだと考えた。このブランドは、確かなものを作るブランドだと思った。

 スコットランドのホイックの村に工場がある。当時、別の会社のブランドが作られていた。今は、ライセンス生産から撤退した。職人たちには、高い技術があった。

 国谷「安い労働力の中国で生産をしているが、そのような選択肢は考えなかったのか」。

 ウィンザー「世界最高の技術を持っている職人がいた。値段は多少高くなっても国内で作る。工場に高級な機械が使われないで残っていることを見つけて、この工場でしか作れないものを作り出した」。

 売り上げが80%以上増加。高くても良いものは売れることが証明された。

 ウィンザー「本物の職人芸が求められている。ブランドに対する情熱をみんなが持っている。これが非常に重要である。自分に対して正直でいようと思う」。


フェアトレード

 公平な貿易。ここ数年、フェアトレード商品を置くスーパーが増えている。フェアトレードを推し進めてきた例が、コーヒー会社、カフェダイレクト。

 ニューマン社長(やはり女性)は、コーヒーを仕入れる場所を必ず訪問している。ウガンダのコーヒー農園を訪れて、生産者に対して、本当の価格が支払われていないことが分かった。

 ペルーの例、1999年の画像。生産者との関係を高めることによって、確実な商品を長く供給してもらう。出荷も大変な労働だった。今は、フェアトレードで得た所得を負担してトラックを買った。

 生産者が経営的に自立できるように促している。双方向の関係がフェアトレードの有るべき姿である。

 生産者の犠牲に基づいてなりたっている巨大貿易は、本物ではない。

 美味しいコーヒーを飲みませんか、と消費者に訴えている。

 BSEやテロが、食べ物のあり方に新しい考え方をもたらした。カフェダイレクトは、コーヒー業界の6位にまで成長した。

 ニューマン社長も、以前はベストプライスを追求する巨大企業に勤めていたが、今は、フェアプライスを目指しているのだ。

C先生:ローカルプロダクションのような主張は、個人的には1999年以前からしている。ガラスの技術戦略2025年なるものをまとめたときに、21世紀には、再び「本物」の時代が来る。これをリアル(バリュー)と呼び、情報面でのリアルと併せて、リアルが21世紀のキーワードだという報告書を書いたのが、1999年7月である。

A君:現在は、プレミアムという言葉で表現しているようですが。

C先生:理想はエコプレミアム。すなわち、環境的に優れているから価値が高いという商品を売ること。これが日本が世界に先駆けて行うべきことだ。トヨタ・プリウスは、ひょっとしたら、それに類する商品かもしれない。
 プリングルのセーターは愛用品なので、ローカルプロダクション商品を日本でも作るメーカーが出ることを期待。


5月12日: 先週の気になるニュース

大田京浜島不燃ごみ処理センター火事

 7日午後4時10分すぎ、東京都大田区京浜島3丁目の大田清掃工場の京浜島不燃ごみ処理センター破砕物選別室付近から出火、工場の3、4階部分延べ約400平方メートルが焼けた。消火活動中の酒井俊明・消防司令補(47)が全身やけどで殉職。90年3月以来。

 選別室は1階から4階までの大部分が吹き抜けになっていて、不燃ごみのなかから鉄、アルミニウム、ガラス瓶などを選別する機械や、破砕した不燃物を運ぶベルトコンベヤーがあった。ベルトコンベヤー3機や破砕機、ごみ約10立方メートルが焼けた。

 出火当時、機械は中央制御室から遠隔操作しており、センター職員約30人は無事だった。


アレルギー性皮膚炎の原因が洗濯機?

 近年増え続けるアレルギー性皮膚炎の原因の一つとして、洗濯機内で増殖するカビが疑われ始めている。研究機関が調べたところ、洗濯機の中が大量のカビで汚染されていることがわかった。全自動式の場合、見つかったカビ胞子は洗濯水1ミリリットル中、最多で4000個を超える。洗濯すればするほどカビは増殖。

 大阪市立環境科学研究所の浜田信夫研究主任は数年前から、アレルギー性皮膚炎を調べる複数の皮膚科医らに、洗濯機内のカビ汚染について尋ねられるようになった。このため、家庭で使われている洗濯機153台の洗濯水やすすぎ水に含まれるカビ胞子を調べた。

 その結果、胞子が見つからなかったのは1台だけで、洗濯水1ミリリットル中に最多で4566個の胞子が見つかった。平均値は、全自動式で同61個、2槽式で同24個。屋外で衣類に付いた胞子が洗濯機内で増殖する経路が浮かび上がった。

 カビは洗濯槽の裏側で増え、水流に当たって胞子を放出、洗濯物に付着する。家族の人数や洗濯回数が多いほど胞子は多かった。浜田主任は「これらのカビは熱に弱く、45度程度の湯で死滅する。家庭でも対策は可能」と話す。

C先生:そういえば、アメリカでは、洗濯はお湯でやっていた。何か意味があったのかもしれない。日本でも、洗濯機そのものを、ときどきお湯で洗えば良さそう。


5月12日: 液体窒素で走る車 Discovery Channnel(ケーブルテレビ)

 ワシントン大学は、なんと、液体窒素で走る車を開発中。液体窒素が常温に戻るときに体積が700倍になることを利用して動力源にする。原理的には可能。

 確かに走っていた。解説によれば、これで二酸化炭素の発生がゼロの車ができるから、地球温暖化は解決だそうで。

 液体窒素を作るのに、風力発電ででもやれば、そう言えるかもしれないが。現在の電力で普通に液体窒素を作ったら、まあ、石油の無駄遣いになるだけだろう。LCAの良い課題かもしれない。


5月14日: 週末7500ヒット、1日3000ヒットの新記録

 金曜日正午から月曜日正午までの3日間で、7500ヒットという新記録達成。また、月曜日から火曜日まで3000ヒットの新記録。のアクセス感謝!!!

 その理由が、マイナスイオンなのでちょっと淋しい。でも、環境上の大問題発生よりはましかも。

 週刊新潮掲載の記事が直接的理由らしいが、確証はない。

 追加:情報をいただいた。10日に夕刊フジにも私のコメントが掲載されていたようだ。


5月15日: 家電リサイクル率目標達成 日経5月14日

 13日に公表した2001年度の製品リサイクル実績によると、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機のいわゆる四品目は、すべて法律が定める再商品化率を達成。初年度としては、順調な滑り出しだと言える。

C先生:再商品化率が出ていたが、実際、どうやって算出し、どうやって検証したのだろうか。


5月17日: ビタミンD、直腸がん予防 朝日5月17日夕刊

 米国テキサス大学のチームがサイエンス誌に発表。リトコール酸なる発がん物質が、小腸などにあるビタミンD受容体と結合し、リトコール酸分解酵素が小腸で増産されるという。

 ただし、大阪大学の槇島助教授が指摘しているように、「ビタミンD受容体を活性化させる物質でがんを抑制できる可能性がある。しかし、ビタミンDはとりすぎると副作用がある」。


5月18日: なんとなくショックだった話 

 昨日、電気硝子工業会で、環境話をさせていただいたい。その後の懇親会である企業のリサイクル担当者から聞いた話。

 家電リサイクル法が施行された昨年、リサイクル工場まで説明に来てくれということででかけると、作業員が集まっていてそこで、質問された。「テレビのブラウン管には鉛がかなり含まれているということだが、手で触って大丈夫なのか。手で持ったら中毒することにはならないのか」。

 わが国の電機会社などの環境メッセージである、「はんだの無鉛化を推進しております」、というものを見聞きすると、「鉛は有害」、「ものすごく有害だからやっているのだろう」、と思ってしまうのか。

 それとも、やはり毒物学の最低限に知識、「有害物が実際に害になるかどうか、それは摂取量次第である」といった知識の伝授が必要なのか。

 しかし、そのリサイクル担当者は、「ワイングラスの高級なものは、ブラウン管ガラスよりも遥かに大量の鉛を含んでいます。しかも、触るだけではなくて、そこにワインを注いで飲みます」、と説明したとのこと。

 「環境情報を正しく伝達する技術の一つだ」、と感心した。

 毎回、市民社会の誤解が問題だ問題だと言いつつも、こんな誤解があることを認識しておらず、また、その誤解に対して、こんな適切な説明のやり方がすんなりと出てこない。ちょっとショックを受けた。やはり、経験の蓄積が重要なのだ。


5月19日: とうとうマクロメディアDreamWeaverに転向か

 本HPを作るにあたって、これまで長らくHomePageBuilder2001を使ってきた。しかし、今回、MacromediaのULTRA Developer4を導入した。ASPを簡単に作ることができるいというもので、それがどの程度実用になるか、テストをするためである。

 しかしながら、htmlファイルのエディター、DreamWeaverが当然のことながら付いて来る。使ってみると、なんと速いのである。HomePageBuilderのもたもたした動作とは格段に違って、確実に速いのである。ここまで「切れ」が違うと、他の操作の感触が違っても、やはり変えることになるのだろうか。

 ということで、しばらくは使ってみることにしよう。使い勝手は、そのうち、モバイル・ネット研究所の方でご紹介する予定。


5月21日: 「カビ菌をやっつける」

 最近テレビコマーシャルで気になっているのが、吉永小百合さんの「カビ菌をやっつける」、抗菌エアコンのもの。

 シャープによれば、「生活臭の約半分は「カビ菌」が原因といわれ、気管支喘息の大きな原因(約2割)にもなっています。プラスとマイナスのイオン分子(クラスターイオン※1)をほぼ同量放出し、この目に見えない空気中の「カビ菌」をやっつけるプラズマクラスターを、当社はすでに、エアコン、空気清浄機、衣類乾燥除湿機、加湿機、暖房機、冷蔵庫に採用し、大変好評をいただいています。エアコンについては、この2002冷凍年度から全機種にプラズマクラスターを搭載」

 ※1 クラスターイオンとは、プラスイオンとマイナスイオン、それぞれ複数の分子の集合体(クラスター)のこと。プラスイオンとマイナスイオンは空気中にも自然に存在するもので、人体には全く無害です。


 この注だが、気中に自然に存在するプラスイオン、マイナスイオンと、放電や放射線などによって人工的に作ったものが、「全く同じ化学組成を持っているもの」であるという証明を、シャープは果たしてやったのだろうか。作り方が違えば、できるものも違うというのが、常識的なのではないだろうか。

 噂によれば、「カビや細菌を殺す」という表現がその筋から認められなかったために、「カビ菌をやっつける」になったとか。

 プラスイオン、マイナスイオンを適当量出すことによって、空気中に浮遊する菌類やカビを殺すというこころみは、宇宙船や潜水艦など、「換気が不可能な空間」を対象に研究され検討されていることは事実である。

 カビも菌も細胞からできており、マイナスイオン、プラスイオンは細胞膜に対してなんらかの毒性効果があるから、浮遊する菌などを殺すことが可能。人間は、カビ・菌に比べれば遥かに大型の生物で、数10兆個もの細胞からできているから、マイナスイオン、プラスイオンを吸入しても、まあ全身に影響がでるほどの毒性がある訳も無いだろう。しかし、人間も細胞から出来ている点では同じである。

 弱い発ガン性や毒性を持つ化学物質を過度に気にする一方で、このようなマイナスイオン、プラスイオンの毒性に無頓着。これが日本人の特性なのか。

 それに、これまでのテレビ放送(あるある大事典など)によれば、プラスイオンなるものは、人に対して有害だと言ってきたではないか。あるある大事典とシャープは全面的に対決すべきではないか??? そんな訳がないか。

 さらに言えば、日本人はすでに清潔になりすぎて、そのために通常病原体にはならない程度の細菌に対して過敏に反応して下痢などを起こす。O−157の場合には、死亡者まで出た。これ以上身近に存在するカビや細菌類を殺したら、ますます日本人の脆弱性が高くなるだけだろう。


5月22日: 「懐疑的環境主義者」なる本

 週刊ダイヤモンド5月25日号に紹介されている本である。デンマーク人のビョルン・ロンボルグなる統計学の学者が書いた本で、彼はもと、グリーンピースのメンバーだったという。

 1998年に書いた本であるが、この本で彼が主張していることは、「地球環境は年々良くなっている」、である。この出版を積極的にプロモーションしたのが、ケンブリッジ大学出版局だったもので、信用を得て、かなり多数の読者を獲得したようだ。

 彼がこの本を書くに至った動機は、「メリーランド大学のサイモン教授の主張、「地球上の状況は良くなりつつある、データは自分の目で確かめよ」というものがあるだが、グリーンピースのメンバーとして、これに対する反駁を試みようとしたこと。そして、自分自身でデータをチェックしてみると、意に反して、次第に「サイモン教授が正しいことが分かってきた」という。米国ワールドウォッチ研究所(レスター・ブラウンが在籍していた)が1984年以降だしている地球環境白書や、指導的な環境主義者や環境グループが呪文のように言ってきたこと、「地球環境はどんどん悪化している」が誤りであるとの確信に至った。

 その実例+コメントを以下に示す。しかし、原著を見た訳ではないので、不確実である。

 ◆人間の寿命は100年で30歳から67歳に倍以上伸びた。(C先生:個人的にも同じようなことを主張している。例えば、1歳未満の死亡率は、日本の場合だが、この100年間で、なんと60分の1になった。

 ◆途上国の一人当たりの食糧は、1960年以来38%も伸びた。

 ◆二酸化硫黄の濃度は、62年から80%減少、一酸化炭素は70年から70%減少、窒素酸化物は75年から38%減少している。これらは米国での数値。先進国はみな同じ傾向。(C先生:同じようなことを日本について述べている。日本の場合、大気汚染は、1970年を最悪にして、たった5年間ほどで劇的に改善されている

 ◆森林破壊については大げさに言われすぎている。農業が行われるようになって、世界の森林の2/3が失われたといわれるが、実際はまだ80%が残っている。
 (C先生:これについては、現在の米国に森林が無いに等しいことを考えると、80%も残っているとはいえるのか?いつを基準にするかで違うだろう

 ◆化石燃料による地球温暖化がカタストロフィーをもたらすことは無い。なぜならば、温暖化の実際の速度は、コンピュータ予測の最低ラインをなぞる。(C先生:根拠不明。最近の気象変動がすべてが二酸化炭素が原因ではないものの、降雨の分布が変わることはどうも確実だと思われるが)。

 ◆地球温暖化に適応するために必要なコストは、向こう100年間で5兆ドルぐらいだが、京都議定書に従って化石燃料を削減するには107から274兆ドルもの金が必要だ。その際、途上国の全収入の25%がそれに使われる。(C先生:ロジック不明につき、今後検討。しかし、それだけコストが掛かるということは、エネルギー資源が大事に使われることを意味しないか)。

 ◆経済が苦しくなると環境へ配慮する余裕がなくなり、地球環境的にも悲劇である。人類の繁栄こそ、地球環境改善の鍵である。(C先生:前半は全くその通り。しかし、地球への負荷を下げることを境界条件として人類は繁栄すべきである。

C先生:詳細なる検討が必要ではあるかもしれないが、直感的には間違っていると思う。それは、「地球の地下資源が有限であること」を無視しているのではないかということ。たしかに、地下資源は500年ぐらい持つかもしれない。500年後には、核融合ができるかもしれない。核融合が制御可能であれば、環境問題は消えるだろう。しかし、もしも核融合ができなければ、人類は人口を20億人程度に減らして存続することになるだろう。それはそれで良いかもしれないが。


5月22日: 昨日、衆議院京都議定書批准を承認

 21日午後の本会議で、京都議定書批准案を承認した。これで、参議院に回るが、条約条件は衆議院の議決が優先されるために、これで国会の批准承認が決まった。日本は批准国として、議定書の定めた温室効果ガスの削減の義務を負うことになった。

C先生:さあ、大変だ。この意義については、極めて大きなものがある。少なくとも、ここですべての市民が意識すべきことは何か。それは、日本は、これまでの米国型の価値観、すなわち、「アメリカンドリームの実現を追求する文明からの離脱」を宣言したことと等しい、ということである。

5月24日: 市原エコセメントの見学

 2001年4月1日操業を開始した、市原エコセメントの工場を見学した。この技術は、太平洋セメントが長らく研究していたものである。

 ごみ焼却灰を主原料に、石灰石を加えてセメントを作る。ゼロエミッション、千葉県エコタウンプランの中核的施設である。現在千葉県が推進しているごみ処理広域化計画の中に位置づけられている。

 千葉県のごみの現状だが、年間221万トンのごみの排出。188万トンが焼却処理されている。焼却灰の埋め立て量は23万トン、粗大ごみ破砕物7万トン、再資源化が26万トン。そして、焼却灰の6万トン分を県外で処分している。この県外処理分の焼却分だけでも県内で処理したいとの意向があるものと思われる。

 市原エコセメントの設計能力は、焼却灰6万2千トン、汚泥2万トンを受け入れ、エコセメントを11万トン生産するというもの。

 ストーカー炉からの湿った焼却灰は、受け入れ保管施設で受け入れるが、臭いがもれないように完全密閉。乾いた飛灰は、貯蔵タンクに入れられる。焼却灰を運び終えた車には、洗車が義務化されている。焼却灰に当然含まれるダイオキシン対策。

 湿った焼却灰には、飲料缶などが混入している。そこで、ロータリードラヤーで乾燥し、金属類が回収される。その後、石灰石などの原料と混ぜて、均質化タンクへ保存。調合されロータリーキルンで1350℃以上の温度で焼成する。ダイオキシンは完全に無害化される。ダイオキシンの再合成を防止するために、煙は水によって急冷される。排出ガスはバグフィルターで回収され、窒素酸化物を除去。さらに、重金属の回収設備が設置されている。酸、アルカリ処理して、銅、亜鉛、鉛成分を回収。これはリサイクルへ。

 エコセメントには、実は二種類ある。ひとつは、塩素を9000ppm程度含むもので、速硬型で、鉄筋が錆びるため、鉄筋を使わない外壁材などに使用されてきた。しかし、この工場で作っているものは、塩素量が500ppm以下のもの。用途は、インターロッキングブロック。積みブロック。消波ブロック。外壁材、などだが、普通セメントと同様の用途に使用されている。

 この工場の建設にあたって、当初計画されていた地域では、地元から非常に強硬な反対があった。やはりダイオキシンが心配とのこと。最終的には、居住地域からかなり遠い三井造船の土地に建設された。

 太平洋セメントグループとして、10万トン程度のこのような工場が必要という訳ではない。埋立地が無いという自治体のために作られたようなもの。

C先生:見学後、担当の山本氏と質疑応答ができた。かなり詳しく状況が把握できた。まず、この工場は完全に廃棄物処理工場であって、セメント工場ではない。セメント工場としては、余りにも熱効率が悪い。通常のセメント製造のプロセスでは熱回収に執念をもやしている、といった改善がなされているが、この工場は、ダイオキシン対策が最優先されている。また、炉の温度もかなり高いが、それは、鉛などの重金属を蒸発されるため。

A君:排煙の水冷システムはまさにダイオキシン対策そのものですね。

B君:セメント製造プロセスは、CaOが大量に存在しているプロセスなので、ダイオキシンなどが大量に出るとはとても思えない。その水冷システムを外したら、どのぐらいダイオキシンがでるのか、興味がある。

C先生:ダイオキシンが心配ということで、装置設計がかなりその方向に引きずられたという感触はある。ダイオキシンを正しく怖がると、かなり装置設計も変わったのではないか。

A君:処理費を1トンあたり4万円貰って、それで操業しているので、まあそんな設備が使えるのでしょう。セメント1トンあたりの製造原価にしたら、6万円ぐらいでしょう。

B君:通常のポルトランドセメントの数倍以上。

C先生:千葉県発注による土木工事は、エコセメントに限るといった方針が出てきたようなので、このエコセメントは事業になりうるのかもしれない。

A君:これまでの廃棄物処理の産業、例えば、灰溶融でできるスラグの有効活用などができていませんね。エコセメントが捌けるといことが分かれば、さらに発展する可能性があるでしょう。

B君:ただ、山本さんの指摘の通り、域内処理を原則としていると、セメント工場としての規模が確保できない。例えば、東京湾に1箇所作って、そこが周辺地域のすべての焼却灰をセメント化するといった規模になることが望ましいのではないか。

C先生:エコセメントの市場が増えるようだと、ガス化溶融炉よりも、通常のストーカー炉などの焼却炉を使って、そこからの焼却灰の処理はエコセメントという考え方の方が現実的なのかもしれない。

A君:三多摩地域ではエコセメントを採用することが決まったようですね。

B君:東京の場合も、現在使っている処分場が最後だと思って対処すべきだろう。

C先生:それには、プラスチックの埋め立てを止めることが、まず第一。それから、焼却灰の処理という順番になるだろう。

5月28日: ごみ焼却、509施設廃止

 市町村が運営する一般廃棄物焼却施設に含まれるダイオキシン基準が12月から厳しくなるのに伴い、新基準に適合できないなどの理由で廃止が決まった施設が509施設にも及ぶことが、朝日新聞社の調査で分かった。

 一方解体工事も、安全強化が義務付けられたため解体費用が高騰、廃止施設が野ざらしになるケースが相次いでいる。

 97年5月末現在、全国で1641ヶ所あった。

C先生:12月1日以降、これまで80ng/立米だった基準が、既設炉の場合で、1ng/立米になる。なんと80倍の厳しさ。

A君:新設炉はさらに厳しくて、0.1ng/立米。

B君:焼却炉が増えたのは、自区内処理が原則だったからだろう。実際、高性能炉を各自治体が揃えるのは馬鹿げていて、広域処理化する方が合理的のように思える。輸送の負荷が増えすぎない広さというのが条件だが。

C先生:しかし、大阪府能勢町の国内最悪のダイオキシン汚染起こしたとされているがのが、これまた最悪の能勢町の焼却炉を解体するときだった。作業員が高濃度のダイオキシンを浴びた。現在、この作業員の健康はかなり厳格に監視されているようだ。

A君:当時の新聞によれば、「今年(2000年)二月と四月、長期間解体作業に携わった19−58歳の男性35人を対象に実施した。それによると、平均濃度は約680ピコグラム。5000ピコグラムを超えたのは20代の男性1人で、2000−1000ピコグラムが5人、1000−500ピコグラムが11人、500ピコグラム以下が18人だった」。

B君:能勢で焼却作業に従事していた人の最高血中濃度が(血中脂肪1gあたり)806ピコグラムだったのだから、この5000ピコグラムを超えたというのは、実にすごい値。

C先生:バーナーで切断するときに、高温になって蒸発したダイオキシンを吸入したらしい。そのために解体作業費用が高くなったとは!!!


5月28日: リサイクル産業も空洞化

 プラスチックくずの中国への輸出が増えているという。01年までの10年間で、40倍にもなった。01年輸出実績で、39万2千トン。有効利用されているくずの1割にもおよぶが、その半分が中国向け。
 日本で、97年に12兆円、雇用規模32.5万人リサイクル市場は、10年には18兆円、40万人になると予測されているが、このままでは、中国移転が進み、やはり空洞化を起こす危険性がある。

C先生:まさに、その通り。ガラスのリサイクルもそろそろ日本では難しくなる可能性がある。

A君:テレビのCRTも日本から中国へ製造拠点が移りつつあるようで。

B君:そうなると、テレビのリサイクルが不可能になる。テレビの重量の最大のパーツがCRTだから。

C先生:ビール瓶もガラスのリサイクル先(シンク)として重要。還元溶融するので、着色ガラスもなんとか使えるのだ。

A君:ビール瓶も絶滅危惧種になっていますから。

B君:やはりビールは瓶で飲もう。


5月29日: 懐疑的環境主義者その2

 週刊ダイアモンドの6月1日号に、先に「今週の環境」5月22日にてご紹介した、ロンボルグ著「懐疑的環境主義者」の第2弾が掲載されている。

 今回のトピックスは、仰天仮説に対して、「エコノミスト」「ガーディアン」「NYタイムス」「ワシントンポスト」が軒並み好意的な論評を掲載したことを記述し、これに対して、科学雑誌の御三家、「ネイチャー(英)」、「サイエンス(米)」、「サイエンティフィックアメリカン」が待ったを掛けたことを紹介している。

 特に、「サイエンティフィックアメリカン」のロンボルグ批判はかなり露骨で、地球温暖化論の権威中の権威、スタンフォード大学のシュナイダー教授の大々的な反論を掲載したことを述べ、ところが、ロンボルグをノックアウトは出来なかったと述べている。

 「世界資源研究所WRI」の反論が気になるとの記述もある。その論調が「この男危険につき.....」といったものだそうだ。

 そして、最後のまとめが、よくある日本批判で締めくくられている。「海外では、地球環境に関する重大な問題(反論)が提起され、それを積極的に支持する人間、組織が少なからず存在するという「現実」がある。が、この日本で我々が耳にするのは、京都議定書からの「分からず屋アメリカ」の一方的離脱の話ばかり。この違いは何か。ペテン師呼ばわりまでされているロンボルグなど相手にする必要なし、というおせっかいな選択装置が、どこかに存在し機能しているのだろうか」。

C先生:この最後の問に対する答えは簡単。本当に温暖化を研究している研究者は、自らの研究者生命が寄って立つ温暖化を否定する訳には行かない。それ以外の研究者は、温暖化の研究のもつ不確実性を指摘できるほどの知識がない。要するに、日本には、ジェネラリスト科学者が居ない。むしろ、ジェネラリストを目指すと馬鹿にされる。

A君:まして、行政も、企業も、産業界も口が堅い。

B君:要するに、日本の学界人の美徳として、「自分の専門以外のことを語ってはならない」、というものがあるからだ。

C先生:その美徳に反抗して口を開くというのが本HPの意図でもある。これは、「学界人としての存在を学界から否定されても仕方が無い」、という覚悟がある人間だけがやれる。

B君:大げさな!

C先生:ところで、同僚の渡辺正教授から、日本にもロンボルグと同様の主張をしている本が出版されていると、現物を渡された。薬師院仁志著 「地球温暖化論への挑戦」 である。
 読売新聞には、本HPでも引用している「新しい生物学教科書」の著者の池田先生が書評を載せて居られる。
   http://www.yomiuri.co.jp/bookstand/syohyou/20020421ii12.htm
 現在、詳細を検討中なので、そのうち、書評を行いたいが、ちょっと見たところ、ロンボルグの主張とはいささか異質なのではないか、と思われる。なぜならば、簡単に論破できてしまいそうな感じなのだ。どうなるかは、請う、ご期待。ただし、2週間ほどお時間をいただきたい。どうも、池田先生の書評をも、同時に、批判の対象にしなければならない可能性が高い。

A君:渡辺先生の感想は?

C先生:恐らく、渡辺先生が書評を書くと、池田先生と同様なものになりそう。これはあくまでも想像!!!


5月30日: 最近登場してしまったメディアのリスト

 恥ずかしながら、「マイナスイオン」関連で(半分ぐらいは正義のために、半分ぐらいは不本意ながら)取り上げられてしまったメディアのリストは以下の通り。
 日時は不正確。

Yomiuri Weekly(トルマリン) 2月26日ごろ
夕刊フジ 5月10日ごろ
週刊新潮 5月10日ごろ
日刊ゲンダイ 5月15日ごろ
毎日放送  5月21日ごろ
女性自身 これから
日本経済新聞 Nikkei1 これから
毎日新聞 これから