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  米国の温暖化防止策の実態 02.16.2002





 2月14日に発表になった米国の温暖化対策に基づいて、若干の予測をしてみた。図のようになる。



 青で示すドットが米国のGDPの予測値。ここまで伸びないかもしれないが、一応、2.5%ほどの成長を見込んでいる。ピンクで示した図が、1990年を100とした二酸化炭素の排出量予測。GDPの伸びに比べれば、確かにエネルギー消費量の伸びは少ないが、それでも、確実に伸びる。2010年には1990年比で+22%ぐらいになっているのではないだろうか。

 一方、黒い太線で描いたものが、もしも米国が京都議定書を調印していた場合の二酸化炭素排出量。2010年で比較すると、30%もの差になる。米国は、世界の二酸化炭素の22%以上を放出している。2010年には、途上国の発生量が莫大になるだろうから、世界的に見れば、割合は下がっているかもしれないが、先進国間での不公平はいかんともしがたい。

C先生:今回の米国の温暖化対策が、いかにインチキかということが分かる。何がもっともインチキかといえば、それは誤魔化しがあるから。数値的には、なんとなく減りそうな表現をしているが、実際には排出量は増えるだろう。

A君:GDPと二酸化炭素の排出量、すなわち、GDPとエネルギー消費量とは、これまで比例関係にあるものとされてきました。日本でも、1970年頃までは、ほぼ比例関係。その後、石油ショックがあって、GDPの伸びに比べて、エネルギー消費量の伸びは減少しましたが、さすがに、エネルギー消費量を減らしても、GDPを伸ばすというところにはいたっていません。

B君:温暖化対策が実効を上げるには、エネルギーや資源の消費量を増やさないと、経済的な発展ができないという信仰からの離脱が必要。いわばエネルギー呪縛から解かれることが、必要だ。

C先生:ところが、今回の米国の施策は、余りにも旧式なスキームを述べているに過ぎない。多少でも二酸化炭素排出量を減らしてみせるということが最小限必要だろう。

A君:これでは、日本の経済界が京都議定書に反対する訳ですね。

B君:世界的に米国に経済制裁を加えるような方向にならないと駄目だろう。米国からの輸入については、エネルギー税を課すといった方法で。

C先生:明日、ブッシュ大統領が来日するが、小泉総理がそれに類することを言えるだろうか。まあ絶対に無理だろう。