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東京都知事候補者の環境公約 04.04.99 04.15.99追加




 4月4日、都知事候補者の政見を正式に表明するメディアである選挙公報が来た。東京都にとって、ゴミの減量化、あるいは、区内処理が本当に良いのか、所沢で焼却されているゴミがかなり東京からのものであるとかいったゴミ問題。さらには、自動車排気による大気汚染、水道水中の微量物質などといった環境問題は重要だと考えるが、候補者はそれについて何を公約しているのだろうか。
 最近、講演会などでは、正しい環境感をもった政治家を選ぶことが、市民にとってもっとも重要なのではないか、と主張しているが、今回の都知事候補者の評価はどうなるか。

追加:
 結局、石原慎太郎氏の一人勝ちでしたね。環境については、ゴミ問題だけ少々意識があるのかも知れませんが、国政レベルにのみ関心があるところを逆に利用できないものだろうか、などと考えます。




C先生:さて、選挙公報には18人の政見が掲載されていたが、ここで評価するのは、新聞などで取り上げられている以下7名に限る。順番は、選挙公報の掲載順。氏名の書き方も公報の通りとする。
○石原慎太郎
○はとやま邦夫
○ますぞえ要一
○ドクター・中松
○明石康
○三上満
○柿沢こうじ

A君:まず石原氏。環境関係の公約といえそうなのは、「ごみの夜間収集にYES。過剰包装を廃し、分別収集を徹底します」、だけですね。

B君:基本方針として述べられていることが、「東京を蘇らせることは、都民が頑迷な国家に対してNOと言いきることから始まります」、なんだけど、この姿勢そのものが、有る意味で公害時代の環境問題活動家的だ。

C先生:ゴミ問題などについては、実は、日本全体で同じ処理ができることがもっとも重要だ。なぜならば、小学校などにおけるゴミ教育を徹底されることから現在のドイツの状況は作られているように思えるのでね。東京都だけで何かをしようとしても、環境問題は解決しないだろう。となると石原氏の姿勢は、環境面の進展は無いと見るべきだろうか。

A君:次ははとやま氏「生活快適都市・東京」をめざします、が基本理念。「今日まで、東京は、めざすべきビジョンを欠いたまま、開発優先の道を突き進んできました。街から自然が失われ、環境悪化や交通混雑などが加速しストレスが増加しています。これからは、ビジネスを大切にしながらも、街に自然を取り戻し、都民生活を優先した都市づくりを進めて行かなくてはなりません。」
 「ダイオキシンの徹底規制、「食の安全」に努力し、都民の暮らしを守ります。」
 「可燃ゴミを固めて作ったタウンコールで火力発電を行うなど、ごみの減量化やリサイクルを推進します。」
 「公園整備や屋上緑化、都市農業の育成で、街にみどりを取り戻します。」

 というわけで、環境関連の言葉を拾い出すと結構の字数になりますね。

B君:だけど、なんだかピンと来ないね。現在の環境問題に対しては、次のような見方をすべきだと思うのだ。「汚染型環境問題は全体傾向として低減傾向にあるが、局所的な汚染や労働環境など、さらに生態系破壊・生物多様性の喪失では、まだまだ問題がある」、「完全にリスクゼロを目指すと資源・エネルギーの消費・二酸化炭素の放出といった消費型汚染の増大につながりかねないから、適切な対処が必要」、「もともと自然が人間に与えている環境は、決してリスクゼロではない。したがって、社会的な公平性を確保しつつ、次世代利益との調停を考えて、総合的に最適な対処法を選択する必要がある」。
 はとやま氏は、こんな見方をしてない。「マスコミによって重み付けがされた環境問題」の解決や「みどりの回復」といった環境イメージを主張することで、一般市民の「受け」を狙っているとしか思えない。公約の「もっと快適な東京」は消費型環境負荷をさらに増大させることにはなりそうだ、という疑念を持たせるものだった。

C先生:はとやま氏のブレインがもっている環境感がその程度だということなのだろうね。

A君:次はますぞえ氏.......何も環境のことを述べていない。

B君:中松氏は、.......問題だな。公約というには実現性(現実性?)に問題があるので、無視すべきでしょう。例の夢の焼却炉と大同小異だから。

C先生:明石康氏「安全で安心な東京を」「またリサイクルを重視し、ダイオキシンのないクリーンな都市をつくります。」これだけ。はとやま氏の場合と同じ指摘ができそうだな。公約はその選挙民のレベルに合わせるのが大原則だから、現在の東京都民がその程度だということを、この2名の公約を決めたブレインが見抜いているのならば、それは慧眼だと言えるかもしれない。もしも本気でそう思っていたら、まあ、環境に対してあまりにも盲目的だな。
 それに、紙面に自分のプロフィールを長々出すのは、何を考えているのだ、と言いたい。だれもそんなことで投票するのではない。これも東京都民の政治レベルを考えての戦略だと言われたら、なんとも答えようが無いがね。

A君:三上氏。記述無し。現状肯定なのでしょう。

B君:柿沢氏。記述無し。やはり現状肯定なのか。
 そして、自分のプロフィールを長々と書いているが、例えば、フランスの「レジオン・ドヌール勲章」をもらったとか、そんなことはどうでも良いのでは。このプロフィールを読んで投票する人がいると思ったら、冗談じゃないぜ。政治家としてのセンスを疑う。
 東京駅、国会議事堂のライトアップをやったと自慢しているが、これは反環境行為のひとつだと思うがどうだろう。

A君:同感!

C先生:これで終わりか。さびしい限り。彼らが知事になると環境関係がどうなるかをまとめると、
○石原慎太郎:地方分権を主張する余り、ゴミ行政は後退する。
○はとやま邦夫:快適な都市を作って、消費型環境負荷はますます増大。
○ますぞえ要一:福祉以外は考えない都市を作って、消費型環境負荷はますます増大。
○ドクター・中松:日本の科学がすべて死ぬ。環境科学も同様。
○明石康:マスコミの環境情報支配が進む。
○三上満:これまでと何も変わらない。
○柿沢こうじ:東京の夜がライトアップで明るくなる。東京都が都市美化勲章といった反環境勲章を出すようになる。

 やはり環境は票にならないのだろうね。皆様、どう思いますか。しかし、よくよく考えると、ゴミ問題以外には、東京に本当の環境問題は無いとも言えるのかもしれません。環境問題(除く公害問題)とは、実は、ヒトの生存が保証された先進的国家でしか起きない問題なのですから。発展途上国には、公害問題はあっても環境問題は無いのです。さて、東京都とは何なのだろう。
 この最後のポイントに関する議論は中途半端ですが、候補者の公約の中途半端さに合わせて、これにて終了。
 環境だけを基準に考えると、候補者がいない。棄権しないのが大変難しいといった状況だ。