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ドイツスウェーデン日常生活事情 11.21.2001




 ドイツ、スウェーデンというと、日本の見本になる環境先進国だと思われている。11月20日の今週の環境に書いたように、ドイツでは極めて生真面目にエコ的生活が行われていると信じられているが、名古屋市の視察団が出した結論は、「ドイツは制度が立派、日本は市民が立派」だそうで、どうやら、法律のしばりや経済的インセンティブによって行動をしているようで、環境保全の意識から行動しているということだけではないようだ。

 スウェーデン。行ってみた感じだと、より現実的で比較的肩の力が抜けているような感じがする。余り日本と変わらない部分もある。勿論、全く違う部分もある。

 という訳で、スウェーデンとドイツの日常生活を比較して、その実態に迫ってみたい。

 今回、スウェーデンの情報を下さったのは、ネット友達の「みちこさん」。外資系のバイオ関連企業のIT室長で、ネットワークセキュリティーポリシーの策定のために、スウェーデンのウプサラに5週間ほど滞在中の観察に基づくもの。旅行者と滞在者の中間的な立場から見たウプサラの街や生活の状況や、また環境の状況(エコのページ)なども綺麗な写真などを使ってHPに詳しく掲載されています。是非ご覧下さい。
 http://www1.u-netsurf.ne.jp/~m_yanai/

 ドイツの情報は、つい先日まで1年間ほどドイツ、カールスルーエに出張で滞在されていた、国立環境研の寺園淳氏。さすがに長期間の滞在だけに、情報が詳しいです。

 もしも、皆様で外国に長期間滞在され、以下のような質問事項に対するご回答をお持ちでしたら、是非、メールにてお知らせ下さい。スイス対オランダとか、デンマーク対フィンランドなどといった比較も興味のあるところですので。


Sw:スウェーデン
Gm:ドイツ

Q:まず、買い物から。日本や米国のように24時間オープンなどというスーパーマーケットは無いですよね。

Sw:スーパーは、月から金は10時オープン、19時クローズ。
土曜日は10時オープン、18時または17時クローズ
日曜日は11時オープン、17時クローズくらいでしょうか。
 ただし、これ以外に、コンビニみたいな店はあって、24時間オープンの店はないようですが、朝早くから夜遅くまで開いているようです。7時くらいにホテルをでるとあいているし、7時くらいにホテルに戻るときも開いていることがあります。追加:駅前にあるコンビニの開店時間は、なんと朝6時から翌朝3時でした。

Gm:ドイツには営業時間法という法律があります。正確な法律の内容は知りませんが、街で見るスーパーの営業時間は下記の通り。特に閉店時間は厳格です。
平日:9時頃オープン、20時クローズ(3年くらい前の法改正までは19時クローズ)
土曜日:9時頃オープン、16時クローズ(なお、フランスは19時クローズ)
日曜日:休み、ただし年に4回(つまり3ヶ月に1回)だけ一斉に開店できる日がある
 開店時間は日本より早く、日本でもサマータイムよりは午前に活動する工夫が先に必要ではないかと思いました。
 営業時間法の(廃止を含めた)改正要求は事業者からあるそうですが、労働時間を増やすことにもなり、あまり一般の支持は得られていないように思えます。日本ほど経済のためにガシガシ働きません。
 例えば、渡独前は私は知りませんでしたが、アウトバーンは原則として土曜の午後と日曜は貨物車通行禁止です。かといって下の道も走りません。皆、休みます。
 また、上記の営業時間はスーパーに限らずほぼ一般的なものですが、例外は、
・駅構内の売店
・ガソリンスタンドに併設されているコンビニエンスストア(日本よりも小さく、客の入りも良くない。あくまで非常用として利用されている。)
・特別な地域(主に観光地)
・レストラン・喫茶・アイスクリーム店など食事をする店
・パン屋は土日も午前中のみ開く
です。実感ですので、法律上は他にもあるのかもしれません。


Q:杉並区はレジ袋に5円という税金を掛けるということで話題になっています。レジ袋は有料ですか。

Sw:レジ袋代:1.50KR(現時点の為替レート、1KR=11.6円)
 スーパーで買い物をするとき、もしレジ袋が必要だったら、レジに並んだときに自分で必要な分だけロールから切り取って商品といっしょにレジに置く。レシートを見ると、BARKASSE(Aには点点)Plastkasseと書いてあるのがその袋の値段。だいたい1.50KR。ただし、レジの先にある透明なポリ袋(日本でもスーパーで生ものとかを入れるタイプ)はただ。
 スーパーでプラバックを買うことを気にしている人はいないようです。みんはプラの袋をさげて街を歩いているし、昨日買い物したときに、一枚余計にプの袋をちょうだい、といったらくれたし。

Gm:スーパーでは袋はほぼ20〜30ペニヒ(1マルク55円として11〜17円程度)です。ただし、デパート(高級店とは限らない)や専門店では、必ずしも有料とは限りません。いずれにせよ、(有料の店でも無料の店でも)支払い時は「Tuete?」(袋は要りますか?)と聞かれることが非常に多いです。
 

Q:商品購入に関する基本的な考え方ですが、ドイツは壊れても修理して使うような多少高くても支払う価値があると判断できるものだけを買うようです。スウェーデンはどうだと思われますか。

Sw:使うお金にはシビアですけどねえ。ただ、DoItYourself的な、編物とか縫い物とかのお店は多いですね。ミシンも売ってたかな。家は自分で作ることもあるようですね。後は、土地が安いので、先に土地だけは買えるのですね。それで数年かけて建物を追加していくようですね。建物はプロに頼むことが多いようです。

Gm:高くても良いものを買うかどうかは分かりません。ただし、DIYショップなどを使って何でも自分で直そうとする人は多いです。私もパンクした自転車を2回ほど(異なる)自転車屋に持っていきましたが、2回とも「部品を売るので自分で直したら」と言われました。クルマの車検を自分で行う率も日本よりずっと高いです。


Q:紙製品の価格ですが、トイレットペーパーの価格はいくらぐらいですか。ティッシュはいかがですか。

Sw:トイレットペーパーはこれから調べます。追加:調べました。1個4KRから7KR程度のようです。かなり高いように思います。4KRのものは若干色がついていますので、再生紙。7KRのものはバージンパルプかもしれません。
 ティッシュを見つけました。ただし、100枚入りで20KRと意外に高価です。一般に、バージンパルプ製品は高価です。 ポケットティッシュのようなものも見つけました。10枚×10パックで20KRでした。これも高い? もっと質の良いポケットペーパーも手に入ります。紙質はティッシュと紙ナプキンの中間。食卓用紙ナプキンは必需品のようで、これは安価です。500枚で20KRなどというものもあります。

Gm:よく覚えていませんが、再生紙品10個で4マルク(220円)程度だったような気もします。ただし、紙が厚いので、1ロールは日本より多分短いと思います。(ちなみに、ドイツのものは基本的に何でも、日本よりも厚く、重いです。)ティッシュぺーパは日本ほどは売られていません。ポケットティッシュも少しだけ売られていますが、日本のように街で配られることはありません。


Q:スーパーなどで売っている文房具などですが、日本と比べてプラスチック製品が多いですか。ドイツは木製などが多いという伝説も有りますが。

Sw:街には、学生の町ということもあると思いますが、プラ用品があふれています。たとえば、バスタブがないのに、バスで使うブラシとか、マッサージ器とか。全部プラスチック。会社で使っているクリップもきれいなプラスチック。アメリカの文化が入ってきていて、プラスチック製品多いですね。
 包装も簡易とも言えないです。切花はリサイクルペーパの印のついたキンキラキンのカラーの包装紙でくるんであるし、それを買うとさらに紙でくるんでくれます。お店によってはリボンもつけてくれます。リボンは日本と同じようなものですね。
 IKEAという安売りショップが大の人気。若い子に人気のショップは東京のソニープラザみたいな感じです。

Gm:よく覚えていませんが、あまり差はないかと思います。我が家の経験上、玩具屋では木製の玩具がやや多かったと思います。日本では木製の玩具(欧州製の輸入品が多い)が高価なので、相対的に日本では自然とプラスチック製品を買う率が高くなっているでしょう。といざらすのようなアメリカ系のお店では、ドイツでも確かにプラスチック製品が多かったように思います。


Q:ごみの分別ですが、ドイツは極めて厳密に金属などはスニーカーのひもの穴の金具まで外すといいますが、スウェーデンはどのぐらい厳密ですか。

Sw:ごみの捨て方は基本的には分別だけれど、その方法は街の自治体または住んでいる共同体によって異なるようです。
 Norrkoping(ストックホルムから南200kmの町)では茶色とグリーンのプラスチック箱が各家の前に置かれていて、茶色には生ごみ、グリーンには燃えるごみを入れておく。街の回収車が適宜持っていってくれるらしい。
 その他のごみは、紙、牛乳パック、ヨーグルトパックなどの紙パック、ビン、カン、新聞、燃えないごみなど6種類くらいに分けて自宅で保管し、街に1箇所しかない収集場へ各自が持っていかなければならないそうだ。車で持っていくのはご主人の役目。
 最近、Norrkopingでは温水の供給を各家庭にはじめたそうで、そのエネルギー確保のため、紙の分別はなくなるだろうといっていた。燃えるものはすべて燃やしてエネルギーを確保するらしい。

Gm:分別は自治体により様々ですが、上記のような極端な話はかなり特別な人たちの事例と考えます。カールスルーエは有害ごみなどを除けば、現在2分別(資源物、その他ごみ)または3分別(資源物、生ごみ、その他ごみ)です。来年から全域3分別となります。なお、資源物は紙、板紙、プラスチック、木、金属、繊維でリサイクルされます。その他ごみは現在、市内の処分場に埋立てられていますが、2005年までには熱しゃく減量の高い(燃やしていない)ごみの埋立処分が禁じられますので、焼却などの熱処理を検討中と聞いています。
 この2〜3分別は他市と比べて少し甘い方でしょう。私が住んでいた家の大家さんが出していた資源物を見ても、紙とプラスチックの複合製品などは当然のようにそのまま資源物入れの中に入れられていました。少し後述しますコーヒーメーカーなどについても、わざわざプラスチックと金属に分別して出す人はいないはずです。
 資源物の選別時点で多量の手間と残渣が発生すると思いましたが、誠に残念ながら見学するには至りませんでした。メールで市の廃棄物局に質問した結果、資源物の分別段階での残渣発生率は2割と聞き、その少なさに驚いています。
 なお、ご質問の靴や衣類などのうち、使えるものは市内によくある赤十字の箱に入れることができ、アフリカなどへ送られています。(全くの余談ですが、カールスルーエ近郊で、その衣類用の箱の中におかしな人が放射性物質を投げ込んでニュースになったこともありました。(^^))


Q:勤務時間ですが、ドイツ人は昼休みにビールなどを飲むこともあるようですが、スウェーデン人はいかがですか。

Sw:昼休みのビールは低アルコールです。こちらでは3.5%まではアルコールとはいいません。会社の食堂でも飲めます。
 勤務時間はさまざま。夜中まで働いているコンサルタントもいるし、週末に働く人もいるし。ま、ITですからね。一般的には8時前には仕事がはじまって、5時には終わる、といった感じではないでしょうか。

Gm:ビールの件、これも典型的な誤解です。カールスルーエはバーデンビュルテンベルク州(ビール消費量第2位の州)の典型的な中核都市ですが、昼にビールを飲む労働者をほとんど見ませんでした。私の大学の場合は、昼に送別会を開く場合でも誰も飲みませんでした。
 バイエルン州(同第1位)出身の同僚の話では、昼休みにビールを飲むのはほとんどバイエルン州の人だけ(特権?)だとのことです。それもミュンヘン周辺と考えた方が良いかもしれません。
 勤務時間は日本よりも早めだと思います。冬は朝8時過ぎまで暗いにもかかわらず、一年を通して朝8時頃から夕5時頃まで勤務というパターンが多いと思います。休みを大事にするドイツですが、なかには日本のように過労や自殺もあると聞いています。


Q:スーパーで売っている飲み物の容器ですが、ペットボトルもリターナブルですよね。

Sw: ペット入りのミネラルウォータを買うと、1.0KR追加される。缶ビールのカン代:0.5KR(500ミリリットル)
 これはデポジットだと思うので、ペットボトルとカンのお金はスーパーに戻すと戻ってくるのだろう。どうやってこの機械に入れればいいかが問題。こちらのスーパーは店員さんがあまりいないので見つけて使い方を聞くだけでもたいへん。

Gm:ドイツはミネラルウォータ(炭酸入り)や清涼飲料水は今のところ瓶入りがメインです。スーパーによっては、PET入りの1.5リットルもあります。どちらもリターナブル+デポジットです。どちらもおよそ30ペニヒ(17円)のデポジットです。
 ただし、郊外店やコンビニを中心として、ワンウェイのPETも入ってきています。これはフランス産の炭酸無しミネラルウォータに多いです。(ドイツは炭酸入り、フランスは炭酸無しが主流です。)小型でワンウェイのPETも少しずつ増えてきているようです。これらはデポジット無しです。
 このような例外もありますが、一般的にドイツ人のデポジットに対する気合いはただものではありません。祭りの際の出店ではほとんどのお店でデポジットを活用しています。
・ビールのジョッキ(中身3マルクに対してジョッキのデポジットも3マルク、など)
・フラムクーヘン(ピザのようなもの)に使う皿代わりの板
・珍しい例として、カップ麺に付いてきた金属製フォーク(なぜかナイフも付いていたような・・・)
また、大学の喫茶でも、コーヒーは中身と同額かそれ以上のデポジットがカップにかかっていたりしました。ポイ捨ての状況自体は日本と変わらないと思いましたので、彼らがごみの発生を抑制するのはあくまで経済原理からだと感じました。


Q:売られている商品のもっとも普通の形式はどんなものでしょうか。

Q1:牛乳は? 

Sw:牛乳、飲むタイプのヨーグルト(例:おなか=商標、みちこさんのHPの「食事事情」をご参照下さい)は紙パック。1リットル。小さい250ミリも多数あり。

Gm:(いわゆるエコショップを含めても)今は紙の方が多く、1リットルか500ccかのどちらかです。如何にも環境に悪そうな300ccか350cc程度の透明のワンウェイガラスびんもありました。日本のように200ccという小さな紙容器は、牛乳も牛乳以外もほとんど見ませんでした。彼らからすれば、飲んだ気にならないと思います。

Q:ジュース類は?

Sw:ジュースは紙パック1リットル。小さいものも多数あり。ペットもあったような。これは水と同じ扱いだと思います。

Gm:牛乳と同じ透明のガラスびんはありました。コカコーラなどの炭酸飲料は、缶(300cc強)、PET(500ccと1リットル以上)など日本と大差なかったと思います。ミネラルウォータについては既述の通りです。

Q:肉類?
 
Sw:いろいろ。すべての形式があります。

Gm:注文に応じて店員が切る場合が多いです。私の滞在中はBSEと抗生物質、口蹄疫が順に問題となり、肉屋さんは大変気の毒でした。


Q:野菜・果物? 

Sw:これもいろいろ。葉物はラップにくるまってます。量り売りも一般的。そのときの袋はぺらぺらのポリエチレン、または紙。これもいろいろ

Gm:ほぼどこも量り売りです。量ったものはぺらぺらのポリエチレンの袋に入れます。


Q:パン? 

Sw:これもいろいろ。ガラスのショウケースにはいっているのは、量り売り。パック物多数。パックは紙,プラ。

Gm:小さいパンと大きいパン(食パン大以上)で異なります。小さいパンは一つずつ紙の袋に入れます。必ず紙で、ビニールはありません。油が染みて、下手をするとカバンが汚れたりします。大きいパンは量り売りかそのまま紙の袋に入れます。
 先日、東京のデパートのパン屋でパンを買って驚きました。一つずつ用のと持ち帰り用とで二重にポリエチ袋に入れるし、小さいのに1個150円以上もするパンばかりありました。ドイツでは小さなパンは1マルク以下からせいぜい2マルクくらい(40〜100円)です。

Q:ヨーグルト?

Sw:飲むヨーグルトは牛乳と同じ。食べるものは日本と同じ。食べるタイプであまり大きいパックはない。日本と同じくらいの小さいサイズ。

Gm:大きな容器に入っていて分けて食べるのが多いですが、小さな一人用のもあります。大きな容器はびんかプラスチックか紙、小さな容器はプラスチックか紙。プラスチックの場合でも、外側の印刷紙が簡単に外れる場合などありました。



寺園さんからの追加情報:

 カールスルーエではごみの出し方がHP上でわかりやすく記されています。
http://www.karlsruhe.de/Umwelt/Abfall/entsorug/ent_abc.htm
 例えば、Kを押すと一番上に「コーヒーメーカーは資源物(有価物)入れに出す」こととなっているのが分かります。驚きです。
 その先、どのように処理されているのか不安ですが、分別・リサイクル(プラスチックの行き先は不明)されているのでしょう。
http://www.karlsruhe.de/Umwelt/Abfall/entsorug/ent_frag.htm
 ここには「ヨーグルトの容器は洗わずに資源物(有価物)入れへ」とあります。ここではガラスびん以外を指しているのだと思います。「洗わずに」の理由は書いておらず、私の想像にすぎませんが、ドイツでは比較的うるさい水の負荷を上げないためでは、と思っています。牛乳パックをよく洗って乾かしてからそれのみまとめて出すようなことは、ドイツ人はあまり得意ではないと思います。(日本と同じような紙・段ボールなどの収集日は資源物とは別にありましたが、牛乳パックはあまり見覚えありません。)
 このように「何でも」「洗わずに」資源物入れに出せるのに、分別段階での残渣発生率が2割だというのがまだよく分かっていません。その後の再生資源利用事業者でのリサイクル段階でさらに残渣が出ている可能性もあります。