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  2001年の総括と2002年予測   12.30.2001





C先生:今年も終りだ。年々、時計の進みが速くなる。さて、今年の環境はどんな年だったのだろうか。

A君:今、1年分の記事を見直していたところですが、どうも比較的平穏な年だったように思います。9月以降になって狂牛病が話題の中心になりましたが、それだって、リスクの大きさということから言えば、問題になろうはずがない話題でしたから。

B君:狂牛病は、市民社会がもっているリスクというものに対する無理解、そう言ってはいけないのかもしれないなあ。まあ、リスクというものが理解しにくい対象だということをいみじくも表現した事件だったように思える。

C先生:10月以降、牛肉を食べて狂牛病になる確率は、1000万円以上の宝くじを2本連続で当てるといった程度のものだ。確実にゼロだとはいえないが、リスクの観点から言えば、隣の人にタバコの煙を掛けられた場合より、小さなものだろう。

A君:それ以外には、朝日新聞の反水道キャンペーン

C先生:確かに。この記事を見ると、水道は、下水道を含めて向こうしばらく話題になりそうだ。下水道などは、20世紀の最低の発明だという酷評もあるから。

B君:もっと真面目に言えば、やはり京都議定書が2002年には批准される方向になってきたことか。

C先生:2002年の最大の環境問題は、京都議定書をめぐって、一般市民の生活に関わる税制などがどのように決まるかということではないだろうか。業界は大反対だろうから、それを政府がどこまで突っぱねることができるかに掛かっている。それには、市民レベルでの後押しが必要だ。

A君:ゴミの分別については、外国との比較など、色々有りましたね。

C先生:目黒区の廃棄物減量等推進審議会の会長などをやっていたもので、かなり考えることが多かった。廃棄物か資源か、あるいは、一般廃棄物と産業廃棄物など、根本的に解決しなければならない問題がって、これも2002年の重要な話題になりそうだ。

B君:それ以外に、市民社会の常識というものが、余りにも最新の科学からは離れているということがいくつもあった。マイナスイオンのインチキ性、水にまつわる商売の危なさ、など。

C先生:常識が古いと言えば、その極めつけが、放射線の人体影響かもしれない。大体1960年レベルで留まっている。それ以後の新しい科学的知識は、何も反映されていない。免疫力だの、心と物質だの、あるいは、細菌の歴史だの、いわゆる科学的な常識を多く扱ったのも、科学的知識の普及が、極めて重要だという認識からだった。

A君:環境HPではないですが、いくつかのモバイル、ネットワークなどの記事がありましたが、それがとうとう独立して別のHPになってしまいましたね。

C先生:まだまだ暫定オープン。色々と書きたいことはあるのだが、とても書いている暇が無い。モバイル博物館を作ることができるほど、いろいろと使ってきたので、そのうち、ご披露したいところなのだが。

B君:来年の予測だが、すでにいくつか出ている。京都議定書、ゴミの定義、それ以外になんだろう。

A君:これまでも予測しているように、PRTRの結果が公表されたときに、問題にならないか、ということでは。

C先生:その問題は大きいのだが、実は、すでに各化学企業の環境報告書などによって、情報は公開されているのだ。だから、来年に問題になるとしたら、中小化学企業なのだが、それが果たして公表されるほどの放出量があるかどうかだろう。

B君:環境報告書を見ると、やはり多いのはトルエン、キシレンなどの汎用の化学品。勿論毒性が無いという訳ではないが、むしろ、こんなに放出されていて、環境中できちんと分解がされているのだろうか、という疑問も無い訳ではない。測定してみれば分かるのだろうか。

C先生:トルエンだと年間数10トンといった放出量になっているから、これがどこにどのように消えているのか、確かに疑問ではある。ただ、放出量は、ここ10年ほどで数分の1にはなっているから、これまでどのような影響があったか、それが問題だということだろう。
 それ以外に問題になりそうなのは。

A君:持続性という観点からみた経済と環境ではないですか。

C先生:特に、静脈産業と雇用。さらには、アメリカ型の経済モデルを良いとしておいて良いのか、それとも、北欧型を目指すべきか、といった根本的な議論が必要だと思う。アメリカ型が破滅することは確実なのだが、経済人の共通認識として、恐らく、アメリカ型の方が儲けが多そうだから、行けるところまで行って、後は食い逃げをしようと考えているのだと思う。

B君:これが最大の問題であることは間違いない。大体、環境問題を解決するときに考えるべき、最大の目的なのだから。

C先生:環境に関わるほとんどの問題は、ある一部分だけの状況を解決すればそれで終りというものは、解決されてしまったのかもしれない。過去からの負の遺産で残っているものを多いが、これにしても、被害と除去効果と経済性といったものを総合的に判定する必要がある。

A君:ゴミ問題だってそうではないですか。未来の理想的なゴミ処理方法を記述しよとすると、やはり、効果、経済性、受容性などすべての面を程よく満足させるシステムを構築する必要がありますから。

C先生:2002年の環境としては、京都議定書対応と、「総合化」がキーワードだとしておくか。

B君:2002年の予測が不幸な方向に傾くとしたら、東海地震ではないだろうか。環境問題ではないが。

A君:もっともありそうな発生時期が2004年2月だという説がありますね。プラスマイナス1年だとすれば、2002年はまだ大丈夫。

C先生:まだ2年近くあるのだから、その間で、どれほどの対策が取れるか、それが問題だと思われる。企業関係ということで言えば、JR東海が最大のリスクを背負っているのではないだろうか。恐らく静岡から豊橋の間を走行している新幹線はすべて被害を受ける。10両編成で1200人ずつ乗っていたとして、1万2千人が即死か。

B君:保証金を払う義務は無いのだろうな。もし支払ったら、会社が潰れる。

A君:見舞金だけでも潰れるのでは。

C先生:新幹線にシートベルトとエアバッグを装備したら、一体いくら掛かるのだろう。そのために、向こう2年間だけ2000円値上げするといった言い方をすれば、客も支払ってくれるかもしれない。勿論、シートベルトとエアバッグを設置することによって、死亡率が下がるという実験的なデータを開示する必要はあるに決まっているが。

A君:いずれにしても、東海地震に匹敵するような環境問題は、被害の大きさで判断すれば、現時点では有りえないですね。

C先生:まあ、2002年には無いことを祈るが、生命へのリスクという点からいえば、昔から地震のリスクは非常に大きい。だからといって、環境問題のリスクが大きくても良いということにはならない。まあ、すべてが総合的バランス感覚の問題であることは事実だろう。

A君、B君、C先生:皆様よいお年を。これで本年の通常記事のアップは終りです。