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杉並病問題の解決法提案   09.24.99






平成11年9月15日 朝日新聞朝刊など。

 96年春から稼動している東京都杉並区井草にある都の不燃ゴミ中間処理施設「東京都杉並中継所」の周辺で住民が体調不良を訴えていること、いわゆる「杉並病」は、先日本HPに掲載した櫻井よしこ氏の環境汚染告発記事に、所沢の新生児死亡率急増と共に取り上げられた。その所沢新生児死亡のデータであるが、かなり統計上のウソを含むことであることはすでに掲載した通りである。
 杉並病の場合には、化学物質過敏症であるから、すべての人が影響を受ける訳ではないが、もしもアレルギー症であるとするのならば、最大で30%ぐらいの人が最終的になんらかの影響を受けるかもしれない。
 どんな解決法があるかについて、議論をしてみたい。
 分別方法の違う他県の方への情報だが、東京都の分別方式では、プラスチック類は不燃ゴミということになっている。本当は不燃ではなくて、多くの焼却場での焼却困難物なのかも知れない。大田工場では、プラスチックを燃やしているようだし。


C先生:以前に櫻井さんの記事でも登場した「杉並病」だが、9月15日付けの報道によれば、杉並区(山田区長)が杉並病と中継所との相関を認めた。A君、そのあたりの事情の説明を。

A君:杉並区側は、「多愁訴」、「呼吸器」、「目と皮膚」に関して健康調査を行い、中継所のある井草地域では「目と皮膚」について統計学的に有意差があると結論しました。調査は、5月におこなわれ、3200名を対象として、自覚症状などを書面で尋ねる形式で実施。回収率72.5%。
 それに対して、これまで何回も調査をしてきて、排気中に有害物は無いとしてきた都側がどう出るか。都清掃局は、「健康を害している人が井草地区に多いことは分かるが、原因や中継所との関連は明らかになっていない。都としては周辺の環境調査などを通じて原因究明をつづけていきたい」と発言。
 こんな感じです。
 
B君:やはり現地を見に行くべきだ。環状八号線から近いところで、排気ガスがあるだろうし、光化学スモッグも多発しがちなところかもしれない。


ということで、9月19日日曜日の午後、現地を見学。当然ながら、中継所は門が閉まっていた。作業をしていないから、どのぐらいの汚染があるか、その実態は不明である。

写真1参照。中継所は井草森公園の西北の1/8程度。そこには、軽度な圧縮装置があるだけとされている。そのすぐ北側には新青梅街道が走っているが、片側1車線の道路。しかし、この中継所の東側350mには環境八号線が通っている。現在は、アンダーパス(地下トンネル)になっているが、以前は西武線の踏み切りが交通渋滞の原因になっていて、いつでも渋滞した車であふれていた場所である。

写真2に示すのが中継所の空気抜きの煙突である。場内は地下構造になっているために、その空気をここから抜いている。スクラバなどが付いているのかいないのか、詳細は分からない。

写真3:当日、公園では多数遊んでいた。


C先生:どうだった。感想は。

A君:明るい印象だった。

B君:サッカー場が立派。感心した。排気塔からの臭いは当然無かった。操業している場合にはどうなのだろうか。一度、平日に来て見ないとね。

E秘書:休日でしたから、なんとも言えないのですが、小さな子供をつれて多数のお母さんが遊びに来ていましたね。子供を近づけないような人気の無い場所かと思っていたのですが、なんとも健全な印象でしたね。

C先生:確かにそんな感じだった。
 杉並病は化学物質過敏症というアレルギーが対象だけに、なかなか難しい。それに、杉並区の調査はアンケートで、「目と皮膚」というのが一緒になっているところが一つ問題で、目だと光化学スモッグの影響や排気ガスの影響も含まれてしまう。皮膚に異常がでれば、これは化学物質過敏症だと思うが。

A君:ということは、この問題はこのままいくら調査をしても、決定的な証拠がでるようなものではない感じですね。

B君:だからという訳では無いが、思いきった解決策を提案してみたい。原因もこの解決策を実行していく過程で徐々に分かるだろうから。
 ということで提案する。結構過激だ。
 
解決策の提案 by B
(1)杉並中継所に不燃ゴミが入る地域では、特定の商品にデポジット制を採用し、使用済み商品の回収を推進する。
 対象になる商品は、ある量のガスを放出する可能性のある商品すべて。他の商品と混ざると危険が予想される商品すべて。そして、これらの不燃ゴミへの混入を原則的に禁止とする。
 具体例:卓上コンロ用のボンベ。漂白剤、カビ取り剤、殺虫剤。スプレー缶はすべて。
(2)液体類が残った容器の廃棄を原則的に禁止。洗ってから出す原則を徹底する。

 これでなおかつ杉並病の訴えが続くようなら、それは、原因は別にあることになるだろう。というよりも、誰が見ても原因が別にあるとしか考えられない状況を杉並中継所は実現すべきだと言えるかもしれない。
 
A君:確かに過激ですね。デポジット制は、日本にはなかなか根付かない。例外的に八丈島が飲料容器(缶)についてデポジットをやったようですが。やってみると、そんなに悪く無いということになるのがデポジット制だと思います。
 しかし、B君の提案は問題点が多いです。まず、ある地域内だけでデポジット制ができるかできないか、この問題がまず有りますね。なぜならば、デポジット制がいやなら、隣の地域で商品を購入すれば良いことになりますから。
 
B君:どうやって強制するかは問題だが、このような容器を不燃ゴミとして出すことが禁止される訳だから、その地域内で買ってもらうことになる。地域振興にもなる。

A君:それが無理。どこかに安売り店があれば、そこで買うのが常識でしょ。

C先生:デポジット制の実現は、かなり難しいだろう。もしもやるのなら、東京都が全域でやらないと。それにしても、B君がリストに上げたものは、危険が一杯だ。廃棄された卓上コンロ用ボンベなど、業務用で使用したものには、中身のガスが結構残っているものが多いらしい。これが杉並中継所で圧縮されると、これは大変。中身に火が付いたら火事だ。だからといって、各人が容器に穴を開けることも結構危険だ。事故があって、東京都も方針を変えて、今は、「そのまま捨てる」ことになったようだ。
 カビ取り剤や漂白剤のように、「混ぜるな危険」の液体もやはり杉並中継所で混ざる可能性が高い。これは洗ってから出せば良いことにはなるが。
 
A君:デポジットは次の段階にして、まず、不燃ゴミ分別を多分化することではないでしょうか。そこで、私も提案を。

解決法の提案 by A
(1)次の廃棄物は、分別した上で別途収集する。B君のリストを盗用しますが。
 卓上コンロ用のボンベ。漂白剤、カビ取り剤、殺虫剤。スプレー缶。薬品。化粧品。シャンプー、リンス。
(2)容器によって、鉄、プラスチック、ガラス、その他に分ける。
(3)ただし、リフィル用のフィルム容器は、良く洗って、普通分別ゴミに。
(4)杉並中継所で圧縮をするのは、プラスチックフィルム、PETなどの成形品に限る。

C先生:A君の提案は現実的だが、まだそれでも問題が有るかもしれない。それは、ベルギーのダイオキシン事件と似た構図の事件がまだ起きる可能性があることだ。復習すると、ベルギーのダイオキシン事件は、誰かが意図的に、フレンチフライを揚げた廃油回収ルートに、PCBを混ぜたことによって起きた。意図的に混ぜる人のことをどのぐらい考えて中継所で処理する品目を決めるか、これは、なかなか難しい。しかし、残念ながら、性悪説に基づいた配慮もある程度必要だろう。このような考えに基づけば、分別はもっと厳しくなる。あらゆる容器を別途収集すべきだろう。さらに原則が必要になるだろう。

解決法の提案 by C
原則: 液体が少しでも入ったものは不燃物と見なさない(勿論可燃ごみでもない) 。殺虫剤など不要な液体は、処理料をとって東京都が引き取る。このルートの整備が大変だろうが。
 東京都の言う不燃ゴミは以下の分別によって記名収集袋で収集
(1)プラスチックフィルム、包装など、液体容器で無いもの。
(2)液体容器 プラスチック
(3)液体容器 ガラス
(4)液体容器 鉄
(5)アルミ、PET、ガラス、スチールなどの飲料容器は資源ゴミへ
(6)ボンベ、スプレーなどの圧力容器
(7)その他の電気小型機器類
(8)蛍光灯(これは水銀という液体入り)
(9)乾電池の類

B君:C先生の案は、A君の案と余り変わらないですね。

C先生:まあそうだ。肝心なところは、殺虫剤などの不要液体を回収するルートを確立することだ。これはA君の提案には含まれていない。

A君:それはそうですが、B君のデポジットならそれを含みますね。

C先生:まあそうだ。デポジットができるようになれば、不要な提案だし、またまた住民税が上がる方向だから、本当ならば、デポジット制の採用だろう。しかし、期が熟すのに少々掛かるだろう。
  そこでだが、2001年から家電リサイクル法が施行されると、冷蔵庫、洗濯機、テレビ、エアコンは相当高い処理料を取られるが、製造者の責任で処理されることになる。逆にいえば、自治体はこれらの処理をしなくて済むようになって、かなり楽になる。その分、住民税を減額するか、あるいは新しいサービスを開始すべきだ、ということも含まれていると解釈してほしい。

A&B君:まあ3種の解決策のレベルは同程度だな。

C先生:それでは、杉並中継所はどうすれば良いか。しばらく休止か?それとも継続か? あるいはそれとも廃止か?

A君:分別ができるまで休止。

B君:デポジットは相当時間が掛かる。廃止は絶対ない。これを期にゴミ分別を徹底させたいから。休止は有っても良いが、今のまま継続も有りうると思う。

C先生:不燃ゴミ完全分別の方針決定まで休止も有りだと思う。杉並区の皆さんはどう思われるのでしょうか。

E秘書:私の結論。自分と家族だけの超健康主義で除菌剤などを買っても、その後始末もちゃんとできないで、他人の健康を冒している、こんな構図はそろそろ止めましょう。実は、自分の子供の健康も冒している可能性が大ですよ。このところ、P&Gの広告が目に余ります。