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規制改革委員会:容リ法の論点 07.30.2000




規制改革委員会は、現在の日本における各種規制が適正であるか、規制を緩和することによって、なんらかの経済的な拡大が期待できるか、などといった検討を行ってきた、規制緩和委員会から、必ずしも「緩和」だけが正しいとは限らない、ことから、名称の変更が行われた。詳しくは、
http://www.somucho.go.jp/
ごご参照いただきたい。

本年度の論点は、7月26日に公開されたが、その中に容リ法についても記述が行われている。規制改革委員会の見解に対する、各省の見解も出ているので、どこがどのような考え方をしているか、ご参考までに。

今回は、夏休み態勢で、手抜きのアップ。AB&Cは現時点では登場しない(?) つもりだったが、やはりちょっと登場(追加:08.02.2000


5.容器包装リサイクル法における新たな処理費用負担ルールの検討等

1 制度の概要:省略
2 論点整理
(注)・◇は当委員会の規制改革の意見・考え方であり、◆は◇に対する所管省庁等の説明や意見・考え方を示す。   ・(環境関連)は、環境問題関連の論点を含むことを示す。

【特定容器及び特定包装の処理費用の負担ルールの見直し】(環境関連)
論点1:特定容器及び特定包装のリサイクルにかかる費用に関し、消費者・自治体・特定事業者の間での分担ルールについて、廃棄物の減量化及び健全なリサイクルの推進のために見直しをすべきではないか。
◇容器包装リサイクル法制定以降も特にペットボトルの消費量は著しく増大しており、これに伴って市町村が収集する使用済みペットボトルの収集量も大幅に増え、特に平成11年度は予定量を大幅に上回る量が分別収集されたことから、実際に分別収集された量が再商品化事業者の能力を上回った(57,600トンの収集量に対して55,800トンの引き取り)。また分別収集計画を上回る収集が行われたことから、再商品化事業者の設備投資計画では対応できなかったため、地方公共団体が収集・分別・洗浄した容器包装廃棄物の引取先が不足するという状況が発生している。ペットボトルの再商品化後の需要が大幅には伸びていないことが、再商品化施設の設置がペットボトルの消費拡大に追いつかない一つの原因ではないかと言われている。リサイクルは、リサイクル品の需要があって初めて十分に機能するものであり、もし特定容器包装のリサイクル後の需要が伸びていないとすれば、容器包装リサイクル法の目的である「再生資源の十分な利用」は困難な状況である。また、もう一つの目的の「一般廃棄物の減量化」に関しても、直近の使用済みペットボトルの急増を見るに、機能性に優れた容器として消費が著しく拡大したという面を差し引いても、容器包装リサイクル法は、使用済みペットボトルの発生抑制という機能を十分果たしているか否かについては疑問がある。
  特定容器及び特定包装のリサイクル費用の中で最も大きいのは、市町村が負担している収集・運搬及び分別・洗浄を行い分別基準適合物にするまでの費用である。これはリサイクルコスト全体の約80%(平成11年度7都県市調査報告書より)を占めている。分別収集にかかる費用は、特定容器及び特定包装廃棄物の数量増加に伴い増加している一方、特定容器及び特定包装を製造・利用する特定事業者の負担する再商品化費用は、再商品化施設の能力に制約を受けるため、もし今後再商品化施設の能力が頭打ちとなった場合には、容器包装廃棄物が増加しても特定事業者の費用負担は増加しないことになる。その場合、事業者側からは、廃棄物の増加を抑えて健全なリサイクルを推進しようというインセンティブは起きにくい。さらに再商品化の方法として、「指定法人ルート」を選択することが多くの事業者にとって相対的に負担の軽い方法であるため、自主回収という手間暇はかかるが、事業者としては自己完結的なリサイクルの方法を選択する事業者は容易に拡大しないことが予想される。
  したがって、容器包装リサイクル法の実施状況を調査の上、廃棄物の減量化及び健全なリサイクルの推進のために、消費者・自治体・特定事業者間のリサイクル費用の負担に関するルールを見直すべきである。
◆一般廃棄物の減量化については、容器包装リサイクル法の施行以来、分別収集量は増加しており、その分一般廃棄物の最終処分量が削減されているものと考えられる。(厚生省)
◆容器包装リサイクル法は、本年4月から全面的に実施されたばかりで、日々排出される容器包装を確実にリサイクルできる処理体制もいまだ構築途上であることから、同法の施行に力を尽くし、効果や問題点を検証・評価した上での検討が必要である。(厚生省)
◆容器包装リサイクル法の円滑な施行を図る観点から、本年7月「容器包装リサイクルシステム検討会」を設置し、容器包装リサイクル法の実施状況及び問題を整理した上で、年内に改善方策の選択肢を提示する予定。(厚生省)
◆容器包装リサイクルシステムの構築は、製造事業者、販売事業者、消費者、市町村、国などの様々な関係者にまたがる問題であり、これらの関係者が適切な役割分担の下で協力して取り組むことが不可欠である。このような観点から、容器包装リサイクル法においては、事業者に容器包装の製造量、利用量に応じてリサイクルコストを負担させることにより、廃棄物の発生抑制を促しているとともに、社会システム全体の実効性、効率性の観点から、従来から回収システムを構築・運営してきた市町村が回収を実施することとしたものである。このため、「消費者・自治体・特定事業者間のリサイクル費用の負担に関するルールを見直すべき」との記述については、そもそも部分施行から3年目、また容器包装廃棄物の中でも圧倒的に量の多い紙製容器包装及びプラスチック製容器包装が追加され、全面施行後4か月目という現段階では、リサイクル費用の負担に係る「ルールの見直し」にまで至るのは時期尚早である。むしろ、完全施行後のシステムを軌道に乗せるため、円滑な施行に全力を尽くすことが先決と考える。(通商産業省)
◆製造業者がリサイクル費用を商品の価格に反映できるか否かは、製造業者の責任を拡大することについてコンセンサスを図るためのポイントになると考えられることから、流通・販売業も含め、公正な価格転嫁が確保される仕組みも必要である。(厚生省)

【容器包装の目標リサイクル率の明示】(環境関連)
論点2:特定容器及び特定包装についてリサイクルの目標を明確にするために、容器包装リサイクル法においてリサイクル率を明示すべきではないか。
◇廃ガラスのカレットについては、リサイクル目標を明確にしてその推進を図るため、「資源の有効な利用の促進に関する法律」(平成12年改正による名称改正前は「再生資源の利用の促進に関する法律」)に目標リサイクル率が明示されているが、ペットボトル等の特定容器及び特定包装については、容器包装リサイクル法の中ではリサイクル率が設定されていない。特定容器及び特定包装についてもリサイクルの推進という同じ目的で品目として選択され容器包装リサイクル法が制定されたことから、同法において目標リサイクル率を明示すべきである。
◆まず、容器包装リサイクル法は資源有効利用促進法の特別法としての位置付けであり、リサイクル率の設定を行うようなシステムにはなっていない。さらに、容器包装リサイクル法においても、容器包装に関する再商品化計画を立てているところであり、排出量のうちどの程度回収される見込みがあり、どの程度再商品化されるかについては、既に目標を立てていると考えられる。
  同様に資源有効利用促進法におけるガラスカレット等の目標リサイクル率の設定は、例えばカレットの場合にはカレットを再生資源として利用できる業種であるガラスびん製造業を指定して設定しているものであり、この趣旨からすると、ペットボトルや他の容器包装のように、再生資源として利用できる事業者が新規参入者であるものについての資源有効利用促進法の下での目標リサイクル率の設定は、誰に対する義務付けかという意味で不適切と考える(わざわざ新規参入してきたペットボトルフレーク化業者に義務付けをすることは、撤退のインセンティブにこそなれ、参入のインセンティブにはなりずらい)。
  また、その他紙製容器包装のように、最終的に利用される再商品化後の製品が多種多様であり、これら全体をまとめて目標利用率を設定することは困難であることに加え、これらについて個々に利用率の目標を設定することについても、紙製品については既に資源有効利用促進法において古紙利用率目標が設定されていること、他の用途については、事業者が再生利用・目標達成に関して責任を持つ主体ではなく、新規参入者であるものも多いことから、ペットボトルの場合と同様に不適切である。


C先生:規制改革委員会の論点が、どのような根本的な思想で書かれているのか、といえば、それは、この2000年5月6月に続々と成立した法律の基本思想を取り入れての話。要するに、これまでのように「リサイクルのためのリサイクルでもやらないよりはやった方が良い」、ということはある程度認めるものの、この2000年という年以降は、「資源を使わないことによる排出量の抑制」、が主たる目的であると言いながら、現在の容リ法は、資源投入量の少ないリターナブルボトルなどの仕組みを潰してしまう法律なので、かえって有害である、という立場。

A君:そうだとは思いました。しかし、厚生省、通産省の見解は大いに違うようですねえ。「一般廃棄物の減量化については、容器包装リサイクル法の施行以来、分別収集量は増加しており、その分一般廃棄物の最終処分量が削減されているものと考えられる。(厚生省)」という表現からみても、相変わらずリサイクルによる最終処分量削減ができれば、「それで良し」、と思っているようで。

B君:通産省は面子主義なのか。「このため、「消費者・自治体・特定事業者間のリサイクル費用の負担に関するルールを見直すべき」との記述については、そもそも部分施行から3年目、また容器包装廃棄物の中でも圧倒的に量の多い紙製容器包装及びプラスチック製容器包装が追加され、全面施行後4か月目という現段階では、リサイクル費用の負担に係る「ルールの見直し」にまで至るのは時期尚早である。むしろ、完全施行後のシステムを軌道に乗せるため、円滑な施行に全力を尽くすことが先決と考える。(通商産業省)

C先生:通産省が面子主義なのか、と聞かれると、「どうもそう見える」としか答えられない。これは、朝日新聞の杉本記者などによっても指摘されている通り。

A君:面子主義だとすると、それを直す方法はあるのですか。

C先生:無いように思える。もっと議論を徹底的に公開することが唯一の方法のように思える。

B君:それでは、どうするのですか。現在のような省庁体制だと、複数省庁にまたがる事項の方向修正は極めて困難でしょう。

C先生:それも事実。やはり、どこかに公開された場が用意されて、複数の省庁からの責任者がやってきて議論をする、そして、その議論をメディア上にも積極的に公開するといった方法論が採用されないと駄目だろう。こんなことが、規制改革を本気で進めるには、絶対に必須のことのように思えるのだ。