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リサイクル実感教材 01.08.2001




 朝日新聞の2001年1月8日朝刊の「くらし」のページで「せっけん対合成洗剤」の解説がされていた。内容的には、昨年の本HPで述べたものとほぼ同じ見解。徐々に正しい情報が伝達されるようになってきたなあ、という実感。それに対して、リサイクルに関する正しい情報がどうも伝わらない。例えば、同じ朝日のページに読者の声があって、「リサイクルが免罪符にならないよう」というもの。その投書に、「ペットボトルを本当にリサイクルすれば、新規生産量は減るはずなのに、実際には増え続けており.......」(元大学教授)というものがあった。この「本当にリサイクル」というのが何を意味するか微妙ではあるが、恐らくなんらかの誤解があるのではないだろうか。リサイクルをいくらやっても、ペットの場合なら新規生産量は変わらない。
 せめて、リサイクルをした場合の「モノの流れ(=マテリアルバランス)」の理解ができるように、教材を作ってみた(暮れから正月の遊びとして)。まだバージョン0で自慢できるようなものでは無いが、ちょっと使って見て下さい。


C先生:リサイクルは文字通りサイクルすなわち回る部分があるものだから、なかなか直感的に理解できないようだ。そこで、直感的に分かりやすい教材を作ろう。

A君:環境コミュニケーションというものの重要性がいろいろと述べられていますが、まあ、環境に密接に関連するリサイクルも頭の中にイメージを書くことが難しいものですよね。

B君:リサイクル率、水平リサイクル、リユースなどなど紛らわしい概念が多いからな。

C先生:2000年12月3日の記事、「循環型社会と省資源・省エネルギー」で示したリサイクルのフローチャートを基本にして、これに循環量が計算できるようなものを作るか。

A君:まあ、それが第一ステップですか。リサイクル行列が書きやすいから、エクセルで作りましょうか。

AB&C:ごそごそとプログラムを書く。

B君:再利用率というのが、その形のまま再利用される割合のこと。容器の場合だと、リターナブル容器が対象になる。リサイクル率というのが、廃棄された製品のうち、リサイクルプロセスに回る割合。水平率というのが、リサイクルプロセスを通った製品が、もとの製造プロセスに戻るか、そうでなくて、他用途に回るかという率。勿論水平率は、もとに戻る割合。

C先生:ペットボトルの場合だと、再利用率=0%、リサイクル率=25%、水平率=0%。これだと、余り地球への負荷は減っていないことになるが。

A君:たしかに、原料採取のところが1で変わらないし、廃棄の中間処理を通って地球に戻るところが0.75で、さらにリサイクルプロセスからも矢印が0.025有りますから、合計で0.775。確かに余り減っていない。でも、数字だけで見ると分かりにくいですね。

B君:それでは、別のフローチャートを作って、矢印の太さが変わるようにするか。

A君:それって、結構高度ですね。VBAでプログラムを書かないと駄目でしょう。

B君:当然だ。まず、FlowChartというボタンを作ろう。

AB&C:ごそごそと再度プログラミング。

B君:一応できたぞ。そのFlowChartというボタンを押して見てくれ。矢印に出来なかったので、単なる線だけだが、大分直感的に分かりやすくなった。

C先生:そうだな。25%程度リサイクルをやったところで、余り大きく流れが変わったとは言えない。大部分は、ゴミとして地球に廃棄されている。そうだな、リサイクルを全くやらない場合の絵と比べてみるか。

B君:Hideのボタンで、元に戻る。

C先生:それでは、リサイクル率を0%にして、そして、FlowChartボタンを押すと。確かに線の太さが変化した。まあ、あまり差がないことが分かる。
 しかし、もう一つだな。前との変化が直接目で見えるとうれしい。アニメーションができるソフトにしよう。

AB&C:またまたプログラムを改良。

B君:Animationボタンを新設。リサイクル率をそれでは、25%にする。そして、Animationボタンを押す。表示されるのは、前の条件だから、リサイクル率が0の場合の絵。そこで、下の方にあるCurrentボタンを押すと、新しいリサイクル条件が適用されて絵が変わる。

C先生:ダイナミックになって、分かりやすくなった。これでまずまず。

A君:それでは、いくつかの条件を入れてみましょう。

条件リスト          再利用率 リサイクル率 水平率
(1)全くリサイクルなし     0       0      0
(2)ペットボトル現状      0      25      0
(3)ペットボトル5年後     0      50     50

 ペットボトルの5年後ですが、こんなところでどうですか。通産省などの考え方では、ペットボトルもケミカルリサイクルをしてまたペットボトルに戻すということのようですから。

B君:ペットボトルの5年後というものになっても、余り線の太さが変わらない。相変わらず地球から77.5という原料採取をしているし。廃棄量も55もある。

C先生:われわれのお奨めは、再利用なんだよな。ペットボトルも、50%ぐらい再利用してみたらどうなる。

条件リスト          再利用率 リサイクル率 水平率
(4)ペットボトル将来     50      50     50


A君:こうなりますと、確かに地球からの採取量と地球への廃棄量が減りますね。両方とも半分になる。こんなところが本当の理想だろうな。

B君:それでは、スチール缶とアルミ缶の比較。両方ともリサイクル率が高いと主張している。率そのものはいささか怪しいので、ここでは、アルミ缶のリサイクル率を60%、スチール缶のリサイクル率を50%と仮定して計算使用。

条件リスト          再利用率 リサイクル率 水平率
(5)スチール缶        0      50       0
(6)アルミ缶          0      60      90


C先生:やはり、水平にリサイクルする方が、上手く回っているように見えるな。

A君:それでは、ガラス瓶に行きましょう。

条件リスト          再利用率 リサイクル率 水平率
(7)ワンウェイガラス瓶    0      60      90
(8)ビールリターナブル瓶  95     60      90


C先生:やはり地球に対する物質面での負荷が低いことは明白だ。結構分かりやすい。ということで、このエクセルファイルをwebページにアップしておこう。一応、ウィルスは無いことは確認してある。サイズが、100kBもあるから、通信回線の能力に余力のある方は、是非ダウンロードしてお試しを。エクセル2000で作成したが、恐らくエクセル97なら実行可能ではないかと思われる。

エクセルファイルのダウロード(右クリックして、保存を選択して下さい)。
ファイル名:RecycleFlowMove.xls 100kB 01/01/08 14:58