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最近の環境ホルモン報道 01.21.2001追加01.23




 このところ環境ホルモン、正確には、内分泌攪乱物質に関する報道はかなり落ち着いてきていると考えている。しかし、ときどき、突拍子もない報道がでたりする状況は変わっていない。これは、記事を実際に書く記者の意識が様々であること、さらには、ヒアリングを行う相手が誰かということが影響をしているのだろう。
 昨年11月以降の新聞を中心に、最近の環境ホルモンがどのように報道されたか検証したい。

追加:何名かの専門家からコメントをいただきましたので、追加します。

C先生:このところ環境ホルモン報道も大体のところは落ち着いてきている。しかし、問題報道が突発的に現れるという状況も残っているようだ。そこで、今回は、昨年の11月以降の新聞記事をまとめてみよう。

A君:それでは、またまた3大紙+日経で行きますが、どうしましょうかね。

B君:よし、朝日から行く。
 まず、11月1日号: 「塩ビの可塑剤優先的に調査」、環境庁は10月31日、「内分泌攪乱物質と疑われる物質、約70のうち、塩化ビニル樹脂の可塑剤としておもちゃなどに広く使われているDEHPを毒性などの危険度を優先的に調べる物質に指定した。結果的に優先物質は、8種類になった(後出)。妊婦10人に昨年度行った調査で、10例中6例の胎児のへその緒からDEHPを検出したのがその理由。

C先生:現在のところ、塩ビの可塑剤であるDEHPあたりが一つのホットな議論の対象物だな。

B君:この記事は、日経、読売は取り上げていない。

A君:毎日は、11月9日号に、生活家庭部の小島正美記者が、Q&A形式で、DEHPを取り上げている。「へその緒から見つかったというだけで不安になる必要はないでしょう」、といっています。まあ、進歩ですね。しかし、「妊娠中に微量のDEHPを与えたときの胎児への影響をもっと詳しく調べるべきでしょう」、としているが、どうやって調べることを考えているのだろう。

C先生:その話は、本日のひとつの話題でもあって、最後に出てくる。マウスなどの齧歯類と、ヒトとでは全く違うと考えられるので、ヒトに対する本当の影響を調べる方法があるのだろうか。
 まあ、それは後でやるとして、ダイオキシンも、メカニズムは違うが内分泌攪乱性があるとされている物質。むしろ、ダイオキシンの規制値は、急性毒性や発ガン性で決まったものではない。新聞にもダイオキシンの報道は、まだ多少あるにはあるが、ここでは一つぐらい取り上げるだけでよいのではないだろうか。

B君:了解。一つだけダイオキシンを
 11月29日朝日。通常の食生活を送ったとき食品からヒトの体内に入るダイオキシン類の量が、関東と関西の二カ所の調査地で生涯毎日食べても健康に影響しないとされる耐用摂取量TDIを超える値をしめしたことが厚生省の研究班の調査でわかった。1997年度からの調査で、TDIを超えるデータがでたのは初めて。関西のある地点では、TDIの4pg/kg/dayを大きく上回る7.01、関東のある地点でも4.04だった。厚生省によると、特に高い値を示した関西の調査地では、魚のサンプルに輸入マグロの「トロ」を採用し、これが高濃度のダイオキシン類を含んでいたことが、主に数値を押し上げた、という。関東の調査地で高い値を示した理由は分からない。

A君:同じ日の読売によれば、さらに追加情報があって、「トロをやめて、別の食材に替えて再調査したところ、TDIを下回るほぼ平均的な値になった」としてますよ。まだ追加情報があって、「魚介類」からの摂取が約78.2%ともっとも多く、「肉、卵類」が15.8%、「乳・乳製品」が4.3%だった、そうで。まあ常識か。

C先生:「トロ」のダイオキシン含有量が高いというが、それが輸入品であるところがまあなんとも。最近、スペインあたりから養殖のマグロが入るというが。さらにマグロは、昔から水銀含有量も高いことが知られている。大型で寿命が長い魚は、食物連鎖の上の方にいるから、蓄積性の高い毒物を多く含むようになるので、これはしょうがないことだろう。しかし、さまざまな健康情報によれば、マグロはとくに目の周りの油のところなどにDHAなどを含んでいて、健康によいとされている。油にはダイオキシンも多いはず。さて、本当のところはどうなるのだろう。いずれにしても、あまり気にする必要はないということだろう。バランスよく、いろいろなものを食べていれば。

A君:調査地は明らかになっているのでしょうか。

B君:いや。同じ日の日経をみると、調査は、全国で16地点を選んで、米、緑黄野菜、飲料水など14群の食品類を地元小売店で購入して調査したが、対象地点は明らかにしてない、とある。

C先生:やはり、所沢などの苦い経験から慎重になっているのだろう。米は、全国で変わらない。飲料水は、ダイオキシンをあまり含まない。となると緑黄野菜が怪しいのか。あるいは魚の種類が多少の差を生んだのか。まあ、いずれにしても、魚ばかり食べていなければ、余り問題になるとは思えない。

B君:おもしろいのが、新聞による見出しの書き方。この記事については、
 朝日:「食事のダイオキシン容量超す 2カ所国調査」
 読売:「食品からのダイオキシン摂取 安全基準を下回る」
 日経:「ダイオキシン摂取量が微増 99年度、健康基準下回る」
 毎日:取り上げていない。(夕刊は見ていないので分からない)

要するに、読売と日経は、「下回る」、朝日は「2カ所で超えた」ということを主張している。報道の方向性が違うのが分かる。

C先生:しかも、日経は、その2カ所の上回ったことを取り上げていない。実際のところ、「トロ」が原因だと分かれば、地域による差に有意性はないから、わざわざ「2カ所」という朝日の取り上げ方はおかしい。しかも、朝日は、平均値が2.25pg/kg/dayであったことを示していないこともどうなんだ。ここでは、読売、日経がまとも。まあ、次に行こう。

A君:それでは、以後、ダイオキシンの話はカット。その前に、環境ホルモン関連記事の総量を計算してみましょうか。
 ざっとした感触ですが、
  毎日新聞  11件 大体中型記事
  朝日新聞   7件 中型から小型記事
  読売新聞   3件 中型記事
  日経新聞   7件 主として小型記事

 特徴としては、日経がやはり特徴的で、「3年でダイオキシン排出36%減」、とかいった減少しているという実態や、「どことかがダイオキシン濃度測定装置開発」、とか、「極微量物質の計量精度向上」とか産業関連の記事は、日経だけ。他の新聞では、なんでも大体そうですが、リスクが減ったことは余り記事にならない
 
B君:コルボーン女史が旭硝子財団のブループラネット賞を獲得したことの記事は、すでに議論してあるから除外。もっとも大きく取り上げているのが、毎日新聞だった、ということだけで。

C先生:それでは、環境ホルモン関係で、これまで出たDEHPとダイオキシン以外でどんな物質が報道されているか、まとめてくれ。

A君:もっとも多いのが毎日新聞。新聞ごとにまとめました。
 毎日新聞 DEHP、ダイオキシンの他に、焼却灰、臭素化ダイオキシン、ビスフェノールA、パラベン、2,4−D(農薬)、ビンクロゾリン、ノニルフェノール、カドミウム
 朝日新聞 DEHP、ダイオキシンの他に、例の8物質、臭素化ダイオキシン、
 読売新聞 なし


C先生:先にもでたが、その例の8物質というものの説明を。

A君:それは、優先8物質というもので、これらの物質の解明から取りかかるというものです。具体的には、トリブチルスズ、ノニルフェノール、オクチルフェノール、フタル酸ジブチル、フタル酸ジシクロヘキシル、ベンゾフェノン、オクタクロロスチレン、フタル酸ジエチルヘキシルです。

C先生:その記事行こうか。

A君:はいはい。12月10日の朝日の記事から。この実験は、民間の研究所に委託して、予算としては政府のミレニアム予算を使います。有害性のデータがほとんどない物質なのですが、いわゆる環境ホルモンとしての疑いがでている物質なので、様々な観点から検討しようとするものです。予備実験では、環境中で検出されるのと同じぐらい低い濃度の化学物質をマウスやラットのえさに混ぜ、妊娠期、乳児期、成長期にこれらを与えて、体重変化、生殖器官への影響、行動異常、脳の変化などを調べるものです。

B君:問題になっているのは、いわゆる逆U字特性というやつ。一般の物質はどんなも全く無害というものはなくて、何でも毒性がある。食塩にだって、砂糖にだって。ただし、ある濃度以下だと全く悪い影響がでない濃度、これを無作用量というが、そんな濃度がある。ところが、この濃度をはるかに下回る濃度、場合によっては無作用量の数万分の一で悪影響がでたという報告が出た。ビスフェノールAについて1997年に出たものだが、マウスの前立腺に影響がでたと主張した。ところが、化学業界主導の大規模な追試では確認できておらず、論争になっている。もしも、これが本当ならば、これまでの毒性学の前提が揺らぐような重大事態で、化学物質の安全性について、方法論の見直しからやる必要がでてくる。

C先生:それに関しては、12月31日の朝日の朝刊に、嘉幡、安田の両記者の記名記事によく説明されている。朝日は、「環境ホルモンで読者を驚かすことが割合と好き」な感じなんだが、この記事そのものはきわめて抑制が利いていてよい記事だと思った。

A君:その記事の最後に、コルボーン女史が「規制当局の動きはこれからも遅いだろう。でも消費者の意識は変わってきた。安全性が疑問視される物質や製品は消費者が市場から排除する。よりよい状況になってきている」、と語っていますが、これはよいのですかね。

B君:消費者がどうやて排除するかの判断をしているか、これが問題ではある。この記事のように、明確なリスクはない。完全に安全という証明もない。こんな状態だということは、安全性が疑問視される物質よりもリスクの高い物質があるのに、リスクの大小ではなくて、たまたま報道されているからという理由で排除されるという妙な事態になる。

C先生:そうだな。化学物質過敏症などの問題は、確実に存在している。その原因物質として、当然主犯はホルムアルデヒドなどだが、それ以外にも、防虫剤のパラジクロルベンゼンなども疑われている。しかし、あまり報道はされていない。昨年テレビ広告が多かった全量放出型の殺虫剤にしたって、余り体によいとは思えない。コマーシャルで「家の中に嫌な虫」が、などと言われると不必要でも思わず使ってしまうが、完全に安全だとは思えない。抗菌剤にしても、また、風呂場のカビ取りにしたって、本当に安全なのか。というように、現時点の環境ホルモン候補物質が、リスク面から本当に議論に値するのかどうか、コルボーン女史はどのように考えているのか疑問。

A君:変異原性のAmesテストで有名なAmes博士は、レタスやコーヒーなどの通常の食物のリスクがゼロではなく、むしろ残留農薬よりも相当高い、勿論、ビールなどのアルコール飲料のリスクはきわめて高いということを発表していますが、そんな話はいっぱいありますね。

C先生:別の話で、最近専門家がビスフェノールAやノニルフェノールを悪い悪いと言わなくなったのは、本物の女性ホルモンの分解生成物が、下水処理の課程で抱合がとれて再度ホルモン活性をもってしまう。その活性がグレーの化学物質達よりも遙かに高いということが分かってきた。これがもしも問題であるのなら、下水道を完備させるという方針そのものが駄目だということになって、それこそ大問題。下水処理水は、その通路を海まで別途作って放流し、少なくとも飲料水には使わないといったことが必要になるからだ。

B君:時代考証も別の主張をしてくる。環境ホルモンにしたところで、やはりダイオキシンやPCBなどのもともと有害な物質の内分泌攪乱作用が大きいだろう。となると、日本の場合には、何回も主張しているように、1970年頃の方が汚染の度合いは大きかった。すなわち、そのころに生まれた人々、今、30歳前ぐらいの年齢層に影響が出ているとしたら出ているはず。もしも影響が出ていないのならば、今後は余り心配がないことにならないか。

C先生:その考え方でよいと思うのだが、いずれにしても、その逆U字特性が本当だとすると、その論理も通用しないことになるのだなあ。だから、やはりその逆U字特性が最大の課題。ビスフェノールAや、DEHPについては、最終的にも証明できない可能性があるが。(追加:内分泌学や生理学の世界では、逆U字特性は常識的な話だそうだ。いただいた記述をそのまま引用させていただくと、「受容体にはサブタイプがいくつかあります。その細胞内信号伝達機構も多様で、しかもクロストークで双方向性に影響を及ぼしあっています。ある濃度の範囲で親和性の高い受容体がまず働きはじめます。それよりも濃度が高くなると低親和性の受容体にもくっついて、あらたな反応系も動き始めます。その際に、しばしば起こることですが、低親和性受容体が働きはじめることにより高親和性受容体で作動していたシステムが抑制される、といった自己抑制システムを生物は多用しています。このような場合、まさに逆U字、あるいはU字型の用量特性が観察されます。サイトカイン、グルココルチコイド、アミン類、すべてでそのような現象が認められます。細胞内カルシウムの作用にしても、ある濃度では細胞機能の賦活化を引き起こしますが、さらに濃度が増えると細胞死のメカニズムが働きはじめます。

A君:ヒトとマウス・ラットなどの齧歯類との差も問題ですよね。

B君:そうそう。マウスやラットなどは、どうやら飽食に慣れていないらしくて、脂肪質の物質に対して過剰反応をするらしいから。ここで問題になっているような物質は大体、そんなものなんで、ヒトに対してはまたまた違ったメカニズムなんだろう。

C先生:それについては、一つおもしろい記事を入手した。地方紙なんだ。信濃毎日新聞。なんとなんと1月1日のトップ記事。正月のトップだから相当な力の入れよう。
 中身は、DEHPを与えると、マウスの孫世代の生存率が大幅に低下するというのだ。そのソースは、信州大学医学部衛生学講座の那須民江講師、青山俊文教授の研究。

B君:それは面白い。不謹慎? だってあり得ないぜ。(追加:以下のB君の解釈は、親マウスにだけDEHPを与え、子、孫マウスには、通常の餌を与えたと解釈した。しかし、子、孫マウスにもDEHPを含んだ餌を与えていたのではないか。それならあっても不思議ではない、との解釈が寄せられた。事実関係はまだ未確認。

A君:なるほど。説明不能ですが、一応解説を試みましょうか。内分泌攪乱物質の疑いがあるとされるDEHPをマウスに少量(餌に0.05%、500ppmとまあ高濃度と言える)与え、そのグループ内の交配で、第二世代、第三世代を誕生させた。ところが、第三世代のマウスは出生率が7割に低下しただけでなく、生まれてもほぼ半数が2日以内に死亡するなど、明らか差が生じた。
 しかも、面白いことには、マウスを2種類しようしていて、ひとつは普通のマウスだが、もう1種類は、いわゆるノックアウトマウスで、DEHPと結合してホルモン作用を起こすレセプターであるPPAR(ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体)を作れないマウスを対象とした。ところが、このマウスについては、明らかな差はなかったというのですね。

C先生:まず、どのぐらい統計的に意味がある実験をやっているか、これだな。普通のマウスを対象としたものであれば、比較的簡単に再現実験ができるだろう。だから追試が行われるだろう。

A君:普通マウスについては、DEHPを与えない場合にでも、寿命が短い種であったということはないのだろうか、ということですよね。

B君:DEHPのようなものが、世代を超えて、要するに継世代影響を与えるということがあるか? もしもあるとするのなら、それは、生殖細胞のDNAに変化を与えなければならない。そんなことがあるのだろうか。DNAが破壊されるには、放射線とか活性酸素とかいったものあれば可能だろうが。今の場合、放射線は関係ないから活性酸素だとして、もしも活性酸素が出るとしたら、それは毒性も高い物質だろうから、高濃度の影響がもっと大きいだろうし。

A君:それについては、妙な記事が有ったのですよ。ビスフェノールAなんですが、名城大学薬学部の古川秀之教授がやったもので、マウスにビスフェノールAを注射して3時間後に卵巣と子宮を取り出して、過酸化物の量を調べたところ、注射した濃度が低い方が過酸化物量が多かった、というのです。これが逆U字特性の原因かもしれないと言うのです。毎日新聞の12月9日号なんですが。

B君:確かに、過酸化物は活性酸素を出す。しかし、過酸化物であれば、通常の脂肪が分解してできる脂肪酸だって過酸化物になる。どのぐらいの量か報道されていないので分からないが、少量のビスフェノールが過酸化物になったとしても知れているのではないか。

A君:茶化すようで恐縮ながら、石鹸の分解生成物も脂肪酸で、これは衣料に残りやすい。それはしばらく放置すると過酸化物にもなりかねない、というようなものですからね。少量でより危険だとしたら、石鹸は危険だ? まあ、無さそうな話。

C先生:いよいよ分からない。話を戻すが、信州大学のマウスの話だが、そのノックアウトマウス、すなわち、PPARを作れないマウスは普通だったというが、ヒトという生物は、むしろこのノックアウトマウスに似ているのではないか。生物ならなんでも同じということではない。マウスなどの齧歯類は、どうやら貧栄養で生きてきたようで、だから脂肪類に対しては余り強くない。処理がうまくできないみたいだ。ヒトはこのところ飽食状態だから、脂肪類はなんとか処理する。問題の物質は、ほとんどが、脂肪類に近い特性だ。

A君:その信州大の記事で、井口泰泉先生がコメントをしていて、「孫の世代までの実験はなく、少量でもこれだけの影響がでたことは貴重な成果。特にDEHPは環境中に広く大量に存在してるだけにショッキングな結果だ」、というのですが。本当にこんなコメントだったのでしょうかね。それが怪しい。

B君:新聞記事の信用ならないところが、それ。実は真意が全く逆だったりして。

C先生:まあ結論に行くか。まず、いまだによく分からないのが環境ホルモンだということ。
 「原因がよく分からないから予防的措置を」、という予防原則・未然防止原則は、リスクが高い場合には確実に成立する。これが1970年頃の水俣時代には、なかなか適用できない原則だったから、古典的反公害活動の標語が、予防原則・未然防止だったのだ。ところが現在のように、だれもが認める高いリスクは消せるようになってきた。そして残っているリスクはといえば、政治的な要素でなかなか対応が取れなかったディーゼル排ガス、処理が不可能に近い水道水中のヒ素、それにすでに述べた魚中の水銀などなどがいくつか残っているぐらいか。勿論、大量消費、大量廃棄による持続可能性への影響が、将来を考えると最大のリスクなのかもしれない。
 しかし、環境ホルモンに関しては、科学がいくら未熟だからといって、様々な研究者が一所懸命やっても分からないということは、「そのリスクもその程度のものだ」、ということなんだろう。しかも、ダイオキシン、PCBなどのいわゆるPOPs類を除外すれば、いずれの化合物の生体代謝速度もまた環境中の半減期も短いから、本当に駄目だと分かれば、対策できるし、またその効果も高い。

B君:環境ホルモンというと、やはり、利便性とのトレードオフという感じはある。なんでもコンビニで買って、そのまま、あるいはラップに包んで電子レンジでチンという生活から離れる理由として、環境ホルモンが使われるのなら、それはそれでも良い。このような生活の最終的な問題点は、むしろゴミかもしれないのだが。

C先生:環境ホルモン騒ぎで、カップ麺の容器が変わったが売れ行きはどうなったのだろう。コルボーン女史が言うように、消費者が排除するというメカニズムが働くのも事実なのだが、となると消費者が判断の根拠とする報道の質が大問題。マスコミの責任は莫大ということになる。さらに、各研究者が自分の発言に責任を持てる形で、情報を発信しなければならない

A君:それが、このようなHPを作っている意味でもあるわけで。

B君:それでは、本日の記事に名前がでた研究者が、Web上で何を言っているのか、調べてみよう。うーーーーん。調べたところ、少なくとも個人Webページを持っていないことは分かった(見つからなかっただけかも)。自分の関係する研究結果やコメントが新聞に掲載されてしまったら、それに対する極めて詳細なコメントをWebに掲載するといったことは、もはやすべての科学者の義務だと思うが。

C先生:なかなかそこまで社会的責任を自覚している研究者は少ない。今回の新聞に名前のあった方々では、話題にしなかったが臭素系ダイオキシンの国立環境研の遠山氏は、ページを持っておられる。大分前になるが、井口先生にちらっとそのことを言ったら、「そんな暇はない」、と一蹴された。暇がないことなら、私も大抵の人に勝てる。井口先生ともよい勝負だと思うが。
 ただ、個人で意見を述べようとする場合、大学のURLを使用しないことが一つの見識かもしれない。洗剤のページで有名な横浜国立大学の大矢先生のところの掲示板が相当熱かったようだし。最近では、個人でWebを作るのにも余りお金が掛からないよい時代になったから。