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   不燃ごみ処理センター見学 10.13.2001




 10月9日、目黒区ごみ減量課の計らいによって、大田区の京浜島にある不燃物処理センターの見学をさせてもらった。この見学会は、本来、9月10日に行われるはずのものだったが、「空振り台風」のお陰で中止になってしまったものだ。
 不燃物処理センターだけでなく、東品川の不燃ごみ中継センターも見学した。ここは、パッカー車から、船輸送用のコンテナに積み替える施設である。
 E秘書は都合によりここ1年ほど登場機会がほとんどなかったが、今後は、ときどき登場する予定。

C先生:これまで、不燃ごみがどのように処理されているか、実は見たことがなかった。今回、はじめて、その処理の実体が分かった。不燃物処理センターは、平成8年にできたばかりの施設なのだが、いろいろと「本音と建前」が交錯する部分もあって、これから10年後を見通した将来計画を作る時期に到達していることが良く分かった。

A君:そうですね。「本音と建前」といってしまえばそうですが、実態は、「処理技術が改善されたこと」、「社会的な姿勢が変わったこと」、「マスコミの体質だけが変わらないこと」、こんなことが要因でしょうか。

B君:不燃ごみが焼却されていることをマスコミが総攻撃したことがある。「なんで分別をやらせておいて、焼却するのだ。焼却すればダイオキシンがでる。不燃なら不燃らしく処理せよ」、といったようだ。

C先生:今回、まず訪問したところが、東品川の中継センターだ。モノレールの天王洲アイルの駅にくっついて立っている。こんなに便利なところに作る必要は無いと思うが。

E秘書:はい、お茶です。これは見たことのある景色ですね。そんなところにごみ中継地が有ったのですか。それは驚きです。私もときどき天王洲にいきますが。ごみ中継地があんな現代流の街に溶け込んでいるのはすごいですね。

A君:この中継所も本来は迷惑施設なのでしょうが。こんなにも上手く作ってしまうと、誰も迷惑だと思わないのではないですか。

E秘書:そうですよ。旧都庁の東京国際フォーラムなど大赤字だそうですが、あそこもごみ処理施設にすれば良かったのに。

B君:久々の登場なのに、結構過激だなあ。まあ、いずれにしても、このごみ中継地のお陰で、トラック輸送が船輸送に変わるから、いろいろな意味で環境負荷軽減にはなっているだろう。

C先生:そして京浜島の不燃物処理センターを見学した。このところの変化だが、焼却炉の設備は改善され運転管理も上手になった。資源ごみ回収といった枠組みが定着したが、こんなにも早く体制が整うとは思っていなかった。これも容器包装リサイクル法の「明」の部分のお陰だろうな。そろそろ説明を開始してくれ。

A君:「不燃ごみ処理センター」の思想は、どうやら、「ごみの中から資源をいかに有効に回収するか」ということで作られているようで、建設当時としては、当然のことだったのですが、今となっては、やや時代遅れですね。現在の主流は、「事前に分別して、ごみと資源が混じらないようにする」、ことなのですから。

B君:不燃物処理センター完成時の自慢の施設が、「ガラス瓶色別自動回収装置」だったようだが、現在のように、ガラス瓶が事前に資源ごみ回収で分けられてしまうと、このセンターで回収されるガラス瓶はたったの200トン/年にも達しない状態になってしまって、むしろ運転を中止した方が合理的といった感触になっている。

C先生:ここ5〜6年のごみ関係の社会システムの変化は、実に大きいからね。

A君:この処理センターですが、集まった不燃物の袋を破って、そして、中身を風力分別でプラスチックを飛ばす、破砕機で小さくする、磁気分別で鉄を取って、渦電流でアルミを分ける、丸い転がる形のものはガラス瓶だとみなして分ける、といったシステムが複雑に組み合わされたものです。最終的には、アルミ、鉄、ガラス、不燃物、プラリッチ、その他と分けられるようです。

B君:この装置と次の焼却施設もそうらしいが、どうも苦手なのが、細い鉄や針金関係で、傘、ハンガーなどは手で取り除いているらしいが、これは、ちょっと設備設計上の問題かもね。

A君:上の分類のうち、プラリッチとその他に入ってくるのは、大体可燃性ですから、これを隣の大田第2工場で焼却しています。当初は、プラスチック減容装置で処理して埋め立てということだったらしいのですが、当時は、「プラスチックを燃やすとダイオキシン」という意識だったのが、最近では、「埋立地の不足が最大の問題だ」という意識に変わってきて、最近はプラスチックの埋め立てはかなり限定しているようです。

B君:余り量があるというわけではないが、小型の電気機器(カセットレコーダなど)が入った場合には、どこに行くのだろう。粉砕されて不燃物に行くのだろうか。

A君:恐らくそうでしょう。

E秘書:その写真はなんですか。プラスチックを固めたみたいなものは。

A君:実は、これが「鉄分」でリサイクルに回るとされているものなんですよ。

E秘書:鉄というよりも、プラスチックとわざわざ混ぜたといったものですね。そんなものが高価に売れるのですか。


B君:いや。この品質では無理だ。アルミもどうやら純粋なものの半額ぐらいらしいから。アルミと抱き合わせてなんとか売っているようだ。

C先生:このから出るリサイクル品の品位が低いのはやはり問題だな。
さて、システムの概要は分かった。問題として指摘された事項の整理をしてほしい。

A君:一つは、どう考えても不燃ごみのルールを破っているゴミが来ること。最大長30cmまでというのがそのルールなのですが、傘、スノーボード、簡易ベッドなどが入ること。さらに、粉砕が不可能なじゅうたん、マット、毛布などが入ることで、これは、30cm以内に小さくされていても、この不燃ごみ処理装置では処理不能のようですね。本当は粗大ゴミに、小さくしたら可燃ごみにというのが正しい処理ですが。

E秘書:傘などという普通のものは、粗大ごみとして特別扱いをするようなものではないですね。

B君:やはり、自動化をやると、どうしても想定外のものがある。傘などは、このシステムを設計したときには盲点だったのではないか。

E秘書:布団も燃えにくいらしいですね。でも、毛布などは大丈夫かななどと思ってしまうのですが。

B君:さらに問題なのが、火事がしばしば起きること。特に、鉄分の最終段階でプレスして取り扱いやすくするところで、スプレー缶やガスボンベに入っているガスが放出されて、火がでる。どうも、1年間に20回ぐらいの事故が起きるらしい。

C先生:火事はパッカー車でもよく起きると聞いている。火が出ると、消防署にもっていっても駄目で、やはりゴミ処理センターに持ち込んで、そこで、ぶちまけて消火するようだ。スプレー缶、ガスボンベ以外にも、使い捨てライターも危険。

A君:それに困るのが、自動車オイル・ペンキ・かび取り洗剤・などの液体の残りで、これはやはり別途処理でしょう。

C先生:というわけで、大体のプロセスの概要と現状での問題点が整理された。実際の処理量がどうなっているのか、といえば、この大田区の不燃物処理センターと、中央防波堤にある同様の処理センターによって、東京都全体の不燃ごみの処理が行われているようだ。能力的には十分過ぎる。なぜならば、ガラス瓶や空き缶などが資源回収されることなく、この設備に入ることを前提として作られているからだ。現在、能力の半分程度という余裕のある運転状態らしい。

A君:いずれにしても、不燃ごみは、そのまま埋め立てに回っているものではなくて、このように処理されて資源回収と減量とが行われてから埋め立てされているということを知って欲しいところですね。ただし、これは東京都の場合であって、他府県だと違いますから、それはそれぞれ調べて貰わないと。

B君:このように処理されているために、東京都最後の最終処分場だと言われている中央防波堤の海面処分場の寿命が長くなっている。

C先生:さて、この設備は、東京都の場合には、当分使うことになるだろう。一方、可燃ごみの焼却設備は、まだまだ改善される方向で、2〜3年後に世田谷工場が改善されると、すべての焼却工場で、ごみの高発熱対応が可能になる。要するにプラスチック類を安全に燃やすことができるようになる。
 こんな状況で、どのように分別収集システムを変えることが必要だろうか。

A君:キーワードは、やはりプラスチックの分別でしょうね。現在、プラスチックも容器包装リサイクル法の枠組みの中で取り扱うことも可能です。それを含めて、どのような取り扱いが合理的かということです。

B君:当然ながら、前提となるのは、これまでの「可燃ごみ」、「不燃ごみ」、「粗大ごみ」、「資源ごみ」、という東京都由来の分別法に、「プラスチックごみ」というものを加えるのが最低限の変更になるだろう。

C先生:そのプラスチックごみの処理だが、焼却炉用の補助燃料としての使い方と、容器包装リサイクル法におけるその他プラとしての取り扱いとの選択は、それぞれの自治体に任せる、といった方法かな。具体的には、プラスチック製商品、おもちゃとか、洗面器、日用品、などなどをプラスチック包装材料と分けて集めるのか、それとも一緒でよいのかかという問題になる。

B君:そんなところでしょうね。

A君:さらに、「危険ごみ」というジャンルを新設して、スプレー缶、ボンベ、ライター、を集め、「液体ごみ」というジャンルも作って、ペンキ、薬剤系を集めるのが必要のようですね。

B君:本来ならば、それらの「危険ごみ」、「液体ごみ」は、買ったところに持っていけば、無料で引き取りをするというシステムにすべきだ。ライターでも、トップメーカーの株式会社東海は、他のメーカーのものでも引き取りますというご立派な態度のようだ。

C先生:問題は、カセットボンベ。これは業務用でもかなり使われている。現在のルールだと、「使用後穴をあけることは危険だからしなくてもよいが、かならず全量使用してから不燃ごみに出すこと」とされているが、業務用の場合には、そんなことが実行されているとは全く思えないからだ。

E秘書:消防署が消費者に危険なことをやらせないということで、穴を開けないでもよいことになっているらしいですが、簡単に穴が開く道具をおまけでつけてくれれば、消費者だって自己責任でなんとか穴ぐらい開けられるのではないですか。全部使ってから戸外で穴を開ければ、危険も無いはずですし。

A君:業務用の場合はちょっと難しいですかね。でも、どうせ納入業者がいるわけで、使用済み品として返してしまえばよいですよね。それを別途処理するぐらい、なんでもないから。

C先生:このあたりから手を付けるのだろうか。これから具体的な方法の検討に入ろう。