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最近の新聞から
  1998年2月25日






過度の清潔症に歯止め??   日本経済新聞98年2月23日

 抗菌グッズ市場に見直しムードがでているとのこと。日経の表現によれば「異変が起きている」そうだ。確かに、これまで日経は抗菌商品を積極的に紹介してきている。抗菌推進派だと思っていた。




C先生:本ホームページを開設して以来、抗菌の無意味さを主張してきた。開設当時は、孤軍奮闘状態であったが、やっとのことで、新聞にも「抗菌無意味」なる報道がなされるようになってきた。

B君:そもそも、人体の中の常在菌はなんと1.5kgもあって、栄養失調状態になると、そこで、人体に有用なタンパク質なども作ることがあるというから、細菌を皆殺しにしようとする発想そのものがおかしい。日経は、我々の理解によれば、抗菌商品新発売のニュースをもっとも積極的に掲載した新聞で、いまさら、反抗菌キャンペーンをやるのはいかがなものか。

A君:なんだか、政治家になる準備をしているような、言葉使いだ。それはともかく、日経トレンディを叱るといった本ホームページを見たのでは。日経は、日本の経済の振興が最大の課題だから、売れるものならなんでも、といった基本方針があるのではないだろうか。

C先生:本ホームページもきっかけの一つになって、反抗菌キャンペーンがもしも本物になるのであれば、これに勝る幸せはなーい!!!!!

A君:なんだか妙な反応だ。長野オリンピック以来、感動過度症候群になったのでは。

B君:日経の記事に出ていないことで、もう一度強調したいことは、細菌との力まかせの戦いは、最終的に人類の敗北に終わるだろうということだ。細菌は一世代が短いから、短い期間で世代交代が行われ、環境に適合することもできる。だから、抗菌剤に対しても、速やかに耐性作るようになるだろう。突然変異を加速しているようなものだ。人間にも勿論免疫システムがあるから、細菌に対して抗体を作ることができるが、細菌の突然変異に速やかに対応できるとは思えない。

C先生:反抗菌キャンペーンの第一功労者は、東京医科歯科大学の藤田紘一郎先生だろう。藤田先生は、本来の専門は寄生虫学だけれど、寄生虫と人間、常在菌と人間との共生を主張されている。

A君:藤田先生の著書はすごいですね。

C先生:さなだ虫を自分の体の中に飼ってしまうところは、とてもついてはいけない。

B君:C先生なら平気かと思った。

A君:藤田先生の主張は、朝日新聞の月曜日に連載されてますが、アレルギー症と感染症、あるいは、アレルギー症と寄生虫が関係があるということは、非常に説得力があります。日本人が清潔になりすぎて、アレルギー症の人間が増えたことは多分統計的も事実なのでしょう。

C先生:アレルギーも実は色々と種類があるようだ。アトピー性については、いまだに議論があるようだ。しかし、アレルギーが人間の免疫機能の暴走であることは事実だろうから、感染症とか寄生虫とかいった免疫機能が本来戦うべき相手がいない状態を作ることは、アレルギーが起きやすい状況であることは、免疫を少々でもかじったことがある人にとっては、理解しやすいことだ。




「環境ホルモン騒ぎで、プラスチック容器のモデル事業中止」 
 朝日新聞 98年2月24日朝刊

リターナブルプラスチック容器の環境庁「実験モデル事業」が環境ホルモン問題で中止になった。



C先生:環境ホルモンの話も、完全なる真実かどうか、しばらく慎重に見守る必要があるが、まあ、安全サイドにものごとを見ておいた方がよい。

A君:今回のリターナブル容器の材質は、PETなのかと思ったら、なんとポリカーボネートだそうで。ポリカーボネートは、環境ホルモンとされるビスフェノールAが主成分だから、熱湯で処理すれば、まあ溶け出しても不思議ではないですね。

B君:今回の話は、まあ「きつい冗談」で見逃すこともできるが、乳児用の哺乳瓶の材質がポリカーボネートであることは、もっと真剣に考えるべきではないだろうか。

C先生:まったくだ。お母さん達。子どものリスクを回避することができるのは、あなた方だ。

A君:どうすれば良いのですか?

B君:当然だろ。まず、ガイドラインは「おばあちゃん(現在60歳?)がやっていたことに戻る」。

C先生:まあ、そこまで行かなくてもという部分はあるが、安全気味のガイドラインとしては、まずまずだろう。

A君:となると、哺乳瓶はガラス製、食器は陶器。割れて危険ではないですか。

B君:割れて怪我をしても、直るのが人間。

C先生:近頃は、割れないガラス、割れない陶器もあるから、それを選べば良いのだろう。
 「おばあちゃんガイドライン」を抗菌に適用すれば、例えば酢を上手く使うとか、梅干しとか、まあ日本人の知恵をもう一度復活させる時代になったのでは。

A君:環境庁が、プラスチックリターナブル容器をモデル事業に認定したのは、どういう理由なのですか。

C先生:これは想像だけれど、環境庁は、二酸化炭素排出削減を考えているのだろう。具体的には、リターナブルの理想はガラス容器なのだけれど、ガラスは重いので輸送時にエネルギーが余分に掛かる。だから、軽いリターナブル容器を使えば良いだろうという発想だと思う。

A君:そんなに簡単な話になるのですか。

B君:今回の話は、そう簡単ではないということを証明したのでは。

C先生:まあ、環境問題を考えるときに、二酸化炭素の削減だけを考えると、どこかにひずみが出る。一般に環境問題を考えるときには、総合的に見て「最適な方法」を探すのだ。ところが、現在の日本の状況は、「ごみゼロのビール工場」のように、一つの基準だけを取り上げて、そこに邁進するという状態だ。日本人のマインドがまだまだ「最適な方法」を探すというところになっていない。

A君:どんな方法が「最適な方法」なのかが分らないからですよね。

C先生:そう言われると痛い。ライフサイクルインパクトアセスメントという方法論がそれを与えてくれるはずなのだが、本ホームページに臨時に掲載しているOHPのコピーのように、まあ、統一的な方法に到達するにはしばらく時間が掛かるだろう。まあ、皆で頑張ろう。