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「今週の環境」(10月2001年)




10月1日: 「the・びん・考」に参加

 コープとうきょう環境委員会主催の3R、特に、リターナブル瓶を考える集会に参加した。まず、容器間比較研究会が行った最新版のLCAの結果について15分程度で報告をした。
 コープとうきょうの方針としては、リターナブル瓶現時点では採用しないことの説明が、藤森克子環境部長から報告があった。「80%以上のリサイクル率が無い限り、環境負荷が極端には低下しない。さらに瓶容器を消費者は受け入れるのか。製造者側にも、瓶容器の充填工程をやめてしまったところもある」。

それからパネルディスカッションとフロア-との議論が行われた。

 パネルディスカッションの参加者は、以下の通り。
  東京大学生産技術研究所 安井 至 
  東都生活協同組合組合員常勤理事 宗村弘子
  日本コカコーラ広報渉外部 五味直人
  コープとうきょう環境委員会委員 秋田さかえ
  コープとうきょう営業企画室  中村 勲
 コーディネータ
  コープとうきょう活動企画委員  河野恵美子

 登壇者の立場は色々である。宗村さんの東都生活協同組合は、店舗中心の業務ではなく、宅配中心の業務を行っているために、すでに、リターナブル瓶をかなり広範囲に導入している。五味さんは、当然、大メーカーとしての立場。秋田さんは、一般市民の立場、中村さんは、コープとうきょうの営業、特に、消費者と直接対話をするという立場であった。

 フロアーからの質問がかなり活発に出て、なかなか面白かった。必ずしも全員が、ゴリゴリの環境派的発言でなかったのが、なかなか良かった。
 
 特に、「瓶はいやだ。家は狭い。腕も痛くて、重いものももてない。紙パックの方がよい。それに、個人個人が環境のためにお金を出すというシステムが嫌いだ」、という発言があることが、比較的正常な集団であることを証明していた。

 水の量り売りをできないか、といったような提案もあった。

 コープとうきょうの会員は、なんと100万人いるそうだ。従来から唱えている1%ルール、すなわち、「人口の1%が新しい認識をもったとき、社会変革が始まる」、というものなのだが、コープとうきょうの会員全員を説得できれば、このルールを満たすことになる。さて、本当だろうか。


10月2日: 「びん・考」の続き

 昨日、時間が無くて書けなかったが、今回メーカーとしては日本コカコーラが参加してくれた。このような場に出ることは、メーカーにとってはなかなかの「針の筵」状態なのだが、さすがに五味さんは練れている。メーカーにとって、もっとも頭が痛い対象が、実は、一部の悪質な消費者商品は包装などに至まで完璧でなければならないという思い込みを持った消費者なのだ。日本コカコーラから参加した他の1名が、「それは教育が悪いからこんなことになったので、メーカーは大変だ」、という発言をして、場内の失笑買い、私から「それをメーカーが言ってはおしまいだ」発言をもらってしまったが、確かにそれが本音だろう。
 私個人の発言は、「中小メーカーならいざしらず、トップメーカーはすべての情報を把握している。それゆえ、消費者に対して本当の意味での商品選択とはこのようなものだ、といった方向性を示す社会的責任をもっている。悪質な消費者の是正は無理だから社会と協調して戦うべきだが、我儘な消費者は単なる我儘でしかないことを、しっかりと表明する必要がある」。
 これに対して、五味氏はきちんとした理解を示してくれた。今後の期待大である。

10月2日: 政治主導で当分肉骨粉禁止  −> 狂牛病の時事記事に追加


10月3日: 洗剤不要の洗濯機、論争中

 三洋電機が8月1日に発売した、「超音波と電解水で洗おう」(標準価格11万8千円〜12万8千円)をめぐって、日本石鹸洗剤工業会は、「汚れを十分には落とせない。消費者は満足できない」、と批判した。

 この洗濯機は、これまで「水商売」の中で取り上げた、電解水を使うもの。量販店などで売上1位になったところもあって、洗剤業界の危機感が高まった。洗剤全体の販売量のうち、洗濯用洗剤は7割。売上高は、94年の2242億円をピークに、00年は1796億円と低落傾向。

 三洋電機側は、これに反論する記者会見を開いた。アイディアを出した三洋の担当者は、「洗剤がすべて不要の洗濯機が先か、水の要らない洗剤が先か。水も洗剤もいらない繊維が先か。それが究極の競争だ」。

 国民生活センターは、「汚れの定義が必要だ」。

C先生:この問題、もともと洗剤メーカーの過剰反応だと思っていたので、もう片付いた問題なのだと理解していた。ところが、昨日、経済産業省の田辺リサイクル推進課長が部屋にお見えになったときにもこの話題が出て、まだまだ執念深くやっているとのことだったが、どうもこのことのようだ。

A君:電機屋側の人間として、今回の三洋電機の言い方には間違いが無いと思いますよ。汚れの少ないもの、特に、脂肪汚れの少ないものは、大体水洗いだけでも十分なものが多い訳で。

B君:「1日着た程度の肌着や少し使っただけのタオル」が洗える。これは正しいと思う。ただ、洗剤業界の解釈は、「洗剤なしで何10回も同じ下着を洗濯すると、汚れが少しずつ残るからそのうち汚くなる」、ということだろうが、それも正しいだろう。しかし、この事実をもって、「だから消費者は満足できない」というべきものでもない。消費者はもっと賢い。恐らく、同じ下着も2〜3回洗剤なしで洗っても、次の1回は洗剤を使って洗うだろう。

C先生:大体、日本の洗濯というものが、変質してしまったのはいつからなのか。超清潔主義がはびこってからなのだが、本来洗濯というものは、繊維のいたみとのバランス上、また、環境負荷面からも、回数はできるだけ減らすべきものなのだ。要するに、「汚れたから洗濯する」が正しいのに、「着たから洗濯する」になっている。1日着たら必ず洗濯するというのは、超清潔主義以外の何者でもない。

A君:しかし、消費者ニーズとしては、清潔感が欲しい。しかも除菌が欲しい。

B君:それが電機メーカーの目の付け所。除菌を謳える電解水を使った洗濯機ができた。

C先生:評価はどうしよう。もともと消費者のニーズが妙な方向を向いている。これは、メディアなどを中心に作られてしまった超清潔主義が原因である。これは正しくない。しかし、正しくない消費者が多いのも事実だ。となると、この洗濯機はどう評価すべきなのだ。

A君:少なくとも、洗剤側の主張は、「過剰反応だ」ということはどうです。

B君:それは同意。

C先生:そこまではよし。洗濯機だが、消費者のとるべき正しい態度には逆行しているので、思想的には同調しないが、「洗剤など無くてもなんとかなるという現在の洗濯の実態がある、ということを消費者に知らせる」という機能を果たしたので、その点は評価しようか。


10月3日: 国産牛利用の医薬・化粧品も禁止 −> 狂牛病の時事記事記事へ


10月4日: 小田急の高架、違法判決(3日)

 住民123名が国土交通省の関東地方整備局長を相手に、都市計画法に基づく事業認可処分の取り消しを求めた訴訟で、東京地裁は処分を取り消す判決を言い渡した。藤山雅行裁判長は、93年に決定された事業計画について、「すでにひどい状況にあった騒音の解消に配慮していなかった」、「十分な検討をしないまま、高架式の方が地下式よりも安上がりだとの前提にたって結論を出した」。

 この高架化工事は、梅ヶ丘から喜多見までの6,4km。この区間に17ヶ所の踏み切りがあった64年に計画が決定され、94年に認可を受けた。総事業費は1900億円。工事費の負担割合は、都側86%、小田急側14%。すでに7割が終了しており、来年3月に下り全線、04年度待つに全事業が完成予定。

C先生:この手の話は、全く専門外だが、焼却炉のような迷惑施設の場合と違って、便益を享受する人々も多く存在する訳で、いわば、公共的な工事ともいえる。このような場合、何が正解かといった判断はさらに難しい。少なくとも、今回の判決は、「国が行なう許認可がいつでも正しいとは限らない」、ということを強烈に主張しているものだ。

A君:今回の判決がどこにポイントがあるのかですが、一つは騒音、もう一つは高架方式が経済的であるとの根拠が不十分、とされています。

B君:騒音だけなら、全面的にカバーを着けるといった方法論だってありうるのではないか。そうすると地下方式の方が安くなるのだろうか。

A君:都が工事費のかなりの部分を出しているのだから、より安価な方法を採用することが、都民に対する責任でもありますね。これを考えるとますます難しい。

C先生:まあ、極めて例外的な判決なので、今後の推移を見守りたい。


10月4日: 中古PC流通本腰

 日本IBMは、中古パソコン販売最大手のソフマップと提携し、中古パソコンの流通事業者に乗り出す。4日にサービスを始める。自動車のような安定した中古市場の確立を狙う。
 IBMは、同社製パソコンを買い替える顧客に対して、中古品を査定・回収し、その額を新規購入代金から割り引く。値引き額は、買って1年半未満の製品ならば、新品当時の10〜40%。ソフマップが保証を付けて販売ルートに乗せる。

C先生:ここ2年間ぐらい、少なくともデスクトップパソコンが欲しいと思わない。もう、今のもので十分。何の不足もない。このような状態にならないと、中古市場というものも成立しないのだ。

A君:確かに。今現役のものは、将来とも使えるでしょう。それに、ソフトの進歩も大体止まったから、今のままでも困らない。

B君:モバイルの方がやはり進歩が必要。

C先生:その通り。こちらは、不完全な商品だけに、まだまだ良いものが欲しい。それに、毎日持ち歩くと、やはり寿命が短くて、FIVAもすでに傷だらけ。それに、入力の大部分がこの機種で行われるので、まだ1ヶ月半なのに、すでに、キーボードトップが減り始めた。果たしていつまでもつかだな。


10月4日: 21世紀の食と健康フォーラム 朝日朝刊

 免疫力を高めるためには、どのような食事が良いかに関するフォーラムがおこなわれたようだ。
 個人的にも、免疫力維持向上が、健康上もっとも重要であるという認識はもっており、いくつかの努力はしているつもり。例えば、「毎朝ヨーグルトを食べる」、「満遍なく色々なものを食べる」、「できるだけ寝る」、「たばこは吸わない・吸っている人に近づかない」、「お酒は飲みすぎない」、「できるだけくよくよしない」、「体重を増やさない」、「ときどきストレスをキレイに解消する」、などである。努力しても達成できない(あるいは努力するとますます達成できない)ことが、「働きすぎない」、「運動を適切に行う」、の2つ。
 さて、この健康フォーラムの講演者が、上野川修一先生、森本兼ふさ(漢字がでない)先生、それにもう一名。実は、この2名の先生方だが、上野川先生は、個人的に交流はないが、免疫やアレルギー、機能食品についての正しい情報は、先生の本から得るようにしている。森本先生は、文部省の研究プロジェクトでご一緒だったので、実は、今の生活習慣は、森本先生ご推薦そのままなのだ。
 詳しい内容とその考察は、そのうちまた。


10月5日: 減り続ける貿易黒字 朝日朝刊

 やっとこのような記事が出始めた。遅い。貿易黒字が、日本の生命線なのだということを,、早く全市民に認識してもらう必要があると思う。
 その中身だが、逆輸入に代表される輸入の安定的な増加である。そして、とうとうこの記事でも、「『ユニクロ』のカジュアル衣料に代表される海外生産の拡大だ」、と実名が入った。これまでは、ユニクロは新しいビジネスモデルとしてもてはやされてきたが、個人的には、「持続可能性の観点からこのようなビジネスには限界がある」、と主張してきた。
 伊藤隆敏・一橋大学教授は、「このままではいつか、円の価値も下がり、裕福な日本人ではいられなくなる。海外資産が生み出す利益で細々とやっていく国になる」。
 経済産業研究所の関志雄・上席研究員は、「日本がやるべきことははっきりしている。旧来型の産業が空洞化した後に来る付加価値の高い産業を今のうちに生み出すことだ」。
 この考え方についても同様のことを講演などでは述べてきている。「今後の日本の行く先は、資源・エネルギー生産性の高い製品、すなわち、なんらかの「プレミアム」のある製品を作るしかない」。その中に、「エコプレミアム」を存在させうるかどうか、これが個人的な目標である。
 ところが、NHKの「おはよう日本」で、たった今、放送しているのが、100円ショップだ。まあ、一般市民社会がそのような認識になるには、まだまだ時間が掛かるという証拠だろう。

10月5日: ユニクロ、全面リサイクル広告

 まあ罪滅ぼし広告だろう。最近、衣料のリサイクルは上手く行かなくなっている。量が増えてきたことと同時に、繊維の種類が増えた、加工品が増えた、などなどの要因がある。
 「ユニクロのフリースは、純粋のポリエステルでできているので、新しく断熱・遮音材などを生み出す素材として、『または電気エネルギー』としてリサイクルいたします」。
 要するに、燃やしてエネルギー回収をするつもりらしい。
 しかし、一応の評価はしよう。なぜならば、リサイクルを自社で体験することによって、最初からリサイクルしやすい構造の製品がでてくる可能性があるからだ。例えば、素材の統一とか、金属などのパーツを外しやすくするといったことだが。
10月7日: 環境科学会について

 10月4、5、6日、環境科学会が山梨大学で開催された。どうも参加人数が激減しているようだ。

 この学会だが、もともと文部省の大型特別研究であった「環境科学特別研究」によって形成された人的ネットワークの維持発展を目指して14年ほど前に設立されたものだ。その後、この直系の研究グループとして、鈴木基之先生代表の「人間環境系」、そして、安井が代表を務めた「人間地球系」があり、さらには、やや傍系にはなるが、鈴木基之先生が再度代表の「ゼロエミッション」があった。これらの研究グループは、この年会でポスターセッションを開催することを義務としていたために、それなりの参加者が確保されてきた。

 ところが、「ゼロエミッション」が今年3月に終了した。そのためか、今回の山梨の最終登録者は200名に到達しなかったようだ。これは、最盛期の半分以下である。

 一方、環境科学にとって、学会活動をしっかりとしたものにし、環境科学というものが一体なんなのかという議論を継続的に続けることが不可欠である。なぜならば、数多くの大学に「環境」を冠した学部が大量に作られ、東京大学にも、新領域研究科の中には、ひとつできている。しかしながら、これらの新設学部の研究は、まだまだ「環境」を研究しているとは思えないものが多い。それまで、それぞれの教授が行ってきた研究・教育を、単に「環境」という極めて広義の言葉、しかも学生に訴える能力を持った便利な言葉でくくりなおしたに過ぎない、といった例も多いのだ。このような学部に進学した学生から不満の声が聞こえてくる。もしも、本HPをお読みの学生さんで、ご不満があれば、是非メールを下さい

 我々が本家であるなどと主張するつもりは全く無いが、現時点における環境科学とは何か、今後環境科学はどのような方向に変化していかなければならないのか、このようなことについて環境科学会がはっきりとした方向性を示していかなければならないのだ。

 今年から、筆者は、環境科学会誌の編集委員長・理事という職務をやらせていただいている。この雑誌の編集方針は、学会全体の活動方針に大きく影響を与える。そこで、様々な、場合によっては無謀だと思えるような提案を繰り返しながら、来年からの紙面に新しい何かを加えようと必死になっている。

 環境科学会の雑誌が、これまでの学会の人間のための学会誌としての機能だけではなく、企業の環境関係の担当者にも十分読む価値があるとの評価を得られることも試みてみたい。その次には、一般市民社会に対するメッセージも盛り込んだ雑誌にすることも視野に入れたい。

 少なくとも、環境科学会で行う行事で、今後、一般市民向けのものが企画されるようなので、それは本HPを用いて積極的に広報活動を行いたいと思っている。読者の方々、よろしくお願い申し上げます。

10月7日: 3Rイベント@池袋サンシャイン

 クリーンジャパンセンターの主催による3R普及のためのイベントが池袋サンシャインの噴水広場であった。まさに様々なイベントがあるなかで、今回参加したのは、トークショーである。こんな出席者だった。
 司会:高橋小枝子さん。文化放送アナウンサー。エコキャスター。
 ゲスト:やくみつるさん:漫画家、こだわりの宝物を多数所有。分別を趣味とする。
     中森有香さん:女優。サイエンスアイ司会、特命リサーチ2000Xなど。さすがの美人。
     グレートチキンパワーズ:実態は良く知らない。
     安井 至:本人。サイエンスアイでは中森さんと共演したことあり。

 今回の目標は、リデュースという言葉をリサイクルなみに普及させることだった。

 さて、色々な話題で盛り上がったが、少々時間が足らなくて、特に、やくみつるさん、中森有香さんのお話をうかがう時間が少なすぎて、申し訳なかった。借りを作ってしまったような感じ。高橋さんがこちらに振ってくるので、極手短に答えていたのだが。グレートチキンパワーズの2名は、なかなか色々なことをしゃべっていて面白かったが。

 まあ、やくみつるさん、中森友香さんとは、また別の機会もまたあるかもしれないので、そのときには、もっとお話をうかがいたいと思います。


10月9日: 狂牛病の検査、すべての牛を対象に

 EUの場合でも、検査をするのは30ヶ月以上の牛に限っている。なぜならば、それ以下の牛は、100%安全だということが分かっているからだ。異常プリオンが生後2年6ヶ月という短い期間で、検出可能になるほど、また、感染源になるほど増殖することはないからである。まだ確実な知識が怪しい狂牛病だが、これだけは確実な事実である。
 ところが、日本政府が決めたことは、全年齢の牛を出荷時に検査することであった。TVニュースによれば、「日本国民に残る根強い不安感に対応するため」、だそうだ。「絶対に安全」を狙ったのだろう。

C先生:これは極めて残念な対応といわざるを得ない。30ヶ月以下の牛など、いくら調べても全く意味が無いことをきちんと説明して、EUのやり方が科学的に正しい結論であることをきっちりと納得させるという試みをすべきであった。

A君:日本人には科学的判断能力が無いという政府首脳の思い込みでこんな決定をやってしまった、ということですか。

B君:大体日本人は子牛などを食べないから、全量検査しても実質上同じだということで、深くものを考えないで、結論を出したのではないか。

C先生:日本人の科学的音痴度は、OECD先進国の中でもビリから2番目。今回のような機会に、「科学的決定とは何か」ということをきちんと説明できる能力をもつことを霞ヶ関に求めたい。

A君:情緒的な政府攻撃を行うメディアがいる限りは無理でしょう。

B君:いくら科学的な決定をしても、今回の農水省のような国民無視の態度を示されたら、誰も信じないから無理だ。

C先生:しかし、それを言ってしまっては終りなのだ。困ったものだ。


10月10日: フロンの回収進まず NHKテレビ
  
 自動車用エアコンからのフロンの回収は、7%程度しかないという。冷蔵庫などは、25%程度。これでも低い。

C先生:冷蔵庫は、家電リサイクル法が実施される過程で徐々に高くなるだろう。「特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律 」が、平成13年6月に成立し、平成14年4月1日から施行されるので、それ以後は、格段の改善が望める。

A君:でも、遅いですよね。

B君:日本の環境関係の法律は、最終的な落としどころは決して間違っていないと思うが、遅いのが難点。容器包装リサイクル法だって、積極的に改善して、最終的な落としどころを探るべきだ。


10月11日: 野依先生、ノーベル化学賞おめでとうございます

 野依良治先生のノーベル化学賞受賞が決まった。不斉合成の研究で、化学の一大分野を開拓された。昨年の白川先生とで、ノーベル化学賞では日本が連勝。めでたい。
 ノーベル賞は重要だが、ノーベル賞には決してならないような研究分野、それが環境分野。これも重要。

10月11日: 週刊文春の詐欺記事 「狂牛病疑惑」

 戦慄スクープ 厚生労働省「日本人発症ゼロ」は信用できない。 阪大病院を震撼させた、「日本人狂牛病疑惑患者第一号」 

 こんな文字が躍っている。ところが、中身を読むと全く違う。この記事は詐欺だ。金返せ。300円どぶに捨てた方が良かった。

 読み進むと、記事の2/3が進んだあたりに、今回の疑惑患者も、普通のヤコブ病であって、「新変異型=狂牛病」ではないことが、東北大学の調査によって確認されている、と書いてある。なんだこれは。

 普通のヤコブ病なら、日本でもすでに1000例を数える。一方、新変異型は、英国で106名、フランス3名、アイルランドで1名の発生にすぎない。

 それからがこの週刊誌の記者の想像的創造で、通常のヤコブ病も、狂牛病との関係が無縁とは言えない。WHOのレポートによると、「普通型の酪農家に多く見られることがあり、狂牛病となんらかの関係がある可能性を示唆している」。さらに、狂牛病に掛かりやすいかどうかの判定基準になる、プリオン遺伝子は、メチオニン・ホモと呼ばれる型で、英国人は36%であるのに対し、日本人は91%がこの型だ。だから新変異型患者が日本にいても不思議ではない、という確率を全く無視した議論を展開しているのだ。

 やはり「雑誌が売れれば何を書いても許される」、そんな編集方針の週刊誌だ。 八つ当たりをさせてもらえば、「リサイクルしてはいけない」を最初に紹介したのも、この週刊文春だ。不買運動を始めよう。


10月12日: 東京市場で狂牛病か

 なんと30ヶ月未満の牛から狂牛病の反応が出たらしい。303頭の牛の1頭だ。これが本当ならとんでもないことだ。
 すべての牛の検査が始まるのが、18日なので、それまでは市場が停止することになる。
 ただし、本当に狂牛病であるかどうか、それは別の方法による検査を見なければ分からない。その結果がどうなるかだ。

10月12日: やはり狂牛病ではなかった

 精密検査の結果、やはり狂牛病ではなかった。「冷静に考えれば有り得ない」とは思うものの、「ここまで大きな記事だから、もしかしたら」、という気もした。記事のサイズによって影響を受けてしまうようだ。一般市民が心配になるのも分かるような気がした。

10月14日: GEAの会議に参加

 12日からGEAの会議があった。GEAは、Global Environment Actionの省略形であって、環境問題に関心のある日本の国会議員が主となっている集まりである。国際的な環境問題の解決に向けてなんらかの政策的な提言を行うべく、途上国からの招待者を含めて、会議を行っている。
 今回GEAの会議に始めて参加し、「アジア・太平洋地域における持続可能な発展−その現状と将来展望」なるWGに割り振られて、この難しい課題に取り組んだ。
 個人的には、環境問題は基本的には国内問題だと考えており、国際的な課題は、地球レベルの問題はなんとか解決が可能かもしれないが、他国の国内問題には我々は口を出すべきではない、と考えてきた。
 このWGで日本人としては、唯一のプレゼンテーションをやらせてもらった。発表したことは、例の環境クズネッツカーブで、日ごろの主張である「先進国は、資源・エネルギー効率を極限まで高めるべし」、「そして、米国型ではないアジア型のエネルギー使用モデルを作ろう」、を行った。
 しかし、途上国からの参加者のプレゼンテーションは、極端に言えば「貧困と環境」の解決のために援助が必要といったものであった。相当なる違和感があって、なんのために会議をやっているのか、いささか先が見えない状態が続いた。
 この手の話、すぐには何も書けない。そこで、もう少々考えてからHPを作ってみたい。今は、やや過労気味で考える元気がないので。
 

10月17日: 狂牛病の記事多数

(1)牛に「番号制」で履歴管理
(2)茨城県で羊のスクレイピー確認
(3)検査で灰色の牛、確定まで公表せず
(4)朝日世論調査、「牛肉控える」6割

C先生:まだまだ狂牛病関連のニュースが収まらない。(1)の牛の番号制は、狂牛病のような病気が起きたときに、追跡が容易になるだろう。(2)の羊のスクレイピーだが、ヨーロッパなどでは歴史が古い病気で、大量発生しているが、日本では、これまでに57頭が発症したとされている。

A君:まず、18日から始まる牛の全数検査がトレンドの変化のきっかけになりますかね。

B君:その(3)、(4)のニュースを見ると、なんとも。(3)は、先日の東京市場での簡易検査法で灰色だった牛の報道が、余りにも巨大な活字になったもので、それへの対応のつもりだろうが、隠すのが良いかどうか、これはわからない。

C先生:今の簡易検査法だと、感度を高く設定しているので、灰色のケースが余りにも多くなると思っているのだろう。一般論としては、「情報」を隠すのは得策ではない。しかし、灰色が多い検査結果をすべて出すのが良いかどうか、これは慎重に検討を要する。

B君:その灰色という結果が、「情報」と呼べるかどうかに掛かりそうだ。

A君:世論調査で、6割が「牛肉控える」となってしまったのも、メディアの責任は大きいですね。どの週刊誌の記事も、危険を煽るものばかりで、どのぐらいのリスクであるかを記述したものではなかった。現在の日本国民がリスクゼロ指向であることを前提に、それを煽るには、どんな記事が効果的か、という立場からの記事ばかりでした。

B君:週刊誌の編集者にも、本HPのように、「安くなったら牛肉を食べよう」といった記事を書きたい人も居ると思うのだ。しかし、そんな記事を書くと、不見識だという抗議が来るのではないだろうか。

C先生:民意と行政、これはまさに、「ニワトリと卵」の関係、「未熟な民意には未熟な行政」、「未熟な行政ゆえに未熟な民意」。どちらが先に殻を破るか、それは、行政側からやらないと駄目だ。

10月17日: 家庭ごみの収集有料化 朝日新聞オピニオン面
 
 家庭ごみの収集を有料化する市町村が増えている。東京都も検討中。しかし、本当にごみ減量に効くのか。
 東京都日野市では、昨年の10月、指定ごみ袋有料制を取り入れた。40リットル袋が80円。一般家庭で1ヶ月約500円。半年間の家庭ごみの量は、昨年の同時期に比べて半減した。収集車が1軒1軒回る戸別収集方式にした。
 伊達市の例では、89年に導入したが、00年には、増加に転じた。
 東京の「青梅の水とごみを考える会」事務局の塩野圭子さんは、「有料化はお金を払えばよいという考え方。スーパーの包装など世の中の仕組みの変更が先」
 一方、厚生省(当時)は99年に効果的であるという見解を出している。
 このように、有料化には、ごみ減量の効果があるという意見と、ないという意見がある。


10月19日: 炭そ菌の騒ぎでバイエルの株価上昇

 テロかどうか。生物兵器なのか。炭そ菌騒ぎが米国で広がっている。テロ以来、急激に下げた米国の株価が、炭そ菌騒ぎでは下げていない。なんだか、底硬い状況になっているらしい。炭そ病などという古い病気に対応できる製薬会社というと、なんとバイエル。ドイツの底力か。

10月19日: 狂牛病の全数調査始まる 横浜で灰色結果

 いよいよ出荷される牛の全数検査が始まった。18日は1800頭だったようだ。横浜で灰色の牛がいたらしい。この検査法だと、今後とも、そんなものなのだろう。


10月20日: 杉並区のレジ袋税 調整難航

 レジ袋に5円の区税を掛ける条例の検討を行ってきた杉並区であるが、商店街側から猛反対を受けている。いわく、「5円とるなど、お客さんを敵に回すことになる」。山田区長も「条例案を11月の区議会に提出するか、まだ決めていないが、今月中に結論をだしたい」。

C先生:この手の話でいつも疑問に思うのは、商店街がどのぐらいお客の本音を把握しているかだ。「お客を敵に回す」は、単なる思い込みなのではないか。

10月20日: 練馬区家庭ごみ調査報告書

 520世帯から集めたごみ約10トンを対象に、分別の状況を調べた。可燃ごみへの不燃ごみの混入率は4.8%、不燃ごみへの可燃物の混入率は12.8%。ごみとして出されたもののうち、可燃ごみの11.7%、不燃ごみの21.3%はリサイクルできるものだった。

C先生:「東京流の不燃、可燃の分別」という呪縛から、そろそろ開放された報告が欲しいところ。本物を入手して解析してみたい。

10月20日: 産業界からの二酸化炭素放出 2年連続増加

 経団連調査の最新調査によれば、産業界の放出した二酸化炭素の総量は4億8609万トンで、目標である平成元年度放出量を1.2%上回っている。23業種で減少。13の業種で増加。
10月21日: また買わされた週刊文春 狂牛病

 週刊文春は、どうしても狂牛病患者を作りたいようだ。10月25日号のトップ記事によれば、十代の女性が首都圏の大学付属病院に入院中。手足が震えることから始まって、痴呆の症状が出てきた。海外への渡航歴はない。

 週刊文春によれば、「この女性の発症が確実になれば、その感染源である汚染牛が国内に多数存在していることが裏付けられることになる」。そして、「狂牛病の潜伏期間が3年から15年だから、今後さらなる被害者が出る可能性が高い」。
 
 この話は、なかなか微妙である。文春も記述しているように、この女性が狂牛病であると断定された訳でないからだ。断定するには、脳のサンプリングが必要で、生存中には難しい。しかし、文春は「決定的」だと判断しているそうだ。

 狂牛病の正式名称である「クロイツフェルトヤコブ病=CJD」には、4種類の存在が知られている。(1)遺伝的要因、(2)脳の硬膜移植による、(3)個発性=原因不明、(4)牛からの感染と思われる新変異型、である。(1)〜(3)の原因で、日本にも年間100人前後の患者が存在する。この(3)と(4)の区別が難しい。

 一つは年齢。個発性だと、平均年齢が63歳。新変異型だと10代もありうる。次が進行の速度。個発性は数ヶ月で、新変異型は1年ぐらい。三番目が脳波とMRI診断。そして、この女性患者は、現在「疑いがある」という診断を受けているらしい。

 今回の情報は比較的信頼性が高そうだ。しかし、「疑いがある」が、文春だと「決定的」になるところの論理は不明である。


10月23日: リサイクル法と税制

 22日の朝日新聞のくらし欄。家電リサイクル法の評価が掲載されていた。本物をもっていないし、大阪から東京に向かっている新幹線中で記述しているので不正確かもしれない。

 細田先生が、前払いでのリサイクル法を作るには、税制の改革が必要と述べておられたようだが、まさに、問題の核心はここにあるように思う。自動車の場合には、前払いシステムになったようだが、そのためには、管理法人を作ることになる。

 リサイクル法を作るたびに、いちいち管理法人を作るわけにも行かないから、家電リサイクル法で前払いシステムにするとしたら、受け取ったリサイクル料金は、企業がつぶれたらどうするのか、などの問題は残るものの、企業が管理することが良いだろう。もしも、リサイクル料金が実際に掛かった金額よりも多ければ、それは、その企業が努力したということでよいだろう。

 ただし、問題は、税制である。まず、受け取ったリサイクル料金を年内に使わないと、法人税の対象になってしまう。さらに、上述のような場合のように、利益が出たら、それは当然法人税の対象である。

 このあたりの税制をなんとかしないと、前払い方式のリサイクルシステムは難しい。


10月25日: 週刊新潮、文春記事を大批判

 本日発売の週刊新潮11月1日号は、週刊文春の報じた狂牛病国内第1号の記事を全面批判した記事を掲載した。

 それによれば、週刊文春の記事はデタラメだという。デタラメなポイントをリストアップすれば次のようになる。

(1)新変異型=狂牛病で、突然痙攣するなどという発症のしかたはしない。通常は、うつ病的な症状を示す。
(2)なぜならば、狂牛病は、進行が緩慢であって、急激な進行は示さない。この症状なら、むしろある種の癲癇のほうが可能性がある。
(3)わずか3ヶ月で寝たきりになるのも急激な進行だと言える。したがって、おかしい。
(4)脳髄液の蛋白反応も、狂牛病に限らず、異常があれば、陽性反応が出る場合がむしろ多い。
(5)PSDという脳波も、これが出ないからといって、決め手になるようなものではなくて、そもそも健康なら出ないし、痴呆症や多発性脳梗塞などでも出ない。
(6)要するに、非常に巧妙なロジックを作って、読者をある特定の結論に導こうとするものである。

 週刊文春の編集長は、「当然、記事は狂牛病パニックを煽り立てることが目的ではありません(信用できないなあ)。狂牛病発症牛の感染ルートが全く解明されないまま、安全宣言を出すような厚労省、農水省に対し、消費者に安全な対策を一刻も早く講じ、情報開示が進むようにとの考えてのこと」

さらに、「各種検査の結果を総合的に検証し、複数の医療関係者の証言を重ね合わせて狂牛病発症の可能性を論じているもの(その割には決定的だと断定しているな)」

 いずれにしても、週刊文春の編集長の最初の主張は、わが国の市民社会では当然と受け取られてしまうようだ。やはり、霞ヶ関が市民社会を第一優先と考えていないことがバレているのだろう。

 週刊文春の記事は、ヤコブ病サーベイランス委員長の国立精神・神経センターの佐藤猛名誉院長を完全に怒らせたようだ。どうも、限りなくシロに近いという結論が25日のサーベイランス委員会では出るようだ。

自己批判:当然なことながらこの方面に疎いので、残念ながら、文春の記事を批判するだけの能力が無かった。専門家はやはり専門家である。市民レベルから全く信用のない厚生労働省でも、少なくとも、私よりははるかに専門家である。もう少々信用すべきかもしれない。


10月26日: 狂牛病発症の疑い、いずれも否定

 厚労省のヤコブ病サーベイランス委員会は、25日開催され、これまで疑いがあるとされた3症例について、「いずれも新変異型=狂牛病の可能性はほぼ否定された」。

 このニュースを週刊文春が報道するか、それとも無視するか。これで週刊文春に良心があるかどうか、が見えるだろう。

 どうやら、日刊スポーツにも、この患者関係の記事が出ていたらしいのだが、日刊スポーツは、むしろ淡々と事実関係を報道していたようだ。


10月26日: 杉並レジ袋税、議会へ

 杉並区の山田区長はなかなかの人物で、注目している。
 25日、杉並区は、レジ袋税条例案を11月2日からの定例区議会に提出することを決めた。
 それに対する消費者の反応だが、杉並区が7月に行った意識調査では、レジ袋税が実施されたとき、買い物袋を持参すると答えたのが75%、5円払ってレジ袋を貰うという回答が19%、区内で買い物をしないが2%である。
 住民意識が最大の問題であるのは事実だが、この2%程度の人の存在は仕方が無いだろう。これが0.1%だったら、むしろ気持ちが悪い。


10月27日: 狂牛病の「シロ」判定さらに慎重に
 
 厚生労働省は、26日、狂牛病の専門家会議で「シロ」にならなかった牛の検査をさらに慎重に行うことを決めた。一次検査はエライザ法で行われ、ここで「シロ」にならなかった牛は、二次検査としてウェスタンブロット法が採用されることになっていた。しかし、専門家会議は、これでも不十分として、免疫組織化学検査なる検査法によって最終判断をすることを決めた。この検査には、約1週間掛かるようで、その間に食肉としての価値が下がる可能性があるが、対応はしない方針のようだ。

 EUではウェスタンブロット法のみで判定しており、それを上回る体制とすることを決めたことになる。

 個人的には、プリオンの挙動について以下の記述するように分からないことがまだ多いので、この方法を採用することによって、さらなるリスク低下が期待できるのか、全く判定できない。

 そもそも、あと1ヶ月後には狂牛病になる牛がいたとして、その牛の脳を現時点で食べることは果たして安全なのかどうか、こんな単純なことが分からない。また、その牛を検査したときに、異常プリオンが検出できるのかどうか、それも分からない。異常プリオンなど、少数であればどの牛にもあるわけで、異常プリオンの増殖は指数関数的に起きるのだろうとは思うが、どのぐらいの摂取量になると危険なのか、それも良くわからない。


10月27日: がんと栄養 

 10月26日にベイエリアの科学未来館で行われた科学ジャーナリスト会議でお会いした、東北大学講師の坪野先生の「がんと栄養」サイトのご紹介。http://www.metamedica.com/

 どうやら、食物などでがんが抑えられるという話の大部分が証拠が無いようだ。

 例えば、食物繊維、カロチン、くだもの、野菜、緑茶、カテキン、このような食物が活性酸素の発生を抑え、発ガンを防止するというようなテレビ報道・雑誌報道が多いのだが、どうやら根拠がないようだ。

 これらの記事の中で、特に興味を引いたのが、「がんはどこまで予防できるか」というもので、喫煙者と非喫煙者とに分けたデータが示されており、喫煙者は、たばこを止めれば60%の予防ができるが、非喫煙者の場合だと、感染症(肝炎、ピロリ菌など)に掛からないようにすれば5%、アルコール、日光、大気汚染、職業的要因、運動不足がそれぞれ1%ずつ、そして、肥満が10%。そして食生活が10〜30%ということ。すなわち、何をやっても、半分程度は予防不可能。

C先生:がんにならない秘密の方法などは無いようだ。どうやら色々なものを食べて、太らないようにして、運動を適当にやるといったことしかないようだ。

10月28日: 電磁波の人体影響にメラトニン

 メラトニンは、人間の睡眠などの生体リズムを司るホルモンの一種であるが、がんの増殖抑制効果ももつとされている。そのため、1987年に「メラトニン仮説」なるもの、すなわち、メラトニンの機能が低下すると、各種のがん細胞の増加につながるという説がだされていた。

 国立環境研の兜首席研究官、石堂正美主任研究員の実験では、磁界感受性のある乳がん細胞「MCF7」に人体と同じ濃度のメラトニンを加え、乳がん細胞の増殖が抑制されることをまず確認。次に、同じ条件で、このがん細胞に日常生活でも経験されるのと同じ1.2〜4μテスラとやや強い100μテスラの磁界中に置いた。その結果、いずれの場合も、メラトニンは細胞の中で抑制効果を低下させ、濃度によっては効果が消失する例も出た。

 メラトニンのがん抑制効果は、(1)細胞膜の受容体、(2)Gたんぱく質、(3)酵素、の3つの伝達因子を経てがん細胞に伝達されるとし、その伝達が電磁波によって阻害されたと考えている、と発表されたようだ。

 石原研究員「あくまでも細胞レベルの反応なので、人体が同じ影響を受けるとは言えない。しかし、抑制効果が阻害されるメカニズムも判明してきた。磁界感受性のあるこの乳がん細胞をマウスに移植するなど、新たな段階につなげたい」

 コメントは、IARC(国際がん研究機関)専門委員の宮越順二京都大学医学部助教授。「今回の実験は磁界に感受性のある特殊ながん細胞での現象で、他の細胞や動物実験では再現されていない。一般化してものを言うのは慎重でなければならない。ただし、欧米での実験の再現に成功したことと、がん抑制作用阻害のメカニズムまで踏み込んでおり、評価できる内容だ」

C先生:電磁波の人体影響は、これまでありとあらゆる動物実験では否定されてきたし、人間を用いる実験でも再現できていない。しかし、詳細な疫学実験をやると、小児性白血病について、全く影響が無いとは言えないという結論がでるらしい。
 要するに、電磁波の発がんへの影響は、非常に弱いリスクではあるが、完全いゼロとは言えない、というのが現状だと思える。もっとも完全にゼロリスクなことなど、何もないが。
 このように弱いリスクの場合、その再現実験はなかなか困難だ。なぜならば動物実験にしても、100万匹のマウスを殺す訳には行かないから。今回の実験が、現実の問題とどのように対応するのか、そのリスクの解明につながるのかまだ見えない状況だが、機構が解明されるのは良いことだ。


10月28日: 銀河系宇宙はアンドロメダ銀河と30億年後に合体

 NHKスペシャル。銀河の中心にはブラックホールが存在。しかも、銀河は合体を繰り返し、M87銀河のように丸い形状の銀河になる。その中心には、巨大なブラックホールができる。30億年後には、われわれが存在している銀河系宇宙とアンドロメダ銀河とは合体するらしい。しかし、その前に地球は太陽の関係に何か起きないのか。太陽の寿命といわれているあと50億年もの間、太陽系の中に存在するのだろうか。

10月28日: ベートーヴェンは鉛中毒で死んだ

 日本テレビ系の特命リサーチ200Xで、ベートーヴェンの死因は鉛中毒だという放送が行われた。それは、ワインの味を良くするものとして加えられたいた鉛。最近だと、一時期オーストリーワインで問題なった、エチレングリコールなどが加えられることもあったが、さすがに今は鉛を添加するようなことはない。

 古代ローマ帝国の滅亡の原因も鉛中毒というもののかなり信憑性がある。ローマ帝国では、鉛は容器とか鍋が鉛を含んでいたために、ローマの人々は230マイクログラム程度を摂取していた(WHOの許容値は、1日あたり43マイクログラム)。

 添加物入りのワインの話は、渡辺先生の著書にも出てくる。なぜか放送では、添加物の詳細が記述されなかったのだが、その実態は、酢酸鉛である。この薬品は、なめるとなんとなく甘い。ビンテージワインの味をよくするという理由で加えられていたようだ。

 その後の話題、鉛が我々の生活を脅かしている。1989年、ところが数ヵ月後、2歳の赤ちゃんも一日中泣くようになった。医師は原因が見つからないといったが、実は鉛中毒だった。その原因は、古いペンキである。白いペンキには鉛白(塩基性炭酸鉛)。米国の子供の鉛中毒の話も有名。

 子供は異物を取り込みやすい。鉛中毒になる確率は子供の方が多い。血液脳関門は12歳ぐらいに完成される。Pbが脳血液関門を通過してしまう。

 米国における建築物に含まれる鉛の総量は300万トンにも及ぶとされている。

 山口大学の入江和夫教授は、鉛入りのペンキがあった。ある講演の滑り台の手すり。幼稚園のシーソー、ブランコを囲む柵、などに鉛を含むペンキが発見された。

 2001年4月。横浜市の発表によれば、水道水の朝一番の水には、鉛が含まれている。自治体の調査によれば、825万所帯。全長2万7000km。横浜市によれば、鉛が含まれていても、鉛中毒になる可能性は全くない。

 鉛にどのように対処すれば良いのか。古いペンキは手から口に入る可能性あり。古いペンキの処理も専門業者に頼むべきだ。

 余りセンセーショナルな報道ではなかった。


鉛関連付属資料:

鉛の天然存在量は、土壌1トンあたり14g。

鉛中毒とは、様々な機能障害を起こす。ヘモグロビンが生成を妨げるために、貧血になる。神経系統に大きな影響を与える。その結果、激しい腹痛、間接の痛み、聴力障害、うつ症状など。

人体は鉛を代謝できない。最終的には骨に入る。

若いときから難聴をはじめとするベートーヴェンの症状と仮説
*仮説1:17歳頃から鉱泉保養地を訪れていた。そのため鉛を含んだみず。
*仮説2:川魚、ベートーヴェンは川魚が好きだった。ブラームスは大丈夫だった。
*仮説3:グラスハーモニカ。鉛ガラスだった。


10月29日: 今日からCOP7

 2002年に批准を目指す日本政府は、本来ならばこのCOP7での文書化を最優先させなければならないはずなのだ。しかし、どうも国際社会は、モロッコのマラケシュなるよく分からない場所で行われるCOP7よりも、来年、南アフリカで行われる「リオ+10」を重視しているような雰囲気。なんとなく、重みが無くなってしまった。

 それには、当然のことながら、同時多発テロが影響していて、米国が代案を出すなどという約束は、どこかに吹っ飛んだ。

 日本政府が現在やることは、となると、それは、日本国内の合意形成だ。しかし、現在の不景気を理由にして、経団連などにも、反対論が息を吹き返しているようだ。

10月29日: 全頭検査前の牛肉、国が処分へ
 
 多分、昨日か一昨日のニュース。1.3万トンの現在保管中の牛肉を処分することを、やっと農水省が決めた。決断ができない省庁である。「これまでも安全だと言ってきた」のだから、それを焼却するとは言えない、というのが論理らしい。確かに、全頭検査する前にも、色々と対策はとられているから、安全であることに間違いはないところ。しかし、現在の市民社会の信頼性を得たいと思うなら、処分が必須。本音としては、もったいないと思うが。


10月30日: 週刊朝日、「牛肉は来年の夏まで食べるな」 11月9日号
 
 その理由は、上に述べた全頭検査前の牛肉が、今後も出荷され続けるから。こんな記事を書かれてしまってはどうしようもない。やはり、「メディアは、市民社会に危険を報道することはできても、安全・安心を報道することはできないのだ」、ということを証明しているような記事。大体、すでに処分することが決まっているのだから、最後の一行にでも、「やっと処分することが決まった」と書くべきだった。これを書くと記事がボツになるのかもしれない。


10月31日: 杉並商店街、レジ袋税賛成過半数

 議論を巻き起こしている杉並レジ袋税だが、商店街理事会が投票を行ったところ、過半数の商店主が賛成したらしい。山田区長による説明会などの場だと、反対派がかなり強硬な意見をだすが、実際に投票してみたら、賛成が過半数を超したとのこと。サイレントマジョリティーがどちらかという簡単なことが、交渉の場では見えないということなのだろう。