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番外:モバイル応援団 02.12.2001




 日本という国は、不思議な国である。エネルギーの95%、資源の90%、食糧もエネルギーベースで60%を輸入しているから、ちょっと考えたら誠に貧乏な国である。ところが、世界中どこにいっても日本人観光客が幅を利かせている金持ち国である。
 えーー、不思議だとは思わない。そうですか。
 でも、楽に海外に行けるのは、為替レートが日本に有利だからだ。なぜ、為替ルートが円高なのか、これを不思議に思って欲しい。 
 それは、電機産業、自動車産業が日本を支えているからに他ならない。このような日本の産業が、ひいては日本社会が持続可能であるためには、どうやら、IT用機器で世界をリードしていくことが、当面最善の方策のようである。
 そこで、番外編として、まずは次世代IT技術の鍵となりそうなモバイルに応援歌を送りたい。個人的には、結構ヘビーユーザなので、今後の希望事項を含めて、記述してみた。

 メールをどのように受け、どのように出すか。これは現代情報化社会の大問題だ。個人的な話になるが、現時点で受けるメールの数は、1日あたり大体40通。これを、自分のデスクだけで受けて、その返事を書いていたら、それこそ机に座っているときには(この時間が余り無いのが現実なので)、いつでもメールを書いていなければならない状況になってしまう。半端な時間にできるだけメールを受け、処理ができるシステムを持つことが、個人としてのサバイバル技術の一つである。
 となると、キーワードが、モバイル通信である。携帯電話やPHS、その他の手段をどのように使って、どのような処理をするのが合理的なのか。
 使用機器への投資が必要といっても、きわめて幸いなことに、そのすべてを個人で支払う訳ではないので、多少の贅沢もできる。そこで、環境負荷を考慮した上で、なるべく最上の環境を実現することと、同時に最上の投資効率(主として使用料削減:こちらは個人持ちが多いので)を目指している。

現在所有している携帯電話類

1.ドコモのやや古い普通(iモードではない)の携帯電話(P207)1台。これは、緊急用・非常用ということで、電話としては、めったに使わない(電話嫌い!)。以前は、10円メールという通話料無料のメール用だった。使用料は研究室経費から。 基本料金+アルファ程度の使用頻度。

2.DDIポケットのH”(PHS)1台。この使用料は個人負担。3500円/月程度。


加入しているプロバイダー
1.ドリームネット。 このHPを作るために入った。個人負担。
2.アサヒネット。 このHPの書庫編を作るために入った。個人負担。
3.nifty。昔から使っている。個人負担。
4.マスターネット。10円メールを使うために入った。個人負担だが、今はほとんど使わないためにほぼ無料。
5.以上の他に、無料メールアドレスを海外出張時のバックアップ用に。
6.当然、業務用のメールアドレスがある。オフィスでは常時接続のかなり速い通信回線がある。
7.以前には、これ以外にも、IBMのグローバルネット(ATTに買収されてしまった)、MSN(マイクロソフトネットワーク)などにも入っていたが、海外からの通信環境の優位点がなくなって、niftyで十分になった。そこで、投資効率が悪いので止めた。

プロバイダー関係の使用料総額:個人負担総額が、3500円/月ぐらい。

これらを組み合わせてどのように使うか

具体的なニーズの状況は、以下の通り。
1.都内では、地下鉄に乗ってどこかに行くことが多い。
2.丸秘だが、おつき合いのために出る会議の最中にメール受けてを処理することも多い。
3.常時、キーボード付きのPDAを持ち歩いている。これは後日(3月3日頃?)説明予定。
4.海外に出かけることは、年2〜3回。帰国後の時間不足を考えると、海外でもメールは絶対に取りたい。
5.自宅の回線はISDNである。余り速いとは言えない。現在、ケーブルTV回線の常時接続を検討中。
6.困ったことには、最近、添付ファイル付きでメールが来ることが多い。そのため、携帯電話(9600bps)では速度が全く不足の上に、料金が非常に高くつく。せめて、PHSの64kbpsは欲しいところ。


対応策の要約
0.普通にオフィスのデスクにいるとき。何の問題もない。
1.外出時:地下鉄内でメールが取れるPHSがまず第1番手。メールが入ると、これでまず分かる。PHS本体でメールの内容は大体読む。
2.超緊急時や短い返事なら、PHSから出すことも可能(実際にはほとんど出したことがない。さすがにあのキーではつらい)。
3.緊急時には、地下鉄の駅のベンチで、PDA+PHSでメールを受信しなおして、返事を書いて返信。
4.それ以外だと、出先でちょっと場所を借りて、PDA+PHSに受信して返信。PHSの電波状況が悪いと、PDA+携帯ということもある。
5.急ぎで無いものや、長文の返事が必要なものは、オフィスに戻ってから返信。
6.自宅には、すべてのメールをバックアップしておく。1週間に1度しか受信しない。そのため、メールボックスの容量制限が無限大のプロバイダーが必要。


さて具体的方法は以下の通り

1.このHPでも公開している職務上生研のメールアドレス、yasui@iis.u-tokyo.ac.jpに、なるべくすべてのメールは集中してもらう。

2.このサーバに .fowardファイルを作って、niftyとアサヒネットへ、Foward(転送)をしている。

3.研究室内に、Windows95の相当古いノートパソコン(Toshibaリブレットのモデル50、CPUはペンティアムの75MHz)を用意して、これで生研のサーバをときどき(20分おきに)読みに行って、メールがある場合には、PHSのメールアドレスに転送する。このためのソフトとして、FowardMail(シェアウェア1000円)を使用している。20分おきにしか受信しないので、オフィスに座っているときには、普通ならメールソフト(Beckey)の方が先に取るので、転送対象になるメールは少ない。主として外出時に転送される。
 問題点:Windows95/98/Meは、余り安定OSではないので、1週間に1度は、再起動を掛ける必要がある。また、FowardMailも時に暴走する。

4.通常のオフィスのパソコンからは、生研のメールと、niftyのメールアドレスを読み出す。読み出すと同時に、これらのメールはサーバーから削除。すると、通常のメールは2重に入ってくるので、重複メールを削除する機能を使って、一方を削除している。

5.都内を出歩いているときには、すでに述べたように、まず、PHSに20分置きだけれど、メールが到着する。これで大体のメールは読める。地下鉄の中で読むことが多い。

6.出先に着いたときに、niftyをPHS経由でアクセスして、メールを受信する。現在使用しているPDA(シャープのTeliosAJ3)のメールソフト、テリオスメールは、必要なメールだけを選択して読むことができるが、いろいろと考えている時間を算入すると、結局、全部受信してしまう方が速いようだ。ここから返信も行うが、その場合には、このメールがモバイルマシンからであることを明示して、なるべく、生研メールに返信を貰うようにしている。

7.地方に出かけていて、たまたまPHSの電波が無い場合には、仕方がないので、携帯電話を使ってniftyにアクセスして受信する。その際、添付ファイルのあるメールは無視して読まないのでご了解を

8.地方のホテルなどの場合で、なおかつPHSの電波が弱い場合には、電話線も持ち歩いているので、PDAを使って電話線経由でniftyにアクセスしてメールを読む。

9.外国に行ったとき。PDAだけでは心配。何が起きるか分からないために、スーツケースには、いつでも小型のWin98パソコンを1台入れておく。現時点で使用しているのは、カシオのFIVAなるマイナーなノートパソコン。840gと最軽量最小型。今なら8万円以下で買えるが、遅い。でも十分。これで電話線経由で、現地から近いところにあるniftyの国際アクセスポイントにつないでメールを読む。大体、何とかなる。米国には、極めて多数のアクセスポイントが存在する。ヨーロッパでもなんとかなる。

10.海外に行くときには、万一を考えて、Webブラウザで読む無料メール、今のところLYCOSを使用しているが、そのアドレスにも転送を掛けておく。これならば、どこかのパソコンを借りれば、それが英語バージョンだろうが、読むことが可能なので(出すのは日本語では無理。英語なら出せる)。


現在のシステムについてのQ&A(主としてDocomo至上主義者へ

Q1:モバイルメールシステムとして、PHSでなくて、Docomoのiモードを使うべきではないか。そうすれば、それ1台で足りるはずだ。

A1:ドコモのiモードメールには弱点がある。地下鉄内ではまず通信ができない。さらに、いったん受信不能になると、再送信をしてこない。そして、受信だけでも有料なこと。したがって、もしも携帯でメールをすることになっても、ドコモのiモードにはしない。J−フォンが再送信をしてくれること、さらに、受信だけなら無料であることからお勧めだ
 そもそも、iモードでWeb情報を得たいとは全く思わない。必要な情報は、大体すべてPDAに入っている(次回の「PDA編」を参照して下さい)。
 実際のところPHSでも受信は有料。しかし、受信料は安い。現在、スーパーパックSという料金システムに、メール特別契約をしていると、30秒が5円である。30秒だと、最初の5秒ぐらいはサーバとのネゴシエーションに時間がかかるが、その後、5〜8本程度(添付ファイルなし)のメールを受けることが可能。1本(平均4〜5kB)あたり1円以下だ。

Q2:それならなぜ非常用の携帯電話をJ−フォンにしないのか。Docomoユーザとの通話料が高いからか。

A2:それは、PHSの電波がないというような、いざという状況で携帯電話がお出ましになるのだが、PHSの電波が無いところでは、J−フォンも電波が無いことがままあるようだ。緊急時に使えない緊急用具は無意味だからだ。
 通話料だが、実はそんなに違わない。誤解が多い。携帯での他社間の割り増し料金は10%ぐらい。携帯からPHSへの通話が実は携帯同士よりも安い

Q3:PHSがH”だが、これは、DocomoのP−inCompactの方がスマートなのではないか。

A3:そうも言えるが、いつも持ち歩いているPDAをいちいち鞄から取り出してメールを読むのは、余りスマートではない(もっとも、今もっているPDA、SharpのTeliosだと、鞄から出さなくても、イアフォン用のリモコンでメールが取れる! でもやらない)。H”ならそれ単体で読める。いざとなれば返事も書ける。それに、P−inCompactは音声通話が不能なのではないか(未確認だが)。何かあったとき、例えば、地下鉄が事故で止まったときなどに遅刻の連絡するには、音声通話が可能なことも利点。
 さはされど、P−inCompactがスマートな点はなかなか良いと思っている。PDAからアクセスするのに、いちいちケーブルでPHSをつなぐのは大変面倒だし、しかもは、立ったままでは不可能なので、そのうち、P-inCompactあるいは類似品のために、もう1本PHS回線を増やすこともあり得る。その場合、H”用で同様のものが出れば、そちらかもしれない。できるならCompactタイプのものが良い。H”用はフルサイズのPCカードのものはすでにあるが、Compactタイプの製品がまだないのだ。

Q4:新製品のfeelH”にしないのか。

A4:うーーむ。そのうち、するかもしれない。現在の東芝DL−200は、メールを300通までためることができるが、実際のところは、150通ぐらいでメモリーが不足する。新しいfeelH”だと、確実に300通以上ためることができるだろう。そうなれば、すべてのメールをPHSに送って、ある種の約束・仕事データベースにすることも可能だからだ。今日はどこに何時に約束していたか、といったことをPHS上で読めば良いから。

Q5:feelH”のカメラや音声メモが大変良いと思うが。

A5:そうかもしれない。最近、人を紹介されても顔を覚えられないので、こっそりとデジカメで写真を撮ることがある(大体はバレている)。そのために、今は、シャープのインターネットビューカム(これは、デジカメだけではなく、音声メモも取れる。しかし動画が本命の機器である。動画は非常に低品質だが、その割に面白い。「デジカメ+他のおもちゃ編」(3月24日を予定)参照のこと)を、持ち歩いているが、重いので、もっと軽くて良いのがあれば、乗り換えようかと思っている。となると、feelH”とそれ用のカメラTrevaはその候補だろう。


携帯・PHSへの希望事項

1.やはり、同じシステムで世界中でメールを取ることができると楽だ。世界的標準を早く。しかし、世界標準になりそうな次世代携帯では使用料が高そうなので、むしろ、PHSの世界進出を期待。

2.世界のプロバイダーと提携して、どこでも使える海外用プリペイド式の料金システムを作って欲しい。

3.携帯電話・PHSを中心とした多機能化で、今後欲しいものは、やはりメール用のキーボード(今でも売っているが、ケーブル接続で使いにくそう)。SharpZaurus MI−E1のキーボードみたいなものが組み込みで実現できないか。DocomoGFORTのカットキーボードでも、携帯のボタンで書くよりはかなりまし。組み込めなければ、ケーブルや赤外線ではなく、コネクタに直接スナップして、本体と一体化するものが良い。

4.カメラ、ボイスレコーダがすでに実現されたが、次は、GPSが欲しい。その地点の地図の配信サービスも。PHSで行われている現在の位置通報サービスも、GPS化すべきだろう。

5.カメラは実のところまだ非実用的だ。これが実用的になるには、携帯のBlueTooth化が先だろう。同じことはデジカメにも言えるが。

6.外部メモリーが、またまた何種類にもなりそうだが、なんとかならんか。今のところ、ソニーのメモリースティックとその他陣営のSDカードだが、早めに統一すべし。標準化戦争だとどうせソニーは勝てないだろう。

追加.PDAなどとの接続用のケーブルの値段が高すぎる。不当に高い。本来1000円止まりだろう。これはPDA側の問題かも。


最後に、迷惑なメールのリストを挙げる

1.単に文字だけなのに、htmlで来るもの。初心者に多いが、これはマイクロソフトが悪い。Outlookでは、その標準がhtmlなんだから。 全く無意味。もしも本HPの読者で、この文章の意味がおわかりでしたら、即刻止めて下さい。

2.なんでもファイル添付で来るもの。 PHSだけだと読めない。

3.旧来の紙の書類と同じように見える、印刷を前提とした形式で来るもの。 スペースが多くて、そのままだとPHSで読んでも意味が取りにくい。生研の事務書類がそれ。 現在は、FowardMailでスペースを削除するように設定をしているので、まあ読めるが。