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刈羽村のプルサーマル住民投票 06.02.2001




 刈羽村の住民投票、反対が53%だった。これについては、様々な問題点がある。
 今回の件に関する論点としては、(1)プルサーマルは危険か、(2)住民投票の意思は尊重すべきか、住民投票の妥当性は、(3)プルトニウムをどうみるか、など。
 まず、各新聞の社説+おまけでニュースステーションが何をどのように議論しているかから。


日本経済新聞の社説:
 住民の意思が明確にされた以上、結果は尊重されてしかるべきだろう。自然のウランの中に、核燃料として使えるウランは0.7%しか存在しない。残りの99.3%をプルトニウムに変えて使えれば、ウランの利用効率は100倍近くになる。この技術を確立すれば、高レベルの放射線廃棄物も減らせる。長い目で見ればプルトニウムを上手に使用することは、重要な課題になる。
 使用済みの核燃料を使わず、そのまま地層処分すべきだという意見もある。プルトニウムを抽出せず、処分すれば、単離されていないとはいえ、膨大は量のプルトニウムを後生に残すことになる。プルトニウム利用の是非は、核兵器に転用できる物質を今の世代が消費するか、将来の世代に判断をゆだねるかでもある。
 プルサーマルは、プルトニウム利用技術を確立する一歩だし、日本が余剰のプルトニウムを持たないための手段でもある。プルサーマルの安全性を疑問視する声もあるが、十分な技術的検討も行われたし、欧州諸国での実績もある。プルサーマルだからといって苛酷な事故が起きるとは考えにくい。
 このような視点に立つとき、日本としてはプルサーマル計画を進めるべきである。プルサーマル計画について、改めて十分に国民と対話する必要があるだろう。進め方に新たな工夫が必要かもしれない。
 原子力の場合、国策という言葉を安易に使いすぎた傾向がある。実施するのは民間企業である電力会社であり、立地地域の住民も利害関係者になる。プルサーマルを国策として行うなら、国が推進について全面的に責任をもつべきだが、ときとして電力会社を矢面に立たせてきた。自治体も電力会社の経営計画に不満があるとして、プルサーマルに反対するケースがある。
 今後、様々な分野で国と地域の利害が相反すると予想される。地方分権を進めるにあたって、国が責任をはたせなくなるのは困る。住民投票を機に、国の役割、自治体の役割、民間の役割についてもう一度整理し直すことが求められる。

日経の視点:
プルサーマルの安全性:大差無し。
住民投票:問題なしとはしないが、意思は尊重。
プルトニウム:本格的には増殖炉。


C先生:この社説は、鳥井弘之論説委員が書いたような気がするが、高速増殖炉の記述が混じるのが多少気になる。

A君:自治体と電力会社の間の不協和音は、やはり、交付金ですかね。刈羽村には、総額230億円の交付金が支払われているらしいですが。5000人で割ったとすると、1人あたり460万円。この交付金の実態は、1kWhあたり0.44円の割合で、すべての使用者が払っている税金からの支給らしいが。

B君:今回、プルサーマルを行うについての住民の反応だが、「反対派が危険だ危険だといっている。しかし、その割には、危険分の交付金の割り増しが少ない(いくらか知らない)」、ということは無かったのかな。実情不明だが。

C先生:日経の社説を読んだときの第一印象。まず、今回のケースでの住民投票を否定しないところがちょっと意外。日経は、当然、否定するだろうと思ったが。



読売社説
 それでもプルサーマルは必要だ。
 今回の投票結果はまた、住民投票というものの正当性と限界を改めて考えさせる。一地域の住民が、国民全体に関わる政策を左右するのでは、国の存立が揺らぐことになりかねない。
 住民投票という直接民主主義の手法は、実施するとしても市町村合併など影響が外部に波及しない問題に限定し、補完的に行うのが筋。
 使用済み核燃料の処理は、原発最大の懸案事項だ。そのまま埋める国もあるが、日本は再処理して、有効成分(ウラン、プルトニウム)と高レベル放射性廃棄物に分け、有効成分はもう一度原発で燃やす核燃料サイクルを基本としている。だが、プルトニウムの大量消費が期待された高速増殖炉は、「もんじゅ」の事故でつまずいた。同炉の扱いを含め核燃料サイクルの見直しは早晩必要だが、少なくとも現時点でプルトニウムを確実に消費できるのはプルサーマルしかない。
 プルサーマルは原爆の材料になるプルトニウムを別の物質に変える。日本が余計な疑惑を受けないためにも、必要だ。反原発を掲げるドイツ「緑の党」も、プルサーマルには反対していない。
 政府は原発周辺住民の不安解消に努めつつ、地域の決定が国民全体の利益を損ねる場合は断固たる決断をすべきだ。

一般記事読売
国の政策左右するテーマ なじまぬ住民投票
 プルサーマル計画受け入れの是非を問う投票で×になっても、これが計画の安全性や核燃料サイクルの構想の必要性そのものが否定されたものではない。国の政策を左右するテーマを住民投票に掛けるという今回の対応は極めて問題が多い。

プルトニウムはMOX燃料を使わない普通の原発の炉心にも含まれ、日本でプルサーマルが行われていない現在でも、原子力発電量の30%はプルトニウムが燃えて作られている。プルサーマルでは、燃やすプルトニウムの量が多いものの、海外では現在も5ヶ国の35原発で行われており、「世界的に安全性に問題が無いことがほぼ立証されている」(資源エネルギー庁)。

読売の視点:
プルサーマルの安全性:通常の軽水炉と大差無し。
住民投票:疑義大いにあり=住民投票になじまない。
プルトニウム:当面プルサーマルでいくべし。


C先生:今回の新聞では、読売の主張がもっともはっきりしている。プルサーマルについての住民投票は、そもそもおかしい。地域で完結するような問題ではないから。これは理屈の上からは当然の主張だ。まあ、今回の結果も、法的拘束力は無いのだからやってみても悪いということにもならない。

A君:まあ、村長選に絡んで、いろいろと政治的勢力争いみたいなことも有ったようで。

B君:住民の意思を聞くのは別に構わないと思うが。

C先生:いずれにしても、日経よりもプルサーマル肯定派なのには驚き。


毎日新聞社説 5月29日
都市住民も問われている
 地域住民の意思表示としての住民投票は、90年代後半から各地で行われている。国の施策が一地域の住民の意思に左右されることを問題視する主張もあるが、その政策で大きな影響をうけるのであれば、間接民主制を補完するものとして評価できる。
 国は住民投票の結果を思う受け止め、プルサーマル計画の凍結も視野にいれ、対応すべきだ。その上で推進するとなれば、住民の合意を取り付けることができる方策をこうじなければならない。また、東電は7月に予定している同原発3号機へのMOX燃料装荷を延期すべきだ。
 国や電力業界は自前のエネルギー資源の乏しい日本にとって、使用済み核燃料を再処理して取り出したプルトニウムを再利用する核燃料サイクル計画が不可欠と位置づけてきた。しかし、プルトニウムを燃料とする高速増殖炉計画のめどが立っていない。そうしたなか、プルサーマル計画は当初のつなぎから、主役にやりつつある。
 ただ、経済産業省は核燃料サイクル計画を断念していない。当然、プルサーマル計画の取り扱いは中途半端だ。これまで、国や電力業界は、安全性もさることながら、なぜ、プルサーマルが不可欠なのか、地元に十分説明してきたのだろうか。
 「余剰プルトニウムを保有しない」、という国際公約を達成するには、何らかの形でプルトニウムを消費していかなければならない。欧州でプルサーマルが行われているのも、この観点からだ。
 プルサーマル計画を推進する以上、国や電力業界は、安全性を含めて、原発立地地域住民が受け入れられるだけの説明をする必要があるだろう。
 また、今回の住民投票は刈羽村だけの問題ではない。都市住民の膨大な電力消費が原発の増設を必要としたことを十分、認識しておくべきだ。

毎日の視点:
プルサーマルの安全性:やや疑問視。
住民投票:間接民主制を補完する方法として推奨=住民投票は新しいステージに。
プルトニウム:余剰を持たない国際公約のために、十分説明してプルサーマルで。


C先生:毎日の立場は、一貫性が無い。プルトニウム削減の国際公約という言葉まで否定してしまうことは新聞としてできないからなのだろう。住民の安全性だけを重視し、国際公約不履行を推奨してしまえば、毎日として一貫した主張になりそうだが。

A君:新聞も、良識的であるように見られたいと欲望は強いですよね。だから、国際公約といった言葉には弱い。

B君:プルトニウムを保持しておくことのリスクはどのぐらいのものなのだろうか。例えば、国際テロリスト集団に狙われるといったリスクは。

C先生:毎日がそこまで評価して、やはりプルトニウムは減らそうというのならご立派。しかし、臭いは、単なる国際公約遵守のようだ。


朝日新聞の社説
 刈羽村だけが地元とも言えない。投票結果への評価はさまざまだろう。
 だが、住民投票が代議制政治を補完する有効な手段であることに間違いはない。結果にはやはり重みがある。尊重や議会は住民の意思を尊重しなければなるまい。国や電力会社も正面から受け止めるべきだ。
 東海村臨界事故、MOX燃料データねつ造があり、刈羽村の生涯学習センターのずさん工事、原発関係の交付金の不透明さを示す事件もあった。
 ただ、今回の刈羽村の投票だけで、プルサーマル計画をすべて断念せよ、と主張するには無理があるだろう。すでに、国内の50基の軽水炉からでる使用済み核燃料は英国とフランスで再処理され、すでに、25トン程度のプルトニウムになっている。核兵器にもなりうるプルトニウムをためないとの国際公約を守るには、当面MOX燃料化したプルトニウムをプルサーマルで燃やすしか現実的方法はない。
 問題のひとつは、高速増殖炉でプルトニウムを使うという核燃料サイクル政策にしがみついていることだ。高速増殖炉は実用化の見込みがない。なのにそのことを認めず、プルサーマルをサイクル時代へのつなぎと位置づけたまま、使用済み核燃料の全量再処理路線を続けているから不信が高まる。
 この際、展望の無いサイクル計画を全面的に見直し、プルサーマルの目的をプルトニウムの消費に絞るべきだ。

朝日の視点:
プルサーマルの安全性:住民に不安があるのは分かる。
住民投票:有効性に多少疑義有り。しかし住民の意思の尊重を。
プルトニウム:プルサーマルで消費すべし。


C先生:朝日と毎日は似たようなスタンス。要するに、矛盾があるが、住民投票には若干疑義を表明。

A君:毎日とはっきり違うのは、高速増殖炉には実用化の見込みが無いとしているところでしょうかね。

B君:高速増殖炉がそんなに難しい技術だと思わない。技術的困難さではなくて、社会的受容性獲得面で実用化に見通しが無いというのなら、それは朝日が意図的に世論を操作しているからだとも言える。


ニュースステーションは、九州大学の吉岡 斉教授、プルサーマル反対派をコメンテータとして採用。かなり長いコメントをしゃべらせた。
 吉岡氏の発言「プルサーマルは大変危険だ。プルトニウムの毒性は、ウランの10万倍。一方プルサーマルによるエネルギーの節約は20%程度にしかならない。」

ニュースステーションの視点:視聴者迎合型
プルサーマルの安全性:極めて危険。すぐ止めろ。
住民投票:疑義があり得るということすら、気付いていない?
プロトニウム処理:視野に入ってもいないのでは?


C先生:ニュースステーションは、プルサーマルに反対のようだ。吉岡氏を連れてきて、反対をさせているのがその証拠。テレビは自分の意見を述べないが、誰を連れてくるか、それがその番組の意思だと思えば大体は合っている。

A君:プルサーマルの実態ですが、読売にあったように、現在の軽水炉の炉心にもプルトニウムが存在している訳ですね。プルサーマルをやればさらに濃度は高いかもしれないが、危険性が著しく増大するというものでは無いと思いますが。制御が困難という指摘は、ヨーロッパの実績からはどんな状態なのですかね。

B君:ニュースステーションは、ダイオキシン問題でもあんな態度だった。「中身は良く分からないが、絶対にセンセーショナルな報道にはしたい」、これが本音なのだろう。

C先生:吉岡氏がプルトニウムの毒性をウランの10万倍というのは、それはあくまでも化学物質としての毒性で、放射性を考慮したものではないと思う。ニュースステーションは、溜まってきたプルトニウムの処理はどうしようというのだろうか。テレビに論理性を求めるのはどうか、と思うが、やはり、テレビ報道には、それを補う何かが無いと駄目だな。いつでも無責任な中途半端な主張で終わりがちだ。もっと細かい説明や主張をWebで同時に見られるようにする、といったことが必要のようだ。

A君:テレビは消えますからね。証拠が残らない。

C先生:しかし、このようにしてみると、なかなか面白い。ニュースステーションは「視聴者迎合型センセーショナル派」だとして、各新聞のプルサーマルに対する主張は、肯定派から否定派まで、こんな順か。  
 肯定派:読売>日経>朝日>毎日:否定派

A君:次に、住民はどのような意識で投票をしたのか、という推論が必要ですね。

B君:それには、朝日の出口調査のデータがある。


朝日新聞の出口調査の結果
(1)反対に投票した人、「安全性に疑問」67%、「原発自体に反対」:15%、「受け入れてもメリットがない」:5%。
(1’)原発に対する考え方、「新たな原発は作らず、現状維持」:43%、「脱原発を目指すべき」:37%、
(2)賛成に投票した人、「エネルギー確保のために必要」:46%、「国が安全性を保証している」:25%、「村がすでに受け入れを決めている」:7%。
(3)保留は、「判断できない」:35%、「すぐに受け入れるべきではない」:24%、「村長の判断にゆだねる」:11%。
(4)女性が6割反対。男性は5分5分。

C先生: 反対した人は、原発は容認するものの、プルサーマル計画が中核となっている核燃料リサイクル事業に強い抵抗感を感じている、と読める。プルサーマルの安全性に67%の人が疑問を持っているが、それは、電力会社などが、真実を知られることが怖くて、普通の軽水炉の炉心にもプルトニウムが存在していることを説明できなかったためではないだろうか。

A君:そうですね。そんなのは知らなかった。ウランを燃やしているだけだと思っていた。説明が無かった。といった攻撃を避けたかったので、軽水炉とプルトニウムの話をしなかった。

B君:それは妙といえば妙な話で、核燃料を処理して、プルトニウムを取り出すのだから、当然、その核燃料にはプルトニウムが含まれているに決まっているじゃないか。

C先生:だけど、それをきちんと説明しなかったということはあり得るな。

A君:やはり、これまでの230億円の交付金では、ウラン燃焼まで。プルトニウムは別に、100億円必要ということだったのでは。

B君:十分にあり得る。しかし、出口調査では、5%の人が、メリットが無いと答えているだけだ。もっともこのメリットにしても、個人的なメリットなのか、村としてのメリットなのか分からないが。

C先生:あの程度の規模の村に230億円を投資してしまうと、道路も公民館も全部出来上がっているに違いない。これ以上お金を村に貰っても、もう道路を作る場所もない、お金の使い道が無いというのは住民感覚として正しいようにも思える。しかも、刈羽には、不明朗な実態が明らかになっている生涯学習センター「ラピカ」があるし。

A君:AB&Cの主張は、いつでも、このようなリスクの補填は、もっと直接的に住民に対して行うべきであって、自治体に対してのみ行うのはおかしい。自治体は、固定資産税をもらえるのだから、それで十分という考え方。

B君:そのような考え方にリスクの補填を変えるべきなのだが、どうやって実施するか、それは別に問題があるのも事実。

C先生:プルサーマルそのものの話に戻るが、まあ、軽水炉と安全性にそんなに差があるとは思えない。ここまでは良いとして、電力会社にとって、プルサーマルがどのような意味があるか、ということが一つの問題。これは想像なのだが、六ヶ所村に核燃料再処理工場を2兆円以上の金を掛けて作る。これが日本原燃という電力各社が連合して作った会社がやることなのだが、自治体への交付金として、そこにどのぐらいの金が入っているのか、いないのか。いずれにしても、現時点のようにウランの価格が安いときには、核燃料の再処理にはお金が掛かる。しかもできるプルトニウムの価値は低い。となると、電力会社としては、使用済み燃料を廃棄してしまう方が余程経済的効果は大きい。しかし、日本は方針が違う。さらに、プルトニウムは25トンも溜まった。これは国際公約から処理を必要とする。しかし、現実的に、住民の反対にあって不可能。こんな状況は、国としては困るかもしれないが、電力会社の本音としては、「当分このままでも困らない」、なのではないだろうか。だから、東京電力も、余り反対しないで、プルサーマルの当面見送ることを決めたのではないだろうか。

B君:多分、国際公約の実行を引き延ばすのが、経済的効果が高いのは事実。

C先生:そろそろ結論に行こう。我々の原子力に対する考え方は、これまでも表明してきたが、(1)現時点で原発新設に妥当性は少ない。なぜならば、化石燃料が比較的自由に買えるから。(2)ただし、すでに存在する原発をわざわざ止める必然性も少ない。(3)プルトニウムは、やや姑息な手段であっても、国際的に孤立しない範囲内で、貯蔵するしか方法はない。プルサーマルは余り効果的ではない。(4)50年後ぐらいには、高速増殖炉を完成させ、そこで使用する。超長期を考えると、やはり、高速増殖炉以外に方法はなさそう(核融合はできないとして)。

A君:毎回のことですが、やや強硬派的発言ですね。

B君:エネルギー切れのリスクと原子力のリスクの比較になれば、当然原子力を選択することになるのだから、というのが原理原則。ただ、今すぐ原子力というのは、間尺に合わない。今は、自然エネルギー、と言いたいところだが、余り頼りにならないので、省エネルギー

C先生:ドイツが原発を止めると決めたのも、新設したとしても、原子力発電が儲からないからだしね。この議論は、昨年すでに議論済み。表紙にリンクをはりますので、そこから、 ドイツ原発廃止と環境 new07.07.2000」 をご覧下さい。



付録として、各個人・党などの新聞における発言

住民投票立法フォーラムの今井一事務局長
 首長は反対派が勝利したこの結果を重く受け止め、条例が定めるように尊重すべきだ。ノーの意思表示をすべきだ。住民投票は、首長が結果をないがしろにしないように、立法化が必要と思う。

東洋大学名誉教授 坂田期雄(地方自治)
 住民投票は、本来、市町村合併など地域内で完結する課題に限られるべきで、米軍基地や原子力政策などは、一自治体の投票で決めていい課題ではない。政府が地方の声に耳を傾けているとは言い難い。住民投票で意思を中央に伝えようというところまで、住民を追いこんでいる今の議会瀬民主主義のあり方にも問題がある。

宮崎慶次・大阪大学名誉教授
 反対票が過半数になったのは、住民に対して十分な説明をせず、不信感が積もった結果だろう。ただ、国のエネルギー政策は、権限と責任が伴わない市町村の住民投票にはなじまない。科学技術的な安全論議を含め、国政レベルのきちんとした政策論争を期待している。

公明党
 エネルギー供給は国の安全保障の根幹。火力、原子力など、資源のベストミックスを目指すべきで、プルサーマル技術も今後の日本のエネルギー政策の選択肢のひとつ。住民の声を真摯に受け止め、プルサーマル実施には拙速を避け、国民の理解を得る努力が必要

自由党
 プルサーマルの必要性や安全性が住民に十分説明されず、政府の責任は重大。政府が国民的合意形成を怠ればエネルギー政策は破綻する

共産党
 住民の意思を尊重し、柏崎刈羽原発へのプルサーマル導入を取りやめるべきだ。

平沼経済産業大臣
 十分な理解を得るためには、さらに努力が必要

東電関係者
 地元の政治的しこりが一因とは言え、もう少々賛否が接近していると読んでいた。社会が足下から変わってきている。