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家電リサイクル価格決定 09.22.2000




 ご存知の通り、この費用決定の報道があったのは、9月第一週のことだった。これまで2週間近く、この記事を掲載しなかったのは、いくつかの確認したいことが有ったからである。やっと、なんとか記事になった。
 全く別件:23日土曜日からしばらく海外です。コペンハーゲン、アムステルダム、シンシナチ、シアトルへ。LCA関係者との情報交換。本HPの記事は、できれば、シアトルあたりからのアップを狙います。上手くいけばおなぐさみ。それにしても、海外出張の前だったので、予定が詰まって、なんとなく忙しかった。なんとか準備が出来たので、出国できそう。


C先生:今回、A君は欠席なのだ。

B君:余りにも自分に関係が深すぎるということかな。

C先生:まあそんなところだ。

B君:決まったリサイクル費用をまとめると、
    冷蔵庫   4600円
    テレビ    2700円
    エアコン   3500円
    洗濯機   2400円
 となる。これは、メーカーが責任をもって再商品化を行うための費用であって、この他に、輸送費用などを消費者が負担する必要がある。

C先生:費用の額をどう思う。

E秘書:ご無沙汰です。やはり高いですよ。今、冷蔵庫を買い換えようと思うのですが、これを見ると、3月に買い換える駆け込み需要が増えそうですね。私もやってしまいそう。今なら輸送費込みで2000円も払えば引き取ってもらえますからね。

C先生:しかも、この4600円という冷蔵庫の処理費については、断熱材の発泡に使用されたフロンの処理は含まない。メーカーによっては、自主的なサービスでやるところもあるようだが。だから、2000円で今自治体に引き取って貰うと、断熱材フロンはそのまま放出ということになる。

E秘書:そう言われると、なんとなく4月になってから買おうかとも思うのですが、そのような個人の懐具合に依存した環境保全というのは、ちょっと納得できないですね。やはり、商品価格の中に適切なリサイクル・処理費用が含まれていることが望ましいのではないでしょうか。

B君:4600円という価格は、当初の予想よりも遥かに低いところに決まった。当初、メーカーによっては、15000円などという声が出ていたからね。これは、E秘書が言うように、かなりの処理費用を当初はメーカーが負担することを意味するのではないだろうか。法律を厳密に守れば、消費者が費用負担をすれば良いのだが、メーカーとしては、とてもその費用の全額を取れるとは思えなかったのだろう。電機メーカーの利益を圧迫しそう。

C先生:という話になるかも知れないが、実際のところ、「広く薄く」上手に製品価格に転嫁するのではないか。家電リサイクルについての記事は、1999年に何回か予測を書いている。例えば、「家電リサイクル法リサイクル率決定 new03.15」、「家電リサイクル法の読み方 new04.11」など。(表紙にリンクを張っておきます。http://www.ne.jp/asahi/ecodb/yasui/)。
 ちょっと自慢すれば、そのときの予測が当たりつつあるように思う。04.11.1999の記事に書いたように、メーカーが負担するリサイクル費用を製品価格に転嫁するために、値上げを試みるメーカーが増える。黙って値上げとは行かないから、新しい機能を組み込むようになって、例えば冷蔵庫や洗濯機がしゃべるようになる、と予測したが、どうも「しゃべる冷蔵庫」が本当に発売になりそうだ。特許を取っておけば良かった。

E秘書:今回、引き取り費用が決まったということですが、どんな小さなテレビでも、非常に大きな重たいテレビでも同じ費用というのはおかしいのでは無いですか。

C先生:そこのところは大問題。恐らくメーカー内部でもかなり議論になったのでは無いだろうか。大きなテレビは重たいから処理をするにしても人件費がかかるからね。一人で運べないような重いテレビはやはり大変だ。本当のところは、大きさに応じて変えるべきだろう。それとは逆に、同じ価格にしたことによって14インチ程度の小さなテレビは、不法投棄されてしまいそう。現時点なら自治体はほとんど無料で持っていてくれるかな。だから捨てるなら今のうちに早く出して下さい。

B君:そんなことを言ってはダメだと思うが。

C先生:それはそうだが、不法投棄されるぐらいならね。

E秘書:新聞発表を見ていましたら、最初に松下電器が発表して、そして、その後他のメーカーが同じ費用を発表しましたよね。あれって、協定したのではないですか。

B君:カルテルだということ? うーーん。

C先生:実質上、松下電器が決めないと、何も決まらないのがこの世界。だからといって同じ価格にすることは無いと思うが、それもこの世界の特性なんだろう。例えば、シャープの洗濯機の外箱の一部はプラスチック製なもので、商品化率を満足させようとすると、非常に苦労をするという話。だから、同じ価格にすることは無いと思うのだが。それとも、このあたりは業界と役所で何か合意ができているのだろうか。
 カルテルの話だが、当然カルテルだという非難が来ることは分かっているから、まず松下が新聞発表をして、それを見て、他のメーカーが決めたという形にしたのだろう。だから微妙な時間のずれが出た。

E秘書:それならカルテルにならないのですか。ちょっと妙ですね。実質上同じように見えますが。

B君:実際に協議をしてはいないのではないか。お役所も費用の指導をする訳も無いし。

C先生:本当のところ、どうやら役所(通産省・厚生省)の思惑よりもかなり安い費用であったようだ。これについても、大分以前から主張しているが、やはり、商品の中に適切なリサイクル費用が含まれており、ゴミとしての排出時にマニュフェストや運搬にかかわる費用を消費者が負担、という「両方スキーム」がベストだと思う、と述べてきた。重さなどの取り扱いによって消費者が払う費用が変わっても良い。こんな見方で今回の引き取り費用を見ると、まずまずそんな感じに近いのだ。もう、ここまで来たら、実体に合わせて法律を変えて書き直したらどうだろう。すなわち、2001年4月以降に発売されるすべての製品については、商品価格に適正な処理費用を含むこと、という規制を掛ける。どうせ、5年後には法律全体の仕組みを見直すことになっているのだから。