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  飲料容器関連情報 12.15.2001




 年末になって、多少時間的余裕が出たので、飲料容器について、これまで蓄積してきたデータなどを、整理して公開します。

目次:
(1)北米における飲料容器のデポジット制度の実態
(2)デンマークにおける飲料容器の法律
(3)日本における紙パックの生産量など


広告:先日、容器間比較研究会の報告書第2版を発行しました。容器のLCAデータが公開されています。事務局にコンタクトいただき、是非入手されることをお奨めいたします。
 事務局メールアドレス kiyoshi_chiku@toyo-glass.co.jp 担当:知久  



(1)北米での飲料容器デポジット制度の実態について
 出典:PCW研究会報告書(U)より

(1)アメリカ
 米国における強制デポジットは1950年代のバーモント州で空き缶などの散乱防止のために導入された。数年で廃止されたが、散乱防止に効果があることが分かった。

 1970年代のエネルギー危機の体験によって資源再生が重要な課題になった。1972年にはオレゴン州で、1987年にはカリフォルニア州で導入し、現在10州1市が採用している。

 1987年以後、デポジット制度の新たな採用は見られない。2000年にワシントン州、バージニア州、ケンタッキー州で法案提出が見られた。また2001年1月にはハワイ州でもリターナブルガラス瓶への転換を促す法案が提出されたが、廃案に追い込むためのロビー活動などが毎回繰り返されているのが現状。

(1−1)オレゴン州の場合
1972年導入
対象:ビール、モルト、ソフトドリンク、ミネラルウォータ、炭酸水、ワインドリンク
デポジット額:州の認定容器:2セント、その他の容器:5セント
小売店の義務:店内取り扱いと同一ブランド・種類の容器の場合には、誰からでも受け取る義務あり。ただし、容器が汚染されている場合、1人1日144個以上の持込の場合には、拒否可能。
回収率:全体90%。

(1−2)ニューヨーク州の場合
1983年導入
対象:ビール、モルト、ソフトドリンク、ワインドリンク、ミネラルウォータ、炭酸水
デポジット額:5セント
小売店は、消費者から返却された容器を卸売り業者に渡すと、5セントと手数料2セントがもらえる。
小売店の義務:店内取り扱いと同一のブランド・種類の容器の場合には誰からでも受け取る義務あり。ただし、1回240個まで。
回収率:ビール:81.8%、炭酸飲料70.4%、ワインドリンク56.8%

(1−3)カリフォルニア州の場合
1987年導入
対象:ビール、モルト、ソフトドリンク、ワインドリンク、ミネラルウォータ、炭酸水
デポジット額:小型(24オンス以下)2.5セント、大型5セント
仕組み:消費者が払い戻しを受けたい場合には、最寄の回収ポイントに持ち込み、権利を放棄する場合には自治体回収ルートに乗せる。
回収ポイントには、有志の酒販店、スーパー、ガソリンスタンドなど
回収率:アルミ85%、ガラス75%、ペット66%、全体:81%

(2)カナダ
 1972年にアルバータ州で採用されたのを始めとして、現在では、10州のうち、マニトバ州とオンタリオ州を除く8州が強制的デポジットを採用している。
 カナダの制度で特筆すべきは、半額をあえて返却しないこと。東海岸の州がこれを採用。
 ブリティッシュコロンビア州では、1998年4月以降、牛乳と代用飲料を除いて、すべての飲料容器に拡大。
 オンタリオ州やデポジットを採用しているいくつかの州では、再充填容器の利用促進を保管する課徴金制度がある。すなわち、使い捨て容器には、半額を返却しないといったシステムである。

(2−1)ニューファンドランド州の場合
1997年1月15日導入
対象:飲料容器(リターナブル・ビール瓶と乳製品)、5リットル以上を除く
デポジット額:非アルコール6セント(3セント返却)、アルコール20セント(10セント返却)
回収ポイント:37箇所
取り扱い手数料」:2.5セント
回収率:50%

(2−2)ニューブランスウィック州の場合
1992年6月
対象:飲料容器(乳製品を除く)
デポジット額:10セント(5セント返却)
回収ポイント:87箇所
取り扱い手数料:3セント
回収率:77%



(2)デンマークの飲料容器とデポジット

中村陽一氏(秋草学園短期大学助教授)のリサイクル文化65への寄稿より引用。

○デンマークの容器包装に対する法的規制は1971年の「ビールおよび清涼飲料の容器に関する法律」から始まった。使い捨て飲料容器の使用を制限し、金属缶の使用が禁止された。

○1970年代半ばごろ。デンマークのビール業界は、瓶のデザインに工夫を加えることによって、シェア拡大を図るようになった。そのため瓶の種類が増え回収に困難をきたすようになった。そこで、1981年、「ビールおよび清涼飲料の容器に関する省令」では、認可を受けた再使用される容器以外の流通を禁じ、デポジット制を始めた。

○デポジット金額は、(1Kr=約15円)
 ビール用ガラスビン350ml       1.25Kr
 炭酸入り清涼飲料ガラスビン250ml 1.25Kr
 1500mlペットボトル          4.00Kr
 500mlペットボトル           2.50Kr

○この省令は、リターナブル瓶のみが流通できることとしたこと、金属缶の使用が禁止されていること。

○なお、デンマーク政府は、回収を容易にし回収率を上げるため、市場に出回る飲料容器の種類を30種以内にすることを行政指導している。現在市場に出回っている容器は27種類。

○ビール瓶は、350ml、700mlの2種のみが許可されている。

○リターナブル瓶の回収率は98.5%。1.2%が不良品となるため、再使用率は97.3%。寿命4年で33回再使用。この高い回収率は、350mlのビールの場合、価格6Krに含まれるデポジットが1.25Krと25%にもなるためとされている。

○ミネラルウォータ、炭酸清涼飲料などのペットボトルもリターナブル。回収率はやはり98.5%。3.5%がカスケードリサイクルに回って、再使用率は95%。

○輸入ワイン、輸入ビールとの調整
 自主的な回収システムが確立されていることを条件に、再使用しない瓶の使用を認めることとした。容器には、課税されており、600ml以下が0.5Kr、1060ml以下が1.62Kr、それ以上が2.24Kr。

 例えば輸入ワインの場合、輸入業者は、1本あたり1.62Krを納税する。空き瓶は小売店あるいはリサイクルセンターに持ち込まれ、瓶の回収業者によって分別収集され、リターナブル瓶は生産国へ送り返される。その際、回収業者には、1本あたり1.62Kr還元される。ワンウェイ瓶の場合には、リサイクルされ、還元はない。



(3) 紙パックの生産量・販売量・損紙発生量・リサイクル

 飲料用紙容器生産量と古紙再生紙メーカー使用量に関する調査
 2000年10月 全国牛乳容器環境協議会

○紙パックの生産量
 平成11年度の紙パック原紙使用量は227,378トン。平成10年度の223、400トンに比べ1.7%となった。紙パック製造工程で生じた損紙発生量は、21、732トンであった。損紙のうち、古紙再生メーカーなどでリサイクルされる量は20,913トン、廃棄される量は819トン。

○リサイクルされる損紙の引き取り価格
 自社工場引渡し価格で、平均価格が8.4円/kg、価格幅は、3〜20円/kg。

○紙パックメーカーから飲料メーカーへの紙パック販売量
 平成11年度の紙パック販売量は、205、646トン。大型容器(500ml)以上は、177、964トン、小型容器は27、682トン

○中身は、飲用牛乳が161、476トンで全体の78.5%を占めている。次いで、果汁飲料15,713トン(7.6%)、清涼飲料12,723トン(6.2%)、発酵乳など8,754トン(4.3%)、アルコール飲料6、980トン(3.4%)。

○アルミ付き紙パックの原紙使用量、損紙発生量
 平成11年度のアルミ付き紙パックの原紙使用量は92、714トン。平成10年度の93,900トンに比べてマイナス1.3%。
 損紙発生量は、11,707トンで、古紙再生メーカーなどでリサイクルされる量は6,082トン、廃棄される量は5,625トン。リサイクル率はやはり悪い。

○アルミ付き紙パック損紙の取引価格
 平均価格0.9円/kg、値幅はマイナス5円〜8円/kg。

○アルミ付き紙パックの用途
 清涼飲料26、036トン(32.1%)、アルコール飲料23,060トン(28.5%)、果汁飲料15,600トン(19.3%)、飲用牛乳12,326トン(15.2%)、発酵乳など3,985トン(4.9%)

○紙パック販売量の推移
 ほとんど20万トン前後で推移している。平成10年からアルコール飲料(日本酒か?)が増えたが、全体としては微増。

○アルミ付き紙パック販売量推移
 平成6年の7万1千トンから、平成10年度の8万6千トンへと増加したが、平成11年度には、8万一千トンと減少。内訳では、アルコール飲料が減っている。アルミなし紙パックへ移行したのだろうか。