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   燃費とグリーン化税制  03.31.2002




 本HPで、皆さんのお使いの車の燃費がどのようなものか、についてアンケートを実施していたのは、ご存知の通り。何人もの方からのご報告をいただいたいが、車の数は多いし、このようなアンケートで実体を把握することは不可能であることがよく分かった。

 多くの方々から、ご意見を伺うことができた。RV車のような大食いの車をお持ちの方は、やはり若干の罪の意識をお持ちのようだった。

 ところが、日本のグリーン化税制は、燃費よりもむしろ公害型汚染に重点があるように見える。しかし、よく考えると、この表現も正確ではないかもしれない。


C先生:本日で、平成13年度も最後。平成14年からは、車のグリーン化税制が始まる。本HPでは、余りきちんと議論をしてきていない。これまでご協力いただいた燃費アンケートと絡めて、この話をやろう。

A君:となると、車のグリーン化税制の実体からということになりますね。
 実際には、次のような4種類の減税と、2種類の増税から成り立っています。

減税対象は次の4種類 減税対象期間は2年間
(1)電気自動車、メタノール自動車、天然ガス自動車 → 通常の税率から概ね50%軽減

(2)低燃費車で、かつ、平成12年基準排出ガス75%低減レベル達成車 → 通常の税率から概ね50%軽減

(3)低燃費車で、かつ、平成12年基準排出ガス50%低減レベル達成車 → 通常の税率から概ね25%軽減

(4)低燃費車で、かつ、平成12年基準排出ガス25%低減レベル達成車 → 通常の税率から概ね13%軽減

増税対象は次の2種類
(1)ディーゼル車
初度登録が平成3年3月以前の自動車 → 平成14年度分以降を10%増税。初度登録が平成3年4月から平成4年3月までの間の自動車 → 平成15年度分以降を10%増税。

(2)ガソリン車 LPG車
初度登録が平成元年3月以前の自動車 → 平成14年度分以降10%増税。初度登録が平成元年4月から平成2年3月までの間の自動車 → 平成15年度分以降を10%増税。

B君:増税対象は、燃費や排気の綺麗さなどは全く無関係。古いとそれだけで税金が高くなる。

A君:減税対象は、低燃費であることが大前提なのですが、その低燃費というものの定義が問題です。2010年燃費基準達成車ということで、1995年比で22.8%削減した車。

C先生:だから、1995年燃費が悪ければ、絶対値は問題にならないということだ。それが問題だということ。燃費は絶対値で議論をすべきだ。改善率などで議論するようなものではない。

A君:50%軽減のジャンルに入る車は、割合と燃費エコ的な車が多いのですが、25%軽減のジャンルには、次のような車が入っているのです。
  三菱    パジェロ  3.0リットル
  ホンダ   オデッセイ 2.3リットル
  ホンダ   アバンシア 2.3リットル
  トヨタ   クラウン  3.0リットル
  スバル   レガシー  3.0リットル

B君:ホンダのインサイト、誰もが認めるエコ車が、50%軽減ではなくて、25%軽減の対象なのが可笑しいね。

A君:25%軽減のジャンルには、もっとおかしな車が入っています。
  三菱    プラウディア    4.5リットル
  三菱    ディグニティー   4.5リットル
  日産    シーマ       4.5リットル
  トヨタ   クラウンマジェスタ 3.0リットル
  トヨタ   エスティマ     3.0リットル

C先生:シーマは不思議かも。トヨタセルシオが入っていないのが救いだが。

A君:シーマだと、街中の燃費は4〜5km/Lでしょうね。これが、グリーン化税制の対象になること自体、絶対に許せない。

B君:そもそも、ここにグリーンという言葉を使っていること自体が認識不足。今回のこのグリーン税制の本質は、増税にあるというのがまあ読み筋だろう。要するに、古い車を買い換えさせて、景気に少しでも良い効果をということだったのだから。

C先生:平成元年3月以前登録のガソリン車、平成3年3月以前登録のディーゼル車は使うな、ということだからね。

A君:自動車の場合、ライフサイクル全体を考えたときに、どの部分の環境負荷がもっとも高いのか、と言えば、それは考える環境負荷の種類によって違うのですが、二酸化炭素だとやはり使用時の負荷=燃費になって、製造時に排出される二酸化炭素は、大体1万キロ走行分に相当するとか。

B君:しかし、SOxになると、これはガソリン車であれば使用時には出ないので、製造時になる。

C先生:そして大きいのが、やはり廃棄時の環境負荷だと思われる。徐々に適正処理が行われるようになったし、自動車にもリサイクル法ができそうだから、ますますリサイクルは進むだろう。しかし、現状だと恐らく廃棄時の負荷がまだまだ重大。となると、古い車を使うなというグリーン税制はおかしい。早く捨てろといえば、ゴミが増えるから。

A君:本当のところは、排ガスがきれいになるような対策をすれば、長く使ってよいということではないですか。

B君:問題点は、古い車を改造して排ガスがきれいになるような技術開発は行われていないことだろうか。トラックぐらいならなんとか対応可能だが、乗用車は難しいように思うが。

C先生:そろそろ結論だ。この平成14年4月1日から始まるグリーン化税制は、とてもグリーンと言えるような代物ではない。燃費の絶対値を考慮した、すなわち二酸化炭素の排出を最大限考慮したグリーン化税制を早速作ることが必須。特に、2002年という年は、なんといっても、温暖化ガスの排出を削減する京都議定書の批准が行われる年なのだから。

A君:となると自動車会社は儲からないので反対。

B君:燃費の良い車を開発するために、投資ができるということでもあるのだが。

C先生:トヨタとホンダは対応可能だが、他のメーカーは無理なのではないか。ホンダフィットの1.3リットルのエンジン、トヨタの1.5リットルから2.0リットルのエンジンなどは、そこそこ良い線行っている。一方、日産マーチのエンジンがどれほどの燃費を出せるのだろうか。これが興味の対象だ。
 まあ、いずれにしても、企業間の体力が違うため、業界の歩調が合わないのだろうね。現在の日本でも、基本方針はまだまだ護送船団方式だから。