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   お屠蘇気分で珍環境税 01.06.2001




本年の最大、かつ、最重要の環境イベントが、9月にヨハネスブルグで行われる、リオ+10であるとされている。これまでに、京都議定書が条約として成立するか否かが確定し、成立すればここで発効式典が行われる予定になっている。かなりの確率で、55−55条件を満たすだろうと予想している。

 さて、京都議定書による二酸化炭素排出削減を日本の現状に適用しようとすると、相当に革命的な工夫が必要である。各人が消費生活を根底から変えるぐらいの覚悟が必要である。実際に二酸化炭素排出量のカウントが始まるのが2008年からだが、それまでに、社会システムを大幅に変更する必要がある。そのために効果的だと思われる方法論が、環境税である。

 炭素税というのがまあ一般的なところなのだが、それだけで良いのか? 他にもエネルギー税、資源税などいくつかの種類が考えられる。しかし、それ以外にないのか。正月お屠蘇気分で、二酸化炭素対策に限らないで、自由な観点から新しい環境税制について提案をしてみたい。


C先生:飲みすぎない程度にアルコールを入れると、発想も豊かになる。さて、本日は、若干お屠蘇気分で、新しい税制を提案するというのが本HPの目的だ。珍品もよし。

A君:これまでも議論してきたような、炭素税とかエネルギー税とか、あるいは、バージン資源税とかは、もう提案済みという取り扱いですか。

B君:廃棄側だって、焼却税や埋立て税はもう議論できないのか。

C先生:とすると結構厳しいかな。それでは、ちょっとだけ復習ということで、炭素税、エネルギー税、バージン資源税、焼却税、埋立て税などを説明しつつ、それを時間稼ぎをして、その間に別の税金を考えるというのはどうだ。

A君:テレビで「笑点」を見過ぎのような発想ですね。

B君:まあショウガナイか。

A君:炭素税は、基本的には化石燃料をエネルギー源として消費したら、それに対して課税するのでしょう。なぜならば、直接的に京都議定書で規定されている二酸化炭素削減を狙うものだから。電気にも課税するというよりも、化石燃料に課税することによって、電気代も間接的に影響を受けて値上がりをするということで良いのではないですか。

C先生:基本的にはそうだが、化石燃料を原料(材料源)として使用している場合にも課税をする必要がある。例えばプラスチックだ。いずれは二酸化炭素になるのだから。

B君:二酸化炭素を大量に排出するからといって、自動車に炭素税を課税するとなると、難しい計算が必要になるからね。ただし、輸出をするときには、いかなる炭素税でも、それをペイバックしないと国際的な競争力を失いかねない。となったときには、やはり、二酸化炭素の発生量を計算して置くことが必要になりそうだ。その認定をどうするか。これは大問題になる。

C先生:炭素税をどのようにして課税するかも難しい問題だが、炭素税での税収をどのように使うか、それがまた難しい。自然エネルギーに対する補助をすれば、それなりに意味がある。リサイクルをすれば二酸化炭素の発生量を減らすことができるが、コストが問題となって実施できない例があれば、その補助をすることも考えても良い。

A君:炭素税の欠点は、石炭のような単位発熱量あたりの二酸化炭素の発生量が多い化石燃料が不利になり、天然ガスのような水素含有量の多い燃料が有利になることですね。これが問題なのは、天然ガスは可採埋蔵量がそんなにも多くないから、枯渇の可能性が高い。枯渇性の高いものが有利になるのは、持続可能性という観点から言えば望ましくないですね。

B君:ということで、発生エネルギー量に比例した課税をする方が良いので、エネルギー税が出てくる。

C先生:しかし、持続可能性という目的から見れば、エネルギーだけでなくもう一つの重要な要素である資源を節約するという立場も重要。エネルギー税だけを考えていると、エネルギーを使ってある資源をリサイクルするよりも、埋め立ててしまった方がよいというケースが出てくる。

A君:だから、炭素税にしても、エネルギー税にしても、埋立て税などを適切に組み合わせないと駄目だということになる。

B君:焼却税の方は、二酸化炭素の制限によってなんとかなるかも。本当に焼却税が必要なのだろうか。

C先生:例えば、マテリアルリサイクルが可能であるペットボトルを焼却に回すときには、課税がされることが必要ではないか。

A君:ただ、リサイクルに必要なエネルギー消費が少なければ、エネルギー課税によってリサイクルを自然に奨励することにはなりませんかね。

C先生:さっき言ったように、プラスチックの原料になっている化石燃料分は、最初から課税対象になっていると考えている。だから、焼却に回す場合でも、二酸化炭素はもう出ないと見なす。一方、リサイクルにはそのためのエネルギーが必要で、当然二酸化炭素も出る。となると、リサイクルするよりも、燃やした方が有利になりかねない。

B君:どんな税金にしても、やはり実施レベルで様々なことを考慮しないと難しいということか。

C先生:残るは、バージン資源税か。これはエネルギー資源、地下資源、森林資源などに課税する。

A君:森林資源を使えば、枯渇性のエネルギー資源の資源保護になるから持続可能だという主張に対しては、どのように答えるのですか。

B君:まあ、税額を変えることで良いのではないか。枯渇性資源2:再生可能資源1ぐらいで。

C先生:しかし、何を基準にバージン資源税を課すのか、それが難しいところだ。例えば、金を1kg使うのと、ウッドチップを1kg使うのでは、全く違うだろうから。税額を2:1などにするということ自体、意味を持たない。個別にリストを作るしか方法は無いように思える。

B君:いや、金額あたりの税金を考えていたんですよ。

A君:それならなんとか行けるのでは。

C先生:そうかもしれないが、材料によっては水平リサイクルをやりやすいものと、不可能なものもある。極端な例で恐縮だが、ダイヤモンドのリサイクルは不能。となると、金額で決めるというのにも限界がある。だから、やはり長い長い税額リストを作る方法しかないのではないか。
 まあ、良いとしよう。時間稼ぎもできたから。そろそろ、正月のお屠蘇気分で、全く新しい発想の税金を提案しよう。

A君:とはいってもねえ。税金の狙う最終目的は持続可能性を高めることでしょうか。

B君:まあそんなところだろう。

A君:それでは、持続可能性を社会的側面で捉えると、最近の若者が自分勝手で、自分だけ良ければ(楽しければ)良い、と言いますね。自分勝手税を提案します。

B君:税金を払えば自分勝手を言えるというのは上手くないぜ。

A君:高い税金にすれば、多少効き目があるでしょう。

B君:社会的側面だとすると、万(よろず)不法税。すべての犯罪や不法行為について、社会的迷惑度に比例した税金を課す。要するに、罰金や懲役に加えて、さらに被害者からの民事訴訟に加えて、国が課税する。

C先生:なんだか両君のものは、罰金を税と読み替えているだけのようだな。しかし、自転車の右側通行などを警察が取り締まらないとすると、税金にして国税当局が取り締まるという考え方も面白いのかもしれないが。

A君:それでは、税金らしく行きましょう。ゴミなりやすさ税。いかなる商品も、ゴミになりやすさが評価されて、税金が掛かる。

B君:すぐゴミになる包装材料などは、これが高くつくことになるのか。面白い。

A君:1月1日の今週の環境にもあった、同じフライパンでも、寿命が短いと思われるものは、税金が高くなる、という訳です。

B君:廃棄不適税。廃棄に当たっての環境負荷が高いもの、あるいは、廃棄されてしまうと資源の無駄が大きいと思われるもの、あるいは、廃棄時に危険性が予測されるものには、その不適性度に応じて課税。ただし、事業者が自ら回収した場合には、税金が戻される。

A君:例えば、電池類、卓上ガスコンロ用ボンベ、特殊洗剤、各種スプレー、100円ライターなど。

C先生:それで、回収のインセンティブが上がるという訳だ。これは面白い。

A君:単純に行きます。ペットボトル税。1本20円ぐらいにして、自治体が回収する際のコストをこの税額によって負担してもらう。

B君:それは可能だな。レジ袋税と同じ考え方で。それに、ワンウェイ容器税も可能だな。

C先生:ただ問題は、全国レベルで行われれば問題はないが、ある自治体だけでやると不公平性がでるということか。

B君:自動車関係を考えよう。ガソリン供給燃費比例税。その車の実質燃費に比例してガソリンポンプを使うことに対して税金が掛かる。 

A君:燃費に比例するといっても1次式で比例ではなくて、2次とか3次で比例させれば、燃費の悪い車に対しては禁止税てきなものになりますね。

C先生:これは是非ともやってみたい。同じ車でも燃費の良し悪しで何種類か車種ができるようになることが必要だろう。

A君:道路占拠税。大型の車が道路を広く使いますからね。これで小型車の普及を促進するのはどうです。

B君:それは必要だな。品質の良い小型車ができることを推奨することになるだろう。

C先生:一つぐらい提案するか。企業逆人頭税。正社員を何人雇っているかによって、法人税が安くなる。要するに、リストラをするとその分、法人税が高くなってしまうというもの。

A君:しかし、製品の国際的競争力を失いませんか。

B君:それでも売れる製品を作るしかない。国際競争力という概念自体が、安価な製品を大量に生産するという思想に近いと思う。やや環境負荷を高くするという方向ではないか。

C先生:持続可能性にとっては、雇用の確保というものが、日本の現状にとってもっとも重要なものの一つ。改革によってのみ日本経済は復活できる、と小泉首相は主張する。それは事実だが、雇用を確保しつつ進むことができるか、それが最大のポイント。雇用を失わせる改革が一方で必要なのだが、もう一方で新しい雇用形態を実現すべきだ。