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容器包装リサイクル法完全実施 04.02.2000






昨日から、容器包装リサイクル法が完全実施された。これまで、ガラス瓶、ペットボトルが対象になっていたが、これからは、それ以外の紙の包装、プラスチックの包装すべてが対象となる。ペットボトルが山積みになって問題だ(ぺっとはやはり止めよう02.20.2000の記事参照)、といわれている容器包装リサイクル法であるが、完全実施されることによって、どうなるのだろう。

C先生:なんだかアッという間に4月になってしまった。今年の4月1日は、容器包装リサイクル法が完全実施になった日で、来年の4月1日から、家電リサイクル法が施行される。容器包装リサイクル法については、前回記述したように、収集したペットボトルが山積みになって問題になった。対象物が増えるだけに、ますます混乱するのか、何も変わらないのか。

A君:紙の包装、ペット以外のプラスチックの包装もとうとう対象になってしまった訳ですね。例によって、集めるのは地方自治体の役割で、住民税を使ってやる。そして、集まったもの、より正確には集めると地方自治体が予定したものについては、事業者が再商品化のための費用負担をすることになっています。

B君:紙はまあ再商品化といえば、また紙になるのだろうが、プラスチックの包装材料を集めたって、リサイクルは不可能。プラスチックをまたそのままプラスチックに戻すのをマテリアル(材料)リサイクルと言うが、そのためには、全く同じプラスチックが純度99%以上で集まらなければならない。ペットボトルのように、誰が見てもペットだという分かりやすい品物でも、どうしても不純物が入る。家庭から出るプラスチック包装は種類が様々だから、マテリアルリサイクルは絶対にできない。

A君:そうですねえ。家庭に入ってくるプラスチック包装の種類は、多種多様。恐らく多いのが、ポリエチレンとポリプロピレン。それに、ペット、ポリスチレン、さらに少量の塩ビ、といったものが混じるでしょう。いずれにしても、種類の見分けはかなり難しい。

C先生:そのとおり。ペットボトル以外のプラスチックということで、「その他プラ」と呼ばれているが、集めても混じった形でしかないから、その再商品化は、結局のところ燃やすのだ。ただし、若干凝った燃やし方をして、できるだけ有効活用を図ろうというのだ。

B君:まず油化。これが石油もどきにするのですが、余り高級な油にはならない。特に、塩ビとペットが入ると上手くない。例え、ポリエチレンとポリプロピレンだけが原料になっても、ベンゼンなどが多くて、軽油や灯油に比べても品質が悪い。だから、燃やすのも焼却施設で燃やすぐらい。
 ガス化という方法もあって、これは高熱で蒸し焼きにしてガスにして、燃料にしようというもの。これは、混じったプラからでもなんとかなる。ガスの精製も可能。
 固形燃料化、いわゆるRDF化、これも塩ビが混じるから、排ガスの処理施設が無いとダイオキシンが出て規制を満足できないから、燃やせない。
 コークス化、これは文字通りコークスにする。蒸し焼きと似ている。どんなものかよく知らない。
 高炉吹き込み、これは、コークスの変わりに、切断したプラスチック片を高炉燃料に使うもの、塩ビが入っていると上手くない。塩素量で0.5%程度にしなければならない。

A君:確かに、単に燃やすよりも高度エネルギー回収手段ではあるが、それなり手間と資源とエネルギーを掛けて処理するのだから、省資源・省エネルギー手段か、と言われるとなんとも言えない。

C先生:もう一つ困ったことが起きそうだ。その他プラ、紙を分別回収してしまうと、いわゆる可燃ごみが、いよいよ火が付かない可燃ごみになってしまう。生ごみとか紙オムツとか、そんなものばかりになるから。となると焼却するのに、わざわざ重油を掛けて燃やすことになる。だから、焼却炉の運転にとってもマイナス要因だ。

B君:だけど、それは地方自治体が集めないと言えばそれで良い訳で。

A君:東京都だと、豊島区だけが、その他プラの回収をするようですね。

C先生:そうなんだ。どうして豊島区だけが、と聞くと、元々かなり分別回収をしているので、その延長線上でできるから、という答えらしい。でも、費用が余分に掛かることは、恐らく事実だろう。これまで焼却施設の運転に費用が掛かっているから、その他プラを再商品化に回してしまえば、その費用が浮くことにはなるが、その事情は、自治体それぞれで違う。東京都の残りの22区は、ごみの回収をこれまで都清掃局がやっていたのを、丁度この4月1日から区に移管したので、「忙しくてそれどころではない」という事情があるものの、まあ、その他プラは集めたくない、のが本音だろう。

A君:となると、豊島区とその他の区では、またまたごみ回収の方法が違ってしまいますね。これは教育上問題ですよね。やはり、基本は小学校で、ごみはこうやって捨てるのです、と教えられる社会にしないと。

B君:それ以上に、容器包装リサイクル法の問題といえば、ごみの減量につながらないことだ。ペットボトルがどんどん増えているのがその証明。事業者は再商品化のためにお金を払うのだが、その金額が大したことがない。なぜならば、一番手間が掛かる収集を自治体に押しつけているからだ。そして、余りお金が掛からない再商品化の費用だけを負担すれば良い制度だから。

C先生:それが最大の問題だ。国も、循環経済を目指すとかなんとか言って、3R、すなわち、Reduce、Reuse、Recycleを推進するとか言っているが、もっとも重要なReduce(ごみ減量)のコンセプトと、容器包装リサイクル法の中身とが食い違っている。

A君:日本容器包装リサイクル協会のホームページに、容器包装を使用したときに、どのぐらいのリサイクル義務量が発生して、それを協会に委託した場合の委託費の金額が出ています。
http://www.jcpra.or.jp/keisan/index.html
ちょっと計算してみますと、
   ペットボトル 1000kgを清涼飲料に使用した場合。24249円
   紙 1000kgを食料用に使用した場合。3518円
   プラスチック容器 1000kgを食料品に使用した場合。14175円
   ガラス容器(無色) 1000kgを飲料用に使用した場合。1116円

B君:ほとんどタダみたいなものだな。ペット1kgで24円だとしたら、1本あたり、1円にもならない。プラスチック容器はそれよりも安いし、紙などは、1桁下だから、本当にタダみたいなものだ。
 
C先生:やはり、基本は、事業者がそのライフサイクルに渡って、容器包装材料の処理に関わる費用すべてを負担する形にしないとReduceは実現しない。これまでの「大量生産、大量廃棄」という社会システムが、「大量生産、大量リサイクル、大量廃棄」というより面倒な社会に変わるだけだ。
 これを基本的に変更するような社会への指針、それが、「拡大製造者責任」。すなわち、ライフサイクルに渡って、その製品に対して費用面の責任を持つこと。これしかない。これを実現するには、容器包装リサイクル法の根本的な見直しが必要だろう。

A君:どんな状況になるか、しばらく楽しみですね。

B君:何も変わらないよ。

C先生:さて、どうだろうか。