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週刊金曜日「買ってはいけない」評 07.24.99




 週刊金曜日なる週刊誌があるらしい。通常の本屋で売っているのではなくて、定期購読の週刊誌のようである。どうも企業から広告を取らないでやっている雑誌らしい。発行人は本多勝一氏、編集委員が落合恵子、佐高信、椎名誠、筑紫哲也の各氏、株式会社金曜日が発行所。別冊ブックレットというものがあって、その2として、「買ってはいけない」が5月20日に発行された。80以上のメーカー製品の批判が行われている。環境に無関係というものもあるが、大部分は環境関連商品のようである。
 虎ノ門の本屋に行ったら、たまたま売っていたので買ってみた。なんと第9刷だ。驚くべき売れ行きだ。この本をどのように読むべきなのだろうか。

 結論的には、是非お読みいただきたい。勿論、全部を信用できる訳ではないが、利便性指向、超清潔指向、いわば、コンビニ依存症候群が現在日本の元凶であることが良く分かる。商品知識は有りすぎて困ることは無い。


追加です(08.25.99)。
結論的には、是非お読みいただきたい。でも、お買いになるこはお奨めしません、と変更します。こんな変更をした理由は、サンデー毎日の9・5号の、船瀬俊介&渡辺雄二両氏 vs.日垣隆氏の余りにも見苦しい言い争いを読んでしまったためです。2名の著者の広告塔としての機能を本HPが果たすことに対する拒否です。


C先生:まず、その80数品目のリストと、なぜ買うなとされているの理由を示し、我々のコメントを付けてみよう。

A君:了解です。こんな表になります。

商品名 買うなの理由 コメントbyABC
山崎製パン クリームパン 食品添加物多数 保存性とのトレードオフ
ロッテ シュガーレスチョコ ゼロ 人工甘味料 カロリーコンシャスを笑う
サンキスト オレンジ 防かび剤 皮を食べなければ
日清ラ王しょうゆ グルタミン酸ソーダなど 月に1食まで
セブンイレブン おにぎり 保存剤 月に1食まで
味の素の味の素 グルタミン酸ソーダ 家庭で使わなければ
プリマハム 特選ロースハム 亜硝酸ナトリウム発色剤 食品を色で買うな
味の素 パルスイート アスパルテーム カロリーコンシャスを笑う
味の素 ほんだし 偽者、グルタミン酸ソーダ 偽は承知の上?
第一製パン オーガニックあんぱん 食品添加剤多数 オーガニックそのものにも余り意味は無い
日清 カップヌードル 環境ホルモン 月に1食まで
ファミリーマート 新鮮サンドイッチ 食品添加物多数 食中毒とのトレードオフ
大塚製薬 ザ・カルシウム カルシウム不足はウソ 何事も適量が大切
マクドナルトハンバーガー 肉は毒、環境破壊 人間生存はもともと環境破壊
ロッテ カカオの恵み ポリフェノールは無意味 単なる流行だろう
ローソン 夢氷 有害着色剤赤色2号 色で食物を選択しないこと
日本ハム シャウエッセン 亜硝酸ナトリウム発色剤 色で食物を選択しないこと
ハウス食品 フルーツインゼリー 天然添加物の不気味 人工物より不気味は事実
山崎製パン 中華まん ピザまん 添加物多数 ときどきなら
岩下食品 新生姜 保存料、タール色素 ときどきなら
ロッテ キシリトールガム 人工甘味料 歯磨きの方が大切
和光堂粉末ベビーフード 添加物入りお手軽商品 特殊状況用なのだろう
やまや辛子明太子 人工着色料 無色しか買わない
大正製薬リポビタンD 無効、アルコール入り もともと精神的なものだろう
コカ・コーラライト 人工甘味料 ダイエット意識過剰
キリンラガービール 遺伝子組替え作物 アルコール発酵してしまえば
メルシャン ワイン 亜硫酸ガス入り 量をすごせばもともと発ガン性
キリンビバレッジ朝のきれいな水 アルカリ健康法迷信 ミネラルウォータ自体が迷信
JT 桃の天然水 糖分が多い、名称不適切 まさかミネラルウォータの変わりに飲むのでは
西宮酒造 日本盛 偽者アルコール添加 知っていればどうということなし
カルピスnudeヌード 人工甘味料 ダイエット意識過剰
森永乳業 常温保存牛乳 成分が変質している まずい、しかし非常用だろう
サンギ アパガードM 合成洗剤入り これは高すぎる
カネボウ naive洗顔フォーム 合成洗剤入り 化粧そのものとのトレードオフ
P&Gミューズ 毒物、合成洗剤入り 除菌は不必要
花王 アタック 蛍光染料の効果だけ 蛍光染料は確かにすごい
花王 メリットシャンプーリンス 合成洗剤入り 毎日シャンプーがもっとおかしい
ライオン 薬用ボディソープ  毒物、合成洗剤入り 除菌は不必要
ジョンソン カビキラー 次亜塩素酸ナトリウム こすって落とそう!!
P&G ジョイ 合成洗剤そのもの どんな洗剤でも少量
アース製薬 モンダミン 毒物でうがい? 清潔指向が行き過ぎ
花王 ハミング1/3 合成洗剤の上塗り 洗濯そのものをやりすぎる
P&G ミルトン 哺乳瓶消毒 毒物をあかちゃんに 熱湯消毒も本当に必要なのか
サンスター ドライアップ 洗えないものが多い ドライに出せば良い
花王 キッチンハイター 次亜塩素酸ナトリウム そもそも不用商品
花王 トイレクイックル 繊維が環境破壊 トイレットペーパーもなるべく少量
ライオン 植物物語 合成洗剤 植物がなんで良いの
アース製薬 ポリデント 内容が非表示 表示は絶対原則だ
小林製薬 ブルーレット 合成洗剤 もともと不用なものだろう
メニコン コンタクトレンズ洗浄剤 合成洗剤 昔はなめていた
資生堂 薬用不老林 効果なし、高すぎる 多分そうだろう
再春館製薬 ドモホルンリンクル 効果なし、高すぎる 多分そうだろう
ロート製薬 薬用リップスティック 刺激物 多分そうだろう
Dior スヴェルト 詐欺的商品 その通り
資生堂 アウスレーゼヘアトニック 逆効果 多分そうだろう
資生堂 ブラバスシェービングフォーム 逆効果 多分そうだろう
花王 ニベアクリーム 合成界面活性剤 ときどきなら
ホーユー ビゲン早染め かぶれ、発疹、抜け毛 覚悟の上なのだろう
マンダム システムE/O 逆効果 多分そうだろう
カネボウ テスティモスーパーリップ 有害色素 すべての口紅がそう
花王 ニュー8×4 殺菌剤、防腐剤 超清潔指向すぎる
大鵬薬品 マイルーラ 合成洗剤 過敏反応は有りうる
久光製薬 エアーサロンパス 冷やすことは間違い 間違いだとは思わない
池田模範堂 液体ムヒS ステロイド剤入り 使用量次第
山之内製薬 ガスター10 危険な薬品 もともと医薬品は危険
三共 新ルル−A錠 解熱剤は疑問 カゼには対症療法しかない
大幸薬品 正露丸 クレオソート 非常事態用だろう
藤沢薬品 エージーアイズ 花粉症は直らない 当たり前、対症療法しかない
佐藤製薬 ラリンゴール カゼ予防には無効 うがいそのものは利く
興和 ウナコーワ虫除けスプレーS 毒物だ これも状況次第
田辺製薬 フルコートF ステロイドは魔物 使い方次第
ツムラ 日本の名湯 お遊び効果 同意
ブラウン 電気かみそり 強烈電磁波 この手の電磁波は無害
大日本除虫菊 金鳥の渦巻 毒物 もともと毒物
中外製薬 バルサン すみずみまで毒物 ゴキブリが不当に嫌われている
サンスター Doクリア 抗菌剤を口へ? 同意
旭化成 サランラップ 塩化ビニリデン そろそろやめるのが大企業の責任
大日本除虫菊 タンスにゴン  防カビ剤は有毒 有毒に決まっている
日本モンサント ラウンドアップ除草剤 遺伝子組替えの元凶 日本では止めよう
デュポン テフロンフライパン 空焚きをすると危険 空焚きはそれだけで危険
ピジョン ポリカーボネート哺乳瓶 環境ホルモン ガラスで何が悪い
武田薬品 クサノン ダイオキシン入り除草剤 家庭に除草剤は不用
ネピアウェットティシュ なぜ濡らす必要がある 確かに不必要
アース製薬 あみ戸に虫こない 環境ホルモン入り もともと不必要商品
白元 パラゾール 有害防虫剤 その割には昔から
扶洋薬品 コスミック美顔器 愚劣の極み そうだろう
サンハウス あんしん君電磁波防御 原理的に無意味 電磁波の多くはそもそも無害

B君:買うなの理由が類型的すぎませんかね。分類すると、食品添加物(グルタミン酸ソーダ、亜硝酸ナトリウム、着色剤などを含む)、合成洗剤、薬物の毒性、ステロイド、電磁波などなど、ある種の商品評論家がターゲットにしているものばかりが目立ちますね。

A君:そう、その通り。もはや古い問題とでも言うべき対象ばかりですね。

C先生:確かにその傾向が強いな。この点は後で批判するとしよう。まあ、その前に、素直な感想を聞きたい。同意できたかできなかったか。

A君:我々も中身は知っているのが多いですよね。ですから、例えばコンビニで売っている多くの商品のように、本物とは言いがたいなあということでは同意できました。

B君:コンビニで売る商品は、痛んでは困るから、保存剤などはやはり多用する傾向にある。インスタント商品もインパクトの強い味にしないと、という思いが強くなるのだろう。ということで、確かに、自宅できちんとした食品を作りなさいという主張であれば、それは同意できますね。

C先生:食品については、確かにその通りだ。ただし、食品添加物が発ガンなどの重大なリスクになっているかどうか、これは全く別問題だ。これもすでに何回も述べているが、添加物が全く無い食品にも立派な発ガン性があるものも多い。1997年の記事に「無農薬野菜と健康 new8.11」表紙ページにリンクを張っておきます)というものを載せたが、食品添加物は極めて有害だと一部消費者などが考えているほど、発ガン性は大きくなくて、むしろごくごく普通の食品の発ガン性の方がはるかに大きいことも知っておく必要があるだろう。環境問題の原則の一つだが、自然のリスクレベルが高ければ、人為的リスクをいくら下げても効果は薄い。
 とは言え、どのような添加物をどのぐらい使用しているか、その表示義務はもっともっと強化すべきだろう。情報開示これがこれからの環境行政のもっとも重要な基本中の基本だ。

A君:それでも、食品添加物を攻撃する人が全く減らないのには何か理由でもあるのでしょうか。

B君:それはそうだろう。何事にしても、裏に何か利益を生む構造があると考えるべきだろうな。そんなことばかり考えていると性格が悪くなるが。その最大の可能性が、それがある種の商売に連結している可能性だ。例えば、日本子孫基金が「農薬は環境ホルモンだ」と主張しつつ、裏では有機野菜と称した商品を販売しているといった形態だ。良心的にやっていると言われればそれまでだが、一般のマスコミが広告を取っている企業の悪口を言えないのと状況的には同じことが起きている。マスコミが安心してターゲットにできるのが政府だ。巻末に掲載されている筆者4名の座談会では、「黒いペンタゴン」として、政界・官僚・業界・マスコミ・学界の黒い連携が問題にされているが、学界は必ずも一体ではないから念のため。

A君:そう言えば、三好基晴氏という筆者の履歴には、日本オムバスの顧問医とありましたね。アトピー商法で有名な日本オムバスですから(1998年記事 「アトピー」と環境問題の類似点 new12.14をご参照下さい。表紙ページにリンクを張っておきます。)、当然、「ステロイド剤は悪魔」と言うに決まっていますね。

B君:それだけではない。化学物質アトピー原因論も、その流れと理解できるだろう。

A君:三好氏は有機野菜の推奨もしていますね。これが反食品添加物の理由でしょうか。

B君:なんとも分からない。有機野菜は、生協系列では積極推奨商品だからね。まあ、一概に悪いとは言えないが、そんなに益がある訳でもない。しかも、本当の意味での有機無農薬野菜は極めて少数しか存在しないことを知るべきだろう。

A君:合成洗剤も相当にやられていますが、これも何かあるのでしょうか。

C先生:分からないね。石鹸メーカーと何かつながっているのかもしれない。それにしても、石鹸と合成洗剤の話は、昔から長々と飽きずに続いている。結論はもう出ている。石鹸の利点は、分解速度が速いこと、弱点は石鹸カスが出ること、硬水には弱いこと。合成洗剤は、水の種類を選ばないことが利点。しかし、分解は遅い、強力な界面活性効果のために、魚やミミズなどへの影響は大きいことなどが弱点。

B君:ちょっと思いついたのですが、ハミング1/3のところで、石鹸を使えば柔軟剤などは不必要ということでしたが、それは石鹸カスが布に残るからでは無いですか。さらに、酢を少々たらすとますます柔軟になるということですが、それが本当だとすると、石鹸カスや石鹸成分である脂肪酸のカルシウムやナトリウム塩が分解されて、脂肪酸そのものになるためではないですか。そのまま放置すると、長期的には黄ばみが出そうですね。

A君:それは有りそうだ。

C先生:すべての商品のもう一つの環境負荷だが、それは原料だ。石鹸の原料は油脂だから、獣脂や植物性油脂が使われる。植物性油脂としてヤシ油を使うとすると、そのためにインドネシアやマレーシアなどの熱帯林が焼畑農法で燃やされて、パームヤシが植えられることになり、生態系破壊、また下手をすると山火事の原因にもなりかねない。だから、洗剤・シャンプーぐらいは石油由来の品物で我慢すべし、というのが最近の持論。石油は大量に採取されているから、洗剤分程度の量なら増えたところで大差は無い。洗剤を全部を石鹸にするのは、むしろ環境破壊だ。石鹸はマイナーで有り続けるのが宿命だ。

A君:結構過激ですね。

B君:要するに、使用量をまず減らせ、ですよね。あまり汚れていないものを洗濯するな。毎日シャンプーを大量使用で洗髪するな。髪も痛む。

C先生:とは言っても、何がなんでも合成洗剤という訳ではない。日本でも直接川に下水が流れているような状況だったら、石鹸の方が良いだろう。また、これは難しいお願いだが、川の上流地域に住んでいるのなら、下流の人々を思いはかって石鹸に変更するということも社会貢献かもしれない。

A君:話変わって、この本は4名で書かれていますが、筆者全員に天然物安全思想、あるいは、天然物本物指向がありますね。

B君:そうでも無い例が有ったぞ。渡辺雄二氏は、フルーツインゼリーのところで、天然増粘剤について、天然物かならずしも安全とは言えないと書いている。

A君:あれ本当だ。でも、つばき油だとか、オリーブ油が整髪剤として最適とか言ったことをもう一人の著者船瀬俊介氏が書いていますよ。

C先生:週刊金曜日の編集部の山中登志子女史も、どうもその系列のようだ。
 さて、そろそろまとめるか。この雑誌は、基本的に反体制的マスコミなのだろうね。山中登志子女史が「こんな危険な商品の製造・販売を許しているのが、国民の立場にたって健康を守る気の無い厚生省である」と書いているが、これが全体を象徴しているように思えるね。

A君:でも、それなら厚生省がもっと強力になって、規制をばりばり強化することを期待しているのだろうか。そうでは無いように思えるのですが。

B君:それは当然だろう。厚生省が無能であるのが、実は山中女史の希望なのさ。

C先生:批判は簡単、しかし、実践は大変。これを身をもって感じてもらうためには、山中女史に1年間ほど厚生大臣をやってもらうというのはどうだろう。

A君:なんだか今日は過激ですねえ。生ビールの飲みすぎなのでは無いですか。

C先生:本日は少々暑すぎたせいかもしれない。(梅雨が明けて、正午の気温が33℃)。しばらく頭を冷やそう。暑い!
  でも、なぜか最後に週刊金曜日に提案したい気分になってきた。それは、原価を公開しようということ。特に清涼飲料水関係の原価で最大のものが実はPET容器であるというようなことをもっと広く消費者に伝達しないと、包装材料の総量を減らそうといった動きにはならない。化粧品の原価が一部出ているし、ドリンク剤についても書かれているが、すべてのこれらの商品について、原価とその構成を推定して欲しい。