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リターナブル瓶諸外国の状況 04.22.2001




 先日、「今週の環境」でもご紹介したが、全国びん商連合会が2月に発行した「リターナブルびんの社会的定着を目指す業界ビジョンおよび実現方策」の中からご紹介。


C先生:全国びん商連合会の報告書にある、諸外国における容器をめぐる法律ならびにリターナブルびんの状況である。

A君:日本のリターナブル瓶をめぐる法律の整備は非常に遅れていますからね。

B君:容器包装リサイクル法を作ったのが、ペットボトルに対する一つの免罪符になってしまった国だからなあ。

A君:ドイツから行きます。
○1989年:プラスチック製飲料容器の回収と預かり金の徴収に関する政令
 ミネラルウォータボトルを対象容器とし、塩ビボトルには強制的にデポジットを義務付けたもの。塩ビがリサイクルにとってマイナスだということ。
○1991年:包装廃棄物回避に関する政令
−対象はほぼすべての包装。
−素材ごとに最終リサイクル率を設定した。ガラスでは、暫定42%〜最終72%。
−事業者に無料引取り義務(自治体への委託不可)を課した。自社による定期的回収または認可された回収システム、デュアルシステムドイッチェランドに参加する場合のみ免除される。
−エネルギー回収は処理法にならない。
−ワンウェイ飲料容器、洗濯・清掃洗剤容器、分散塗料容器にはデポジットを義務化
−リターナブル瓶に対する規定:ビール、清涼飲料水、果汁、ワインでは、リターナブル瓶のシェアを72%、牛乳は17%を下限として設定。これを下回った場合には、デポジットを強制できる。

B君:日本の状況から見たら滅茶苦茶厳しい。リターナブル瓶の使用は、それでも下がり続けている。紙パック入りのアイスティーやスポーツドリンクの登場がその原因。もしもデポジットが掛かるとしたら、1.5リットルの容器で1マルクだ。

C先生:ドイツには、一つの問題がある。それは、EUだ。EUは自由貿易の観点から、リターナブル瓶の使用率の目標設定値(72%)が高すぎるとしている。ドイツは、それに反対している。リターナブル瓶の目標はこのところ満足していないので、強制デポジットは本来、この3月に掛かるはずだったが、どうなったか。恐らく反対が強いので、妥協策を探っているのではないか。

A君:デンマーク行きます。
○1971年:ビール及び清涼飲料容器に関する法律
−対象容器:ガラスとプラスチック製のビール、ソフトドリンク容器
−材料リサイクル化率85%、包装用塩ビ削減率85%が設定されている。
−飲料容器にはリサイクルを義務化
−輸入品は、デポジットを強制し、集めたびんは輸出国に戻している。
○1989年:包装容器に関する政令
−リユース瓶の使用を義務化
−果汁飲料のみワンウェイびんも可
−金属製の容器は許可されていない。
−形状を実質的に限定し、リターナブル瓶を推進。ビールについては4種類が許可。ペットボトルでは、25種類が許可。
−デポジット:ビール、ワイン、ソフトドリンクが対象。ガラスもペットも同額のデポジット。

B君:ドイツの状況をすごいというのなら、デンマークの政策はキチガイ沙汰(差別用語か)。

C先生:やはりEUとは方針の違いがあって、もめた。特に、金属製容器。要するに缶ビールの輸入を許可するかどうかだ。報告書には、余り明確に記述されていないが、結果としてデンマークはEUに対して譲歩して、95%のリサイクル率を保証することで缶ビールの輸入を認めたはず。しかし、昨年、コペンハーゲンでは、現実には缶ビールの姿をどこにも見ることはできなかった。

A君:オーストリアです。
○詰め替えプラスチック飲料容器の返却とデポジットに関する法令(1990年)
−炭酸ソフトドリンク、ジュース、ビール用の缶・ガラスおよびプラスチック容器が対象(牛乳、ワイン、スピリッツは除外)
−対象品目はすべてデポジット、ワンウェイ容器はすべて廃棄物処理負担金を課金
−数値目標:炭酸飲料で83%、ジュースで80%、ビール90%、ミネラルウォータ96%、牛乳80%の再利用率を設定。
○包装政令(1993年発効)やや厳しすぎたのだろうか、簡単にした。
−数値目標:回収率80%、ミネラルウォータは94%
−プラ容器には、4シリング(約30円)のデポジット。
−しかし、現実には、1997年から2000年に掛けて、リユースペットボトルの使用率は、90%から50%まで大幅に低下してしまった。その原因は、ペットボトルを中心とした容器の回収が困難であること。

B君:リターナブル瓶はなかなか高い再使用率を確保するのが難しいようだ。

C先生:日本が取り組むと決めても、余り目標を高くしても実現は不可能だろう。

A君:スイス行きます。
○再充填・リサイクル可能飲料容器法(1991年)
−リユース可能な容器はデポジット、0.5スイスフラン。
−金属・プラスチック飲料容器にはリサイクルインフラを作るための税金
−廃棄量の上限を限定、(ガラス16000トン、ペット5500トン、アルミとスチール500トン)
−徐々にペットに容器の材質は移行中。しかし、回収率は79%(1996年)


B君:フィンランドに行こう。
○廃棄物処理法(1979年)
−包装税約40円を課税。回収率95%を目標
○パッケージへの課税に関する法律(1990年)
−ビールと炭酸ソフトドリンクのワンウェイ容器に課税

A君:スウェーデンの場合
○特定飲料容器に関する法律(PET法)1991年
−許可制、負担金、および、デポジット
○エコサイクル法1983年
−費用分担として、缶7円、ペット56円を内部化
−回収率の目標:ペット90%、プラスチック包装65%

B君:ノルウェーの場合
○飲料容器のデポジットシステムに関する法律(1987年)
○廃棄物削減・最小化法(1994年)
−デポジット:ワイン、スピリット、ビール、炭酸、ソフトドリンクのリユース容器が対象
−ワンウェイ容器は、清涼飲料で50円、ビールで38円の課税

A君:フランスの場合
○包装廃棄物に関する政令(1992年)
−リサイクルをするが、エネルギー回収の許容度高し。
緩いようですが、それでも日本の容器包装リサイクル法よりは厳しいという話。

B君:ベルギーの場合
○環境保護税法(1993年)
−リサイクル重視。エネルギー回収は制限
−容器は回収率80%、リサイクル率50%を目標
−事業者は目標回収率を達成しないと課税される(45円/リットル)。さらにデポジットを強要される(21円から225円)

A君:オランダの場合
○デポジット法(1993年)
−ガラス瓶およびプラスチック容器にはデポジット

B君:カリフォルニア州
○飲料容器リサイクルおよびごみ削減法(1986年)
○総合廃棄物管理プログラム(1989年)
−リサイクル率80%目標
−埋め立てを回避する方向

A君:オレゴン州
○飲料容器法
−リターナブル瓶を優遇した預託金制度
−デポジットシステムがあるらしい

C先生:というわけで長かった。各国がそれぞれいろいろと工夫をしているが実際のところ、うまく行っているといえる国は少ない。デンマークは平然と行われているが。日本がやるとしたらベルギーの方法などが面白いと思うが。いずれにしても、できるだけ単純なシステムが良いだろう。