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デンマークとオランダ訪問メモ 09.30.2000




 9月23日に成田を発って、デンマーク、オランダで3ヶ所の研究所を訪問。加えて、町のスーパーなども探検した結果のメモです。ペットボトルは、やはり大部分がリターナブル化していることが判明。当然、傷だらけ。それ以外の情報の大部分は個人的内部情報。これを読んで喜ぶ人は、相当なるLCAのプロだけだろう。記述は極めて不親切。このHPは、米国EPAのLCA関係部署があるシンシナチからのアップ。


容器などの日常情報:要再確認情報多し。

デンマークでは、

○:ペットにデポジットが掛かっている。500mlのペット容器で、2.5クローネ(約40円)。

○:しかし、外国製は別。フランス製エビアンなどのワンウェイペット容器も売っている。

○:EU政府とデンマーク政府が喧嘩をしたアルミ缶のビールだが、町中のスーパーにはまだ売っていない。

○:アルミ缶は、95%以上のリサイクル率を確保することを条件に認めたようだ。

○:ビールはリターナブルガラス瓶だけ。

○:ホテルの冷蔵庫の中には、ガラス瓶だけ。

○:タクシーはほとんどすべてがベンツのEクラス。タクシー代は日本よりも安い。2/3ぐらいか。

○:車はベンツでも、雲助タクシーがいるのも事実。デンマーク工科大学に行くのに、四角形の3辺を走られた。

○:ガソリンは、日本よりも20%ぐらい高い。

○:電車の切符のシステムは、ヨーロッパ共通型。検札が来なければただ乗りが可能なタイプ。当然買って乗ったが。

○:ディーゼルトラックが、黒煙を吐かない。恐らくエンジンの運転条件を酸化側に振っているためだろう。だから相当量のNOxは出ているだろう。日本の基準もそうすれば良いのに。

○:やはり寒い国だった。9月末でも、夜8時を過ぎると、冬だ。

オランダでは、
○:ペットはやはりリターナブル。当然、傷だらけ。でも、不潔感はない。

○:デポジット価格は不明。返却に行けなかったので。

○:スーパーで袋をくれない。

○:アルミ缶入りのビールは存在する。ハイネッケンがあるから当然とも言える。

○:今回のホテルは新築で冷蔵庫が無かったが、前に来たときには、ガラス瓶しか無かった。

○:こちらもタクシーはEクラスベンツ。ときにCクラスベンツが混じる。価格はやはり日本の2/3ぐらい。70km/hが制限の普通の道を110km/hで飛ばすタクシー。結構怖い。

○:タクシーにはディーゼルが多いようだ。

○:ガソリンは、日本よりも20%ぐらい高い。ディーゼル燃料は、85円/リットルぐらい。

○:結構、交通渋滞がある。

○:アムステルダムの電車と車の共存状況を見ると、とても運転する気にならない。

○:電車の切符を自動販売機で買えない。オランダ語しか書いてない。選択するオプションが多すぎる。

○:まあまあの気候。まだ、傘をさす必要がないので幸運。雨は良く降るのだが。雨が降ると、気温はかえって高い?


LCA・環境関係情報:かなり内部情報。今後、HPの種にする予定。 →は、個人的コメント。

Bo Weidema(20コンサルタント、元デンマーク工科大学)を聞いて:
○:デンマーク人でも、環境に配慮している割合は、6%ぐらい。残りの人は、やはりコストだけを考えている。 → 日本では、1%ぐらいか。

○:地球温暖化は、デンマークに危機をもたらす可能性がある。それは、メキシコ湾岸流の流れが変わること。もし、変わったら、かえって寒冷化するだろう。これが怖い。 → 本当に温暖化するのなら歓迎? でも、国土が低いから、海面上昇もヤバそう。

○:デンマークは風力発電の割合を将来30%にする予定であるが、デンマーク人は、風車がグルグル回るのをもう見たくない。すでにうんざり。そこで、5km以上沖合に風力発電機を並べる計画がある。海岸から見えない距離。そんなに沖合でも、海の深さは10m程度らしい。 → 日本でも海上風力は考慮すべきだ。しかし、日本の海は深い。メガフロート型か。

○:将来、インターネットで、自分はこんなものが買いたいとい宣言文を出せば、メーカーなどから、こんな製品があなたに合っているからどうですか、というアプローチがくるようになる。→ こんなことを許容したら、インターネットが情報公害源ではないか。

○:LCAの研究は、すでに終わった。応用は増加する可能性が高い。 → まあね。

○:LCAの考えを入れた税制や経済システムができたとき、それがLCAが死ぬときだ。
→ 同意不能。むしろ、LCAが活きるときなのではないか。

○:LCAは2時間で教えることができる。 → われわれの教材も、3時間で終わる。

○:将来、エネルギー枯渇は問題ではなくなる。なぜならば、太陽エネルギーですべてのエネルギー消費をまかなうことができるから。 → 楽観的すぎる。

○:デンマークには原子力発電は無い。今後も無い。 → そうだろう。

○:Weidemaのもともとの専門は、なんと農学である。 → これを聞いて、何かすべてが分かったような気になった。

○:土地利用が重要な環境問題。 → 農学者共通の見解。

○:環境NGOとして、かなり若い頃に活動をしていた。 → 恐らく過激派だったのでは。


Michael Hauschild(デンマーク工科大学=DTU)の話
○:LCAは政府の環境ポリシーの中に、徐々に活かされるだろう。 → まとも。

○:LCA的政策を市民は理解する必要がある。 → まとも。

○:水道代が極めて高いらしい。日本の20倍? → おもしろい。要再調査。

○:化石燃料に当分依存するし、太陽エネルギーが過半をしめることは無い。 → まとも。

○:鉛レスのハンダの環境への効果は、あっても少ない。 → 同意。

○:汚染型環境負荷の大部分は、低下傾向にある。 → まとも。

○:現時点で、化学物質の問題点は、あまりにも情報が無いことである。 → 同意。

○:化学物質は、環境中での持続性、移動性、毒性3種の特性で分類すればよいだろう。すべてが高い物質は使用を制限すべき。 → 同意。

○:汚染型環境負荷で持続性が損なわれる可能性は、デンマークでは少ないだろう。 → 同意。日本でも同様。

○:インパクト分析は、やはり必要である。UNEP−SETACで検討課題になっている。 → SETACの日本支部とは?

○:デンマーク政府の環境ポリシーの形成に、DTUは関与しているような気がした。 → まともなので当然か。

○:Hauschildのもともとの専門は、化学。特に、環境毒物学である。この分野、日本では専門教育がない。 → 中西先生に何人か教育して貰おう。

○:現在は、機械工学の分野に席がある。 → 複数分野の専門が重要。


Gjant Huppes(ライデン大学環境研究所=CML)の話

○:オランダの水は、地下水が半分とライン川の水が半分。ライン川の水は、そのままとても飲める状態にはならないので、地下へ浸透させて浄化をしているらしい。 → このような基本的環境情報から理解すべきだ。要再調査。

○:雨水は、飲料に適さない。なぜならば、地面に接触して、重金属を溶かしこむ可能性が高いから。 → オランダという国には、かなり厳しい土壌汚染の基準があるが、その理由は、上述のような事情なのだろうか。それに比べれば、日本という国は、水に恵まれている。

○:LCAを勉強するのに、2週間はいらない。 → 2週間は長すぎる。3時間でOK。だからLCAを専門にしても、なにひとつ専門家にはなれない。

○:しかし、環境の専門家になるのは難しい。 → 雑学の大家になる必要があるから当然。

○:LCAの将来は、経済モデルとか、他のモデルとの統合化される方向だろう。LCA的情報を含まないモデルはあり得ないだろう。 → 同意。

○:LCA計算用のソフトは、あまりにも実用性や分かりやすさを狙いすぎ。しかし、実用性もわかりやすさも十分ではない。数学的に線形代数としての取り扱いをやれば良いのに。 → 同感。数学的には極めて単純な話。すでに、確立した概念なのにその方法を使わないソフトが多い。

○:Webサイトから、CML製のLCAソフトをダウンロードできる。 → 早速ダウンロード。

○:エネルギー源としては、将来とも化石燃料に依存するだろう。ただし、京都議定書のようなものが発効すると、炭素を燃やすことができなくなるだろう。となると、エネルギー不足になるかもしれない。ガス化に可能性を見ている。 → 京都議定書が批准されると、エネルギー不足になるという見解はおもしろい。

○:北海油田の生産コストは、$16/バレルである。 → もっと安い(半分)と思っていた。

○:オリノコの超重質油は非常に大量に埋蔵されているが、極めて汚い燃料である。石炭よりも汚いかもしれない。 → このほかにも、オイルシェール、オイルサンドなどがあるが同様。

○:枯渇より、汚い燃料の利用による環境汚染の増大が問題で、枯渇については、比較的楽観している。多分、2000年程度はもつだろう。 → 最近の米国の報告書は、そんなトーンのものらしい。

○:燃料電池はまだまだ。 → 同意。

○:オランダには、小さな原発があるが、廃止の方向。 → 日本は無理だろう。

○:しかし、電力は輸入を考えている。フランスから原発による電力。さらに、ノルウェーから100万ボルト送電で水力発電による電力を。 → 勝手なものだ。でも日本では不可能か。うらやましい。

○:オランダは、エネルギーの輸出国である。天然ガスが大量に取れる。 → これまた、うらやましい。

○:オランダ政府の環境行政から、どちらかと言えば距離を取っているようだ。 → オランダ政府は極めて現実的だからかな。

○:PreのGoodkopとはいろいろな場面で当然会うようだが、どうもライバルのようだ。 → LCA屋は他人を誉めないのが通例。特に距離的に近い場合に顕著。

○:Huppesのもともとの専門はなんと政治学である。 → エコマネの森下氏と同じだ!


以上3名の個人的特徴:独断と偏見!!!
○:Weidemaは、独立コンサルになっただけに、ややはったりが強い。Hauschildは、大学教授的。かつ、最もテクノクラート的。 Huppesは、見方がさすがに広い。

○:英語は、Haushild>Weidema>Huppesの順で上手い。特に、Hauschildの英語は、ネイティブの上を行く。

○:もう一度、じっくり会って話を聞きたい順:Hauschild>Huppes>Weidema。やはり自分自身と専門・見解が近い順なのかも知れない。