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  中央環境審議会地方ヒアリング 04.01.2002




中央環境審議会総合政策部会
地方ヒアリング(宮崎会場)

 この記事は、本HPの読者の方に、こんなこともやっているということをご紹介する意図で書かれたものであって、この地方ヒアリングの記録という性格のものではない。発表者の意図も、ご本人に確認していないし、質問者についても、その意図を正確に把握しているという訳でもない。

 中央環境審議会の委員が何をやっているか、どのような考え方をもっているのか、といったことについて、若干でもご理解いただければと思う次第。


開催日時:平成14年3月28日 14:00〜16:30
開催場所:宮崎観光ホテル

中央環境審議会側の参加者:
上野征夫委員(三菱商事)、天野明弘委員(関西学院大学)、青木保之委員(首都高速道路協会)、鈴木継美委員(東京大学名誉教授)、武田善行委員(経済同友会)、筑紫みずえ委員(グッドバンカー)、三橋規宏委員(千葉商科大学)、村杉幸子委員(日本自然保護協会)、湯川れい子委員(レインボーネットワーク)、安井至

ヒアリングの内容:
公募市民をはじめとして9名の発表が行われた。敬称省略。また、委員からの質問については、ご本人の確認を取っていないので、意図がずれている可能性がありますので、匿名です。


谷平興二(延岡アースデイ実行委員会)

 論旨:「母なる地球に感謝し、母なる地球に恩返しをする運動であること」
「何でも市民運動として、やりとげること」「植林にも取り組んでいる」

 特に、山における植林を中心としたボランティア活動を相当大規模に行って実績を上げている。

委員:谷本さんの実践活動中の、事故の発生の対策について。
回答:結局何もできない。起きたときに考える。保険も自分で掛ける。それ以外に無い。

委員:地方が変わることによって、日本が変わる。非常に力強い活動だ。用語について質問。モリモリ十字軍。十字軍はアラブからみると侵略者なのだ。9月11日の同時多発テロについてもそのような見方がある。
回答:くさかり十字軍にあやかりたくて付けた。その議論は承知している。

C先生感想:すごいエネルギーだ。しかし、ボランティアだけで最終的な解決がどうなるのか。ボランティアが必要なのは分かるが、本当の解決ではないように思える。ボランティアだけでは息切れをする。やはり制度的な保障が必要ではないか。


土井裕子(NPO五ヶ瀬川流域ネットワーク理事長)

 論旨:林業「国内流通木材の80%が外材」「材価はピークだった昭和30年代の1/3以下になってしまった」
 農業「再生が不可欠」
 河川「川の魚や蟹、海老、の生物数は昔の1/30〜1/100になった」
 自然産業を作るべきだ。山の自然を復元するために、三面張りの川をもとに戻す。地元調達で工事を行う。
 日本の伝統的手わざを復活が必要。エルメスにあれだけのお金を払うのなら、もっと払うべき日本の伝統的手わざがある。

委員:三面コンクリート張りを自然にマッチした形にする。行政機関に提案をされているのか。
回答(土井):どこで誰がもうかっている、という構造をぶった切らないと進まない。大きなクライシスを迎えないと、工期短縮省力化という発想を変えないと。

C先生感想:これまた、エネルギーがすごい。伝統的手わざ重視は大賛成。しかし、この自然回帰型の河川改修をやっても、お金の流れを制御しないと、結局、補助金型産業にしかならない。なぜならば、もともと経済効果が無いから。労働力を地方で逆吸収するというが、その場をどうやってつくるか。環境保全をどのように市民社会が合意するか、それが問題。これも、制度的な保障が必要。


南 涼子(環境カウンセラー、消費生活アドバイザー)

 誰か言うか2月28日に締め切りで、ぎりぎりにメールを送った。基本計画の概要を読んで感心はした。それを実際生活の中でどう取り込むか、これは難しい。

 A4を定型封筒に入れれば80円。A4封筒に入れれば130円。他の県の省資源・省エネルギー。省エネルギーの催しの当日の記念品に熨斗が付いていた。

 もっと、中央官庁が、市民感覚にあわせて細かい環境対策を行うべきである。

委員コメント:役所の末端まで意識が徹底しない、ということは問題。地域の見本になるのが大変大きい。ネオンの問題、明かりの問題もあるが、都会の消費生活を抑えなければならないが、一人一人の感想を持っている。

C先生感想:中央官庁におかしなことは多数ある。昨年も環境省で会議をしていると、夜の軽食と一緒にペットボトルが出てくる。霞ヶ関の役人に、自分の身の回りの行動を環境適合型にしようという人はほとんどいないのではないか。東京の明かりが無駄ということで消費の削減を主張されていたが、19日の地球温暖化防止大綱をどのように評価をしているのか、そんな意見が欲しいところ。大綱のようなものに、市民の声が必要。
 現在の中央官庁においても、実は経済の再生が最大の目標。現在の経済システムの元では、消費量を増やすことが、経済規模を拡大する唯一の方法である。個人的には、このような産業構造と消費者の意識を変えない限り、根本的な解決は無いものと思われる。これは、制度が重要。
 しかし、この手の消費者運動は、余り広がらない。それは夢が無いからだと思う。


富士持吉人(河川環境健康問題研究所所長)

 平成14年2月3日 九州環境ボランティア会議を開催した。

 開発の遅れた後進地であるという見方があった。21世紀の環境の世紀だからこそ、開発が遅れたから宝が残っている。宮崎の自然を見据えることが重要だと思う。

 宮崎の自然ともうひとつの宝がある。それは人間である。自信を持っている。市民が主人公になって、美しい地球と共生する社会を目指して。

 小中学校の先生方が駄目だと言うこと。本当に駄目ですと言う人が多い。

 昭和32年から7つの学校に勤務したが、教え子が環境問題は自分たちの問題だ。先生は地球の資源は有限だというが、地球といものが身近に感じられるようになったら、やっとその意味が分かったと言ってくれた。

委員:アースデーは20年間やってきた。女性に頼ってきた。現場で長続きをしないが、今回の発表は力強かった。富士持さんの師弟ネットワーク。自然環境の変化が感じ取れる人と感じ取れない人がいるので、自然を身につけるがが重要。
回答(富士持):自分のところの肌にあった裾野を広げていこうとしている。

C先生感想:地域コミュニティーの再生による環境問題解決型という意識が強いようなので、支持したい。


安元喜久子(生活学校連絡協議会会長)

 21世紀に入って環境の悪化がますます進んでいる。暮らしの見直しは重要な課題である。容器包装リサイクル法が施行されて、点検の必要性を強く感じている。具体的な行動を起こして欲しい。再使用、再利用の取り組みも始まっている。

 リデュースを徹底してきている。トレー、レジ袋の削減、をやってきた。

 エコストア店を利用している。再生品を積極的に使う。

安井:(1)容器包装リサイクル法の具体的な問題点は何だとお考えですか。(2)再生品を利用すると、再生品の方が高いということについて。
回答:日本は資源が無い。資源を残して生きたい。ゴミを減らしたい。リサイクルするためのシステム作りやすい製品作りが重要。企業からの努力が必要。リターナブルビンが成立しないのが容リ法の問題。再生品と付けると売れないという業者がいるが、市民側の意識を変えたい。

委員:何もってエコショップとしているのか。
回答(安元):環境問題に関心があることを表明している店。簡易包装でよいですか、あるいは、レジ袋を辞退したときに感謝をしてもらう。

C先生感想:環境税が必要だ、と言って欲しかった。


有馬千泳(都城市生活環境部保全課)

 地球温暖化防止計画、環境基本計画の策定を行っているが、行政改革の推進や景気低迷に伴う財政事情悪化により、環境部門においても、その影響が出ている。したがって、計画を適正に運営することには、改善事業の実施に要する経費、進行管理や市民啓発に伴う職員数の確保などが必要であり、これらの問題を解決する制度について創設を検討願いたい。

 市町村のトップを対象として環境セミナーなどが必要である。国で作戦を立てて、前線は地方に落ちるが、それを推進する兵站が必要である。

委員:コメント。都城の環境基本計画も、国とは違った取り組み、すなわち、水を中心とした取り組みなどが可能のように思える。

委員:コメント。照葉樹林、日本一の樹林が残った。町長の指導力が立派。長の意識改革が重要。環境省がレクチャーをする機会を持たせたい。

委員:農業の農薬使用が多動症を生んでいるが、畜産業の問題はなにか。
回答(有馬):畜産が環境に与える影響を超えた畜産廃棄物が出てくる。牧場と書いてあるが、牛、豚の工場がある。

C先生感想:補助金がないから地方の環境行政が進まないという言い訳のようにも聞こえた。後出の水俣市のような堂々たる態度が必要。


松山圭一(宮崎松下電器)

 松下グループの中で、電子部品を作っている。グリーンプロダクトの開発、グリーンファクトリーの推進、地球を愛する市民活動。

 鉛フリーはんだ2002年3月。セラミックコンデンサー。チップ部品用から鉛を除く。

 ゼロエミッションの推進を行う

 社内での取り組み:意識改革、再資源化のルート。240種類に分類して再資源化をしている。セメントの原料・燃料などに使用。塩化パラジウムの回収使用をしている。リールも壊れるまで再利用する。

 省エネルギーを行っている。設備の電力を削減することに尽きる。レーザー加工機も1台あたり1/10になった。乾燥炉の省力化。

 リサイクルについても、リール包装から取り組みたい。セメント産業活用による熱回収から材料リサイクルを行うことができないか。

 省エネが今後の最大の問題となっている。

委員:環境担当者が担当者をどのように評価をするのか。
回答(松山):ISO14001の継続的改善ということで、意識は落ちない。ゼロエミッションなどの推進者は表彰する。自分で考えて行動できる人を育てたい。通達を回せば96%は守られる状況になっている。

委員:地球を愛する市民活動をやっているが、市民活動への参加については、植林か? その活動をした場合、会社はどのように支援するのか。
回答(松山):市民活動については、土日。仕事中の参加はありません。県主催の植林に参加できる人だけが参加。クリーンアップ作戦については、海岸を清掃する。土日における環境に対する意識改革としてやっている。できれば、主催した。

委員:ゼロエミッションは大変だと思うが。最後まで残ったのは何か。もうひとつ、製品が帰ってくるリサイクルの割合はどんなものなのか。
回答(松山):ひとつは金属と何かの複合材。RDFを使ってコストが掛かりすぎる。廃プラの処理を太平洋セメントがやってくれた。リサイクル率はゼロ。リサイクル材料を材料には使っていない。金属回収という形はしている。

委員:商品のリサイクルで、乾電池のリサイクルと再生がどうなるのか。
回答(松山):リサイクル業者に渡してやっているが、半年でドラム缶半分。松下電器が何をやっているかは、把握していない。

C先生感想:松下グループの弱点、乾電池が質問されて、なかなか。環境良い子ブリッコ度は非常に高い。現場担当者を責めるのは酷だが、鉛フリーはんだの議論をやりたかった。。。。。それにしても、最近の環境先進企業は、金太郎飴的。


宮野 恵(雲海酒造)

綾町、7600名の人口。そこには、全国最大級の照葉樹林、名水100選。
昭和42年に焼酎乙類、そば本格焼酎雲海。

県内に5工場、北海道と鹿児島に1工場。綾工場は全体の55%の生産。総合酒造業になっている。

焼酎かすは、以前は焼却処理されていたが、配合肥料へと応用を始めた。コンポスト化も試みている。

C先生感想:実際のところ、このような環境対策を行うことによるコストの増加はどのぐらいのものになるのだろうか。午前中に見学を行っているために、質問が無くてお気の毒。


吉本哲裕(水俣市総務企画部)

 人口3万1千名。高齢化が進んでいる。

 水俣のごみ行政は、23種類の分別収集を行っている。ごみゼロに向かって市民がユニークな取り組みを行っている。すなわち、食品トレーの廃止を実現した。市民がエコショップの認定を行う。環境マイスター制度というものがある。お茶、みかん、米、野菜などの有機無農薬栽培や酸化防止剤などを添加しないイリコ作り、天然繊維和紙作り、化学薬品で防虫処理をしない畳表、など、環境と健康に配慮したモノづくりの担い手をマイスターに認定する制度である。

 家庭版ISO、学校版ISOといった取り組みもやっている。

 海外(中国、フィリピン、タイ、マレーシア、インドネシアの5ヶ国からの研修生を受けているといった活動も行っている。

 今後、ゼロエミッションを目指した活動を続けたい。

委員:環境マイスター制度について。
回答(吉本):水俣のお茶などにしても、水俣をブランドにすると売れないという状況があった。食べ物はちゃんと作ろうということで、取り組んだ。市場にも認められるようになった。多くの方が努力をするようになった。

委員:大変立派にやっている。行政としての苦労を聞かせて欲しい。
回答(吉本):問題点は、環境で飯が食えるかと言われた。市民と一緒になって取り組めば、それで生活するのだという方法に気づくようになった。次のステージがどこか、それが問題。21世紀は、人間性の回復だ。それが町のステータス。子供とお年寄りとを生かすことが重要だと考える。

委員:全員参加型だと、共働きの女性にプレッシャーなどは無いのか。金融機関がサポートをしてくれるのか。
回答(吉本):分別は地域で話し合い。夕方の4時半から6時ぐらい。働いている女性には、地域の援助を頼むようにということ。地域との協働で。
金融機関の取り組みはない。

C先生感想:よく知られた事例。環境モデル都市を目指して貰いたい。実に堂々たるものだ。