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狙われる日本車 日経エコロジー8月号 07.08.2001






 何で日本車が狙われるのか、国際的車窃盗団の対象になるのが、日本車なのか、と思ったら、エコカーを作る技術が日本が一番進んでいて、その技術を海外の自動車メーカーが狙っているという話だった。
 例えば、
(1)フォードのハイブリッド車向けにニッケル水素電池を供給するのが、三洋電機。
(2)フォードのハイブリッドも、アイシン・エイ・ダブリュから購入。
(3)プジョー・シトロエンはイビデンのディーゼル微粒子除去装置を採用。
 一方、これまで燃料電池車が環境技術の本命だと言ってきたメディアが多いが、豊田中央研究所の加藤伸一代表取締役は、(1)当面は内燃機関が主流、一層の改良が必要。(2)ハイブリッドシステムは量産化のステージに入った。一層の効率の向上とコストダウン。(3)さらに燃料電池車の実用化に向けての技術開発が必要、と述べている。
 ホンダの吉野浩行社長は「燃料電池車が本格的に普及するのは2010年以降」。


C先生:これまでも本HPで何回も取り上げてきているエコカーだが、燃料電池車が最終的な本命ではあってもそれは遠い将来のこと、当面は、ハイブリッド車が現実的だと言い続けてきた。やっと各自動車会社が、本音でそれを認め始めたということだろう。ちょっと調べてみたら、このHPでの燃料電池車は何回も取り上げている。その論調を読み直してみると、プリウスを買ったときのHP表紙へのリンクですそこから1998年の記事プリウスを買った理由 new0609、 プリウスも夏は大食い new07.30をご参照ください)では、ハイブリッドは燃料電池車へのつなぎの技術だと思っていたようだ。しかし、その後、燃料電池車のインフラをどのように整備するのか、という大問題に解決策が無いことに気が付いて、2000年の1月の記事では(表紙へのリンクです。そこから2000年の記事、環境新技術:燃料電池 new01.05.2000)、ハイブリッドがかなり長期に渡って本命だ、というトーンの記事になっている。

A君:企業もなかなか本音を話さない場合が多いですからね。ハイブリッド車が本命だと思っても、ハイブリッド=トヨタという構図があるものだから、他社はそれを認める訳には行かない。

B君:だからといって燃料電池車がすぐにでも実用化ができるといったメッセージを、メディアが無批判に報道するのは、余りにも無知蒙昧をさらけ出しているようなもの。

C先生:燃料電池車を支えるインフラがすぐには実現できないことなど、石油会社などは百も承知なのに、自動車会社が一所懸命やっているから、その腰を折ることはない、といった態度で論評もしない。

A君:昨年の11月に、燃料電池の官民合同の公道試験プログラム「カリフォルニア燃料電池パートナーシップ」で始まったテストも、ホンダ車は初日の4時間を完走したらしいですが、ほとんどの車が1日持たなかった。

B君:燃料電池車への過度の期待は、カリフォルニアの不合理な法律、「ゼロエミッション車:ZEV法」がそもそもの出発点。水以外を出さない車をゼロエミッション車と定義して、カルフォルニア州内の車販売量の10%以上をゼロエミッション車にしなければならないという法律だった。この不合理さは、実現が不可能であっても法律にしてしまうというところ。しかし、この不合理さが燃料電池車の技術開発が進めたとも言える。不合理は悪くは無いのかもしれない。

C先生:そのZEV法が、様々な変更を受けながらも、まだ生き延びていて、もはや誰もその命を絶つことができない状態になった。州政府も、州議会も、住民も、三すくみ状態で手を出せない。ある種の化け物になった訳だ。しかし、どうしても実行可能にしなければならないから、ハイブリッド車など何台かで、ZEV1台分だと換算することを認めることにした。まあ当然の帰結なのだ。

A君:それでも米国の自動車メーカーも、いよいよ重い腰を上げざるを得なくなった、ということですか。

B君:ところが気がついてみると、ハイブリッド技術をもっているのは、日本だけだったという状態。

C先生:トヨタは、プリウス型のハイブリッドだけではなく、エスティマ型を出した。その他に、燃費改善率は良くないが、コスト的に安いマイルド型など、多くの形式を販売中あるいは近日販売予定。

A君:ホンダのインサイトも簡易型ですが、米国などではかなり売れたみたいですね。シビックハイブリッドも出す出すと言っていますが、まだ。多分インサイトと同じタイプ。トヨタのマイルド型がでて、余り燃費の改善率が高くないことがどのような評判になるかを見てから出すつもりかも。

B君:日産もティーノハイブリッドを限定500台だけ作ったが完売。三菱も試作はしている。

C先生:トヨタエスティマのハイブリッドは、後輪もモーターで駆動する四輪駆動タイプだが、モーターの出力(前13kW+後18kW)も、また、バッテリーの大きさもプリウス(モーター33kW)よりも小さいようだ。それで、ヴィッツの4輪駆動オートマの燃費16.6km/リットルを上回る18.0km/リットルを実現したようだ。

A君:プリウスの実用燃費が、カタログ燃費の29km/リットルよりもかなり悪いということで、その点では評判が悪いですが。

B君:ヴィッツの実用燃費はかなり良いらしいからな。エスティマのような大きさで重さも1.85トン、総重量だと2トンを越すような車がヴィッツと同じぐらいの燃費で走ったら、これは脅威。都内で10km/リットルを越したら偉い。

C先生:日本の自動車が環境競争力をもつことは結構なことだ。日本の消費者も、もう少々燃費に気を使って欲しいところだ。車がステイタスシンボルだという考え方は、もう時代遅れだと思う。