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  CO2削減シナリオ その2:民生部門 02.24.2002




 民生部門というのは、家庭部門と業務部門に分けられるが、要するに家庭とオフィスにおける二酸化炭素の発生量をいかに減らすかという問題である。民生部門の省エネルギーは、快適さとのトレードオフなので、市民社会の意識が非常に重要だ。どのようにして、そこそこの快適さで良いという気分になれるか、これが問題。


C先生:民生部門による二酸化炭素の排出量も、総排出量の22.1%を占めており、運輸部門の21.7%とほぼ同量だ。だから、民生部門の排出量を半減することができれば、それだけで削減目標を達成できることになる。まあ、無茶だろうが。

A君:前回同様、また、1億2千万トンの削減を目標にするのでしょうか。

B君:この部門で1億2千万トンを減らすのは難しいかもしれないが、まあ、無理やりで行こう。

A君:まず、家庭部門から。これは確実な統計というものは存在していないのですが、大体のところは、お風呂などの給湯に3割弱、冷暖房用に3割弱、それ以外の調理とか娯楽とか照明とかに4割強らしいです。

B君:そういう解釈以外に重要なのが、どのような形態でエネルギーが供給されているか。電力が大体50%強、灯油25%、残りが都市ガス、LPGが半々。灯油などは工夫のしようが無いが、電力は、どうやって電力を作るかによって、二酸化炭素発生量を減らす可能性がある。

A君:例えば、太陽電池を使えば、発電だけに限れば、二酸化炭素発生量は大幅に減りますね。風力もしかり。

B君:給湯の3割を節約しようとしたら、太陽温水器を導入するという方法も良い。

A君:家庭用では難しいのですが、将来、燃料電池発電が普及すれば、そこから同時に温湯が供給できるので、省エネにはなりそう。

C先生:いわゆるコージェネだな。発電効率が余り高くないガスエンジンなどを使うと、エネルギー換算で電力の倍以上の温湯ができてしまう。冬はこれで暖房をすれば良いが、夏には捨てることになる。

B君:それでも、多少は改善にはなる。夏用に吸収式の冷房装置を作れば、夏にお湯を捨てなくてもよくなる。

A君:燃料電池は2008年には間に合わないでしょう。もしも発電効率が50%を超せば、状況は極めて良くなります。

C先生:技術的には、そんなところだろう。節約の話は、後にして、さまざまな技術を開発しなければならないだろう。太陽電池の低価格化、太陽温水器のもう一度見直し、家庭用のコージェネと吸収式冷房機の組み合わせ、発電効率の良いコージェネシステム。こんなものが家庭用に普及すれば、それこそ熱効率の倍増が可能ではないだろうか。

A君:あとは節約話になりますか。

B君:給湯は、お風呂の温度を下げるわけにも行かない。となると、冷暖房の温度の適正化、あとは、消費電力の低い製品を使うといったことになりますね。

C先生:エアコンや冷蔵庫の消費電力は、インバータなどを使った製品では格段に改善されているのだが、そのような製品は価格が高い。ところが、消費者は牛丼やハンバーガーの低価格化を見ているものだから、なんでも価格の低いものを買うのが良いことだという誤解をしている。実際のところ、エネルギー価格が安すぎて、価格差を消費エネルギーの価格で補うことは不可能だしね。

B君:それには、省エネ製品を買うと、せめて消費税が安くなるといった税制が必要なのではないだろうか。

C先生:消費税だけでは利かない。環境税を掛けると同時に、そこで省エネ度によって税率を変えるのが正統的なのかもしれない。

A君:逆に、消費電力が増えそうなものも多いですよ。心配なのは、テレビの大型化ですね。特にプラズマディスプレイの消費電力は高いですから。

C先生:42インチで200Wになって欲しい。これでも、電力消費量が多いが。

B君:生ごみ処理機も結構電気食いだしね。平均で60Wぐらいになるだろうから。

C先生:実際に1日に使う電力を24時間で割った値で比較する、すなわち平均的な電力消費量で比較すると、冷蔵庫が70〜200W(製造年代による)ぐらい、テレビはまさに大きさと見る時間にはよるものの、平均80〜90Wぐらいになる感じ。保温型の電気ポットが40W、トイレのウォシュレットが30W。

A君:IT関係はどうですか。

C先生:若干のビデオの待機電力を含めて、IT機器である無線ルータの消費電力が30Wぐらい。ノートパソコンは10時間使って、20Wぐらいか。デスクトップだと、ディスプレイに何を使っているかによって大きく違う。CRTだと10時間つかったとして、100W相当ぐらいのものではないか。液晶ディスプレイだと50〜60Wか。

B君:照明は? 

C先生:八畳だと、白熱電球で60Wが4個、蛍光灯で20Wが5本ぐらいか。1日に10時間ぐらい点灯しているとして、一部屋あたり50〜120Wといったところだろうか。
A君:エアコンと暖房は季節商品なので難しいところですね。

C先生:エアコン(暖房機能付)は、東京だとして、恐らく八畳用1台で300〜500W相当ぐらいだと思えばよいのではないか。

A君:確かに暖房は地域によって全く違いますね。データによれば、北海道の暖房のためのエネルギー使用量は、東京の3倍ということですから。

B君:いずれにしても、機器を増やせば、エネルギー消費量が増える。だから、やはりシンプルライフか。

C先生:そこが難しいところで、日本の製造業のことを考えると、ある程度の先端機器を使うことで日本という国は生存できることも事実。

A君:できうるならば、先端機器産業の振興になりつつ、二酸化炭素発生量の削減を行いたいということですね。

C先生:いろいろと方法がありそうだ。真剣に取り組むべき課題だと思う。

A君:オフィス部門の対策も、まあ家庭部門と同じですね。基本的には、省エネと高効率設備の導入。

B君:最近、スーパーなどでもコージェネを導入するようなところが増えてきたようだ。

C先生:現時点での問題は、省エネのためではなく、経済的効果のために導入されるケースしかないことだ。これが根本的な解決ができるかどうかの重要なポイントだ。やはり、経済的手法の導入をすることが必要なのだろう。http://www.ne.jp/asahi/ecodb/yasui/EnergyEfcy.htm ですでに議論をしているので参照を。