________________

ベルギーの畜産物ダイオキシン汚染(大訂正  
 07.01.99 追加07.04.99 大訂正07.05.99
根本的なデータに大訂正をしました。単純ミスです。誠に済みません。 全く偶然に中西先生の新記事がほぼ同時に掲載され、その結果の違いから気づきました。

07.15.99 どうも情報がまだまだ交錯しているようです。現状で、さらに改定をするのは意味が無いと考え、しばらくこのままにしておきます。






 余りにも情報が無かったために、この問題を取り上げられなかった。しかし、徐々に情報が入ってくるようになった。

 現状までで分かっていることは、

(1)ダイオキシン汚染というよりもPCB汚染らしいこと。中西先生のHP参照

(1’)関原さん(感謝)からいただいた資料も同様の結論でした。
     出典は、European Chemical News 21-27 June 1999, p67
     概要は以下の通り。
 ダイオキシンは、ベルギーの今回の食料スキャンダルの犯人であるかのごとく言われているが、それは冤罪である。Peter Whippy (Euro Chlor)によれば、PCBが本当の犯人である。Bame Gilliat (Euro Chlor)によれば、PCBは、1985年に製造と販売は禁止されたが、2010年までは使用されつづけるだろう。PCBの分解は、特別高温燃焼によってのみ可能だが、この燃焼処理のコストが高いために、また、国境こ越える輸送は不可能のため、貯蔵されているある部分は常に不法投棄の危険性にさらされている。最終的には環境汚染になる。

(2)飼料を作るのに使った廃油にPCBの混入があったらしいこと。

(3)その廃油は、市民(レストラン等を含む)が自宅で使った食料油を自主的に持ってきたものだということ。
    NHKニュース。 6月29日夜9時。

(4)食に「頑固」際立つ というまとめ記事  朝日新聞 7月4日朝刊 6面 (富永格)
 損害1900億円。影響で、遺伝子組替え職人の販売許可をしばらく見合わせることになった。 この食料油は、どうもフリッツ(フレンチフライポテト)を作るためのものらしい。
 今回のこの事件の総括として、ヨーロッパ人は、食に対して、米国の大量生産多国籍企業 といった考え方とは異なり、自分たちの自然のままの伝統的食品を重んじる。チーズ、ビールが多いのも、そんな理解ができる、とか、えたいのしれないものに欧州人が抱く警戒心の根底には、チェルノブイリがある、などといった識者の意見が紹介されていた。

   C先生コメント:しかし、不思議なことに、PCB汚染事故だったという記述は無い。


 もしもこの(3)が本当ならば、善意のリサイクル活動で集まってきた廃油(食料油)に、何者かが、故意かどうかは分からないが、PCBを投入した。故意だとしたら、それは、愉快犯という可能性、PCBの処理代を節約しようとした可能性、その他意地の悪い想像をすれば色々な可能性があり得そうだが、いずれにしても、廃食料油までリサイクルして、飼料に有効に使うという行為は、今後ヨーロッパ全域で消滅するだろう。日本でも、廃てんぷら油でディーゼル車を走らせているところところがあるが、そこに、誰かがPCBを混入したらどうなるのだろうか。


少々根本的疑問があります。ヨーロッパの家庭で、いわゆるディープフライ(いわゆるフライ)といった料理はどのぐらい行われていて、廃食料油がどの程度の環境問題になっているのでしょうか。どなたか、事情を御存じの方はお教え下さい。 

一部解決:上述のように、フレンチフライドポテト用だったようです。


C先生:この話どうも情報が少なくて、そのため良く分からなくてこれまで放置してきた。多分これからも、まだまだ情報は増えるだろうから、一応未完のままとして、多少の議論を追加しておきたい。

A君:どうも問題が妙なところにたどり着きそうです。ベルギーが家庭から排出される食料油までリサイクルシステムを構築していたことは、大変驚きました。それが、ある個人によって破壊されようとしているのが、今回の構図のようです。

B君:どうも分からん。そんなことをして誰が得をするのだ。非意図的な間違いなのか。

C先生:それをなんとか解釈するためには、混入されたPCBの量を推定しなければならない訳だ。そのような記述がどこかにあるかと探したが、見つからない。なんとか両君、推定してくれ。

A君:それでは分かっている(らしき)数値データを。
(1)PCBの総量とTEQとの比は、50,000対1(20ppm)程度である。
(2)これが80トンのタンクで製造された。
(3)飼料に使われた油のダイオキシン汚染濃度は、700pg/g(この記述が大間違い)。テレビからのメモを手掛りにしていたためです。下に掲載するWeb現代が同じ間違いをしているところを見ると、何かそんな報道があったのかもしれませんが、単なる言い訳に過ぎません。大反省。
(3正)飼料のダイオキシン汚染濃度は、781pg/g。
(4)飼料が含んでいた油の量は良くわからない(中西先生の新ページ7.05付では10%と仮定)。

B君:となると、計算自体は非常に簡単だな。飼料のPCB濃度は、781×50000で計算可能。39マイクロg/g。要するに39ppmになる。飼料が固形化された油脂だけなら、80トン入りのタンクで作ったそうだから、3kg強のPCBが投入されたことになり、飼料が他のものを含むなら、それだけ大量のPCBが投入されたことになる。中西先生のように飼料が10%の油しか含まないとしたら、確かに31kgのPCBが混入したことになる。

C先生:もしもその推定があっているのならば、さてどうなる。3kgの油状物質を持ち運んでドラム缶に投入して混ぜる行為そのものは非常に簡単にできそうだ。しかし、思い違いや間違いで3kgものPCBがある人の手に入り、それが食料油リサイクルシステムに戻って来るとはとても思えない。この量だとしても、やはり意図的であることを相当強く示唆するのではないだろうか。
 ましてや、31kg ものPCBを混入するとしたら、それは相当なことだ。完全なる犯罪であるとしか言えないだろう。

A君:意図的となると、これは防衛不能。

B君:どんな意図が有り得るか。サリンが撒かれてしまう国からえらそうなことを言うのも何だが、同様の反体制的なグループだっていないとは限らない。ヨーロッパ人全員が、善意の人間だとは限らないから、経済的な動機で、PCBを入れた。あるいは、食品産業に恨みをもっている個人やグループだっているだろう。こんなことを続けていると、自分の性格がますます悪くなりそうだから、これでやめ。

C先生:いずれにしても、食物連鎖の影響を考えると、食料油もまあディーゼル燃料、石鹸などへの転換程度が良いところで、飼料へのリサイクルは無理がありそうな気がする。皆様のご意見はいかがでしょうか。廃食料油の大部分は焼却されても良いように思いますが、いかがでしょうか。


講談社のHP http://kodansha.cplaza.ne.jp/hottopics/ に、この関係の記事を発見。
かなりひどい記事なので、間違い探しの練習問題として最適です。

講談社への要望事項:
(1)訂正記事を早急に作ること。
(2)科学ジャーナリストらしき筆者の適性をチェックしなおすこと。
(3)ウェブ情報は「生もの」だから、必ず、記事には日付を付けること。

一部練習問題を提供します。

以下の文章に対し、適切な意見を述べよ。

問題文1:混乱をもたらした犯人は、人類が生み出した最悪の化学物質といわれる猛毒ダイオキシンである。ベルギー産の家畜用飼料に使われた油から、1グラムあたり最大700ピコグラム(1ピコグラムは1兆分の1グラム)のダイオキシンが検出されたのだ。これはWHO(世界保健機構)などの許容量の実に140倍という桁外れの数値である。(赤字部分は私と同じく、事実誤認でしょう。それ以外にも重大な間違いあり)

問題文2:ところで、いったいなぜ飼料に油が必要なのか。ダイオキシン問題に詳しい帯広畜産大学の中野益男教授はこう説明する。 「高脂肪、高蛋白の鶏肉を得るために油を使うのです。その際、油を熱して不純物を揮発させるのですが、このときの不完全燃焼でダイオキシンが発生した可能性がある」