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狂牛病時事記事と解説  09.24.2001 last 10.21






今週の環境風で、狂牛病関係をまとめてみました。

9月24日: 狂牛病対策で食肉処理見直し

 厚労省は、23日までに人への感染を防止するために、食肉処理方法の見直しのほか、感染の危険性の高いとされる脳、眼球、脊髄の食用禁止を検討することを決めた。同省の薬事・食品衛生審議会乳肉水産食品部会で検討し可能なものは年内実施とする。
 日本の食肉処理場では、内臓などを取り除いた牛の体を背骨にそって電動ノコギリで2つに切断する、「背割り」と呼ばれる方法で処理をしている。約30秒間洗浄した後、せりに掛ける。しかし、背割りは、狂牛病の原因物質、異常プリオン濃度が高い部位である脊髄を傷つけることになり、飛び散った脊髄が食肉にも付着し、汚染が広がる可能性が指摘されている。英国では、95年に背割りを禁止した。

C先生:このような記事が出ると、肉だから安全とも言えない。年内実施などというのんびりしたことを言わないで、早く実施すべきだ。


9月24日: 農水省、「肉骨粉の豚・ニワトリへ禁止」に反対

 今回の狂牛病については、農水省と厚労省のスタンスが100%違っていて、大変に興味深い。
 武部農水相は、23日の記者会見で、「牛が原料の肉骨粉を豚やニワトリの資料として使用するのを禁止した場合、様々な影響がでると予想される。慎重に検討しなければならない」、と述べ、事実上反対の立場であることを表明した。

C先生:農水省は、「自分の村の論理」から早く脱する努力をすべきだ。


9月24日: 朝日新聞 編集委員・村田泰夫氏の記事 「安全優先に」

 食肉行政はどこを向いているのか。この言葉で村田氏は、政府の対応に大きな疑問を提出している。特に、農水省が飼料業者や畜産農家への配慮ばかりで発言している、といった指摘。
 デンマークでも92年以降、狂牛病が発生している。しかし、政府の対策に国民は信頼を寄せており、しっかりとした危機管理システムができあがっていると信じられている。デンマークでも、かつては、畜産担当部局と食品衛生担当部局は分かれていた。そのため、連絡を悪く、責任もあいまいだった。そこで、96年に今の組織に統合した。10ぐらいあった法律も一元化されて、今は、「テーブルからステーブル(畜舎の意味)まで」一貫して責任を取れる体制になったという。

C先生:日本の省庁間の壁は、やはり非常に問題だ。環境問題のように、多元的な問題は、省庁間で合議ができるようなシステムが必要不可欠。例えば、二酸化炭素排出削減という環境問題は、当然、エネルギー使用量の削減を意味し、その広がりは大きい。

A君:食品も、当然、農水省と厚労省。立場が違うと言えば違いますが、究極の目的は、日本列島上に居住するすべての人々のためになるかどうか、これが判断基準になるべき。

B君:最近、生意気な倫理を振りかざすようになったなあ。

C先生:しかし、各省庁が直接の利益代表のことだけを考えている国なのか、あるいは、最終的には「日本列島上に居住するすべての人々」のことを考えているのか、これは根本的問題だ。企業人だってそうだ。自分の所属する企業の利益だけを考えているのか、あるいは、「日本列島上に居住するすべての人々」のことを考えているのか、と問われたらどうするのだ。今週末に日本工学教育協会が主催で開催する技術者倫理のワークショップの課題がまさにこれだ。


9月24日: 朝日新聞くらし欄、「肉骨粉 なぜ使う」

 結論は、肉骨粉は牛の有用タンパクを利用する廃棄物リサイクルであるという面があって、肉骨粉を作らずに産業廃棄物として廃棄することは、費用面からも、タンパク質の有効利用という立場からも大問題だから。
 日大の早川助教授(かつてお世話になりました)、「イギリスではすでに環境問題として大問題になっている。日本の場合でも、全国の食肉処理場から1日に出る牛の内臓や骨は4520トン余。これを産業廃棄物として処理したら費用面、環境負荷面で大変だ」。
 ちなみに肉骨粉の作り方。骨や内臓をミキサーにかけてミンチにする。次に、かまでゆでするか蒸し器で蒸して油分を除く。最後に乾燥させ、細かく砕いてできあがり。この工程を「レンダリング」と言う。
 80年代になって狂牛病が英国で突然発生したのは、それまでの油脂を除く過程で使っていたからだという説もある
 以前は、日本の牛は、主に大豆かすと魚粉をたんぱく源としてきた。だが、90年代以降、魚粉原料の近海イワシがほとんど取れなくなって、価格が高騰。約半値の肉骨粉に切り替えられた。輸入品はもっと安く、魚粉の3分の1。皮肉なことには、欧米で狂牛病が蔓延し始めた時期と重なる。

C先生:上で出てきた「80年代に突発した話」は、渡辺正先生(生産研同僚)の訳書、「化学物質 ウラの裏」、John Emsley著、丸善、平成11年10月発行、ISBN4-621-04668-3にある。

A君:そうでした。前に読んだ記憶があります。昔は、グリーブ(と殺廃物の乾燥物)から脂肪を抜くのには、ジクロロメタンなる物質を使っていた。この物質は、メタンの水素2個を塩素に置換したもので、MSDSを調べてみると、こんな物質だということが分かります。

正式名称  Methylene Chloride、 CAS Number 75-09-2
 飲めば危険。皮膚からの吸収も危険。神経系に障害が出る可能性あり。
 ガンの発生源としては、A2(疑惑あり)。
 発火性、反応性は低い。
 作業環境基準50ppm。
 分解生成物:不完全燃焼によって有毒のホスゲンを発生する可能性あり。
 沸点39.8℃、蒸気圧350mmHg@20℃。
 致死量:ラット経口で、LD50=1600mg/kg。
 環境影響:土壌に流すと地下水汚染源。生物蓄積性なし。水生生物への有害性なし。大気に放出すると、光により分解される。

B君:その渡辺先生の本だと、世界年産100万トンだそうだ。作業環境としては結構厳しいが、環境影響としては、それほど重大では無さそう。

A君:塩素を含む有機物は、環境運動では敵視されるのが一般的で、フロンのように成層圏オゾンを破壊するという主張がなされたようだ。しかし、まあ、そんなことは無さそうですね。

C先生:大体分かったが、要するに、発ガン性の疑惑で、といってA2だとまあヒトには影響ないと思っても良いレベルなのだが、そのためにジクロロメタンを使った処理法がストップになった。ジクロロメタンだと、120℃という温度下で処理されて、と殺廃棄物から脂肪だけが抜かれて飼料になった。当時から、羊のスクレーピーは存在していた訳だけど、ジクロロメタンを使った処理法だと、たとえスクレーピーに掛かった羊が混じっていても、「異常プリオンはかなり分解されて、無害化され、したがって、狂牛病はでなかった」、「ジクロロメタンの使用を止めたため、熱による処理になった。処理温度が80℃に低下して、そのために異常プリオンは生き延びた」、というのがその本の趣旨。

A君:ジクロロメタンで処理した飼料が余り良いとも思えないのですが、まあ、そんなこともあるのでしょう。

B君:いずれにしても、狂牛病は、「共食い」あるいは、「類似種食い」によって発生しているのは確実だから、骨肉粉は魚のえさにして、牛は魚粉で飼育するということにすれば、種の壁がかなり高くなるから、危険性はかなり減る。可能かどうか、それは問題だが。

C先生:もともと牛は草食動物。しかし、乳牛にしても肉牛にしてもタンパクが必要。昔は、牛に与えるタンパク飼料は大豆などの植物性。その後、魚粉が加わったのだから、若干時代を元に戻すのが正解ということかもしれない。


9月30日: 千葉の牛47頭が処分されて検査へ

 狂牛病を発病した牛と同じ畜舎の牛47頭と、同じ北海道の畜舎で育った牛1頭が処分された。後者の1頭は意味があると思うが、千葉の47頭はどのような意味があるのだろう。隣で育てられた牛に狂牛病が感染することはない、という定説に挑もうとしているのだろうか。


9月30日: 政府首脳が10月2日に牛肉の試食

 これはよくある為政者の反応だが、失笑を買うだけだ。。小泉首相も食べるそうだ。


9月30日: サンデーモーニングのコメンテーター、「牛肉を勧められるがいやだ」

 名前が分からないが、こちらか見て関口さんの左に座っている中年の男性のコメンテーター曰く、「今困ることは、海外に行けといわれることと、牛肉を勧められること」。風評被害というものをどう思っているのだろうか。そろそろ自らの責任を認識している年齢だと思うが。風評被害を出すことが、役割とでも思っているのだろうか。


10月2日: 政府、肉骨粉禁止を決定 業界反発

 農水省の無神経・無策が招いた最悪事態だ。武部農水相は、1日、10月4日から当分の間、すべての輸入と国内産の肉骨粉の製造・販売を一時停止すると発表した。いきなりの「政治主導」で、業界は反発を強めている。
 「国民の(役所に対する)不満が高まっている。これは政治判断だ」と、農水相は言い切った。きっかけは、9月27日に閣僚懇談会で「国民の行政に対する不信を招いた」として、農水省の不手際を厳しく批判したことだ。
 農水省の考えは、「国内の肉骨粉の流通という商行為を止める法律がない」、という点にとらわれた判断だったようだ。この考え方、役人との付き合いが長いと当然のように思えるのだが、一般市民感情を全く無視したものであることも事実なのだ。この後者に対する無神経さが今回の事態を招いた最大の原因だ。
 技術者倫理のところでも誰に対してどのように責任を取るか、これが最大の問題と記述してきたが、ややもすると、その時点における法律に対して最大の忠誠を誓って判断をすることが役人の習い性なのだ。たとえ、それが一般市民の感覚からずれていようがいまいが。
 ただし、今回の処置が正しいかどうか、それは多分正しくない。タンパク質なる貴重な資源を焼却することになるからだ。牛肉でカロリーを摂ろうとすると、10人分の食糧を消費することになる、とよく言われるが、そのぐらい貴重な資源だからだ。やはり有効活用が必須なのだ。できるだけ短期的に、不安を解消しつつ、適正な状態に収まることを希望する。


10月3日: 感染牛「同居」の全70頭シロ

 農水省は検査中だった最後の1頭を含めて、北海道と千葉で同居し、生存していた70頭のすべてが陰性であったと発表した。

 また、沖縄県で見つかった、起立不能の2頭も陰性であった。

C先生:千葉県の牛については、当たり前のことが当たり前のような結果を出しただけ。「餌行方の追求」がやはり必要なのだろうが、北海道の「同居牛」が陰性ということなので、まずまず大丈夫なのではないか。

A君:しかし、確率的に言って、狂牛病の発症が1頭だけで終わるというのは有り得ないと思いますね。

B君:もう処分されてしまった、というのはどうだ。

C先生:やはり1頭ということは無いだろう。潜伏期間が終わるまで、完全に安心することはできないが、まず、人への伝染が防止されたことは確実のようだ。もはや死者ゼロ(ただし、海外での感染者を除く)を宣言しても良さそうな感触だ。


10月9日: 狂牛病の検査、すべての牛を対象に

 EUの場合でも、検査をするのは30ヶ月以上の牛に限っている。なぜならば、それ以下の牛は、100%安全だということが分かっているからだ。異常プリオンが生後2年6ヶ月という短い期間で、検出可能になるほど、また、感染源になるほど増殖することはないからである。まだ確実な知識が怪しい狂牛病だが、これだけは確実な事実である。
 ところが、日本政府が決めたことは、全年齢の牛を出荷時に検査することであった。TVニュースによれば、「日本国民に残る根強い不安感に対応するため」、だそうだ。「絶対に安全」を狙ったのだろう。

C先生:これは極めて残念な対応といわざるを得ない。30ヶ月以下の牛など、いくら調べても全く意味が無いことをきちんと説明して、EUのやり方が科学的に正しい結論であることをきっちりと納得させるという試みをすべきであった。

A君:日本人には科学的判断能力が無いという政府首脳の思い込みでこんな決定をやってしまった、ということですか。

B君:大体日本人は子牛などを食べないから、全量検査しても実質上同じだということで、深くものを考えないで、結論を出したのではないか。

C先生:日本人の科学的音痴度は、OECD先進国の中でもビリから2番目。今回のような機会に、「科学的決定とは何か」ということをきちんと説明できる能力をもつことを霞ヶ関に求めたい。

A君:情緒的な政府攻撃を行うメディアがいる限りは無理でしょう。

B君:いくら科学的な決定をしても、今回の農水省のような国民無視の態度を示されたら、誰も信じないから無理だ。

C先生:しかし、それを言ってしまっては終りなのだ。困ったものだ。


10月11日: 週刊文春の詐欺記事 「狂牛病疑惑」

 戦慄スクープ 厚生労働省「日本人発症ゼロ」は信用できない。 阪大病院を震撼させた、「日本人狂牛病疑惑患者第一号」 

 こんな文字が躍っている。ところが、中身を読むと全く違う。この記事は詐欺だ。金返せ。300円どぶに捨てた方が良かった。

 読み進むと、記事の2/3が進んだあたりに、今回の疑惑患者も、普通のヤコブ病であって、「新変異型=狂牛病」ではないことが、東北大学の調査によって確認されている、と書いてある。なんだこれは。

 普通のヤコブ病なら、日本でもすでに1000例を数える。一方、新変異型は、英国で106名、フランス3名、アイルランドで1名の発生にすぎない。

 それからがこの週刊誌の記者の想像的創造で、通常のヤコブ病も、狂牛病との関係が無縁とは言えない。WHOのレポートによると、「普通型の酪農家に多く見られることがあり、狂牛病となんらかの関係がある可能性を示唆している」。さらに、狂牛病に掛かりやすいかどうかの判定基準になる、プリオン遺伝子は、メチオニン・ホモと呼ばれる型で、英国人は36%であるのに対し、日本人は91%がこの型だ。だから新変異型患者が日本にいても不思議ではない、という確率を全く無視した議論を展開しているのだ。

 やはり「雑誌が売れれば何を書いても許される」、そんな編集方針の週刊誌だ。 八つ当たりをさせてもらえば、「リサイクルしてはいけない」を最初に紹介したのも、この週刊文春だ。不買運動を始めよう。


10月12日: 東京市場で狂牛病か

 なんと30ヶ月未満の牛から狂牛病の反応が出たらしい。303頭の牛の1頭だ。これが本当ならとんでもないことだ。EU諸国の常識が崩れるからだ。
 すべての牛の検査が始まるのが、18日なので、それまでは市場が停止することになる。
 ただし、本当に狂牛病であるかどうか、それは別の方法による検査を見なければ分からない。その結果がどうなるかだ。


10月12日: やはり狂牛病ではなかった

 精密検査の結果、やはり狂牛病ではなかった。「冷静に考えれば有り得ない」とは思うものの、「ここまで大きな記事だから、もしかしたら」、という気もした。記事のサイズによって影響を受けてしまうようだ。一般市民が心配になるのも分かるような気がした。


10月21日: また買わされた週刊文春 狂牛病

 週刊文春は、どうしても狂牛病患者を作りたいようだ。10月25日号のトップ記事によれば、十代の女性が首都圏の大学付属病院に入院中。手足が震えることから始まって、痴呆の症状が出てきた。海外への渡航歴はない。

 週刊文春によれば、「この女性の発症が確実になれば、その感染源である汚染牛が国内に多数存在していることが裏付けられることになる」。そして、「狂牛病の潜伏期間が3年から15年だから、今後さらなる被害者が出る可能性が高い」。
 
 この話は、なかなか微妙である。文春も記述しているように、この女性が狂牛病であると断定された訳でないからだ。断定するには、脳のサンプリングが必要で、生存中には難しい。しかし、文春は「決定的」だと判断しているそうだ。

 狂牛病の正式名称である「クロイツフェルトヤコブ病=CJD」には、4種類の存在が知られている。(1)遺伝的要因、(2)脳の硬膜移植による、(3)個発性=原因不明、(4)牛からの感染と思われる新変異型、である。(1)〜(3)の原因で、日本にも年間100人前後の患者が存在する。この(3)と(4)の区別が難しい。

 一つは年齢。個発性だと、平均年齢が63歳。新変異型だと10代もありうる。次が進行の速度。個発性は数ヶ月で、新変異型は1年ぐらい。三番目が脳波とMRI診断。そして、この女性患者は、現在「疑いがある」という診断を受けているらしい。

 今回の情報は比較的信頼性が高そうだ。しかし、「疑いがある」が、文春だと「決定的」になるところの論理は不明である。


10月25日: 週刊新潮、文春記事を大批判

 本日発売の週刊新潮11月1日号は、週刊文春の報じた狂牛病国内第1号の記事を全面批判する記事を掲載した。

 それによれば、週刊文春の記事はデタラメだという。デタラメなポイントをリストアップすれば次のようになる。

(1)新変異型=狂牛病で、突然痙攣するなどという発症のしかたはしない。通常は、うつ病的な症状を示す。
(2)なぜならば、狂牛病は、進行が緩慢であって、急激な進行は示さない。この症状なら、むしろある種の癲癇のほうが可能性がある。
(3)わずか3ヶ月で寝たきりになるのも急激な進行だと言える。したがって、おかしい。
(4)脳髄液の蛋白反応も、狂牛病に限らず、異常があれば、陽性反応が出る場合がむしろ多い。
(5)PSDという脳波も、これが出ないからといって、決め手になるようなものではなくて、そもそも健康なら出ないし、痴呆症や多発性脳梗塞などでも出ない。
(6)要するに、非常に巧妙なロジックを作って、読者をある特定の結論に導こうとするものである。

 週刊文春の編集長は、「当然、記事は狂牛病パニックを煽り立てることが目的ではありません(信用できないなあ)。狂牛病発症牛の感染ルートが全く解明されないまま、安全宣言を出すような厚労省、農水省に対し、消費者に安全な対策を一刻も早く講じ、情報開示が進むようにとの考えてのこと」

さらに、「各種検査の結果を総合的に検証し、複数の医療関係者の証言を重ね合わせて狂牛病発症の可能性を論じているもの(その割には決定的だと断定しているな)」

 いずれにしても、週刊文春の編集長の最初の主張は、わが国の市民社会では当然と受け取られてしまうようだ。やはり、霞ヶ関が市民社会を第一優先と考えていないことがバレているのだろう。

 週刊文春の記事は、ヤコブ病サーベイランス委員長の国立精神・神経センターの佐藤猛名誉院長を完全に怒らせたようだ。どうも、限りなくシロに近いという結論が25日のサーベイランス委員会では出るようだ。

自己批判:当然なことながらこの方面に疎いので、残念ながら、文春の記事を批判するだけの能力が無かった。専門家はやはり専門家である。市民レベルから全く信用のない厚生労働省でも、少なくとも、私よりははるかに専門家である。もう少々信用すべきかもしれない。


10月26日: 狂牛病発症の疑い、いずれも否定

 厚労省のヤコブ病サーベイランス委員会は、25日開催され、これまで疑いがあるとされた3症例について、「いずれも新変異型=狂牛病の可能性はほぼ否定された」。

 このニュースを週刊文春が報道するか、それとも無視するか。これで週刊文春に良心があるかどうか、が見えるだろう。

 どうやら、日刊スポーツにも、この患者関係の記事が出ていたらしいのだが、日刊スポーツは、むしろ淡々と事実関係を報道していたようだ。


10月27日: 狂牛病の「シロ」判定さらに慎重に
 
 厚生労働省は、26日、狂牛病の専門家会議で「シロ」にならなかった牛の検査をさらに慎重に行うことを決めた。一次検査はエライザ法で行われ、ここで「シロ」にならなかった牛は、二次検査としてウェスタンブロット法が採用されることになっていた。しかし、専門家会議は、これでも不十分として、免疫組織化学検査なる検査法によって最終判断をすることを決めた。この検査には、約1週間掛かるようで、その間に食肉としての価値が下がる可能性があるが、対応はしない方針のようだ。

 EUではウェスタンブロット法のみで判定しており、それを上回る体制とすることを決めたことになる。

 個人的には、プリオンの挙動について以下の記述するように分からないことがまだ多いので、この方法を採用することによって、さらなるリスク低下が期待できるのか、全く判定できない。

 そもそも、あと1ヶ月後には狂牛病になる牛がいたとして、その牛の脳を現時点で食べることは果たして安全なのかどうか、こんな単純なことが分からない。また、その牛を検査したときに、異常プリオンが検出できるのかどうか、それも分からない。異常プリオンなど、少数であればどの牛にもあるわけで、異常プリオンの増殖は指数関数的に起きるのだろうとは思うが、どのぐらいの摂取量になると危険なのか、それも良くわからない。