今年の目標
「知識」のパッケージ化と「市民意識」を世界・日本に。


「今月の環境」(2月2004年)




2月29日: 尾瀬岩鞍
2月27日: 禁煙の波、欧州も
2月26日: 日本の長期エネルギー需給予測
2月19日: 温暖化防止に走る英国
2月19日: カイワレダイコンの裁判
2月18日: CT検査でがん多発
2月15日: 学校の環境基準
2月15日: 風力発電−朝日新聞社説
2月14日: 消える缶ビール、ドイツ
2月14日: 氷河後退、パタゴニア
2月13日: レジオネラ、基準の1100倍
2月13日: エタノールから水素
2月12日: リサイクル家電、北朝鮮へ
2月12日: 牛丼にいよいよお別れ
2月11日: お台場で風力発電
2月11日: 原子力委員会の長期計画
2月8日: 京都議定書の次
2月8日: 温暖化大綱の次
2月8日: 温暖化の現状と対策 西岡版
2月8日: 熊本、大分の雪
2月3日: 鳥インフルエンザ「人から人」
2月3日: 「江戸前」復活
2月3日: 情報公開で産廃処分場建設促進
2月2日: 進化野菜
2月2日: 「環境就職」が人気?
2月1日: 公園の土や砂 鉛汚染


2月29日: 尾瀬岩鞍

 毎年の研究室解体旅行で、尾瀬岩鞍スキー場。今年から、ボードを解禁したためか、多少客が増えている。ボーダーは、ゲレンデの真ん中で座って休むのがなんともだが、数がまだ余り多くないためか、そんなにも邪魔ではない。

 それにしても、2日スキーをやったら、かなりサボったのだが、本当に疲れた。お酒の飲みすぎかもしれないが。

2月27日: 禁煙の波、欧州も

 これまで比較的喫煙に対して寛容だった欧州だが、フランスやドイツでは相次ぐ値上げ。アイルランドでは、レストラン・パブが全面的に禁煙に。米国でもニューヨーク、カリフォルニア、デラウェアなどの州では、公共空間は禁煙だが、アイルランドでは、さらに民間企業を含む、あらゆる職場を禁煙の対象にした。職場でたばこを吸うと、最高40万円の罰金になるという。

 ノルウェーも6月1日からパブ・レストランの全面禁煙。スウェーデンやオランダ、スコットランドも追従の構え。
 一方、禁煙規則を尊重すると答えた人は、フィンランド、オランダでは7割を超したが、イタリアは23%、ギリシャは26%、スペイン、フランスも40%台。

2月26日: 日本の長期エネルギー需給予測

 25日、経済産業省は2030年までの超長期的なエネルギー需要について試算を公表した。産業、家庭、運輸用などのエネルギー消費量は伸び悩み、22年度をピークに減少していく。
 30年近く先の長期見通しは初めて。今後、経済成長の鈍化や人口減少が見込まれる中、より長期的な視野に立った政策が必要となってきたため。

 前提となる国内総生産(GDP)の年平均伸び率を、標準ケースでは、10年度までが2%、その後20年度まで1.7%、その後30年度までが1.2%と予測。これに加えて、06年度をピークに人口が減ることや、省エネ機器が増えることも織り込んでいる。

 また、重厚長大産業からサービス産業への産業構造の転換や、交通需要の頭打ちなどで、エネルギー消費全体は、22年度に4億4800万キロリットルをピークに減少する、と算定した。

 消費エネルギーの中で、業務用、家庭用を中心とする電力消費も緩やかに頭打ちへと向かう。00年度から30年度までの年平均伸び率は1%で、従来実績の2〜3%増より低く、最近の傾向に近い。さらに、GDP伸び率が1%を切る低成長ケースでは、25年度をピークに減少すると見ている。

 政府は、01年度に策定した10年度までの見通しの中で、原発を10〜13基新たに作る目標を定めているが、10年度、30年度の長期需給見通しも踏まえ、4〜6基程度にとどめる方針。

C先生:この議論が、京都議定書の温暖化防止と独立に行われているとしたら、一体日本という国は、どういう国なのだろう。

2月19日: 温暖化防止に走る英国
   朝日新聞朝刊

 先進国の中では、ドイツの温暖化防止対策が進んでいることは驚くことでもない。しかし、英国がドイツと並ぶ優等生だということになると、これは驚きである。

 EUに割り当てられた温暖化ガスの削減は、90年比で8%。EUの中で、英国に割り当てられた削減は、12.5%という大量なものであった。しかし、99年時点で、13%の削減を実現し、余勢をかって今や、10年までに20%の削減を目指している。

 その手段として01年から導入したのは、「気候変動税」とその減免措置を盛り込んだ「気候変動協定」。さらに、企業間のガス排出量の融通を認める「排出権取引制度」の3本柱。

 「気候変動税」は、事業者向けのエネルギー税で、電気なら1キロワット時あたり87銭。石炭なら1kgあたり2円38銭。工場だけでなく、商店やオフィスなども対象となる。この新税と同時に、その減免措置として導入したのが、省エネや温室効果ガスの削減目標を決め、政府と協定を結んだ企業・団体に8割の減税を認める制度。

 新税という「ムチ」と減税の「アメ」の組み合わせによって企業の背中を押す仕組み。

 これらを補完するシステムとして排出権取引がある。排出量1トンあたり5〜12ポンド(1017〜2440円)。多様な企業が参加できる市場を作ったのは、世界でも初めて。

 さらに、排出目標を達成した企業に対し、政府が直接、助成金を支給する制度も設けた。もっとも英国の制度は、国内固有の産業事情に合わせてあり、相当に複雑である。

 この他、他国の削減状況の図があったので、そのまとめを最後に。(01年時点、90年比)
   カナダ     +18.5%  削減目標 −6.0%   差し引き% +24.5%
   オーストラリア +18.2%  削減目標  8.0%   差し引き% +10.2%
   米国     +13.0%  削減目標  −7.0%  差し引き% +20.0%
   日本     +9.5%   削減目標  −6.0%  差し引き% +15.5%
   イタリア    +7.2%   削減目標  −6.5%  差し引き% +13.7%
   スイス     +0.7%   削減目標  −8.0%  差し引き% +8.7%
   フランス    +0.0%   削減目標  0.0%   差し引き% +0.0%
   EU全体   −2.0%   削減目標  −8.0%  差し引き% +6.0%
   スウェーデン −3.1%    削減目標  4.0%    差し引き% −7.1%
   英国     −11.7%  削減目標  −12.5%  差し引き% +0.8%
   ドイツ     −18.0%  削減目標  −21.0%  差し引き% +3.0%
   ロシア     −38.3%  削減目標  0.0%    差し引き% −38.3%
   ウクライナ   −50.5%  削減目標  0.0%    差し引き% −50.5%
 
2月19日: カイワレダイコンの裁判

 O157の原因がカイワレダイコンだ、という厚生省(当時)の発表によって、風評被害が出たという損害賠償裁判に対する判決が大阪高裁であった。

 国の「カイワレ原因説」の根拠とされた検査は不正確だったと指摘、公表の違法性を再び認め、国に600万円の支払いを命じた一審判決を支持、国の控訴を棄却した。

 高裁判決は、公表の根拠でもあった調査そのものの信頼性を否定した。「対象者の症例の定義があいまいで集計方法も正確でなく、正確性、信頼性に欠けた」、と指摘した。

 「農園の施設などから菌も検出されておらず、カイワレが原因食材であるというには疑問の余地がある」と述べ、国の「カイワレ原因説」そのものが信頼できないとの判断を示した。

 その上で、発生後の96年8月、菅直人厚生大臣が記者会見で、「大阪府内の業者が出荷したカイワレが原因となった可能性を否定できない」との中間報告を公表したことの是非を検討。「報告書はカイワレ原因説を導き出すのに性急で、科学的に十分根拠があるとは言えず、公表する緊急性、必要性があったとはいえない」と指摘した。「特定の生産施設のカイワレの可能性がもっとも高い」と発表した同9月の最終報告についても、「誤解を招く不十分な内容」と述べた。一審と同様、両報告とも公表は違法だったと結論づけた。

 菅代表のコメント、「百%原因が確定してからでないと発表できないのなら、鳥インフルエンザでもBSEでも何も発表できなくなる。発表したこと自体に間違いはなかったと確信を持っている」と語った。

C先生:厚生労働省は、カイワレ説に自信があったようだ。しかし、当時から、「カイワレ説は怪しい。本当に怪しいのは、畜産排水で、それがたまたまカイワレに付着したのではないか」、という説があった。今となっては、誰も本当のことは分からない。

2月18日: CT検査でがん多発

 英国の「ランセット」に発表されたオックスフォード大学の発表によれば、日本の発がんの3.2%が、医療用のX線への暴露が原因だと発表した。

 この発表自体は、いささか前の新聞に掲載されていたが、「今月の環境」で取り上げるのをうっかり忘れた。

 今回の記事は、週刊朝日の2/27号p32のもの。見出しは、「CT検査、ホントに危ないか」。

 珍しく抑制の効いた記事で感心した。ランセットの報告では、X線を使った検査の頻度、臓器別の被曝量、年齢、性別などの差を考慮した発がん者数を推定しているが、「ランセット」に同時に掲載された専門家のコメント、「発がんのリスクがない放射線量の許容範囲の存在は証明されていない」、「診断用X線に使用される程度の放射線量が発がんのリスクを高めることを証明するデータもない」、と異なる見解を両方とも紹介。

 さらに、世界的に存在している自然放射線の高い地域にがんが少ないことなども同時に報告。

 それに、日本におけるCTによるX線被曝も、普及率の高さからの推定であることなどを紹介。

C先生:医療用X線も、上部消化管撮影なども、装置の改善によって被曝量が減少している。一方、X線CTでは、結構強いようだ。不必要な被曝は確かに不必要。何が本当に必要か考えつつ受診し、検査を終わったら、変な心配をしないのがコツだろう。ストレスは発がんに悪いので。

2月15日: 学校の環境基準

 シックスクール、アレルギーを視野に入れて、学校の環境衛生の検査基準が決められた。ホルムアルデヒド、トルエンだけでなく、エチルベンゼン、スチレンも対象になった。さらにダニも。

C先生:調べて見たけど、良く分からない。平成14年ものしか見つからなかった。まだ、文部科学省のHPに無いのかも。

2月15日: 風力発電−朝日新聞社説

 新エネルギー利用特別措置法が昨年施行されて、風力発電に対する逆風になったという妙な構造を批判。

 全体で200万キロワットを超える応募があったのに、募集枠がたったの34万キロワットだった。電力会社に義務付けた新エネルギーの量自体が小さすぎるため。

C先生:日本の電力会社は、電力の品質を守ろうという意識が非常に強く、風力はもっとも嫌われているのだ。しかし、そろそろ時流を読んで、電力の品質を下げても、風力を受け入れる覚悟を決めるべきだろう。

2月14日: 消える缶ビール、ドイツ

 この話は、そのうちに詳細に報告したいと思うが、ドイツでは、缶ビールが消えて、瓶ビールが復活中。理由は、リターナブル容器の使用率が低下したため、ワンウェイ容器にもデポジットが強制され、デポジット制度が構築できないから。

2月14日: 氷河後退、パタゴニア
 朝日新聞朝刊1面

 グリーンピースが撮影した1928年と2004年の2枚の写真は、南米パタゴニアの氷河が、ほとんど無くなっていることを示している。

C先生:山岳氷河はどこでも後退。人為起源による1℃以下の温暖化も問題だが、1800年ごろから、地球の温度は上がりっぱなし。だから氷河は融けても当然とも言える。

2月13日: レジオネラ、基準の1100倍

 国家公務員連合会の運営による「KKRホテル熱海」。00年以降、最大で基準値の1100倍のレジオネラ菌が検出されていた。

C先生:循環式の温泉は怖い。温泉ブームにも落とし穴あり。だれか落ちないと、本当の解決は見ないかも。

2月13日: エタノールから水素

 ミネソタ大のグループの発表。バイオマスから作るエタノールを水素の原料にするという。
 「燃やして使うより、燃料電池用の水素に転換した方が経済性が高い」

C先生:エタノールは、やはりそのまま燃やすに限る。「経済性が高い」はもはや判断基準にならず、「効率性が高い」を判断基準にすべき時代になったように思うが。

2月12日: リサイクル家電、北朝鮮へ

 家電リサイクル法で回収された家電が、リサイクルに回らずに、北朝鮮に輸出されてしまったことが分かった。
 ビックカメラとヨドバシカメラの委託を受けた運送会社が、輸出業者に横流しをしたため。
 量販店2社は、消費者が支払った処理費用は、まだ預かり金の状態のままになっている、とのこと。返却の方向。

C先生:日本の家電製品は、まだ使えるのに買い換えるものが多い。これらは、資源利用効率の面から言えば、中古品としてどこかで使うのが最良。ただ、日本国内でというと、新品が売れなくなるので、メーカーの抵抗は大きい。となると、輸出が妥当な方法にはなる。

A君:しかし、家電リサイクル券をはった廃家電が横流しをされるのは不法行為。

C先生:それは、あたり前のこと。最近、良く回ってくる使用済み家電の無料引取りトラックだが、そこで、テレビや冷蔵庫を集め、量販店が集めた使えそうな製品に張られた家電リサイクル券を、本当に使えないものに移す。そして、使えるものは輸出するといったことが行われているのではないだろうか。

A君:家電リサイクル券には、どんな情報が書かれているのでしょうか。メーカーだけだと、そんな仕組みが可能になってしまいますね。

C先生:こういう不法行為が行われると、まともにやっている場所でも、型番や製造番号まで付き合わせをするといった面倒な作業が発生することになりそうだ。

2月12日: 牛丼にいよいよお別れ

 吉野家が11日、牛丼販売を中止した。

C先生:メディアの対応が面白い。BSE(vCJD)に掛かる可能性など、全く考えてもいない報道ばかりである。

2月11日: お台場で風力発電

 港区がお台場に整備中のレインボー公園敷地内に風力発電を設置する。
 その他、干潟への二枚貝の放流や水質浄化に取り組み、お台場を環境学習の拠点にする。
 中型風力発電2基、太陽光発電装置3基を設置する予定。

C先生:港区は、高層マンションの入居などが増えて、住民税が増収。同じ記事にあったが、区内の給食の残飯などの生ごみをリサイクルして有機肥料に、というのは、どうだろう。公園内で使えるのならOKだが、記事には、農作物を育てて給食の食材として活用するとあるが。。。。


2月11日: 原子力委員会の長期計画

 国の原子力委員会は、長期計画の05年改訂をめざし、今年から本格的な審議に入る。
 プルトニウム利用計画は行き詰まり状況。電力自由化で、原子力発電は逆風状態。

 1月に委員5名のうち4名が交代し、委員長に就任した近藤俊介氏のもとでハードルを超すことに挑戦。

C先生:どうやら、原発は、少なくとも新しく作るとコスト的に合わないようだ。化石燃料が枯渇すると、次は原子力。しかも、原子力だけでは、すべてのエネルギーがまかなえるとは思えない。森島昭夫先生がおっしゃるように、長期ビジョンが必要。

2月8日: 京都議定書の次
       毎日新聞朝刊

 京都議定書は、第一目標期間終了後の2013年以降の枠組みを2005年の末までに枠組み交渉を始めるように定めている。
 環境省と経済産業省との見解の相違などに関して、最近の動きを紹介。

 経済産業省は、産業構造審議会の小委員会が昨年7月、報告書をまとめた。それによれば、「米国や途上国の参加がなく、全排出量の1/3しかカバーしていない。数値目標には、科学的根拠が無い」。したがって、次期の枠組みは、*技術を通じた解決を重視、*排出量の大部分をカバーする、*産業や分野ことの削減取り組みを容認などを基本方針とした。

 一方の環境省は、「温室効果ガス濃度の安定化のために、国際社会の継続した取り組みが必要で、交渉の土台となる科学的知見は、蓄積されている」とした。そして、必要な取り組みとして、*京都議定書の早期発効と目標達成、*米国や途上国も参加できる枠組み構築、*用途議定書などの国際合意に立脚した交渉を継続、*国家を中心とした合意形成を目指す。

2月8日: 温暖化大綱の次

 政府が02年の3月に決めた温暖化大綱では、今年までが第一ステップ。今年は、これらの施策の実施状況、京都議定書の達成見通しを分析するとともに、05〜07燃の「第2ステップ」で必要な追加対策を検討する。

2月8日: 温暖化の現状と対策 西岡版

 国立環境研究所理事の西岡秀三氏によるまとめ。

*地球の温度上昇が観測されている。(20世紀中に世界の平均気温が0.6度上昇)
*大気中に二酸化炭素が蓄積しつつある。(過去250年で90ppm増加)
*シミュレーションによると、過去50年間の温暖化のほとんどが人間活動に起因
*禁煙、気温や海面上昇、干ばつの増加、氷河の後退、熱波など、顕著な気候変動が見られる
*二酸化炭素を550ppmで安定化させるには、今後20〜30年で、世界の二酸化炭素排出量を減少に転じさせ、2300年には、全世界の年間排出量を00年の1/4にすることが必要。

2月8日: 熊本、大分の雪

 金曜日にグランメッセ熊本で行われた、K-RIPの講演会に参加。その後、レンタカーを借りて、話題の黒川温泉へ。さらに、土曜日は由布院へ。

 ところが、雪がすごかった。トヨタレンタカーのチェーンの保守が悪くて、短すぎと長すぎのコンビで、最悪。それでも黒川温泉の雪景色と野天風呂のコンビを堪能できた。

 湯布院へは、やまなみハイウェーを避けて大分自動車道経由でのアプローチを試みたものの、チェーン規制であきらめて、日田駅前の駐車場に車を置いて、列車にて往復した。一両編成のローカル線を楽しむことができた。

 そのため、通常の「今月の環境」記事は遅れ中。

2月3日: 鳥インフルエンザ「人から人」
 WHOは、ベトナムの姉妹の感染は、兄が結婚式のために触ったアヒルが感染源で、兄から姉妹に感染した可能性が高いと発表。

 感染力の強い新型である可能性は低い。

2月3日: 「江戸前」復活

 東京湾で取れるアナゴやシャコを復活させようと、水産庁が調査・研究に乗り出す。

 東京湾は開発や汚染のイメージが強いが、実際には漁業活動は続いており、近年は、水質改善の傾向も見られる。

 しかし、1960年に14万トンあった漁獲量が、3年前から2万トンを割り込んだ。

2月3日: 情報公開で産廃処分場建設促進

 住民とのコミュニケーションを円滑に進めるためのマニュアルを環境省が公開する。

 例えば、候補地を絞り込む前に複数の場所を公開するとともに、選考過程から第三者の専門家を入れること、などといった情報。

2月2日: 進化野菜 
  朝日新聞 夕刊

 野菜側が、消費者の我侭を満足するために進化を始めたという。例えば、ピーマン特有の苦味の無いもの。直径10センチのカボチャ。もともとは茹でなければならないほうれん草も生でOK。

C先生:野菜が備えている天然農薬成分はどうなっているのだろう。

2月2日: 「環境就職」が人気?
 朝日新聞 くらし欄

 環境を仕事にしたいという若者が増えている。それを支援する就職相談会などのイベントも増えている。

 環境重視の社会で10代を過ごした世代は、これまでと違った意識を持っているようだ。

C先生:こんな記事が出たが、実態はなかなか厳しい。環境を冠する大学を卒業しても、環境の仕事に就ける場合は少ない。

A君:実際、通常の企業では、環境部へ新入社員を配属することは無いですからね。

C先生:現在の大学が環境教育をどんな意図でおこなっているか。まだまだ手探り状態といえるだろう。そもそも、学生の将来をどこまで考えた教育が行われているか、となると、大学教育全体としても、問題は多い。

2月1日: 公園の土や砂 鉛汚染
 朝日新聞朝刊1面

 東大の吉永淳助教授と共同研究者達の報告。国立環境研の田中敦主任研究官も含まれる。

 分析値は、砂場:25.4ppm。 公園内表土:67.3ppm。 表土の6サンプルが基準値の150ppmを超していた。
 砂場が低いのはかき回されているからだろうとの解釈。

 吉永助教授「すぐに危険なレベルではないが、身近な場所で乳幼児が鉛の汚染にさらされやすくなっている」。

C先生:どうみても、不適切なコメントである。表土だが、ガソリン中の四エチル鉛由来の鉛によって汚染されていることは環境関係者の間では常識で、その濃度は徐々に低下してきており、現時点で恐らくピーク時の半分以下にはなっているはず。鉛は地殻存在量は13ppm。土壌中の自然レベルとして15〜30ppm。

A君:RoHS指令などで、あれほど鉛を気にしている欧州ですが、EUは2000年1月からやっと有鉛ガソリンを禁止。しかし、イタリアが有鉛ガソリンを本当に止めたのは、なんと2002年から。バランスの良い施策だとはとても思えない。

B君:日本の場合も、いまさら対策をしても遅い。もしも、本当に鉛が危険なら、すでに被害が出ているはず。過去には、表土から5000ppmの鉛が検出されるといった事態もあったようだ。

C先生:まあ被害が本当に出ているのか、出ていないのか、その議論は難しいところだ。日本で、汚染がもっともひどかったのは、おそらくレギュラーガソリンにも鉛が添加されていた1975年ごろ。しかも、鉛を含む粉塵を呼吸によって吸入していたものが主な暴露経路であったと思われる。そのころは、PCB、ダイオキシン汚染の最盛期でもある。1970から1980年生まれのIQが低いという結果がでるかどうか。もし出たとしても、PCBやダイオキシンの影響ではなく、鉛の影響だと判定できるかどうか。まあ分からないだろう。

A君:対策をとるとして、どこかから客土してきても、そんなにも改善されないでしょうし。
 そうそう、米国EPAの発表によれば、 「5歳児以下の子どもの血中の鉛濃度平均値は、1976年〜1980年の15μg/dLから 1999年〜2000年の2.2μg/dLへと約85%も減少した」、となっています。日本でも恐らく同様でしょう。

B君:現状でも、子供が土を食べることによって、細菌を体内に取り込み、お腹をこわすことで免疫システムのバランスがよくなることの効用の方が、鉛によって何か悪影響を受けるデメリットよりも大きいのでは。

C先生:環境問題には、常に、時間の経過というものとしっかりと見る必要がある。今回の新聞発表には、その欠片も無い。