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  02年総括と03年予測 12.29.2002



C先生:今年は、どんな年だったろうか。このHPについての最大のニュースは、なんと、この「市民のための環境学ガイド」が表彰されてしまったことだ。表彰していただいたのは、簡明技術推進機構。この機構の設立趣旨は、詳しくは、そのHPを見ていただきたいが、その最初の部分に、次のような記述がなされている。
http://www.netcomuk.co.uk/~techdemo/index.html 
(受賞者の写真には、Cは居りません。当日(12月21日)、九州科学アカデミーでの講演のために、福岡におりましたので。)

「昨今の技術は、複雑難解になりすぎている。このため市民は疎外感を覚え、技術が技術を独占するものの利益のためのみ開発されているのではないかという不信感が深まり、市民にとっても技術にとっても容易ならざる事態の発生が懸念される」。

A君:この「市民のための環境学ガイド」と極めて類似した現状認識ですね。

B君:「昨今の環境の状況は、複雑難解になりすぎている。このため市民は不必要な不安感を覚え、技術開発や経済活動が環境を無視し利益追求のためのみになされているのではないかという不信感が深まり、市民にとっても、環境にとっても容易ならざる事態の発生がすでに起きている」。

C先生:このHPを開始してから、すでに2000日を経過した。この間にこのHPにつぎ込んだトータルの時間は、と言えば、恐らく2000時間は越しただろう。通常の勤務時間を1600時間/年と仮定すれば、どうも、ここ5年半程度の勤務時間の20%以上に相当する時間を、まさに勤務時間外の夜、土曜日、日曜日に使っていたことになる。

A君:実際には、24時間勤務でしょうから自慢にならない。

B君:全く働かないでも勤務も可能。外形標準を満たせば。だから自慢も可能。

C先生:いずれにしても、記録に残すことが可能な評価を始めていただくことができた。全く予測していなかったこと、また、全く意図していなかったことであるが、謹んでお受けしたい。感謝。特に、東京ガス顧問の片岡さんには、代理で賞を受け取っていただいた。特に、感謝申し上げたい。

A君:それでは、2002年のニュースを振り返りたいと思います。
 いきなり1月にマイナスイオンから始まりますね。1月27日放映で、即日、HPに記事が上がっています。

C先生:今年は、マイナスイオンとの戦いが結構しんどかった。本物5〜10%、偽者90〜95%という世界だからな。

B君:まともな環境問題としては、まず、米国が京都議定書の枠組みを離脱

A君:これは実に大きな問題で、先進国の中で米国だけが別のルールで戦うようなものです。米国だけがK−1で他の先進国はボクシング。しかも、体重別ではないといった感じ。

C先生:日本は、6月4日に批准書を国連に寄託したが、米国が離脱した状況で、どのような経済戦略をとるのか、全く対策が行われていない状態だ。

A君:もしも京都議定書をそのまま実施するとしたら、まず、なりゆきモデルにくらべてエネルギー20〜25%カット、物質使用量20%カットといったことになるでしょうから、平成不況どころではないです。

B君:排出権取引、共同実施、CDMなどの手法をどのように用いるか、この詳細も十分な合意に到達しているとは思えない。

C先生:これが2003年、日本にとって最大の問題であることは間違いない。二酸化炭素削減ということは、1年以内に効果を出すのは難しい。5年程度は掛かると思った方が良い、となると、本当は、2003年内にすべての対策の実像が提示される必要がある。

A君:絶対的に必要な対策が民生と輸送部門の省エネルギー。一つは車。2008年で燃費30%アップを義務化すべきでしょう。

B君:民生部門だと、電力消費の削減になるが、エアコン、冷蔵庫、テレビがキーワードか。

A君:エアコンは、最新のものと、10年前のものだと効率が2倍も違う。

B君:冷蔵庫も、最新のものはすごい。

A君:テレビは、余り進歩していない。というよりも、プラズマテレビの普及による消費電力の増大が逆に心配。液晶はCRTよりもちょっと良い。しかし、大きくなるとやはりエネルギー食い。でもちょっとまし。

C先生:今年の話題の主力が、健康リスクがすでにかなり効果的に削減されているかを理解してもらうことだった。環境問題の重点が、徐々に持続可能という方向性だということをわかって欲しい。

A君:それで発がん性のことが何回も。

B君:環境ホルモン問題がほぼヒトの問題ではないことが確立し始めたことが大きい。

C先生:ヒトに対する環境ホルモン問題は、どうやらすでに規制のある物質群、例えば、PCBとかダイオキシンの問題であったようだ。そんな結論が、どうも6月以降に見え始めた。

B君:ビスフェノールAと先天異常の話題が、どうも、ヒトに対する環境ホルモン問題を消し去るきっかけになりそう。あそこまで出鱈目な研究報告が行われては、もう研究予算が付かないだろう。

A君:新しく出た問題が、というより昔からある問題が大きくなる兆候を示しているのが電磁波問題で、秋には正式なレポートが国立環境研から出ることになっていたのに、どうも遅れているらしいですね。

B君:出せなくなっているということを聞いた。

C先生:2003年の話題の一つだろう。リスクの絶対値は非常に低い。しかし、子供が対象ということと、高圧送電線から50m以内ということで、公平性が問題になる条件を満たしている。

A君:東京大気汚染裁判の影響は、NOxからPMへの重点の変更のきっかけになるか。

B君:いや。古いNOx重視というスキームで行われた最後の裁判になるか。

C先生:PMの悪影響についても新しい情報がでてきているので、そんな方向性だろう。

A君:失望したのは、ヨハネスブルグサミット。効果的ではなかった。リオの地球サミットに比較すると、その影響は1/10ぐらいでしょうか。

B君:仕方がないのだろう。各国の我侭が大きくなった。特に、昨年のテロ以来地球上の秩序が壊れた。

C先生:「持続型消費」という言葉、さらには、「化学物質に対する予防的アプローチ」がこのサミットの効果として、今後検討が深められることだろう。

A君:日本でも化学物質管理については、新しい枠組みができる様子で。

B君:予防原則の勉強などを年末の記事に載せたのもその準備。

C先生:経済問題などにコメントをしたのも始めてだった。

A君:経済は、残念ながら、日本人全員の考え方が変わるまで上向かないでしょう。

B君:世界的なデフレ経済から、日本だけが抜け出るという意識。安いものは買わない。モノを買うのではなく、価値を買う。

C先生:環境税を適切に掛けることによって、価値の高い製品を買うという方向に消費を誘導すべきだろう。こんなことがそろそろ議論できるような状態になりつつあるように思える。しかし急がなければ。

A君:2001年末の予測に書かれていたことで、幸いなことには、東海大地震は起きませんでした。

B君:PRTRの結果の発表が、2002年中に行われなかったもので、これも先送り状態。

C先生:まあ、全体的には予測に近かった。マイナスイオン戦争も予測していた。しかし、予定以上だった。おかげで、このHPのアクセスが大幅に増えたので、悪くは無かったとも言えるが。


2003年の予測

C先生:2003年の環境は、まともに読めば、やはり京都議定書対応と、持続型消費の社会実現のための経済的枠組みの整備だろう。これが進めば、不景気にも効果的に作用するだろう。

A君:エネルギー税は可能になったような状況。ただし、エネルギー税は、リサイクルなどには、逆効果なので、どのような対策を取るかでしょう。

C先生:経済と環境の問題もここに含めておこう。

B君:もう一つがPRTRの結果発表に伴う反応。これは余り大きなものにはならないと思うが。

C先生:どこかの事業所で非常に特異な結果が問題にされなければ、全体としては大きな問題になるとは思えない。

A君:電磁波問題の方が大きく取り上げられるのではないでしょうか。

B君:様々な条件、特に、不公平性を見ても、電磁波だ。

C先生:化学物質の場合の最大のリスクは、実は従業員が背負っている。これが最後の砦だ。ところが電磁波問題のリスクは、子供・高圧線という2つの不公平性があるもので、問題になる条件が揃っている。

A君:マイナスイオンに相当するような問題は?

B君:マイナスイオンの生き残りの亡霊との戦いが多少残るだろう。その程度で終わるのではないか。

C先生:むしろ、容器包装リサイクル法の見直しが始まって、これをどうするかの方が問題。

A君:方向性としては、リサイクルよりもリユース。拡大製造者責任のさらなる拡大。

B君:それはその通り。しかし、どのようなシステム化がなされるか、それが問題。見本は、欧州だろうが、実は、韓国のシステムの方が、われわれよりもはるかに進んでいる。

C先生:本格的検討が開始されるのが、今年ということだろう。実施は、2007年になるのか。

A君:環境を多少離れて、2002年は今日まで起きなかった大型地震はどうでしょう。

B君:12月22日の記事で、こんなものが出た。
東南海・南海地震:死者1万2000人想定 防災会議・調査会

 中央防災会議の「東南海・南海地震に関する専門調査会」(座長・土岐憲三立命館大教授)は21日までに初の被害想定をまとめた。東南海地震と南海地震が同時発生した場合、建物倒壊による死者が、最大1万2000人に達すると予想している。津波被害を加えると、最終的な想定死者数は大幅に増える可能性がある。

 津波被害も、また、新幹線などの乗客の死亡は勘定に入っていないので、この数倍になる可能性もある。しかし、東南海、南海地震はまだまだ先のこと。東海地震が先。

C先生:東海地震は、太平洋プレートが日本列島にもぐり込み、それが、ひずみが溜まって跳ね返ることで起きる。御前崎や浜名湖あたりは、北西に向かって動いていれば、それは沈み込んでいることを示す。
http://cais.gsi.go.jp/tokai/sabun/index.html
にある国土地理院のGPSデータを見ると、ここ1年半ほどの動きは、逆向きで、東南方向に動いている(不正確な表現である、とT山さんからご注意をいただいた。これは、定常的な動きを差し引いた表示であって、絶対的な動きの方向は依然として西向きであるとのこと。しかし、さらに注意をしなければならないのは、絶対的な動きだとはいっても、実際には基準点=新潟県大潟町のGPS点(950241)との相対値である。解釈がなかなか難しい)。すなわち、跳ね返りがすでに起きはじめている。浜名湖周辺では地盤の隆起も観察されている。だから、東海地震は時間の問題

A君:それがいつか。もっとも早いと、2003年の春でしょうか。

B君:2004年2月説なるものがある。東海地震の場合には、なんらかの予報が出るのではないか、と期待している(前出のT山さんによれば、「この地域のスロースリップは、変動が続いているものの加速傾向はみられなくなりました。このスリップが地震に至るには、必ず加速過程があると考えています。それがないので、私は東海地震の発生が「時間の問題」とは考えていません。少なくとも、2003年の前半には起きないのではないかと考えています」)

C先生:地震の次は、やはりイラクか。生物兵器テロが本当に出るか。種痘をすべきかどうか。しかし、日本には250万人分しかない。

A君:北朝鮮も結構きな臭いですね。

B君:どうも2003年は、環境よりも戦争と天災か。

C先生:どうも嫌な予測になってしまったが、そうならないことを祈りつつ。
これで、本年最後のアップです。