アンケート回答

[山梨県知事]:天野 建氏

@日本の環境(自然環境から都市環境まで広い意味で)が現在どのような状態にあると認識していますか。
→日本全体としてみれば、温帯性気候のため四季がはっきりとしており山々にも緑が多   い。また、そこで育まれる水資源も概ね良好であり、世界的にも恵まれた自然環境をも   った国土であると認識しています。
   生活の基盤としての都市環境については、大都市への人口の集中や緑の減少、廃棄物の増大など、解決していかなければならない問題が多々あるものと考えています。
   マクロ的な視点からみれば、今日の環境問題は、多くの社会経済活動の中での物質循環の歪みが大きな原因であり、この物質循環が円滑に継続できるよう、個人のライフスタイルの転換や社会構造の変革が大切であると考えています。
同様に山梨県については如何でしょうか。
→ 県土の78%が森林であり、一言でいえば、まさに山紫水明の地であるといえます。この県土を将来の世代に引き継いでいくことは、我々の責務であると考えています。
     本県では平成5年4月に、
           ・快適な環境の享受の保障
           ・将来の世代に良好な環境を引き継ぐ責務
           ・人と自然との共生を基本とした環境倫理
           ・地球環境問題への積極的な対応
           ・持続可能な社会の構築
などを基本理念に目指すべき社会、県民、事業者、行政の役割を示した「環境首都憲章」  を制定したところである。この憲章が、県民の皆様、事業者の方々、行政のそれぞれの役割の下に、環境保全と創造に向けて一体となって展開する活動の指針となり、一人ひとりの行動の規範となることを願っているところであります。
A日本の環境を改善していくための具体的施策をお持ちですか。
→ 日本全体の環境改善に向けては、環境省をリーダーに国を挙げて取り組まれているところですが、「シンク  グローバリー  アクト  ローカリー」のキーワードのとおり全ての国民や事業者、行政が地球規模で考え、足下から行動することが大切であると考えています。
●同様に山梨県に置き換えた場合は如何ですか。
→ 本県においても、廃棄物発生量の拡大、ダイオキシン問題への対応、廃棄物処理施設設置の困難性などは大きな課題であり、リサイクルによるゴミ減量化の促進、県内処理体制の確立は大きな課題であります。しかし、本県は総人口が少なく、中小規模の市町村や企業が多いことから、廃棄物処理法の枠組みの中では、効率的にリサイクルを進めることは難しい実状があります。
   このため、本県では一般廃棄物と産業廃棄物を合わせてリサイクルを進めることとし、当面、再資源化システムの中核を担う「選別リサイクル施設」と発電、熱回収を行う「ガス化溶融施設」の整備に向け、市町村・産業界・県からなる「山梨県再資源化施設設置協議会」を H14年2月4日に設立し、
    ・再資源化施設の参加条件
    ・廃棄物の収集・運搬方法
    ・再資源化施設の事業主体
    ・事業関係者の役割分担  など、
実現に向けた協議を進めており、早期の実現に力を注いでいきたいと考えています。
B京都議定書の批准は正しいと思いますか。
→ 数ある地球環境問題のうち地球温暖化は最も重大であり、人類の存続のため世界の国々全てが、避けて通れない問題であると認識しています。その意味からも、1997年の京都会議は日本を議長国として開催され、京都議定書が採択されたことは、意義のあることと考えています。
Cその結果、CO2の6%削減により今の経済状況から、産業界ひいては国民全体に更なる負担を強いることについてどう考えますか。
→ 基準年である1990年と比べて日本は6%削減ということですが、実際は基準年以降CO2の排出は増加しており、目標達成のためには現時点における排出量から約11%を削減しなければならないとのことです。これは、産業界や国民のライフスタイルにとって、簡単にクリアーできる数字ではないと認識しています。
   しかし、かつて、石油ショック時を契機として産業界における省エネ技術が著しい進捗を見せたように、環境・エネルギー技術分野における研究開発の強化を期待するとともに、全ての国民に環境に配慮したライフスタイルが根付くことを期待します。
Dまた、経済超大国であるアメリカが離脱したことも含め、日本が国際社会でとるべき方針について意見をお聞かせ下さい。
→ 全世界のCO2排出量のうち、23.6%はアメリカが占めており最大の排出国であります。現状通り、政府はアメリカに対し京都議定書への復帰について他の参加国と連携を取る中でねばり強く説得していくべきと考えます。

E環境税導入についてどのように考えますか。
→ 環境に負荷を与える行為等に課税し、その税収をもって環境保全に資する施策を支援するような税制度の検討は必要があると考えております。
F諫早湾干拓計画について推進すべきか否か。有明海の生態系と農地拡大政策を含めた総合的な意見を聞かせて下さい。
→ 諫早湾干拓計画などの大規模プロジェクトについては、環境影響評価は勿論、地元住民などとの綿密な話し合いの下で行われるものと認識しています。本県には、当計画に関する環境影響評価のデータもなく、計画推進の経緯についても承知していません。
    従って、この質問については、お答えできないことをご理解ください。

G企業の環境担当者に対して何かご意見はありますか。
→ 事業者は、環境の保全と創造に努める社会的義務があることを認識し、製品等の生産、加工、販売、廃棄などの事業活動の各段階で、環境への負荷を少なくするよう、循環型経済システムの確立を目指して活動する企業市民としての役割を担うことを期待しています。
   本県には、約500社の事業者からなる「環境に関する企業連絡協議会」があり環境の保全に向けた各種の取組を連絡を取りながら自主的に行っています。こうした取組を大いに期待しているところであります。
H環境NP0に対して何かご意見はありますか。
→ 環境保全に向けた実践活動の輪を大きく広げていくことは、重要な課題であると考えます。
  その意味からも環境NPO(または、民間活動団体)の活動の盛り上がりを期待しています。
  本県には、「やまなし環境財団」があり、民間の活動団体の組織化や実際の取組に対し助成しています。今後も、多くの団体が積極的に環境活動に取り組めるよ う支援して参りたい。
I市民に対して、環境活動に関して、何かご意見はありますか。
→ 市民(県民)は、環境問題に取り組む主役であると考えています。その意味からも大気、水質、ゴミなど環境問題の現状や課題を明確に認識するとともに、それらの原因の多くが自らの日常生活に起因していることを自覚し、環境の保全と創造のために何ができるか、また、何をすべきかを考えていただきたい。地球にやさしい生活様式の確立を目指した活動を実践する主役としての役割を担っていただきたいと考えています。

J その他、環境に関することについてのお考えをご自由にお書きください。

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