アンケート回答

[静岡県知事]:石川嘉延氏

@日本の環境(自然環境から都市環境まで広い意味で)が現在どのような状態にあると認識していますか。
→ 最終処分場の確保が難しくなる一方、増大する廃棄物の処理問題、ダイオキシンや環境ホルモンなどの有害化学物質問題、身近な自然環境の喪失、更には地球規模の環境破壊など、環境問題は複雑化・多様化しており、その解決は、21世紀の最も重要な課題であると認識しています。
同様に静岡県については如何でしょうか。
→ 全国の状況は、多かれ少なかれ本県の状況でもありますが、特に、本県固有の問題としては、富士山における多くの登山者による環境負荷や山麓の廃棄物不法投棄、浜名湖流域の生活排水等による水質汚濁などがあり、総合的かつ計画的に対策を進めているところです。
A日本の環境を改善していくための具体的施策をお持ちですか。
→ 環境負荷が少なく、資源が高度に循環する社会の構築に向けてリサイクル関連法体系の整備や自動車税のグリーン化など、制度の整備も進められています。
 しかしながら、環境問題の解決のためには、私達のライフスタイルや経済社会システムそのものの見直しが不可欠であり、社会を構成する全ての主体が、自主的に環境保全への取組を進めていくことが何よりも重要です。
 その基盤としては、環境教育・環境学習の充実、各主体間の「環境コミュニケーション」の推進、環境にやさしい新技術の開発などが大切であります。
 また、人が生きていくためには、環境に全く影響を与えないことは残念ながら困難であり、私達の活動のあらゆる場面に環境配慮を織り込むとともに、環境アセスメント制度の充実なども検討していく必要があります。
 さらに、守るだけではなく、失われた自然環境の積極的な再生・復元を図っていく努力も重要ですし、里山に代表されるように人が適切に関わることにより維持されている自然もあることも、忘れてはいけないと思います。
●同様に静岡県に置き換えた場合は如何ですか。
→ 静岡県は、富士山、南アルプス、浜名湖、駿河湾、伊豆半島など、高山から深海に至る大変豊かな環境を有しており、私達は、この恵み豊かな環境を次代に継承していく必要があります。
 現在、環境の世紀を拓く確かな一歩進めていくため、新しい環境基本計画や地球温暖化防止対策推進計画、廃棄物処理計画などの改定を進めております。
 こうした計画に基づき、富士山の総合的な環境保全や浜名湖の水質改善、焼却灰の再資源化システムの構築、里山の保全と再生や、富士地域におけるモデル事業の展開など実効性のある温暖化対策、県民総ぐるみの環境保全活動など、様々な施策を効果的に展開し、環境のトップランナーを目指したいと考えています。
B京都議定書の批准は正しいと思いますか。
→ 地球温暖化問題は、人類の存続に関わる重要な問題であり、日本が議長国を務めた、京都会議で決定した議定書を批准することは、今後、国際的な温暖化対策を推進する上で不可欠なものであると考えます。
Cその結果、CO2の6%削減により今の経済状況から、産業界ひいては国民全体に更なる負担を強いることについてどう考えますか。
→ 経団連の自主行動計画における取組など経済界の創意工夫を活かしながら、環境と経済の両立を目指し、対応していくこと、また、我々のライフスタイルを簡素で質の高いものへと変革していくことなどが、なお一層、重要になると考えます。
Dまた、経済超大国であるアメリカが離脱したことも含め、日本が国際社会でとるべき方針について意見をお聞かせ下さい。
→ 米国の建設的な対応を引き続き求めていくとともに、発展途上国を含めた温室効果ガス削減に向けての国際的なルールが確立されるよう、最大限の努力をしていくことが重要と考えます。
E環境税導入についてどのように考えますか。
→ 環境税は、受益と負担の関係が明確になるうえ、環境に対する負荷の抑制と税収を財源として環境を改善するという二重の効果があるとされ、本県においても、富士山の環境保全など固有の問題については、環境保全の在り方と併せ検討を行っていますが、全国共通の環境問題に対しては、全国的な制度として導入した方が効果的であり、国における地球温暖化対策税制などの検討状況を注視しているところです。
F諫早湾干拓計画について推進すべきか否か。有明海の生態系と農地拡大政策を含めた総合的な意見を聞かせて下さい。
→ 現時点で改めて干拓事業の目的の見直しと有明湾全体の環境影響評価を実施し、これらに基づきパブリック・インボルブメントの手法などを導入して、続行、変更、中止など、今後の方策を決めるべきです。
G企業の環境担当者に対して何かご意見はありますか。
→ 企業の環境負荷に対する責任への社会的認識の高まりを背景として、環境へのやさしさが企業の重要な評価になる中、ISO14001の認証取得や環境報告書の発行などの取組も大手企業や先進的企業を中心に急速に増えており、心強く思っています。
 今後、こうした取組のほか、地域の環境教育・環境学習活動との連携などにより、住民等との双方向のコミュニケーションがより一層図られることを期待しています。
H環境NP0に対して何かご意見はありますか。
→ 環境NPOをはじめとした環境保全団体の役割は、年々高まっており、本県においても、NPOと連携した里山づくりや環境教育・環境学習を推進しておりますが、今後とも一層連携を深めていきたいと考えています。
I市民に対して、環境活動に関して、何かご意見はありますか。
→ レジ袋を断るなど、身の回りのできることから一歩一歩、環境にやさしい行動に取り組んでいただくことが大切と思います。静岡県では、環境NPOの代表や公募県民などと協働して、環境にやさしい30の項目を提案する環境行動宣言"HOPE"を作成し、県民の皆様や、事業者の方々、市町村に参加と行動を呼びかけています。県外の方でも大歓迎ですので、御関心のある方は、是非、本県のホームページを御覧いただきたいと思います。
 
J その他、環境に関することについてのお考えをご自由にお書きください。
→ 文明の発達に伴って環境問題は必ず発生します。これを克服するのもまた文明の力であります。そのような観点から環境についての総合的な科学研究と技術開発に力を注ぐべきと考えます。
K このホームページに関する感想をお聞かせ頂けると参考になります。
→ 皆様の御活躍を期待しております。
静岡県環境関連 Web Page:http://www.pref.shizuoka.jp/kankyou/index.htm