アンケート回答

[愛媛県知事]:加戸 守行氏

@日本の環境(自然環境から都市環境まで広い意味で)が現在どのような状態にあると認識していますか。
●同様に愛媛県については如何でしょうか。
→ 愛媛は、全国的にみれば多島美を誇る瀬戸内海や、リアス式海岸で美しいサンゴ礁も有する宇和海、西日本最高峰で周辺に原生林を有する石鎚山など、豊かな自然環境を未だ残している地域です。
 しかしながら、一時期見られた産業公害の海や河川の回復は認められるものの、近年の瀬戸内海の水質の回復停滞や、有害化学物質による環境汚染や自然界の生物多様性の毀損など、愛媛においても例外ではないものと認識しています。
 そのため、豊かな愛媛の自然環境を後世に引き継ぐには、従来の産業公害対策の範囲を大きく越え、資源循環型の社会づくり、脱温暖化社会づくり、人間と自然とが共生する社会システムづくりなど、広範な施策を実施し、速やかに効果あるものにすることが、全国的な課題であると同様に、本県にとっても避けて通れない課題と認識しています。
A日本の環境を改善していくための具体的施策をお持ちですか。
●同様に愛媛県に置き換えた場合は如何ですか。
→ 愛媛の環境を具体的で着実に改善する効果的施策の実施に努め、

地域生活環境の保全の面では、環境創造センターを設置し、生活排水等による公共用水域の水質改善のため微生物等を活用した民間技術の検証と有力技術の普及、小型水質改善装置(ポケットエコパーク)の開発と県内への整備促進、また、ダイオキシン対策として小型焼却炉の排出削減技術の開発と実用炉整備など、自治体としては思い切った環境技術開発と普及に努めています。

循環型社会の実現化の面では、11年度に循環型社会推進計画を策定し、その中核となるリサイクル産業育成に努め、ペットボトルリサイクル事業、ガラス容器リサイクル事業の操業を実現するとともに、エコタウン構想を策定し、環境ビジネス支援による地域循環システムづくりを積極的に進めています。

地球環境への貢献としては、本年度に温暖化防止指針を策定し、自治体の基本的役割である意識高揚のため、環境活動・学習の中核施設(エコハウス)や活動組織の整備に着手するとともに、県産木材を活用したバイオマス資源の活用構想や、県内の木材・畜産廃棄物等を燃料電池用に効率的にエネルギー転換する最先端技術の共同開発にも着手するなど、地域資源を軸とした新エネルギー社会づくりを進めることとしています。

また、人と自然の共生の面では、まず県土の7割を占める森林の保全のため、県内主要河川での流域全体の水源かん養森林の整備、漁民の森林やボランティアの森林の整備など、森林の公的機能に着目した県民参加の保全施策を始めるとともに、レッドデータブックの作成とそれに基づく愛媛に生息する貴重な野生生物を守る具体策や、開発と環境との共生を図る厳しいアセスメント条例の制定、瀬戸内海の環境保全愛媛県計画の見直しによる海砂利禁止の実行など、効果のある施策を進めています。

 これらの具体的で着実な環境施策とともに、県民と共に取り組むための環境情報提供体制の拡充や、環境パートナーシップを向上する意識高揚施策も積極的に進めています。
B京都議定書の批准は正しいと思いますか。
→ 質問の趣旨は、京都議定書の批准の方向が政府により示されたことではないかと思われますが、地球温暖化問題は、人類の生存基盤にかかわる地球規模の環境問題であることから、日本が世界の中でリーダーシップを持って国際的な合意に至り、世界的な対策をリードすることは重要であると考えます。
Cその結果、CO2の6%削減により今の経済状況から、
 産業界ひいては国民全体に更なる負担を強いることについてどう考えますか。
→ 現在の地球環境問題は、我々人類が化石燃料を大量消費したことによるものであること、また、その対策が急務であることから、産業界、国民などが一致協力して更なる努力をしなければならない課題であります。
 また、こうした状況は、かつての自動車マスキー法に対応する技術開発が日本車を世界ブランドに押し上げる契機となったように、新たな世界をリードする日本製産業技術出現の契機になる可能性も大いにあるものと期待しています。
Dまた、経済超大国であるアメリカが離脱したことも含め、
 日本が国際社会でとるべき方針について意見をお聞かせ下さい。
→ 地球温暖化対策を推進するためには、世界最大のCO2排出国・米国の対応が不可欠であることから、日本は引き続き、米国の京都議定書への復帰を求めるとともに、我が国としては、国際社会でのリーダーシップをとり、積極的に地球温暖化対策を推進すべきであると考えます。
E環境税導入についてどのように考えますか。
→ 質問は国税のことと思われますが、不特定多数の住民や事業者の環境負荷を増大させる行為が継続的に抑制されるとともに、税収を環境施策に重点配分することができるため、地球温暖化対策など広域的な環境問題に対応する国の環境税の導入は、環境対策を促進する上で、有効な方法の一つであるとともに、その税収配分については、地域住民・企業等への直接的な対応を進める自治体への財源配分も配慮すべきだと考えます。

F諫早湾干拓計画について推進すべきか否か。
 有明海の生態系と農地拡大政策を含めた総合的な意見を聞かせて下さい。
→ 将来にわたって、新鮮で安全な食料を安定的に供給するためには、今後とも生産性の高い優良農地の確保・保全に努めることが重要であると考えますが、諫早湾干拓計画につきましては、国と地元長崎県が協議のうえ、適正に実施されるものと考えておりますので、特段のコメントは差し控えさせていただきます。
G企業の環境担当者に対して何かご意見はありますか。
→ 企業活動は、地球環境対策や、循環型社会づくりの重大な要素であることから、企業の環境担当者に対する社会的要請はますます強くなってくるとともに、一方では、環境問題に対する企業方針は、今後の企業の社運にもかかわる経営上の重大な要素となってきており、両面からますます重要な立場にあるものと思います。
 そうしたことから、地域社会にとっては、環境にやさしい地域社会づくりの核となる環境パートナーシップの重要な一翼を担う事業者のキーマンとしての職責に期待し重要性を認識いただき、連携・協力を進めていきたいと思います。
H環境NP0に対して何かご意見はありますか。
→ 生産・消費・廃棄という社会構造そのものに起因する今の環境間題を解決するためには、事業者、県民、行政が一体となった環境パートナーシップの下に、社会全体で取り組んでいく必要があります。県としても、環境NPOによる環境に対する危機感、倫理観とともに、連携して県内の環境にやさしい社会づくりを進めていきたいと思います。
I市民に対して、環境活動に関して、何かご意見はありますか。
→ 身近な生活から、子どもたちと一緒になって環境に負荷をかけないライフスタイルを身につけるなど、家庭からの実践を着実に始めてもらいたいと思います。
 県でも、マイバック運動や環境家計簿など、まずは出来ることから始めて、ライフスタイルの見直しを広げたいと思います。
 特に、ペットボトル再生品のネクタイを買うことなどから始め、家族に対して家庭での実践の例を示し、家庭生活充実の契機にもしていただきたいと思います。
J その他、環境に関することについてのお考えをご自由にお書きください。
→ 環境問題は、現状の利便性をどの程度まで認め、捨てていくかの調和・折り合いの問題であると思います。
 人口の増加や発展途上国の経済発展意欲などから、特に先進諸国などは、現状の利便性を犠牲にして調和を図る必要性は不可避で、非常に深刻な問題です。そうした意味で、環境に関しては一層の規制の強化や、税金などでの強力な誘導施策を進めるべき重大な問題だと思います。
愛媛県環境関連 Web Page:http://www.pref.ehime.jp/kankyou/k-hp/kankyou2.htm