アサヒビール株式会社

特筆すべき点

・モルトフィードの再利用について、特許取得するレベルで技術開発している。

・自社にて林業所を所有し、CO2の固定化に貢献している。

・環境負荷統合指標としてアサヒビール独自の[AGE]を導入し、トータルでの環境負荷削減に利用している。

業種:食品
エコレポート2000
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今後の期待点

・前述林業所において単なる木材生産だけでなく、新たな木の利用に関する研究促進、更には森林を周辺生態系の一部ととらえた大きな意味での地球環境貢献まで進めてほしい。

・容器のリサイクルについて、回収率だけではなくリサイクル時の投入エネルギーもしくは放出CO2による評価を取り入れてほしい。

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感想

 報告書を通してイラストを多用し、一般消費者、場合によっては子供も含めた人たちが読むことを考慮しているように感じた。技術内容の説明についても、専門的な用語に対する解説を理解しやすいよう咀嚼して記述しており、表現に配慮が伺えた。フロー図など複雑な流れを説明する際には、文字だけではまず理解困難であり、工夫を凝らしたイラストが効果的であると思う。ただ、漫画的な表現については読む人により受ける印象も異なり、賛否の分かれるところであろう。対象閲覧者の中心をどの層にするかで表現の方法が変わってくるはず。

 ビール会社で社有林を林業所というかたちで所有していることについては、初めて知ったと同時に大きな期待感を持った。CO2排出削減を行う場合、工場からの排出率を減らすのが一般的であろうが、樹木による吸収固定化を手段の一つとすることは森林自体の生態系への効果も図ることができ、これからも是非さらなる推進をし、また、他社も競って採用してもらいたいと思った。