【大きい息子と狭い娘の話】

平和である、なんて地球規模ではとても言えたことではないのは解っているが、 少なくとも私の周りは平和すぎて何も書くことがない。先日遭遇した少々物騒な出来事を除いては、 本当に何もない。ないないない。お金もない。生理もない。 強いて挙げるとすれば、昨夜駐車場の壁に見つけた陰茎と睾丸の断面図(但し、かなりデフォルメされている)、 さらにその上に「OH, DICK ! YOU ARE MY SON ! THE BIGGEST OF KAWAGOE !」と殴り書きされていたことぐらいだろうか。 もしこれを書いたのが男子なら、確かにDICKはあなたの息子であるが、 川越ごときで一番大きいからといってそんなに喜ぶのはまだ早いだろう、と言いたい。

だが、そういう私は立ちはだかる壁を前に、一体何を書けばいいのだろう。 女子の場合は自らの器官を「娘」とは呼ばないし、DICKのような愛称もない。 たとえどんなに「THE NARROWEST」自慢がしたいBITCHも、こんな時にはなす術なしである (←私のことではないよ)。 寂しい。このままでは地球上の生きとし生ける全てのG点がいつになっても日陰モノである。ヒクヒク。

やはり、女子はもっと自らの器官を娘のように可愛がるべき時代が来ているのかもしれない。 いや、実は可愛がっているのかもしれないが、それはあくまでもヒカゲでのこと。 あまり公然堂々と我が身に愛着を示すことには、今のところ社会の目が痛い。 それでも年頃の女子なら「自慰なんて一度もしたことがありません」という顔をしながらも 自身の可愛がり方ぐらいは一通り知っているはずである。従って時折、男性雑誌に載っているアンケート、 「一体どれだけの女の子が自慰をしているのか?」というのは、生身の女子を見くびっている故の企画である。

と、何だかんだ言いつつ今は壁を前にしても特に描くこともなく背を向けるしかないのだが、いつの日か世界の津津浦浦で当然のように、 各々の民族色豊かな「娘自慢」が繰り広げられる日が訪れることを、密かに思い描く私なのであった。 CHEERS 4 OUR "NEW-BEE" !

1999-11-09


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