【美しい男】

本日は、「私にとって美しい男とは何か」について考えてみようと思う。超個人的な私見を述べまくるゆえ、気分を害される方も多々いらっしゃるだろうが、そのような場合、最後までお読み下さらなくて結構です。

実は私、なんだかんだ言っても結局、男は顔だと思っている。もちろん、顔の造作が整っているに越したことはないのだろうけど、私の場合は造作云々よりも人柄の良さが滲み出たような顔立ちに惹かれる傾向がある。(と言うか、顔の造作が整ったブサイクほど始末に負えないものはないですからな。)そして、更に言うならカッコイイ系よりもカワイイ系の顔立ちに惹かれる傾向がある。彫りは、あまり深くない方が好き。眉のカーブは緩やかで、目は一重で、黒目と白目のバランスが良くて、鼻筋がスッキリしていて、ちょっと厚めの唇を持つ、あまり輪郭の角ばっていないツルンとした顔が好みである。

我ながら、設定されたハードルはそんなに高めではない、と思う。しかしながら今までの私の人生の中で、素直に「ああ美しい」と感じられる男に出逢うことはごく稀であった。それについては、日常よく目にする男たちに共通する、非常に残念ないくつかの傾向に起因する。それを以下に述べてみよう。

一般的に男は、日頃から自分を美しく保つための努力を怠りがちだと思う。どちらかと言えば一時的に自分をカッコよく見せることばかりに神経を集中させているのが多数派。例えば煙草。どんな風に吸えば渋い男に見えるか、なんてことを考えながら吸っている間にその肌は老化が促進され、体臭がきつくなっていく。私は肌荒れのひどい体臭のきつい男は好まない。それよりは、煙草など吸わずに(街なかでの受動喫煙は不愉快ですから本当にカンベンして下さい)香りの良いお茶の淹れ方の一つも勉強した方が心に余裕が生まれるし、お茶の効能によって体臭も抑えられる。

そして例えば髭。ちょっと伸ばし気味の方がワイルドに見えるのではないかなどと勘違いしてしまった小汚い青年を最近よく見かけるのだが、あれは、ハグする時、私にとても不愉快なチクチク感をもたらす。まぁ数ある女の中にはあのチクチク感がたまらないという方もいらっしゃるようだが、私の場合は、ハグした時に相手に痛い思いをさせないよう髭の手入れをきちんとしているスベスベした男の方に軍配を上げたいと思う。

ところで私は男に対して、従来のような暴力的と紙一重の粗野な雰囲気や経済力や包容力といったものを求めない。例えば私が愛した男が「専業主夫になりたい」というのなら、喜んでその意思を尊重する。その代わり、ヒモのような生活を送ることは許せない。常に美しくあることを心がけ、家事一切を手際よく仕切り(時間がある限り私も進んで手伝いますが)、持ち前の人柄の良さを失わない努力をすることを怠らずにいてくれるなら、私は一企業戦士として、喜んでその男を経済的に支え、守り抜くことを誓うだろう。

そして最後にもう一つ、私が一番言いたかったこと。男の美しさ、それは常に「恥じるということを識っている」ということ。以上の文章を、自戒の意を込めて、ここに記すことにする。


2004-11-26


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