【みっぴーの安曇野見聞録/三日目】
おはよう!ついに晴れたわ!みっぴーの呪い・・・じゃなくて祈りが天に届いたようね。台風は昨夜遅くに通過して行きました。山が見える。辛い時、悲しい時、心の中であんなに焦がれた山が。ああ、今こそ声を出して言わせて頂戴。北アルプスさん、ただいまー!みっぴー、また戻ってきたわ!
さて、今日はここ安曇野でも水の美しさと日本一の広さで有名な大王わさび農場へお出かけすることにしたわ。まず、穂高駅前で自転車を借ります。というわけでレンタサイクル「しなの庵」さんへ。このお店はいつ来てもオシャレで新しい自転車が揃っているので、個人的にお薦めよ。普通のママチャリからマウンテンバイク、電動アシスト自転車まであります。今回、みっぴー達は話題の電動アシスト自転車をお借りしました。
目的地までは自転車で10分くらい。爽やかな秋晴れの空の下、ゆっくりと自転車をこいで畑や田圃を臨む静かな田舎道を抜けてゆくと、柔らかな風が、土や、緑の匂いを連れて頬を撫でていくの。目の前には2000mを越える雄大な山々が遠く連なっていて、まるで「おかえりなさい」と言ってくれているかのよう。ふと、涙があふれそうになるわ。私は父の優しさも母の温もりも知らずに育ったけれど、こうして山の懐に抱かれる時のなんとも言えない安堵のような感覚は、ちゃんと知っているのだもの。今、みっぴーは最高に幸せよ。
と言ってる間に、到着しました。ここが大王わさび農場の入口です。では早速、中に入ってみましょう。
見て見て!この広大なわさび田!相変わらずキレイな水を湛えているわ。ちなみにここ大王わさび農場は年中無休、入場無料なんですが、中はとっても広くて一時間以上もかけて散策ができるようになってるんです。他の観光地みたいに人でごった返すこともないので、みっぴーにとっては、登山などで安曇野を訪れた時には必ず立ち寄るお気に入りスポットでございます。
さて、これは何?ただのソフトクリームじゃないのよ。ここ大王わさび農場オリジナル・わさびソフトクリームなの。ちょっと淡いグリーンなのがわかるでしょ?食べてみると、ほんのりわさびの香りがします。で、美味しいかどうか、なんだけど・・・うーむ、これはねぇ、人によって評価が分かれるところだと思うわ。みっぴーの個人的な感想を言わせてもらえるなら、わさびはやっぱり薬味。だから甘いものとの相性が良いとは言えないんじゃないのかなーというのが正直なところね。でも、来るたびについつい食べちゃうんだけどさ。ま、話のタネに一度食べてみる、そういうものだと思っているわ。
そんなこんなで・・・いよいよ散策タイム。日本式の水車小屋が見えてきました。しかし、残念なことに、昨日までの台風による激しい降雨の影響で水が濁ってしまっているの。普段だったら、とってもキレイな流れなのよ。底までクッキリ透き通って見えるくらいにね。
散策路はわさび田の奥へ奥へと続いていきます。もうじき紅葉が始まろうとしている木々の間を、ゆっくりゆっくり進んでいきます。ここまで来ると、もう人っ子一人いません。ピーヨロヨロヨロ・・・という美しい鳴き声に空を見上げると、鳶がゆったりと蒼空を舞っています。それにしても、なんて静かなんでしょう。こんなに静かな秋の日は、きょうび、そんじょそこらじゃ見つからないわ。風の音と、鳶の鳴き声と、自分の足音しか聞こえない・・・今、みっぴーは、すごく贅沢な時間を過ごしているのね、と実感。
小一時間も歩いたかしら、そろそろまた農場の入口に戻ってこようかというところ、道祖神が並んでいるのを見つけたの。それらの一つ一つを愛でながら、みっぴーは感じたわ。道祖神が「みっぴー、我々のメッセージを汲み取ってくれ」と訴えているって。ええ、もちろんわかっていますとも。ラブ&ピースよ、永遠なれ。
散策を終えて・・・売店で新鮮なわさびを買って・・・もうこれ以上ないってぐらい満たされた気分で私達はホテルに戻りましたとさ。
そして夜・・・
「あぁ・・・噛んで・・・もっと強く・・・」
「フ・・・ここが感じるんだな・・・?」って、ちがーう!!そうじゃなくてっ!!空よ、空!!もう、満点の星空!!・・・画像載せられないのが悔しいくらい、それはもう見事な星空なのよ。星の数もさることながら、星の間にミルクを溶かしたような天の川までクッキリと見えたわ。外は冷え込んで寒かったけど、そんなことは気にならないぐらい、無言で見とれてしまうの。それにね、流れ星がいくつも見えたのよ。私、その度に「地球から戦争がなくなりますように」って祈ったわ。祈りながら、とても虚しい祈りだなと思ったわ。で、隣を見ると・・・
EN-SHOW君が「尹ちゃんと幸せに暮らせますように」って呟いていて、尹ちゃんが「EN-SHOW君と一緒に長生きできますように」って呟いていて、・・・みっぴー、その場からそっと姿を消すことにしたわ。っていうかー、おまえら死ぬまでやってろって感じ?・・・みっぴーが世界平和を祈ってる側で自分たちの幸せしか祈らないワケ?・・・と思っていたら、二人の口から同時に「戦争反対!」という凛とした声が。そう、そうよね、私達は祈ることしかできないのだもの、せめてこうして祈り続けましょうよ。強く、強く、思いを込めて。
2004-11-05
【回目録】 (C) 尹HM. 版権所有・不准転載.