【みっぴーのイーハトヴ見聞録/二日目/花巻】

花巻にやって来ました。花巻と言えば、賢治先生の出身地。ってことで、みっぴーの胸は朝からトキメキっ。言っとくけど皆さん、賢治先生はね、「雨ニモ負ケズ」だけじゃないのよ。もう、ありとあらゆることに興味をお示しになってね。よく人は「広く浅く」なんて言うけど、賢治先生の場合は「広く深く」なのよ。時を遡るチケットがあればぁ〜♪(←さだまさしさんの声でお願いします)一度でいい、一度でいいから、日本の明治時代に遡って、賢治先生とお話がしてみたい!!きっと時間を忘れるほど楽しいと思うの。あ、でも博識な人に限って無口だったりするからね。ま、そこがまたステキなんだけどぉ。

メモリアルー!

ちょっと辺鄙な山の中にある宮沢賢治記念館。感想は一言。もう、抱いてぇーー!って感じ。賢治先生スゴすぎ。文学、科学、農業、仏教、音楽、教育・・・それら全てに、傾倒してるし知識も知恵もある。とにかくね、「感嘆」の一言よ。私みたいな凡人は賢治先生の世界を語る言葉を持たないってわけ。そしてそれらがね、賢治先生の思想をさらに深遠なものにしていってるってのがわかるのね、ここの展示を見ると。とにかく、興味がある人は是非来てみて頂戴。死ぬほど人生に退屈している人には特にお薦めよ。

やっぱ、彼氏にするなら啄木より賢治先生よね。ああっ、でも、そんなこというのが畏れ多いぐらい、尊敬しているの。私なんか、千年生きたって多分賢治先生の境地には辿りつけないと思うわ。それにね、私が賢治先生をステキだなって思うのは、何より、いつも「人の為に」って考える人だったってことなのよ。人ってさ、ちょっと知識があるとすぐ薀蓄たれたがる生き物じゃない?でもね、彼はそうじゃなくて、自分で得た知識を人の為に役立てる道を模索する人だった。うっ・・・なんか、想像したら涙出てきたわぁ。賢治先生・・・なんでそんなに早く逝っちゃったのよぅ、うわぁぁぁぁぁん(号泣)。

私をつかまえてごら〜ん

と、ひととおり泣いたところで・・・記念館を出て、脇の小道を下っていくことにいたします。階段状にはなってますが結構急な坂です。転ぶと多分とんでもないことになってしまいますから気をつけませうね。

花壇に首ったけっ

坂を下りると、そこには賢治先生が設計したという花壇と日時計が再現されていました。花を愛する人は、心清き人・・・だったかしら?微妙に違うような気がするけど。とにかく、花壇、花壇、花壇、お花を大切に〜♪とかいう脳内BGMを振り切るために、花壇の周りを走り回って童心に帰ってみたわ。「わーい、賢治先生の花壇だー!」って叫んだら、お空の上から賢治先生がニッコリ微笑んで見下ろしてくれてるような気がしました。

とうとう来ました憧れの地!

さて、次にやってきたのは羅須地人協会。生前、賢治先生が教鞭を取っていらした花巻農学校(現花巻農業高校)とは地続きです。はやる心を押さえ切れずに協会の建物に向かって歩いていると、すれ違う高校生がことごとく、「こんにちはー!」と私達に挨拶をしてくれるのよ。最初は少し戸惑ったけど、嬉しいじゃないの!こういうのって!期せずして心なごむ出来事だったわ。

そんなこんなで、協会の建物には無事やってきたものの、鍵がかかっていたので、お隣の農業高校に鍵をお借りしに行きました。そして・・・

下ノ畑ってどこにあるの?

あの有名な、入口の黒板の文字。「下ノ畑ニ居リマス 賢治」・・・当時、この羅須知人協会は賢治先生の住処でもあったんだけど、冷害に苦しむ地元の農民のための稲作指導の場所でもあったのね。で、一階の部屋に入ってみたら人が集まれるようにストーヴの周りに木の椅子が並べてあって。そのフロアは地元の人のために開放してたんでしょうね。古いオルガンも置いてあったわ。賢治先生はここで作曲したり、オーケストラの練習なんかもしてたらしいのね。なんか、賢治先生らしい、こじんまりした中にも清々しさを感じられる家だったわ。そして時代を超えて、私も今、賢治先生の暮らしたこの部屋にお邪魔してるんだなぁって思うと、なんか・・・また涙腺が緩んできた・・・今日のみっぴーは振幅が激しいなぁ。だって憧れの人のお家だった場所なんですもの。

ところで、ちょっとさっき言いそびれたことを言わせて欲しいの。宮沢賢治記念館の隣のレストラン、「山猫軒」の従業員について。今一度、接客態度を再考していただきたいわ。あの賢治先生の童話の中から名前を借りているレストランで働いているのだという自覚を、きちんと持った方がよろしいんじゃないかしら。賢治先生のイメージを汚すような、無愛想でダレた態度は改めて欲しいわ。賢治ファンからの切なるお願いです。

それから、今日の〆に一言。賢治先生に足りないものがあるとすれば、それは「エロス」ね。おそらく、そっち方面には淡白な人だったんでしょうね。或いは、目覚める機会がなかったとか。


2003-08-29


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