【プルーンな人々】

日曜昼下がりのTV番組「新婚さんいらっしゃ〜い」に、「僕等の代わりに出てくれ」と、知り合いのゲイカップルに頼まれて困っている。彼等はかなり前からこの番組への出場を希望しており、わざわざ「ゲイでも出場できますか」とTV局に問い合わせまでしたらしい。ちなみに局側の答えは「NO」。出場者の条件として「婚姻」という形で籍を入れているカップルが対象となるので、たとえば養子縁組で一緒になっているゲイカップルでも、出場はさせてもらえないとのこと。

でも、時代に先駆けてゲイやレズビアンのカップルも「一緒に暮らしているなら出場可」ということにすれば、色んなイミで面白くなって視聴率も上がるような気がするけどな。それに最近は「結婚」という形に拘らない男女のカップルも増えているから、この際「同棲さんいらっしゃ〜い」とか「内縁さんいらっしゃ〜い」に番組名も変更するとか・・・とくれば、テーマ曲はやっぱり「神田川」リバイバルか?・・・チャンスだ、南こうせつ。

ところで前述の知人、なんでそんなにこの番組に出たいのかというと、どうやら出場記念に貰えるプレゼントの数々、特に「ミキプルーン」がお目当てであるらしく、パネルクイズに答えてあわよくば海外旅行、とかいうのには全く興味を示す様子がない。あくまでも狙いはミキプルーン。月経二日目の経血を思わせるようなドス黒エキスのアレだ。

で、思い出したのだが、高校時代に付き合っていた恋人の母親がやはりどうしようもなく「プルーン信者」だったのだ。自分だけがひたすらプルーンのご利益にあずかりつつ生きているのならまだしも、この人の場合は他人にも信者になることを強要する「プルーン宣教師」でもあったので始末に負えなかった。家に遊びに行けば、当然のように毎回必ず「お湯に溶かした熱々のプルーンエキス」がふるまわれ、この大地が育んだミラクルフルーツ・プルーンの素晴らしさを繰り返し繰り返し説き続ける彼女の母親は当時49歳なのであった。・・・頼むから早く二人っきりにしてくれ、っちゅうねん。


2001-10-25


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