ジェットコースターに夢中になるのは、何故か大概が女性である。かく言う私はあまり進んで乗る方ではないが、
乗ると必ず急降下の時点で「この感じは何かに似ている」と思う。ジリジリと昇り詰めて、そのあと一気に加速しながら落ちていく感じ、
女性なら覚えがあろう。そもそも走行時にかかる重力を「G」と形容すること自体、何やら妖しげな乗り物ではないか。
で、思い出したのだが、「女の人ってさぁ、あの時どんな感じになるの?」という男子からの蒼い質問。
私は一度たりとも納得のいく答えを返せたことがない。あんな時は、何も言わずに彼等を遊園地に連れて行き、
ジェットコースターに乗せた後「これを6倍に濃縮した感覚の中で体中を鳥の羽でこそばれまくった感じを想像してくれ。」とでも言ってみるべきだったのだろうか。
いや、何かちょっと違うかもしれないが。
と、そんなことを考えたのは、英会話教室の女性講師が「来月私は夏休みを取り、三重県に新しくできたもの凄いジェットコースターに乗りに行くつもりだ。
富士急ハイランドの「フジヤマ」もそれはもう凄かったが、もっと凄いものがあるかと思うと今からエキサイトして、
仕事が上の空になりそうだ。」と、こちらが寒くなるほど熱く語っているのを聞いたからである。彼女の眼には既に喜悦の色が浮かんでいた。
まったくもう、スキモノで困る。
2000-07-29
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