[ 平面上でのフォルム(形)と素材]
フォルム : 形に対する私の中での、直線から曲線への移行はごく自然に行われた気がする。欲求のようなもので、なんとなくキチッとした形からくずれ脱してみたかったのだ。この無限の形体(曲線)は私に新しい平面意識を与えてくれた。身体という意識が私の作品の中にはある。
身体には直線や直角は全く存在せず、全てが自然に成長し形成(造形)された形のような気がする。そして作品の中にもこのような身体的概念の線がある。形体美という「美しさ」は人間の意識の中にあり、その美しさの認識は人間の感覚に埋め込まれているのだと思う。私の制作はこのような、人間の内なる「形体美」を平面上でとらえ追求していくことなのである。
素材 : 私にとっては素材とは作品を作り上げるのに必要なものである。多くの素材(物質)を使って一つのまとまった作品を作る。物質だけを無機的に見せるのではなく、それらを画面の中で整理・構成をした形に見せたいのである。
素材同志の対比・融合によって出来る形体は全く異なった素材になる。つまり、素材+素材/素材-素材=新素材になる。そして私の場合、その新素材こそが作品そのものになる。つまり、物と物との出会い、それは物質ではなく造形物(作品)といえるようになるのである。
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