点火タイミング測定
点火時期とは ピストンによって圧縮された混合気を燃焼させるために
プラグに通電させる時期のことです
 
点火後 混合気の燃焼には時間がかかります
ピストンが少し下り掛けたところで最大の圧力を発生できるように圧縮の終る前で
火を付けなければいけません

燃焼のスピードはエンジン固有ですが ほぼ一定な速度なのでエンジンの回転数が
高くなってくると ますます手前で点火しなければ 上支点通過後10°近辺で
圧力が最大にはなりません

400ssの場合 この点火タイミングの自動調整は点火モジュールによって
定格調整されていますが 自動調整の定点を正しく決めてやるチェックです
点火時期調整は タイミングライトによって
点火の瞬間を視覚で確認してゆきます

点火した瞬間にストロボを発光させて
フライホイールを照らし クランクの回転
角度のどの位置で点火しているのかを
確認します

左のカバーの窓に見えるフライホイールに
刻印された マークをあわせるのですが
機構を確認してみましょう
二号エンジンを開けてみましょう

カバーの外周のボルトを外しても 簡単に
カバーは外れてくれません
クランクシャフトエンドが カバーに支持
されたベアリングにはまっているからです

クランクシャフトを押して カバーを釣り
上げるように浮かせます 
シフトシャフトに注意
  
カバーの裏側です

発電コイルの中心にあるのが ベアリング
です
点火時期の信号は フライホイールの
突起が 磁石内蔵のスイッチ上を
通過することで 点火の指示をだします
フライホイールとクランクシャフトは
キーによって 位置決めが行なわれている
ので 磁石内蔵のスイッチの位置をずらす
ことによって 調整ができます
  

フライホイールに打たれたマーキングです
黄色 TDC上支点
青 アイドリング時の点火位置
緑 最高進角位置
赤 マグネット位置

プラグホールからダイヤルゲージを差込 ピストンの上支点を実際に計ります
その時 黄色 TDC上支点が指針上にきているか確認します
タイミングライトを使い 
アイドリングから1700±200rpm で 青 アイドリング時の点火位置 6°
1700から2600±300rpm で変化しながら 緑 最高進角位置 32°に
指針が来ることを確認します
タイミングライトを照らしながら フラッシュoffで撮影 難しい
オイルがガラスの内側に飛び散り 歪んで撮れています

6°のマークです
ぎりぎりか少し 進みぎみでしょうか? 前後ろ共に同様です

定点とマークが離れすぎていて 見難いですガラスに線でも入れましょうか?

マーク自体が円形で幅の前後で1.5°程の違いがあります

フライホイールとマグネットセンサーの隙間は0.7±0.1mmと指定されていますが
この値の違いによっても タイミングがずれると教えてもらいました

点火モジュールの部品番号は 900も750も400も同じです
同じ進角のプログラムです
燃焼室の容量も圧縮比もカムプロフィールも 全く違うエンジンなのに
同じプログラムです   
がっかりしました 適当なんですね・・・・
これでは真価は発揮できません
もう少し気を入れて 考えてくれていると思ってました
安全の範囲内で基準点を振ったとしても プログラムが凡庸では
良くなるとは限りませんね

さらに追い討ち

HKS流エンジンチューニング読んでいたら P210に「点火プラグの電極形状によっては
点火時期は3−4°変化するので注意・・」

基準なんて無いのですね 調整が合えば最良になるわけでは無いのですね

さて どういたしましょうかね
  

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